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公開番号2024043882
公報種別公開特許公報(A)
公開日2024-04-02
出願番号2022149108
出願日2022-09-20
発明の名称有価金属の回収方法
出願人住友金属鉱山株式会社
代理人個人,個人
主分類C22B 7/00 20060101AFI20240326BHJP(冶金;鉄または非鉄合金;合金の処理または非鉄金属の処理)
要約【課題】有価金属の回収方法における処理原料であって、正極活物質と負極活物質の混合粉について、ハンドリング時の発塵を抑制し、混合粉を処理する際に発生するキャリーオーバーによる有価金属の回収ロスを低減できる方法を提供する。
【解決手段】本発明は、有価金属の回収方法であって、廃リチウムイオン電池を含む原料を準備する準備工程S1を含み、準備工程S1では、廃リチウムイオン電池を構成する正極活物質と負極活物質とを含む混合粉に水を添加し予備混錬する予備混錬工程S13と、予備混錬物をさらに混錬し造粒する造粒工程S14と、を実行することにより混合粉からなる造粒物を調製する。予備混錬工程S13での水の添加量は、混合粉に対する重量比で0.14~0.16に調整することが好ましい。また、造粒工程S14では、2軸パドル式造粒機を用い、パドル先端の周速度を50m/分~90m/分に設定することが好ましい。
【選択図】図1
特許請求の範囲【請求項1】
有価金属を回収する方法であって、
有価金属を含有する廃リチウムイオン電池を含む原料を準備する準備工程を含み、
前記準備工程では、
前記廃リチウムイオン電池を構成する正極活物質と負極活物質とを含む混合粉に水を添加して予備混錬する予備混錬工程と、
得られた予備混錬物をさらに混錬して造粒する造粒工程と、
を実行することによって前記混合粉からなる造粒物を調製する、
有価金属の回収方法。
続きを表示(約 530 文字)【請求項2】
前記予備混錬工程では、前記水の添加量を、前記混合粉に対する重量比で0.14以上0.16以下に調整する、
請求項1に記載の有価金属の回収方法。
【請求項3】
前記造粒工程では、2軸パドル式の造粒機を用い、該造粒機のパドル先端の周速度を50m/分以上90m/分以下に設定して、前記予備混錬物に対する混錬及び造粒を行う、
請求項1又は2に記載の有価金属の回収方法。
【請求項4】
当該有価金属の回収方法は、
前記準備工程を経て得られる前記造粒物に対して還元熔融処理を施し、有価金属を含有する合金と、スラグとを含む還元熔融物を得る還元工程を、さらに含む乾式製錬プロセスからなり、
前記準備工程における前記予備混錬工程では、前記混合粉に、前記還元熔融処理において用いられるフラックスを添加して予備混錬する、
請求項1又は2に記載の有価金属の回収方法。
【請求項5】
前記予備混錬工程では、
粒径が5mm以下の前記フラックスを用い、該フラックスの添加量を、前記混合粉に対する重量比で0.1以上0.2以下に調整する、
請求項4に記載の有価金属の回収方法。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、廃リチウムイオン電池等の原料から有価金属を回収する方法に関する。
続きを表示(約 1,800 文字)【背景技術】
【0002】
近年、軽量で大出力の電池としてリチウムイオン電池が普及している。よく知られているリチウムイオン電池は、外装缶内に、負極材と、正極材と、セパレータと、電解液とを封入した構造を有している。例えば、外装缶は、鉄(Fe)やアルミニウム(Al)等の金属からなる。負極材は、負極集電体(銅箔等)に固着させた負極活物質(黒鉛等)からなる。正極材は、正極集電体(アルミニウム箔等)に固着させた正極活物質(ニッケル酸リチウム、コバルト酸リチウム等)からなる。セパレータは、ポリプロピレンの多孔質樹脂フィルム等からなる。電解液は、六フッ化リン酸リチウム(LiPF6)等の電解質を含む。
【0003】
リチウムイオン電池の主要な用途の一つに、ハイブリッド自動車や電気自動車がある。そのため、自動車のライフサイクルにあわせて、搭載されたリチウムイオン電池が将来的に大量に廃棄される見込みである。また、製造中に不良品として廃棄されるリチウムイオン電池がある。このような使用済み電池や製造中に生じた不良品の電池(以下、「廃リチウムイオン電池」)を資源として再利用することが求められている。
【0004】
再利用の手法として、例えば、廃リチウムイオン電池を高温炉(熔融炉)で全量熔解する乾式製錬プロセスがある。また、廃リチウムイオン電池より得られた有価金属含有物を、酸性溶液に混合して溶解した後に、得られた浸出液に中和剤を添加して中和終液と中和澱物とに分離し、得られた中和終液について例えば酸性抽出剤による溶媒抽出を行って、抽出後の有機溶媒を硫酸溶液で逆抽出する湿式製錬プロセスがある。
【0005】
さて、上述した乾式製錬プロセスや湿式製錬プロセスによって廃リチウムイオン電池の再利用を行うにあたり、廃リチウムイオン電池をそのままの状態で粉砕処理に供すると、爆発の恐れがあり危険である。そのため、通常は、処理対象の廃リチウムイオン電池に前処理が施される。前処理としては、例えば、針状の刃先で廃リチウムイオン電池を物理的に開孔し、電解液を除去する手法が挙げられる。また、廃リチウムイオン電池を加熱することによって電解液を燃焼して無害化する手法が挙げられる。その後、粉砕処理が施され、外装缶、銅箔、アルミニウム箔、正極活物質と負極活物質の混合粉に分級された後、それぞれ得られた部材がリサイクル原料として取り扱われている。
【0006】
ここで、正極活物質と負極活物質の混合粉(以下、「ブラックマス」ともいう。)は、例えば、数μm~数百μmのパウダー状を呈している。そのため、ハンドリングに際しての発塵や、リサイクル処理において、例えば酸化還元熔融処理時に生じる反応ガスや対流によるキャリーオーバーが発生して、生産効率を悪化させてしまうことがあった。
【0007】
例えば、特許文献1には、酸化焙焼工程にて発生するダストは炉外に排出して廃棄することが記載されている。このダストは、キャリーオーバーしたブラックマスを含むものであるため、発塵によって有価金属の回収ロスのリスクが高まることがうかがえる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
特開2021-161455号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
本発明は、このような実情に鑑みて提案されたものであり、乾式製錬プロセスや湿式製錬プロセスに供される処理原料であって、廃リチウムイオン電池に含まれる正極活物質と負極活物質の混合粉について、そのハンドリングにおける発塵を抑制し、酸化焙焼処理や還元熔融処理等に供したときに発生するキャリーオーバーによる有価金属の回収ロスを低減することができる方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明者らは、上述した課題を解決するため鋭意検討を重ねた。その結果、正極活物質と負極活物質の混合粉(ブラックマス)を、酸化焙焼処理や還元熔融処理等の処理に供するにあたり、所定の条件で造粒物化することで、ハンドリング性を高め、発塵やキャリーオーバーが生じることを効果的に抑制できることを見出し、本発明を完成するに至った。
(【0011】以降は省略されています)

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