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公開番号2024048561
公報種別公開特許公報(A)
公開日2024-04-09
出願番号2022154534
出願日2022-09-28
発明の名称焼結鉱の製造方法
出願人日本製鉄株式会社
代理人弁理士法人樹之下知的財産事務所
主分類C22B 1/16 20060101AFI20240402BHJP(冶金;鉄または非鉄合金;合金の処理または非鉄金属の処理)
要約【課題】成品焼結鉱の品質を速やかに向上させる。
【解決手段】複数種の鉄鉱石、副原料、及び凝結材を含む配合原料を焼結機に装入し、装入した配合原料を焼結して焼結ケーキを製造し、焼結ケーキを成品焼結鉱と返鉱とに分級装置で篩分けし、篩分けした成品焼結鉱を高炉設備に搬送する焼結鉱の製造方法において、高炉設備に搬送中の成品焼結鉱の少なくとも一つの成分の濃度を連続的に測定し、測定により得られた成分濃度データに基づいて、複数種の鉄鉱石、副原料、及び凝結材のうちの少なくとも一つの配合量、又は、複数種の鉄鉱石の配合比の調整を行う。
【選択図】図1
特許請求の範囲【請求項1】
複数種の鉄鉱石、副原料、及び凝結材を含む配合原料を焼結機に装入し、
装入した前記配合原料を焼結して焼結ケーキを製造し、
前記焼結ケーキを成品焼結鉱と返鉱とに分級装置で篩分けし、
篩分けした前記成品焼結鉱を高炉設備に搬送する焼結鉱の製造方法において、
前記高炉設備に搬送中の前記成品焼結鉱の少なくとも一つの成分の濃度を連続的に測定し、
測定により得られた成分濃度データに基づいて、前記複数種の鉄鉱石、前記副原料、及び前記凝結材のうちの少なくとも一つの配合量、又は、前記複数種の鉄鉱石の配合比の調整を行う、焼結鉱の製造方法。
続きを表示(約 830 文字)【請求項2】
前記成分濃度データに基づいて、さらに、前記焼結ケーキを前記成品焼結鉱と前記返鉱とに篩分けする前記分級装置の分級強度の調整を行う、請求項1に記載の焼結鉱の製造方法。
【請求項3】
所定時間分の前記成分濃度データと所定の目標値とに基づいて、前記複数種の鉄鉱石、前記副原料、及び前記凝結材のうちの少なくとも一つの配合量、又は、前記複数種の鉄鉱石の配合比を調整する、請求項1に記載の焼結鉱の製造方法。
【請求項4】
測定対象となる前記成分は、CaO、SiO

、Al



、MgO、FeO、及びCのうちの少なくとも一つである、請求項1に記載の焼結鉱の製造方法。
【請求項5】
前記分級強度の調整は、前記成分濃度データに代えて、前記分級装置による篩分け後にサンプリングした焼結鉱の粒度分析結果に基づいて行う、請求項2に記載の焼結鉱の製造方法。
【請求項6】
測定対象となる前記成分は、CaO、Al


3、
及びMgOの少なくともいずれか一つの成分を含み、測定した前記CaO、Al



、及びMgOの少なくともいずれか一つの成分の成分濃度データに基づいて、前記分級強度の調整を行う、請求項2に記載の焼結鉱の製造方法。
【請求項7】
前記測定において、
前記高炉設備に搬送中の前記成品焼結鉱にレーザ光を照射することで、成品焼結鉱粒子の表面付着物及び/又は水分を除去する前処理を行い、
前記前処理において前記レーザ光が照射された部位の少なくとも一部に対し、分析用のレーザ光を照射し、レーザ誘起ブレークダウン分光法による成分分析を行うことにより、前記成分濃度データを得る、請求項1乃至請求項6のいずれか1つに記載の焼結鉱の製造方法。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、高炉用の焼結鉱を製造する焼結鉱の製造方法に関する。
続きを表示(約 2,900 文字)【背景技術】
【0002】
現在、高炉製銑の主原料は、焼結鉱である。高炉原料となる焼結鉱(成品焼結鉱)は、一般的に、鉄鉱石を含む焼結鉱製造用の原料(焼結原料)を下方吸引式のドワイトロイド(DL)式焼結機内で焼結した後に、粉砕、篩分け等により所定の粒度に整粒して製造される。成品焼結鉱は、4~7時間ごとにサンプリングされて、蛍光X線分析や化学分析により元素組成が測定される。そして、この測定データに基づいて、焼結鉱の製造工程や高炉操業が管理される。
【0003】
近年、均質かつ質の良い鉄鉱石は枯渇傾向にあり、焼結原料として使用される鉄鉱石の劣質化により脈石などの成分が多く含まれるようになった。その結果、同じロット内でも焼結鉱の成分に変動が生じるようになった。高炉操業の生産効率向上のためには、焼結鉱の成分変動に応じて、焼結鉱の製造工程における焼結原料の配合比率、高炉操業における高炉原料の配合比率や操業条件(炉内温度や圧力など)を、きめ細やかに管理する必要がある。しかしながら、従来の焼結鉱の製造工程や高炉操業の管理は、上述したように、所定の時間間隔で搬送中の成品焼結鉱の中から試料を採取し、その成分分析結果に基づいて実施されていた。成分分析結果がわかるまでに時間を要するため、焼結鉱の成分変動に成分分析追いつかず、適切な管理を実施することが難しくなっていた。
【0004】
これに対し、特許文献1には、ベルトコンベア(コンベア)上を搬送される焼結鉱などの成分をリアルタイム分析装置で連続測定する技術が開示されている。具体的には、特許文献1には、成品焼結鉱、塊鉄鉱石および副原料を含む高炉原料を高炉に装入する高炉操業方法であって、焼結原料を焼結して焼結ケーキとする焼結工程と、焼結ケーキを破砕して焼結鉱とする破砕工程と、焼結鉱を冷却する冷却工程と、冷却された焼結鉱を、成品焼結鉱と返鉱とに篩分けする篩分け工程と、冷却された焼結鉱、成品焼結鉱および返鉱の少なくとも1つの成分濃度を測定する測定工程と、高炉原料に含まれる成品焼結鉱、塊鉄鉱石および副原料の配合量を調整する調整工程と、を有し、調整工程では、測定工程で測定された成分濃度を用いて高炉原料の配合量を調整し、測定工程ではコンベア上を搬送される、冷却された焼結鉱、成品焼結鉱および返鉱の少なくとも1つの成分濃度を連続測定する技術が開示されている。
【0005】
また、特許文献1には、赤外線分析計により、成品ラインのコンベア上を搬送される成品焼結鉱の成分濃度をオンラインで連続測定し、その測定値を用いて高炉原料の配合量を調整することにより、安定した高炉操業が実施できることが記載されている。また、オンラインでの連続測定は、反射光を分光する方式のものに限らず、透過光を分光する方式のものを用いてもよく、レーザ分析計、中性子分析計、マイクロ波分析計を用いてもよいことが記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
国際公開第2018-110521号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら、特許文献1に記載されているのは、高炉原料の配合量を調整する高炉操業方法であり、焼結鉱の製造工程を管理するものではなかった。本発明は、高炉原料としてより適した成品焼結鉱を高炉に搬送することができる焼結鉱の製造方法を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0008】
(1)複数種の鉄鉱石、副原料、及び凝結材を含む配合原料を焼結機に装入し、
装入した前記配合原料を焼結して焼結ケーキを製造し、
前記焼結ケーキを成品焼結鉱と返鉱とに分級装置で篩分けし、
篩分けした前記成品焼結鉱を高炉設備に搬送する焼結鉱の製造方法において、
前記高炉設備に搬送中の前記成品焼結鉱の少なくとも一つの成分の濃度を連続的に測定し、
測定により得られた成分濃度データに基づいて、前記複数種の鉄鉱石、前記副原料、及び前記凝結材のうちの少なくとも一つの配合量、又は、前記複数種の鉄鉱石の配合比の調整を行う、焼結鉱の製造方法。
(2)前記成分濃度データに基づいて、さらに、前記焼結ケーキを前記成品焼結鉱と前記返鉱とに篩分けする前記分級装置の分級強度の調整を行う、(1)に記載の焼結鉱の製造方法。
(3)所定時間分の前記成分濃度データと所定の目標値とに基づいて、前記複数種の鉄鉱石、前記副原料、及び前記凝結材のうちの少なくとも一つの配合量、又は、前記複数種の鉄鉱石の配合比を調整する、(1)に記載の焼結鉱の製造方法。
(4)測定対象となる前記成分は、CaO、SiO

、Al



、MgO、FeO、及びCのうちの少なくとも一つである、(1)に記載の焼結鉱の製造方法。
(5)前記分級強度の調整は、前記成分濃度データに代えて、前記分級装置による篩分け後にサンプリングした焼結鉱の粒度分析結果に基づいて行う、(2)に記載の焼結鉱の製造方法。
(6)測定対象となる前記成分は、CaO、Al


3、
及びMgOの少なくともいずれか一つの成分を含み、測定した前記CaO、Al



、及びMgOの少なくともいずれか一つの成分の成分濃度データに基づいて、前記分級強度の調整を行う、(2)に記載の焼結鉱の製造方法。
(7)前記測定において、
前記高炉設備に搬送中の前記成品焼結鉱にレーザ光を照射することで、成品焼結鉱粒子の表面付着物及び/又は水分を除去する前処理を行い、
前記前処理において前記レーザ光が照射された部位の少なくとも一部に対し、分析用のレーザ光を照射し、レーザ誘起ブレークダウン分光法による成分分析を行うことにより、前記成分濃度データを得る、(1)乃至(6)のいずれか1つに記載の焼結鉱の製造方法。
【発明の効果】
【0009】
搬送中の成品焼結鉱の成分濃度を連続的に測定して、この測定データに基づいて、焼結原料の配合を調整することにより高炉原料としてより適した成品焼結鉱を高炉に搬送することができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
本発明の焼結鉱製造工程を示す図である。
発明例2-1における成品焼結鉱の-5mm質量比率の時間変移を示すグラフである。
発明例2-2における回転数指標と成品焼結鉱の-5mm質量比率の時間変移を示す2軸グラフである。
比較例2-1における成品焼結鉱の-5mm質量比率の時間変移を示すグラフである。
【発明を実施するための形態】
(【0011】以降は省略されています)

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