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公開番号2024032361
公報種別公開特許公報(A)
公開日2024-03-12
出願番号2022135972
出願日2022-08-29
発明の名称鋼材
出願人日本製鉄株式会社
代理人アセンド弁理士法人
主分類C22C 38/00 20060101AFI20240305BHJP(冶金;鉄または非鉄合金;合金の処理または非鉄金属の処理)
要約【課題】優れた耐水素脆性を有する鋼材を提供する。
【解決手段】本開示による鋼材は、質量%で、C:0.30~0.50%未満、Si:0.01~0.10%、Mn:0.10~1.00%、P:0.020%以下、S:0.020%以下、Cr:0.50~1.50%、Mo:0.10~0.50%、V:0.01~0.50%、Cu:0.04~0.35%未満、Ni:0.04~0.30%、Al:0.005~0.060%、N:0.0200%以下、O:0.0030%以下、及び、残部はFe及び不純物からなり、鋼材の長手方向及び径方向を含む断面のうち、鋼材の表面から径方向に1000μm、長手方向に1000μmの矩形観察領域において、Cu偏析度σが、0.050以下である。
【選択図】図1
特許請求の範囲【請求項1】
鋼材であって、
化学組成が、質量%で、
C:0.30~0.50%未満、
Si:0.01~0.10%、
Mn:0.10~1.00%、
P:0.020%以下、
S:0.020%以下、
Cr:0.50~1.50%、
Mo:0.10~0.50%、
V:0.01~0.50%
Cu:0.04~0.35%未満、
Ni:0.04~0.30%、
Al:0.005~0.060%、
N:0.0200%以下、及び、
O:0.0030%以下、
を含有し、残部はFe及び不純物からなり、
前記鋼材の長手方向及び径方向を含む断面のうち、前記鋼材の表面から前記径方向に1000μm、前記長手方向に1000μmの矩形観察領域において、
前記径方向に400分割、前記長手方向に400分割された16万個の測定区域に対して、電子線マイクロアナライザによる面分析を実施し、得られた各測定区域での質量%でのCu含有量を、[Cu]
MA
とし、
全ての前記測定区域の前記[Cu]
MA
の算術平均値を、[Cu]
AVE
とし、
各測定区域の前記[Cu]
MA
の前記[Cu]
AVE
に対する比を、[Cu]

とし、
複数の前記測定区域のうち、前記長手方向に一列に配列された一行分の複数の前記測定区域を測定行と定義したとき、各測定行において、前記測定行を構成する複数の前記測定区域の前記[Cu]

の合計の、前記測定行を構成する複数の前記測定区域の総数に対する比を、[Cu]

とし、
全ての前記測定行の前記[Cu]

の標本標準偏差を、Cu偏析度σとしたとき、
前記Cu偏析度σは、0.050以下である、
鋼材。
続きを表示(約 1,200 文字)【請求項2】
鋼材であって、
化学組成が、質量%で、
C:0.30~0.50%未満、
Si:0.01~0.10%、
Mn:0.10~1.00%、
P:0.020%以下、
S:0.020%以下、
Cr:0.50~1.50%、
Mo:0.10~0.50%、
V:0.01~0.50%
Cu:0.04~0.35%未満、
Ni:0.04~0.30%、
Al:0.005~0.060%、
N:0.0200%以下、及び、
O:0.0030%以下、を含有し、
前記化学組成はさらに、第1群及び第2群からなる群から選択される1種以上を含有し、残部はFe及び不純物からなり、
前記鋼材の長手方向及び径方向を含む断面のうち、前記鋼材の表面から前記径方向に1000μm、前記長手方向に1000μmの矩形観察領域において、
前記径方向に400分割、前記長手方向に400分割された16万個の測定区域に対して、電子線マイクロアナライザによる面分析を実施し、得られた各測定区域での質量%でのCu含有量を、[Cu]
MA
とし、
全ての前記測定区域の前記[Cu]
MA
の算術平均値を、[Cu]
AVE
とし、
各測定区域の前記[Cu]
MA
の前記[Cu]
AVE
に対する比を、[Cu]

とし、
複数の前記測定区域のうち、前記長手方向に一列に配列された一行分の複数の前記測定区域を測定行と定義したとき、各測定行において、前記測定行を構成する複数の前記測定区域の前記[Cu]

の合計の、前記測定行を構成する複数の前記測定区域の総数に対する比を、[Cu]

とし、
全ての前記測定行の前記[Cu]

の標本標準偏差を、Cu偏析度σとしたとき、
前記Cu偏析度σは、0.050以下である、
鋼材。
[第1群]
Nb:0.10%以下、
Ti:0.100%以下、及び、
B:0.0010%未満、からなる群から選択される1種以上
[第2群]
Sn:0.100%以下、
Ca:0.0050%以下、
Mg:0.0050%以下、及び、
希土類元素:0.0200%以下、からなる群から選択される1種以上
【請求項3】
請求項2に記載の鋼材であって、
前記化学組成は、前記第1群を含有する、
鋼材。
【請求項4】
請求項2に記載の鋼材であって、
前記化学組成は、前記第2群を含有する、
鋼材。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本開示は、鋼材に関し、さらに詳しくは、ボルトの素材として適用可能な鋼材に関する。
続きを表示(約 2,700 文字)【背景技術】
【0002】
ボルトは、産業機械、自動車、橋梁及び建築物等の締結手段として用いられる。これらの用途のうち、橋梁や建築物等は、海浜地域に建てられたり、寒冷地に建てられたりする場合がある。海浜地域は塩分の多い腐食環境である。また、寒冷地では、融雪塩や凍結防止剤が使用される場合がある。融雪塩や凍結防止剤は、ボルトを構成する鋼材を腐食する。つまり、寒冷地も腐食環境である場合が多い。
【0003】
このような腐食環境では、水素脆化が起こりやすい。したがって、腐食環境で用いられるボルトでは、優れた耐水素脆性が求められる。
【0004】
耐食性の向上及び耐水素脆性の向上に関する技術が、特開2008-274367号公報(特許文献1)に提案されている。
【0005】
特許文献1に開示された鋼材は、質量%で、C:0.15~0.6%、Si:0.05~0.5%、Mn及びCr:合計で0.5~3.5%、P:0.05%以下、S:0.03%以下、Cu:0.3%未満、Ni:1%未満、O:0.01%以下、及び、Sn:0.05~0.50%を含有し、残部がFe及び不純物からなり、Cu/Sn比が1以下である組成を有する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
特開2008-274367号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
特許文献1では、Snを含有して水素の鋼材への侵入を抑制することにより、鋼材の耐水素脆性を高めている。しかしながら、特許文献1とは異なる手段により、鋼材の耐水素脆性を高めてもよい。
【0008】
本開示の目的は、優れた耐水素脆性を有する鋼材を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本開示による鋼材は、鋼材であって、
化学組成が、質量%で、
C:0.30~0.50%未満、
Si:0.01~0.10%、
Mn:0.10~1.00%、
P:0.020%以下、
S:0.020%以下、
Cr:0.50~1.50%、
Mo:0.10~0.50%、
V:0.01~0.50%
Cu:0.04~0.35%未満、
Ni:0.04~0.30%、
Al:0.005~0.060%、
N:0.0200%以下、及び、
O:0.0030%以下、を含有し、残部はFe及び不純物からなり、
前記鋼材の長手方向及び径方向を含む断面のうち、前記鋼材の表面から前記径方向に1000μm、前記長手方向に1000μmの矩形観察領域において、
前記径方向に400分割、前記長手方向に400分割された16万個の測定区域に対して、電子線マイクロアナライザによる面分析を実施し、得られた各測定区域での質量%でのCu含有量を、[Cu]
MA
とし、
全ての前記測定区域の前記[Cu]
MA
の算術平均値を、[Cu]
AVE
とし、
各測定区域の前記[Cu]
MA
の前記[Cu]
AVE
に対する比を、[Cu]

とし、
複数の前記測定区域のうち、前記長手方向に一列に配列された一行分の複数の前記測定区域を測定行と定義したとき、各測定行において、前記測定行を構成する複数の前記測定区域の前記[Cu]

の合計の、前記測定行を構成する複数の前記測定区域の総数に対する比を、[Cu]

とし、
全ての前記測定行の前記[Cu]

の標本標準偏差を、Cu偏析度σとしたとき、
前記Cu偏析度σは、0.050以下である。
【0010】
本開示による鋼材は、鋼材であって、
化学組成が、質量%で、
C:0.30~0.50%未満、
Si:0.01~0.10%、
Mn:0.10~1.00%、
P:0.020%以下、
S:0.020%以下、
Cr:0.50~1.50%、
Mo:0.10~0.50%、
V:0.01~0.50%
Cu:0.04~0.35%未満、
Ni:0.04~0.30%、
Al:0.005~0.060%、
N:0.0200%以下、及び、
O:0.0030%以下、を含有し、
前記化学組成はさらに、第1群及び第2群からなる群から選択される1種以上を含有し、残部はFe及び不純物からなり、
前記鋼材の長手方向及び径方向を含む断面のうち、前記鋼材の表面から前記径方向に1000μm、前記長手方向に1000μmの矩形観察領域において、
前記径方向に400分割、前記長手方向に400分割された16万個の測定区域に対して、電子線マイクロアナライザによる面分析を実施し、得られた各測定区域での質量%でのCu含有量を、[Cu]
MA
とし、
全ての前記測定区域の前記[Cu]
MA
の算術平均値を、[Cu]
AVE
とし、
各測定区域の前記[Cu]
MA
の前記[Cu]
AVE
に対する比を、[Cu]

とし、
複数の前記測定区域のうち、前記長手方向に一列に配列された一行分の複数の前記測定区域を測定行と定義したとき、各測定行において、前記測定行を構成する複数の前記測定区域の前記[Cu]

の合計の、前記測定行を構成する複数の前記測定区域の総数に対する比を、[Cu]

とし、
全ての前記測定行の前記[Cu]

の標本標準偏差を、Cu偏析度σとしたとき、
前記Cu偏析度σは、0.050以下である。
[第1群]
Nb:0.10%以下、
Ti:0.100%以下、及び、
B:0.0010%未満、からなる群から選択される1種以上
[第2群]
Sn:0.100%以下、
Ca:0.0050%以下、
Mg:0.0050%以下、及び、
希土類元素:0.0200%以下、からなる群から選択される1種以上
【発明の効果】
(【0011】以降は省略されています)

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