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公開番号2024047463
公報種別公開特許公報(A)
公開日2024-04-05
出願番号2022153097
出願日2022-09-26
発明の名称オーステナイト系ステンレス鋼板
出願人日鉄ステンレス株式会社
代理人弁理士法人ブライタス
主分類C22C 38/00 20060101AFI20240329BHJP(冶金;鉄または非鉄合金;合金の処理または非鉄金属の処理)
要約【課題】極低温下において、鋼中に水素ガスが侵入しやすい環境に晒された場合であっても破壊を抑制しうる耐衝撃特性に優れたオーステナイト系ステンレス鋼板を提供する。
【解決手段】化学組成が、質量%で、C:0.150%以下、Si:2.0%以下、Mn:3.00%以下、P:0.060%以下、S:0.0080%以下、Cr:16.0~22.0%、Mo:3.00%以下、Ni:8.0~15.0%、Cu:2.0%以下、Al:0.080%以下、N:0.250%以下、任意元素、残部:Feおよび不純物であり、GDSによって測定される、最表面から20nm深さ位置までのA値[=Cr+2Si+5Mo+10Al]の最大値が45以上であり、最表面から50nmの深さ位置までのB値[=Cr+Ni+Mn+Cu+8N]の最小値が25以上であり、板厚が4.5mm以上である、液化水素貯槽用オーステナイト系ステンレス鋼板。
【選択図】なし

特許請求の範囲【請求項1】
化学組成が、質量%で、
C:0.150%以下、
Si:2.0%以下、
Mn:3.00%以下、
P:0.060%以下、
S:0.0080%以下、
Cr:16.0~22.0%、
Mo:3.00%以下、
Ni:8.0~15.0%、
Cu:2.0%以下、
Al:0.080%以下、
N:0.250%以下、
Nb:0~0.10%、
Ti:0~0.10%、
B:0~0.0050%、
V:0~0.50%、
W:0~0.50%、
Ca:0~0.0100%、
Mg:0~0.0100%、
Zr:0~0.50%、
Co:0~1.0%、
Ga:0~0.010%、
Hf:0~0.10%、
REM:0~0.10%、
残部:Feおよび不純物であり、
グロー放電発光分光分析法を用いて、鋼板の最表面から深さ方向において、O、Fe、Cr、Mn、Ni、Mo、Si、AlおよびNの濃度変化を測定し、Oを除いたその他の元素の総量が、質量%で100%となるように換算した場合に、
前記最表面から20nmの深さ位置までの領域において、下記(i)式で算出されるA値の最大値が45以上であり、
前記最表面から50nmの深さ位置までの領域において、下記(ii)式で算出されるB値の最小値が25以上であり、
板厚が4.5mm以上である、
液化水素貯槽用オーステナイト系ステンレス鋼板。
A値=Cr+2Si+5Mo+10Al ・・・(i)
B値=Cr+Ni+Mn+Cu+8N ・・・(ii)
但し、上記(i)および(ii)式中の各元素記号は、グロー放電発光分光分析法において、各深さ位置において測定される各元素の含有量(質量%)を表し、含有されない場合はゼロとする。
続きを表示(約 560 文字)【請求項2】
前記化学組成が、質量%で、
Nb:0.01~0.10%、
Ti:0.01~0.10%、
B:0.0002~0.0050%、
V:0.05~0.50%、
W:0.05~0.50%、
Ca:0.0002~0.0100%、
Mg:0.0002~0.0100%、
Zr:0.01~0.50%、
Co:0.01~1.0%、
Ga:0.001~0.010%、
Hf:0.01~0.10%、および
REM:0.01~0.10%、
から選択される1種以上を含有する、
請求項1に記載の液化水素貯槽用オーステナイト系ステンレス鋼板。
【請求項3】
前記化学組成において、下記(iii)式で算出されるM値が-100以下をさらに満足する、
請求項1または請求項2に記載の液化水素貯槽用オーステナイト系ステンレス鋼板。
M値=551-462(C+N)-9.2Si-8.1Mn-13.7Cr-29(Ni+Cu)-18.2Mo ・・・(iii)
但し、上記(iii)式中の各元素記号は、鋼中に含まれる各元素の含有量(質量%)を表し、含有されない場合はゼロとする。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、オーステナイト系ステンレス鋼板に関する。
続きを表示(約 2,200 文字)【背景技術】
【0002】
近年、化石燃料に代わる新たなエネルギー源として、水素ガスが注目されている。水素ガスは、CO

を排出しないクリーンなエネルギー源である。その一方、水素ガスは、例えば、素材を脆化させる水素脆化を引き起こすことがある。そこで、特許文献1には、耐水素ガス脆化性を向上させたオーステナイト系ステンレス鋼が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
特開2015-196842号公報
【0004】
ところで、実際に水素ガスをエネルギー源として使用するためには、極低温で圧縮された液化水素を多量に貯蔵する必要がある。このため、液化水素を収容できる大型の貯蔵タンク(以下、単に「液化水素貯槽」とも記載する。)の建設が計画されている。ここで、耐水素ガス脆化性に優れた素材であるオーステナイト系ステンレス鋼板の厚板が、液化水素貯槽用途に好ましい。
【0005】
一方、このようなオーステナイト系ステンレス鋼板には、単に、耐水素ガス脆化性だけでなく、建築構造物として破壊が生じにくいことが求められる。例えば、地震等が発生した場合であっても、破壊を抑制しうることが求められる。特に、液化水素を貯蔵するような極低温下においては、鋼中に微量の水素ガスが侵入することによって、破壊の発生および伝播が進みやすいと考えられる。したがって、このような過酷な環境下においても、破壊を抑制しうる耐衝撃特性が求められている。
【0006】
しかしながら、特許文献1に開示されたオーステナイト系ステンレス鋼では、上述した耐衝撃特性について検討されていない。このため、上記耐衝撃特性について、さらに、改善の余地がある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明は、上記の課題を解決し、液化水素を保存するような極低温下において、鋼中に水素ガスが侵入しやすい環境に晒された場合であっても、破壊を抑制しうる耐衝撃特性に優れたオーステナイト系ステンレス鋼板を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明は、上記の課題を解決するためになされたものであり、下記のオーステナイト系ステンレス鋼板を要旨とする。
【0009】
(1)化学組成が、質量%で、
C:0.150%以下、
Si:2.0%以下、
Mn:3.00%以下、
P:0.060%以下、
S:0.0080%以下、
Cr:16.0~22.0%、
Mo:3.00%以下、
Ni:8.0~15.0%、
Cu:2.0%以下、
Al:0.080%以下、
N:0.250%以下、
Nb:0~0.10%、
Ti:0~0.10%、
B:0~0.0050%、
V:0~0.50%、
W:0~0.50%、
Ca:0~0.0100%、
Mg:0~0.0100%、
Zr:0~0.50%、
Co:0~1.0%、
Ga:0~0.010%、
Hf:0~0.10%、
REM:0~0.10%、
残部:Feおよび不純物であり、
グロー放電発光分光分析法を用いて、鋼板の最表面から深さ方向において、O、Fe、Cr、Mn、Ni、Mo、Si、AlおよびNの濃度変化を測定し、Oを除いたその他の元素の総量が、質量%で100%となるように換算した場合に、
前記最表面から20nmの深さ位置までの領域において、下記(i)式で算出されるA値の最大値が45以上であり、
前記最表面から50nmの深さ位置までの領域において、下記(ii)式で算出されるB値の最小値が25以上であり、
板厚が4.5mm以上である、
液化水素貯槽用オーステナイト系ステンレス鋼板。
A値=Cr+2Si+5Mo+10Al ・・・(i)
B値=Cr+Ni+Mn+Cu+8N ・・・(ii)
但し、上記(i)および(ii)式中の各元素記号は、グロー放電発光分光分析法において、各深さ位置において測定される各元素の含有量(質量%)を表し、含有されない場合はゼロとする。
【0010】
(2)前記化学組成が、質量%で、
Nb:0.01~0.10%、
Ti:0.01~0.10%、
B:0.0002~0.0050%、
V:0.05~0.50%、
W:0.05~0.50%、
Ca:0.0002~0.0100%、
Mg:0.0002~0.0100%、
Zr:0.01~0.50%、
Co:0.01~1.0%、
Ga:0.001~0.010%、
Hf:0.01~0.10%、および
REM:0.01~0.10%、
から選択される1種以上を含有する、
上記(1)に記載の液化水素貯槽用オーステナイト系ステンレス鋼板。
(【0011】以降は省略されています)

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