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公開番号2024054519
公報種別公開特許公報(A)
公開日2024-04-17
出願番号2022160783
出願日2022-10-05
発明の名称ステンレス鋼材およびその製造方法
出願人日鉄ステンレス株式会社
代理人個人,個人
主分類C22C 38/00 20060101AFI20240410BHJP(冶金;鉄または非鉄合金;合金の処理または非鉄金属の処理)
要約【課題】Tiを添加しながらMn、Mg、Al、Crを含有し、相当円直径が3μm以上である複合酸化物系介在物の生成される量を制御し、鏡面研磨性に優れるステンレス鋼材およびその製造方法を提供する。
【解決手段】質量%で、C、Si、Mn、P、S、Ni、Cr、Al、Ti、O、N、Ca、および、Mgを含み、残部がFeおよび不可避的不純物からなる化学組成を有するステンレス鋼材であって、ステンレス鋼材の結晶粒度が4以上であり、Mn等を含有する相当円直径が3μm以上である複合酸化物系介在物が存在し、複合酸化物系介在物中における、MnOおよびMgOの合計濃度が10.0質量%以上50.0質量%以下であり、Al2O3、Cr2O3およびTi2O3の合計濃度が30.0質量%以上80.0質量%以下であり、かつ、Ti2O3の濃度が0.01質量%以上5.00質量%以下であるステンレス鋼材。
【選択図】なし

特許請求の範囲【請求項1】
質量%で、
C:0.001%以上0.150%以下、
Si:0.1%以上3.0%以下、
Mn:0.1%以上15.0%以下、
P:0.005%以上0.040%以下、
S:0.0001%以上0.0100%以下、
Ni:2.0%以上20.0%以下、
Cr:10.0%以上30.0%以下、
Al:0.0001%以上0.01%以下、
Ti:0.001%以上0.019%以下、
O:0.001%以上0.02%以下、
N:0.01%以上0.5%以下、
Ca:0.0001%以上0.005%以下、および、
Mg:0.0001%以上0.0030%以下を含み、残部がFeおよび不可避的不純物からなる化学組成を有するステンレス鋼材であって、
前記ステンレス鋼材の結晶粒度が4以上であり、
前記鋼材中に、Mn、Mg、Al、CrおよびTiを含有し、相当円直径が3μm以上である複合酸化物系介在物が存在し、
複合酸化物系介在物中における、MnOおよびMgOの合計濃度が10.0質量%以上50.0質量%以下であり、Al



、Cr



およびTi



の合計濃度が30.0質量%以上80.0質量%以下であり、かつ、Ti



の濃度が0.01質量%以上5.00質量%以下である、ステンレス鋼材。
続きを表示(約 860 文字)【請求項2】
前記化学組成が、質量%で、さらに、
Mo:0.01%以上5.0%以下、
Cu:0.01%以上5.0%以下、
B:0.0001%以上0.0050%以下、
Nb:0.1%以上0.6%以下、
W:0.01%以上0.5%以下、
Sn:0.01%以上0.5%以下、
V:0.01%%以上0.5%以下、
Co:0.01%以上0.5%以下、
Zr:0.01%以上0.5%以下、
Pb:0.0001%以上0.5%以下、および、
REM:0.0003%以上0.3%以下を含む、ステンレス鋼材。
【請求項3】
請求項1又は2に記載のステンレス鋼材の製造方法であって、
精錬原料を添加した後の溶鋼および精錬スラグ中のTiの総量を、0.10kg/t以上2.00kg/t以下となるように精錬を行う精錬工程を含む、ステンレス鋼材の製造方法。
【請求項4】
前記精錬工程を行った後のスラグ組成が、下記の(1)式乃至(4)式の範囲を満足する、請求項3に記載のステンレス鋼材の製造方法。
(1)式:0.9≦[CaO]/[SiO

]≦3.0
(2)式:[Al



]≦5.0
(3)式:[Ti



]≦3.0
(4)式:[MgO]≦15.0
ただし、(1)式乃至(4)式中の[CaO]、[SiO

]、[Al



]、[Ti



]および[MgO]は、それぞれスラグ組成中に含まれる、CaO、SiO

、Al



、Ti



およびMgOの含有量(質量%)である。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、ステンレス鋼材およびその製造方法に関する。
続きを表示(約 2,800 文字)【背景技術】
【0002】
ステンレス鋼材は、耐食性、加工性、表面外観等に優れることから家電、厨房品、建材等に広く用いられている。近年、生産性の向上のために導入されている連続鋳造法で製造されるステンレス鋼材では、凝固組織が粗大になり、ステンレス鋼材の結晶粒のばらつきが大きくなる傾向がある。
【0003】
そこで、ステンレス鋼材の結晶粒のばらつきを抑制するための手段としては、例えば、Tiを微量添加することでTiC、TiNをステンレス鋼材に析出させ、析出物による結晶粒界をピンニングすることによって、ステンレス鋼材の結晶粒度の微細化および結晶粒度のバラつきの抑制を図る方法が挙げられる。しかしながら、かかる方法は、Ti添加によってTi酸化物系介在物が生成され、粗大化する傾向がある。粗大化したTi酸化物系介在物が生成されたステンレス鋼材は、鏡面研磨を行う用途や疲労特性が要求される用途には適さないという問題があった。
【0004】
そこで、特許文献1では、鋳造条件を特に限定せず、低温靭性や熱間加工性の優れた鋳片や溶接金属および表面性状に優れたステンレス鋼板を得る方法として、Al、Mg濃度及びTi×N(窒素)濃度積を制御による鋳片組織制御法が提案されている。しかし、Al、Mg、O濃度が高すぎることで3μm以上の介在物が多く、鏡面研磨性に劣るという問題がある。
また、特許文献2では、ステンレス鋼の精錬方法に関し、スラグ塩基度および溶鋼中のMg、Al、Caといった微量成分を制御することにより、溶鋼中の有害な非金属介在物であるMgO・Al



の生成を抑制して、ノズル内付着を防止しつつ、表面品質に優れたステンレス鋼を製造する介在物低減策が提案されている。しかし、本操業方法は、Tiを含有する材料に対しては介在物低減効果が充分に発揮されないという問題がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
特開2001-323335号公報
特開2015-074807号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
これに関して、発明者は、微量成分Ti濃度およびスラグ中のTi



の最適化することで、鏡面研磨性に有害である複合酸化物系介在物の制御ができることを見出した。
そこで、本発明は、上記問題点を鑑みてなされたものであり、Tiを添加しながらMn、Mg、Al、Crを含有し、相当円直径が3μm以上である複合酸化物系介在物の生成される量を制御し、鏡面研磨性に優れるステンレス鋼材およびその製造方法を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
以下に、本発明の特徴を列記する。
(1)質量%で、
C:0.001%以上0.150%以下、
Si:0.1%以上3.0%以下、
Mn:0.1%以上15.0%以下、
P:0.005%以上0.040%以下、
S:0.0001%以上0.0100%以下、
Ni:2.0%以上20.0%以下、
Cr:10.0%以上30.0%以下、
Al:0.0001%以上0.01%以下、
Ti:0.001%以上0.019%以下、
O:0.001%以上0.02%以下、
N:0.01%以上0.5%以下、
Ca:0.0001%以上0.005%以下、および、
Mg:0.0001%以上0.0030%以下を含み、残部がFeおよび不可避的不純物からなる化学組成を有するステンレス鋼材であって、
前記ステンレス鋼材の結晶粒度が4以上であり、
前記鋼材中に、Mn、Mg、Al、CrおよびTiを含有し、相当円直径が3μm以上である複合酸化物系介在物が存在し、
複合酸化物系介在物中における、MnOおよびMgOの合計濃度が10.0質量%以上50.0質量%以下であり、Al



、Cr



およびTi



の合計濃度が30.0質量%以上80.0質量%以下であり、かつ、Ti



の濃度が0.01質量%以上5.00質量%以下である、ステンレス鋼材。
【0008】
(2)前記化学組成が、質量%で、さらに、
Mo:0.01%以上5.0%以下、
Cu:0.01%以上5.0%以下、
B:0.0001%以上0.0050%以下、
Nb:0.1%以上0.6%以下、
W:0.01%以上0.5%以下、
Sn:0.01%以上0.5%以下、
V:0.01%%以上0.5%以下、
Co:0.01%以上0.5%以下、
Zr:0.01%以上0.5%以下、
Pb:0.0001%以上0.5%以下、および、
REM:0.0003%以上0.3%以下を含む、ステンレス鋼材。
【0009】
(3)精錬原料を添加した後の溶鋼および精錬スラグ中のTiの総量を、0.10kg/t以上2.00kg/t以下となるように精錬を行う精錬工程を含む、(1)又は(2)に記載のステンレス鋼材の製造方法。
【0010】
(4)前記精錬工程を行った後のスラグ組成が、下記の(1)式乃至(4)式の範囲を満足する、(3)に記載のステンレス鋼材の製造方法。
(1)式:0.9≦[CaO]/[SiO

]≦3.0
(2)式:[Al



]≦5.0
(3)式:[Ti



]≦3.0
(4)式:[MgO]≦15.0
ただし、(1)式乃至(4)式中の[CaO]、[SiO

]、[Al



]、[Ti



]および[MgO]は、それぞれスラグ組成中に含まれる、CaO、SiO

、Al



、Ti



およびMgOの含有量(質量%)である。
【発明の効果】
(【0011】以降は省略されています)

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