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公開番号2024067999
公報種別公開特許公報(A)
公開日2024-05-17
出願番号2022178473
出願日2022-11-07
発明の名称真空脱ガス装置の浸漬管
出願人東京窯業株式会社
代理人個人,個人
主分類C21C 7/10 20060101AFI20240510BHJP(鉄冶金)
要約【課題】複数の環流ガス配管からの不活性ガスの吐出量のバラツキを低減することによって、内部を環流する溶融鋼の不均一な流れに起因して生ずる還流不足により溶鋼の品質が低下してしまう事態を防止することが可能な真空脱ガス装置の浸漬管を提供する。
【解決手段】浸漬管1の本体2は、芯金3、芯金の内側に設けられた内側耐火物層4、芯金の外側に設けられた外側耐火材層5等によって構成されており、当該本体の外周には、SGP製のパイプからなる16本の環流ガス配管6,6・・が設置されている。また、それらの環流ガス配管の基端は、集合管8に接続されており、その集合管に、不活性ガスを送り込むための3本の導入管9a,9b,9cが接続されている。導入管の総断面積(S1)と、前記集合管の断面積(S2)との比(S1/S2)が0.03以上であることを特徴とする。
【選択図】図2
特許請求の範囲【請求項1】
金属製で円筒状の芯金の内周および外周に耐火材層が形成されているとともに、前記芯金の外周の耐火材層の内側に、内部を流れる溶鋼に不活性ガスを吐出するための同一の断面積を有する複数の環流ガス配管が付設された真空脱ガス装置の浸漬管であって、
前記各環流ガス配管の基端が、それらの環流ガス配管より断面積の大きい集合管に接続されており、その集合管に、不活性ガスを送り込むための導入管が2本以上接続されているとともに、
それらの導入管の総断面積(S

)と、前記集合管の断面積(S

)との比(S

/S

)が0.03以上であることを特徴とする真空脱ガス装置の浸漬管。
続きを表示(約 360 文字)【請求項2】
前記導入管の断面積の和が1,000mm

以上であることを特徴とする請求項1に記載の真空脱ガス装置の浸漬管。
【請求項3】
前記各環流ガス配管が、基端を前記集合管の長手方向に沿って直線状に、かつ、等間隔に配置させた状態で集合管に接続されているとともに、
前記各導入管が、先端を前記集合管の中心軸に対して前記各環流ガス配管の基端と反対側に位置させた状態で集合管に接続されていることを特徴とする請求項1、または2に記載の真空脱ガス装置の浸漬管。
【請求項4】
前記各導入管の内の最も外側に位置したものから前記集合管の端縁までの長さと、前記各導入管同士の間隔の半分の長さとが等しくなっていることを特徴とする請求項3に記載の真空脱ガス装置の浸漬管。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、真空脱ガス装置等に用いられる溶鋼処理用の浸漬管に関するものである。
続きを表示(約 1,900 文字)【背景技術】
【0002】
製鋼の二次精錬の工程においては、真空脱ガス装置(真空脱ガス炉)を利用して、真空炉部分の下部に連設された一対の環流管の下側に、それぞれ浸漬管を接続し、それらの浸漬管を取鍋内の溶融鋼中へ浸漬し、上昇管として機能する片側の浸漬管に設けた環流ガス配管から不活性ガスを上昇管の内部へ吹き込みながら、溶鋼を循環させることによって、脱ガス処理が行われる。
【0003】
かかる浸漬管としては、特許文献1の如く、鉛直軸に沿った円筒状の芯金と、その芯金の内側に複数の直方体状のレンガを多段に組み付けることによって形成された肉厚な円筒状のレンガ層(内側耐火物層)と、流動性を有する不定形耐火物を固化させることによって芯金の外周に形成された肉厚な円筒状の不定形耐火物層(外側耐火物層)とを備えたものが知られている。
【0004】
また、真空脱ガス装置において効率良く溶融鋼の脱ガス処理を行うためには、不活性ガスによって溶融鋼の均一な流れを形成することが必要である。そのため、特許文献2の如く、不活性ガスの吹き込み口として機能する環流ガス配管が、複数に分割され、それらの環流ガス配管の先端が、内側耐火物層の同一の高さ位置において円周状に等間隔で並ぶように、浸漬管の本体の外周に配置される。さらに、それらの分割された環流ガス配管は、浸漬管を真空脱ガス装置へ装着する際の作業性から、それぞれの基端部分が一個所に集められて、集合管(ヘッダー管)に接続され、当該集合管を介して、外部から不活性ガスを供給されるようになっている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
特開平10-259415号公報
特開2013-76141号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、上記特許文献2の如き従来の浸漬管は、集合管への不活性ガスの供給が一箇所しかないので(すなわち、集合管へ不活性ガスを供給する導入管が一本しかないので)、不活性ガスを外部から集合管を介して各環流ガス配管へ供給する際に、各環流ガス配管へ圧力差を生じさせることなく供給することが困難であるため、各環流ガス配管の先端から浸漬管の内部への不活性ガスの吐出量がばらついてしまう。そして、そのように各環流ガス配管の先端からの不活性ガスの吐出量がばらつくと、ガス吐出量の少ない環流ガス配管に溶鋼が侵入して詰まってしまう結果、溶鋼の流れが不均一となって還流不足が起こってしまい、溶鋼の品質が低下する虞がある。
【0007】
本発明の目的は、上記従来の真空脱ガス装置の浸漬管が有する問題点を解消し、外周に設置された複数の環流ガス配管からの不活性ガスの吐出量のバラツキを低減することによって、不均一な溶鋼の流れに起因して生ずる還流不足により溶鋼の品質が低下してしまう事態を防止することが可能な真空脱ガス装置の浸漬管を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の内、請求項1に記載された発明は、金属製で円筒状の芯金の内周および外周に耐火材層が形成されているとともに、前記芯金の外周の耐火材層の内側に、内部を流れる溶鋼に不活性ガスを吐出するための同一の断面積を有する複数の環流ガス配管が付設された真空脱ガス装置の浸漬管であって、前記各環流ガス配管の基端が、それらの環流ガス配管より断面積の大きい集合管に接続されており、その集合管に、不活性ガスを送り込むための導入管が2本以上接続されているとともに、それらの導入管の総断面積(S

)と、前記集合管の断面積(S

)との比(S

/S

)が0.03以上であることを特徴とするものである。
【0009】
請求項2に記載された発明は、請求項1に記載された発明において、前記導入管の断面積の和が1,000mm

以上であることを特徴とするものである。
【0010】
請求項3に記載された発明は、請求項1、または2に記載された発明において、前記各環流ガス配管が、基端を前記集合管の長手方向に沿って直線状に、かつ、等間隔に配置させた状態で集合管に接続されているとともに、前記各導入管が、先端を前記集合管の中心軸に対して前記各環流ガス配管の基端と反対側に位置させた状態で集合管に接続されていることを特徴とするものである。
(【0011】以降は省略されています)

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