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公開番号2024068786
公報種別公開特許公報(A)
公開日2024-05-21
出願番号2022179374
出願日2022-11-09
発明の名称触媒の処理方法
出願人学校法人福岡工業大学
代理人個人,個人,個人,個人
主分類C22B 11/00 20060101AFI20240514BHJP(冶金;鉄または非鉄合金;合金の処理または非鉄金属の処理)
要約【課題】簡易な方法により、廃触媒から白金族金属を効率的に回収することができる触媒の処理方法を提供することを目的とする。
【解決手段】触媒の粉砕物に反応剤である硫酸水素アンモニウムを混合して混合物を生成し、混合物を加熱処理して得られた反応物を溶解液により浸出することで、第1の浸出液と第1の固体残渣に分離する。さらに第1の固体残渣を酸溶液で浸出することで、第2の浸出液と第2の固体残渣に分離する。第1の浸出液、及び第2の浸出液には白金族金属成分が浸出されており、これらを溶媒抽出することで、触媒から白金族金属を回収することができる。
【選択図】図1
特許請求の範囲【請求項1】
セリア、ジルコニア、並びにアルミナの少なくとも一つを含む酸化物、及び白金族金属を含有する触媒の粉砕物に、反応剤である所定量の硫酸水素アンモニウムを混合して混合物を生成し、該混合物を所定の加熱条件で加熱する工程と、
該加熱する工程で得られた反応物を所定の溶解液で浸出し、第1の固体残渣と第1の浸出液とを得る工程と、
前記第1の固体残渣を所定の酸溶液で浸出し、第2の固体残渣と第2の浸出液とを得る工程と、を備える
触媒の処理方法。
続きを表示(約 920 文字)【請求項2】
前記硫酸水素アンモニウムは、前記粉砕物に対する重量比で2~30倍を混合する
請求項1に記載の触媒の処理方法。
【請求項3】
前記混合物を所定の加熱条件で加熱する工程は、前記混合物の温度が略150~520℃となる加熱条件で加熱する
請求項1または請求項2に記載の触媒の処理方法。
【請求項4】
前記溶解液は、純水、硝酸、塩酸、蒸留水、水道水、硫酸、イオン交換水のうちから選択される
請求項1または請求項2に記載の触媒の処理方法。
【請求項5】
前記酸溶液は、王水、塩素を含有する塩酸、及び過酸化水素を含有する塩酸から選択される
請求項1または請求項2に記載の触媒の処理方法。
【請求項6】
前記第1の浸出液、及び前記第2の浸出液を溶媒抽出して前記白金族金属を回収する工程をさらに備える
請求項1または請求項2に記載の触媒の処理方法。
【請求項7】
セリア、ジルコニア、並びにアルミナの少なくとも一つを含む酸化物、及び白金族金属を含有する触媒の粉砕物に、反応剤である所定量の硫酸水素アンモニウムを混合して混合物を生成し、該混合物を所定の加熱条件で加熱する工程と、
該加熱する工程で得られた反応物を所定の酸溶液で浸出し、浸出液と固体残渣とを得る工程と、を備える
触媒の処理方法。
【請求項8】
母材に白金族金属を担持しセリア、ジルコニア、並びにアルミナの少なくとも一つを含む酸化物を含有する触媒コート層が形成されたブロック体からなる触媒に、反応剤である所定量の硫酸水素アンモニウムを加えて所定の加熱条件で加熱する工程と、
該加熱する工程で得られた反応物を所定の溶解液で浸出し、前記白金族金属及び前記触媒コート層の金属成分を含むスラリー体を得る工程と、
前記スラリー体を固液分離し、第1の固体残渣と第1の浸出液とを得る工程と、
前記第1の固体残渣を所定の酸溶液で浸出し、第2の固体残渣と第2の浸出液とを得る工程と、を備える
触媒の処理方法。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、触媒の処理方法に関する。詳しくは、簡易な方法により、廃触媒から白金族金属を効率的に回収することができる触媒の処理方法に係るものである。
続きを表示(約 1,500 文字)【背景技術】
【0002】
近年、大半のガソリン自動車が、三元触媒コンバータ(以下、「触媒」という。)を使用した排ガス浄化システムを搭載している。この触媒は、一酸化炭素、窒素酸化物、未燃焼の炭化水素を、二酸化炭素、窒素、水に変換して、ガソリンエンジンの燃焼後の排ガスを浄化する機能を有するものである。
【0003】
触媒の基本構造は、主にセラミックを原材料とするハニカム構造の母材の表面に、セリア、ジルコニア、アルミナをはじめとする無機酸化物から構成された触媒コート層が形成され、この触媒コート層に白金(Pt)、パラジウム(Pd)、ロジウム(Rh)などの白金族金属が担持されている。
【0004】
白金族金属は、自動車用触媒をはじめとして多くの工業製品に採用されている産業の必須元素であり、使用済みの触媒(以下、「廃触媒」という。)からの白金族金属の回収技術を確立することで、これら白金族金属の安定的な供給を図ることができる。また、白金族金属の単価は高いため、回収率が僅かに向上するだけでも収益に大きく貢献することができる。
【0005】
廃触媒から白金族金属を回収する方法としては、従来、乾式法と湿式法が用いられてきた。ここで、乾式法は、廃触媒に含まれる白金族金属、或いは金をコレクター金属(銅、ニッケル、鉛など)とともに加熱することで、白金族金属をコレクター金属中に合金として回収する方法であり、例えば特許文献1に開示の技術が知られている。一方、湿式法は、王水、又は塩酸等の酸に酸化剤である過酸化水素を加えた溶液で白金族金属を抽出する方法や、硫酸等を用いて触媒の担体材料を溶かして未溶解の白金族金属を分離する方法等が知られている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
特開2009-24263号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
前記した従来技術のうち、乾式法は、白金族金属の回収率は高いが、大型の設備投資が必要となるため、回収コストが高いという問題がある。一方、湿式法は、大型設備を必要としないが、白金族金属を担持する触媒コート層は酸に対して難溶解性であるため、白金族金属の溶解を阻害する結果、白金族金属の抽出率が悪く、さらに湿式法では大量の酸を必要とするため廃液処理も必要となるなど、コスト、及び回収率の点で問題が多い。
【0008】
以上のような課題について、本願の発明者らは鋭意研究した結果、硫酸水素アンモニウムを加熱して得られた溶融塩は、触媒コート層に含まれるセリア、ジルコニア、アルミナをはじめとする無機酸化物を短時間で溶解除去することを見出し、廃触媒から白金族金属を効率的に抽出できる手法を開発した。
【0009】
本発明は、以上の点に鑑みて創案されたものであり、簡易な方法により、廃触媒から白金族金属を効率的に回収することができる触媒の処理方法に係るものである。
【課題を解決するための手段】
【0010】
前記の目的を達成するために、本発明の触媒の処理方法は、セリア、ジルコニア、並びにアルミナの少なくとも一つを含む酸化物、及び白金族金属を含有する触媒の粉砕物に、反応剤である所定量の硫酸水素アンモニウムを混合して混合物を生成し、該混合物を所定の加熱条件で加熱する工程と、該加熱する工程で得られた反応物を所定の溶解液で浸出し、第1の固体残渣と第1の浸出液とを得る工程と、前記第1の固体残渣を所定の酸溶液で浸出し、第2の固体残渣と第2の浸出液とを得る工程とを備える。
(【0011】以降は省略されています)

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