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公開番号2024059325
公報種別公開特許公報(A)
公開日2024-05-01
出願番号2022166939
出願日2022-10-18
発明の名称コークスの製造方法
出願人日本製鉄株式会社
代理人個人,個人,個人,個人,個人,個人
主分類G01N 23/046 20180101AFI20240423BHJP(測定;試験)
要約【課題】成型炭と粉炭とを含む配合炭を容器に充填した際に生じる成型炭周囲の空隙量を配合炭の性状によらず高精度に解析可能である、成型炭周囲の空隙量の解析方法、当該解析方法を用いた成型炭周囲の空隙量の推定方法、及び、当該解析方法又は当該推定方法を用いて高強度のコークスを製造する方法を提供する。
【解決手段】成型炭と粉炭とを含む配合炭を容器に充填した際に生じる成型炭周囲の空隙量の解析方法であって、X線CT断面画像の3D解析において、成型炭部の周縁から成型炭部と相似形で1回あたり1単位体積を膨張させる膨張処理を行い、膨張処理の各回において体積増加した領域の体積に粉炭部の平均密度と空隙部の平均密度との差分値を乗じて充填低下量を算出し、当該充填低下量を全膨張処理回数で積算して積算充填低下量を算出し、当該積算充填低下量を成型炭周囲の空隙量の指標とする、方法。
【選択図】図1
特許請求の範囲【請求項1】
成型炭と粉炭とを含む配合炭を容器に充填した際に生じる成型炭周囲の空隙量の解析方法であって、
試験装置を用いて自然落下により成型炭と粉炭とを試験容器に充填し、
X線CTにより試験容器内の断面画像を撮像し、
得られた断面画像の3D解析によって成型炭周囲の空隙量を求め、
前記3D解析において、
密度が既定値を超える高密度部と、密度が前記既定値以下である低密度部とをそれぞれ規定し、
前記高密度部を既定形状パラメータでフィルタリングして成型炭部を規定し、
任意に、前記高密度部のうち、前記成型炭部以外の領域であり且つ体積が既定値を超える領域を塊成炭部と規定し、前記塊成炭部は画素データ不存在として取扱うことで解析対象から除外し、
前記成型炭部の周縁から前記成型炭部と相似形で1回あたり1単位体積を膨張させる膨張処理を(n+1)回以上行い、但しnは自然数であり、
前記(n+1)は、(n+1)回目の膨張処理で体積増加した領域の平均密度が、n回目の膨張処理で体積増加した領域の平均密度と略同一である数であり、
n回目以降の膨張処理で体積増加した領域の平均密度を閾値とし、
膨張処理の各回において体積増加した領域について、密度が前記閾値を超える領域を粉炭部、密度が前記閾値以下である領域を空隙部とそれぞれ規定し、
膨張処理の各回において体積増加した領域について、前記粉炭部の平均密度と前記空隙部の平均密度との差分値を算出し、
膨張処理の各回において体積増加した領域の体積に前記差分値を乗じて充填低下量を算出し、
前記充填低下量を全膨張処理回数で積算して積算充填低下量を算出し、前記積算充填低下量を成型炭周囲の空隙量の指標とする、
成型炭周囲の空隙量の解析方法。
続きを表示(約 910 文字)【請求項2】
成型炭と粉炭とを含む配合炭を容器に充填した際に生じる成型炭周囲の空隙量の推定方法であって、
粒度構成が互いに異なる水準及び水分率が互いに異なる水準が含まれるように選定した複数種の粉炭サンプルの各々と、任意に選定した成型炭サンプルとの組合せである複数種の配合炭サンプルを調製し、
各配合炭サンプルについて、請求項1に記載の成型炭周囲の空隙量の解析方法に従ってサンプル積算充填低下量を求め、
前記粉炭サンプルの粒度構成及び水分率と前記サンプル積算充填低下量との関係に基づいて、粉炭の粒度構成及び水分率と積算充填低下量との関係式(I)を求め、
コークス製造における使用予定の粉炭と、任意に選定した解析用成型炭との組合せである配合炭について、前記使用予定の粉炭の粒度構成及び水分率の値を前記関係式(I)に代入して積算充填低下量推定値を算出し、前記積算充填低下量推定値を成型炭周囲の空隙量の指標とする、
成型炭周囲の空隙量の推定方法。
【請求項3】
成型炭と粉炭とを含む配合炭を用いたコークスの製造方法であって、
試験用に選択した配合炭サンプルについて、請求項1に記載の成型炭周囲の空隙量の解析方法によって算出される積算充填低下量と、成型炭部SVを変化させてもコークス強度が一定であるような成型炭部SV範囲の下限である成型炭部SV下限値との関係式(II)を予め求めておき、
コークス製造における使用予定の粉炭と、任意に選定した解析用成型炭との組合せである配合炭について、請求項1に記載の成型炭周囲の空隙量の解析方法に従って積算充填低下量を求め、又は請求項2に記載の成型炭周囲の空隙量の推定方法に従って積算充填低下量推定値を求め、
前記積算充填低下量又は前記積算充填低下量推定値を前記関係式(II)に代入して成型炭部SV下限値を求め、
SV実測値が前記成型炭部SV下限値以上である成型炭を製造し、
前記使用予定の粉炭と、製造された成型炭とで構成される配合炭をコークス製造に供する、
コークスの製造方法。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、コークスの製造方法に関する。
続きを表示(約 3,700 文字)【背景技術】
【0002】
従来、高炉操業に使用されるコークスの製造においては、良質の強粘結炭の資源量枯渇化への対処として、成型炭と粉炭とで構成される配合炭における非微粘結炭などの劣質炭の配合割合を多くしつつコークス強度を良好に維持する方法が種々検討されている。劣質炭を含む配合炭を用いて所望のコークス強度を得るためには、石炭の事前処理プロセスが有用であり得る。例えば、石炭の乾燥プロセスとして、調湿炭装入法(Coal Moisture Coal; CMC)、微粉炭塊成化法(Dry-cleaned and Agglomerated Pre-compaction System; DAPS)等、成型炭など成型物を配合するプロセスとして、微粉炭塊成化法(Dry-cleaned and Agglomerated Precompaction System; DAPS)、成型炭配合法、そのほか石炭の粉砕粒度調整方法等がそれぞれ知られており、これらは適宜組合される。
【0003】
上記のような石炭の事前処理プロセスを適宜に利用して粉炭の粒度構成及び水分率を調整することで、粉炭の膨張性が比較的低い場合であっても、コークス中の残存空隙を低減して良好なコークス強度を得ることが可能になる。但し、成型炭を配合した場合に成型炭の周囲に空隙が生じ、乾留後にも成型炭周囲の空隙が残存することがある。残存する成型炭周囲の空隙はコークス強度の低下を引き起こすため、乾留時に成型炭周囲の空隙を充填するだけの膨張性を有する成型炭の製造が重要である。成型炭周囲の空隙を充填するのに必要な成型炭の膨張性を把握し、配合炭を構成する石炭の配合を決定するためには、コークス炉に装入された配合炭が成型炭周囲に有する空隙の量を正確に見積もることが重要である。
【0004】
特許文献1は、成型炭と石炭を粉砕した粉炭を配合した配合炭とをコークス炉に装入して乾留するコークスの製造方法において、試験装置を用いて自然落下により成型炭と石炭を粉砕した粉炭を配合した配合炭とを容器に充填して、X線CTにより容器内の断面画像を撮像し、得られた断面画像から、成型炭周囲に形成されている空隙の最大幅Wを定量化し、さらに、試験装置を用いて成型炭の乾留時の最大膨張体積を測定して、成型炭の膨張量を膨張前後の円相当径の変化量Δr(mm)として求め、求められた変化量Δrが前記最大幅W(mm)の40%未満の場合は成型炭を構成する石炭配合を変更し、前記変化量Δrが前記最大幅Wの40%以上となる石炭配合を求め、この配合に基づき製造した成型炭を用いることを特徴とするコークスの製造方法を提供する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
特開2014-224242号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
特許文献1に記載される方法では、成型炭と粉炭とを含む配合炭における成型炭周囲の空隙を二次元画像解析により幅として評価する。しかしこの方法には、成型炭周囲の空隙が小さ過ぎる場合、塊成炭を含む粉炭を用いる場合等における評価の正確性の点で、なお改善の余地がある。
【0007】
また、コークスの製造に際して、特許文献1に記載される方法で求められる成型炭周囲の空隙量の値を利用し、目標コークス強度を得るのに必要な成型炭の膨張性の値(具体的には、SV(比容積))を算出することで、配合炭を構成する石炭の配合を決定することができる。しかし、使用する粉炭の粒度構成を変更したりすると、特許文献1に記載される方法で求められる目標コークス強度を得るのに必要な成型炭部SVと、当該目標コークス強度との対応関係が、成型炭部SV実測値とコークス強度実測値との対応関係と一致しなくなる場合があるという問題があった。
【0008】
上記のように、特許文献1に記載される方法では、粉炭粒度構成によらず、成型炭周囲の空隙量を高精度に解析可能とするためには、さらに改善の余地があった。
【0009】
本発明の一態様は、上記の課題を解決し、成型炭と粉炭とを含む配合炭を容器に充填した際に生じる成型炭周囲の空隙を粉炭の粒度構成によらず高精度に解析可能である、成型炭周囲の空隙量の解析方法、当該解析方法を用いた成型炭周囲の空隙量の推定方法、及び、当該解析方法又は当該推定方法を用いて高強度のコークスを製造する方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明の要旨は、以下のとおりである。
[1] 成型炭と粉炭とを含む配合炭を容器に充填した際に生じる成型炭周囲の空隙量の解析方法であって、
試験装置を用いて自然落下により成型炭と粉炭とを試験容器に充填し、
X線CTにより試験容器内の断面画像を撮像し、
得られた断面画像の3D解析によって成型炭周囲の空隙量を求め、
前記3D解析において、
密度が既定値を超える高密度部と、密度が前記既定値以下である低密度部とをそれぞれ規定し、
前記高密度部を既定形状パラメータでフィルタリングして成型炭部を規定し、
任意に、前記高密度部のうち、前記成型炭部以外の領域であり且つ体積が既定値を超える領域を塊成炭部と規定し、前記塊成炭部は画素データ不存在として取扱うことで解析対象から除外し、
前記成型炭部の周縁から前記成型炭部と相似形で1回あたり1単位体積を膨張させる膨張処理を(n+1)回以上行い、但しnは自然数であり、
前記(n+1)は、(n+1)回目の膨張処理で体積増加した領域の平均密度が、n回目の膨張処理で体積増加した領域の平均密度と略同一である数であり、
n回目以降の膨張処理で体積増加した領域の平均密度を閾値とし、
膨張処理の各回において体積増加した領域について、密度が前記閾値を超える領域を粉炭部、密度が前記閾値以下である領域を空隙部とそれぞれ規定し、
膨張処理の各回において体積増加した領域について、前記粉炭部の平均密度と前記空隙部の平均密度との差分値を算出し、
膨張処理の各回において体積増加した領域の体積に前記差分値を乗じて充填低下量を算出し、
前記充填低下量を全膨張処理回数で積算して積算充填低下量を算出し、前記積算充填低下量を成型炭周囲の空隙量の指標とする、
成型炭周囲の空隙量の解析方法。
[2] 成型炭と粉炭とを含む配合炭を容器に充填した際に生じる成型炭周囲の空隙量の推定方法であって、
粒度構成が互いに異なる水準及び水分率が互いに異なる水準が含まれるように選定した複数種の粉炭サンプルの各々と、任意に選定した成型炭サンプルとの組合せである複数種の配合炭サンプルを調製し、
各配合炭サンプルについて、上記[1]に記載の成型炭周囲の空隙量の解析方法に従ってサンプル積算充填低下量を求め、
前記粉炭サンプルの粒度構成及び水分率と前記サンプル積算充填低下量との関係に基づいて、粉炭の粒度構成及び水分率と積算充填低下量との関係式(I)を求め、
コークス製造における使用予定の粉炭と、任意に選定した解析用成型炭との組合せである配合炭について、前記使用予定の粉炭の粒度構成及び水分率の値を前記関係式(I)に代入して積算充填低下量推定値を算出し、前記積算充填低下量推定値を成型炭周囲の空隙量の指標とする、
成型炭周囲の空隙量の推定方法。
[3] 成型炭と粉炭とを含む配合炭を用いたコークスの製造方法であって、
試験用に選択した配合炭サンプルについて、上記[1]に記載の成型炭周囲の空隙量の解析方法によって算出される積算充填低下量と、成型炭部SVを変化させてもコークス強度が一定であるような成型炭部SV範囲の下限である成型炭部SV下限値との関係式(II)を予め求めておき、
コークス製造における使用予定の粉炭と、任意に選定した解析用成型炭との組合せである配合炭について、上記[1]に記載の成型炭周囲の空隙量の解析方法に従って積算充填低下量を求め、又は上記[2]に記載の成型炭周囲の空隙量の推定方法に従って積算充填低下量推定値を求め、
前記積算充填低下量又は前記積算充填低下量推定値を前記関係式(II)に代入して成型炭部SV下限値を求め、
SV実測値が前記成型炭部SV下限値以上である成型炭を製造し、
前記使用予定の粉炭と、製造された成型炭とで構成される配合炭をコークス製造に供する、
コークスの製造方法。
【発明の効果】
(【0011】以降は省略されています)

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