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公開番号2024055371
公報種別公開特許公報(A)
公開日2024-04-18
出願番号2022162227
出願日2022-10-07
発明の名称立方晶窒化硼素焼結体
出願人株式会社タンガロイ
代理人個人,個人,個人,個人
主分類C22C 29/16 20060101AFI20240411BHJP(冶金;鉄または非鉄合金;合金の処理または非鉄金属の処理)
要約【課題】優れた耐摩耗性及び耐欠損性を有することで、工具寿命を延長することができる立方晶窒化硼素焼結体を提供する。
【解決手段】立方晶窒化硼素と結合相とを含む立方晶窒化硼素焼結体であって、立方晶窒化硼素の含有割合は、焼結体の総量に対して30.0体積%以上70.0体積%以下であり、結合相の含有割合は、焼結体の総量に対して30.0体積%以上70.0体積%以下であり、結合相は、Al化合物及びZr化合物を含み、Al化合物は、α型Al2O3を含み、Zr化合物は、ZrB2及びZrOを含み、α型Al2O3の(110)面のX線回折ピーク強度をIal、ZrB2の(101)面のX線回折ピーク強度をIzb、ZrOの(111)面のX線回折ピーク強度をIzoとしたとき、Izb/Ialが0.30を超え5.00以下であり、Izb/Izoが0.10以上1.00以下である、立方晶窒化硼素焼結体。
【選択図】なし
特許請求の範囲【請求項1】
立方晶窒化硼素と結合相とを含む立方晶窒化硼素焼結体であって、
前記立方晶窒化硼素の含有割合は、前記焼結体の総量に対して30.0体積%以上70.0体積%以下であり、
前記結合相の含有割合は、前記焼結体の総量に対して30.0体積%以上70.0体積%以下であり、
前記結合相は、Al化合物及びZr化合物を含み、
前記Al化合物は、α型Al



を含み、
前記Zr化合物は、ZrB

及びZrOを含み、
前記α型Al



の(110)面のX線回折ピーク強度をI
al
、前記ZrB

の(101)面のX線回折ピーク強度をI
zb
、前記ZrOの(111)面のX線回折ピーク強度をI
zo
としたとき、

zb
/I
al
が0.30を超え5.00以下であり、

zb
/I
zo
が0.10以上1.00以下である、立方晶窒化硼素焼結体。
続きを表示(約 560 文字)【請求項2】
前記Zr化合物の含有割合は、前記焼結体の総量に対して10.0体積%以上25.0体積%以下である、請求項1に記載の立方晶窒化硼素焼結体。
【請求項3】
前記Zr化合物は、さらにZrO

を含み、
前記ZrO

は、立方晶ZrO

及び/又は正方晶ZrO

を含み、
前記立方晶ZrO

の(111)面のX線回折ピーク強度I
zc
と前記正方晶ZrO

の(101)のX線回折ピーク強度I
zt
との合計を(I
zc
+I
zt
)としたとき、

zo
/(I
zc
+I
zt
)が0.50以上3.00以下である、請求項1又は2に記載の立方晶窒化硼素焼結体。
【請求項4】
前記Zr化合物の平均粒径が50nm以上300nm以下である、請求項1又は2に記載の立方晶窒化硼素焼結体。
【請求項5】
前記立方晶窒化硼素の平均粒径が0.5μm以上3.0μm以下である、請求項1又は2に記載の立方晶窒化硼素焼結体。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、立方晶窒化硼素焼結体に関する。
続きを表示(約 2,500 文字)【背景技術】
【0002】
立方晶窒化硼素(以下「cBN」ともいう。)は、ダイヤモンドに次ぐ高い硬度と優れた熱伝導性を持つ。また、立方晶窒化硼素は、ダイヤモンドに比べて鉄との親和性が低いという特徴を持つ。そのため、立方晶窒化硼素と、金属やセラミックスの結合相とからなる立方晶窒化硼素焼結体は、切削工具や耐摩耗工具などに用いられている。
【0003】
近年、加工能率を上げるため従来よりも切削条件が厳しくなる傾向があり、これまでより工具寿命を長くすることが求められている。特に、切削加工時に工具の刃先温度が高くなる加工、例えば普通鋳鉄の高速加工などにおいて、さらに耐摩耗性を向上させ、こうした要求に十分に応えられる技術が提案されている。
【0004】
このような切削工具などに使われている立方晶窒化硼素焼結体の従来技術としては、立方晶窒化硼素とAlの酸化物とZrの酸化物とZrの硼化物とからなる焼結体がある。具体的には、例えば、特許文献1には、立方晶窒化硼素:約30~約70体積%と、Ti、Al、Zr、Y、Ce、Mg、Caの酸化物、炭化物、窒化物、硼化物およびこれらの相互固溶体の中から選ばれた少なくとも1種からなる結合相および不可避的不純物:残部とから構成され、α型Al



とZrB

とZrO

とZrOとを含有し、α型Al



の(110)面のX線回折強度をIa、ZrB

の(101)面のX線回折強度をIzb、ZrOの(111)面のX線回折強度をIzoと表したとき、Iaに対するIzbの割合を示す(Izb/Ia)が0.13≦(Izb/Ia)≦0.30を満足し、Iaに対するIzoの割合を示す(Izo/Ia)が0.05≦(Izo/Ia)≦0.20を満足することを特徴とする立方晶窒化硼素焼結体について開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
国際公開第2011/059020号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
近年は、「鋳鉄」の加工用工具に適用する立方晶窒化硼素焼結体ついて、より一層耐摩耗性及び耐欠損性に優れ、長い工具寿命を有することのできる立方晶窒化硼素焼結体が求められている。
【0007】
本発明は、優れた耐摩耗性及び耐欠損性を有することによって、工具寿命を延長することができる立方晶窒化硼素焼結体を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明者は、工具寿命の延長について研究を重ねたところ、特許文献1に対する相違点である、以下の本発明の特徴が、本発明で向上した性能に影響するという知見が得られた。すなわち、立方晶窒化硼素焼結体を特定の構成にすると、その耐摩耗性及び耐欠損性を向上させることが可能となり、その結果、工具寿命を延長することができることを見出し、本発明を完成するに至った。
【0009】
本発明の要旨は、以下の通りである。
[1]
立方晶窒化硼素と結合相とを含む立方晶窒化硼素焼結体であって、
前記立方晶窒化硼素の含有割合は、前記焼結体の総量に対して30.0体積%以上70.0体積%以下であり、
前記結合相の含有割合は、前記焼結体の総量に対して30.0体積%以上70.0体積%以下であり、
前記結合相は、Al化合物及びZr化合物を含み、
前記Al化合物は、α型Al



を含み、
前記Zr化合物は、ZrB

及びZrOを含み、
前記α型Al



の(110)面のX線回折ピーク強度をI
al
、前記ZrB

の(101)面のX線回折ピーク強度をI
zb
、前記ZrOの(111)面のX線回折ピーク強度をI
zo
としたとき、

zb
/I
al
が0.30を超え5.00以下であり、

zb
/I
zo
が0.10以上1.00以下である、立方晶窒化硼素焼結体。
[2]
前記Zr化合物の含有割合は、前記焼結体の総量に対して10.0体積%以上25.0体積%以下である、[1]に記載の立方晶窒化硼素焼結体。
[3]
前記Zr化合物は、さらにZrO

を含み、
前記ZrO

は、立方晶ZrO

及び/又は正方晶ZrO

を含み、
前記立方晶ZrO

の(111)面のX線回折ピーク強度I
zc
と前記正方晶ZrO

の(101)のX線回折ピーク強度I
zt
との合計を(I
zc
+I
zt
)としたとき、

zo
/(I
zc
+I
zt
)が0.50以上3.00以下である、[1]又は[2]に記載の立方晶窒化硼素焼結体。
[4]
前記Zr化合物の平均粒径が50nm以上300nm以下である、[1]から[3]のいずれかに記載の立方晶窒化硼素焼結体。
[5]
前記立方晶窒化硼素の平均粒径が0.5μm以上3.0μm以下である、[1]から[4]のいずれかに記載の立方晶窒化硼素焼結体。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、優れた耐摩耗性及び耐欠損性を有することによって、工具寿命を延長することができる立方晶窒化硼素焼結体を提供することができる。
【発明を実施するための形態】
(【0011】以降は省略されています)

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