TOP特許意匠商標
特許ウォッチ Twitter
公開番号2024039270
公報種別公開特許公報(A)
公開日2024-03-22
出願番号2022143692
出願日2022-09-09
発明の名称高クロム鋳鉄および高クロム鋳鉄の製造方法
出願人古河機械金属株式会社
代理人個人
主分類C22C 37/06 20060101AFI20240314BHJP(冶金;鉄または非鉄合金;合金の処理または非鉄金属の処理)
要約【課題】耐摩耗性が向上した高クロム鋳鉄およびその製造方法を提供する。
【解決手段】C、CrおよびFeを含む高クロム鋳鉄であって、前記Cの含有量が2.1質量%以上3.2質量%以下であり、前記Crの含有量が27.0質量%以上40.0質量%以下であり、前記Feの含有量が40.0質量%以上70.9質量%以下である、高クロム鋳鉄。
【選択図】なし
特許請求の範囲【請求項1】
C、CrおよびFeを含む高クロム鋳鉄であって、
前記Cの含有量が2.1質量%以上3.2質量%以下であり、
前記Crの含有量が27.0質量%以上40.0質量%以下であり、
前記Feの含有量が40.0質量%以上70.9質量%以下である、高クロム鋳鉄。
続きを表示(約 700 文字)【請求項2】
前記Cの含有量が2.3質量%以上3.0質量%以下であり、前記Crの含有量が30.0質量%以上38.0質量%以下である、請求項1に記載の高クロム鋳鉄。
【請求項3】
前記Cの含有量が2.5質量%以上2.9質量%以下であり、前記Crの含有量が32.0質量%以上37.0質量%以下である、請求項1または2に記載の高クロム鋳鉄。
【請求項4】
前記Cの含有量が2.7質量%以上2.8質量%以下であり、前記Crの含有量が34.0質量%以上36.0質量%以下である、請求項1または2に記載の高クロム鋳鉄。
【請求項5】
前記Feの含有量が50.0質量%以上67.9質量%以下である、請求項1または2に記載の高クロム鋳鉄。
【請求項6】
SiおよびMnからなる群から選択される一種または二種の元素をさらに含む、請求項1または2に記載の高クロム鋳鉄。
【請求項7】
前記Siの含有量が0質量%超え2.0質量%以下である、請求項6に記載の高クロム鋳鉄。
【請求項8】
前記Mnの含有量が0質量%超え5.0質量%以下である、請求項6に記載の高クロム鋳鉄。
【請求項9】
Mo、W、Nb、V、Co、Ni、Cu、Tiおよび希土類元素からなる群から選択される一種または二種以上の元素をさらに含む、請求項1または2に記載の高クロム鋳鉄。
【請求項10】
ロックウェル硬度HRCが55以上である、請求項1または2に記載の高クロム鋳鉄。
(【請求項11】以降は省略されています)

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、高クロム鋳鉄および高クロム鋳鉄の製造方法に関する。
続きを表示(約 2,000 文字)【背景技術】
【0002】
高クロム鋳鉄は、主要構成元素が鉄(Fe)、カーボン(C)、およびクロム(Cr)であり、高硬度の炭化物とそれを取り囲むマトリックス組織からなり、耐摩耗性に優れた材料である。
このような高クロム鋳鉄に関する技術としては、例えば、以下の特許文献1~5に記載のものが挙げられる。
【0003】
特許文献1(特開2001-49381号公報)には、C:3.8~4.5%、Si:1.0%以下、Mn:1.5%以下、Cr:10.0~20.0%、Mo:3.0~4.5%、W:3.0~4.0%、Nb:3.0~5.0%、(何れも重量%)および不可避的不純物の元素を含み残部が実質的にFeの高Cr鋳鉄よりなり、最適な熱処理温度で加熱保持した後、焼入れ処理を施してロックウェル硬度C(HRC)69またはショア硬度(Hs)100以上の高硬度を具えると共に、前記WおよびNbの炭化物形成作用により補正したC重量%とCr重量%の関係においてFe-Cr-C系の炭化物共晶線より常に低C側の亜共晶範囲に含まれることを特徴とする耐摩耗合金鋳鉄材が記載されている。
そして、特許文献1には、前記耐摩耗合金鋳鉄材が、本来の耐摩耗性向上については定評のある過共晶の範囲に入りながら、靭性を失わない亜共晶範囲とほぼ実質的に同じ靭性を保って、極めて高硬度のW、Nb炭化物を形成する効果と、比較的安定した亜共晶範囲の基地強度とを並立させ、かつ、微細なCr炭化物を分散析出させた理想的な耐摩耗部材を提供する効果があると記載されている。
【0004】
特許文献2(特開2003-286537号公報)には、C2.4~3.5wt%、Si0.5~1.5wt%、Mn0.5~2.5wt%、Cr14~21wt%、Mo2~4wt%、Ni0.5~2.5wt%、および残部がFeと不可避不純物からなり、硬さ62~67HRC、残留応力-200~200MPaであることを特徴とする大物用高クロム鋳鉄鋳物が、耐用寿命を長くし、かつ、使用中の破損を防止し得ると記載されている。
【0005】
特許文献3(特開2008-75108号公報)には、質量%で、C:1.6~3%、Si:0.3~2%、Mn:0.3~2%、Cr:6~15%、Mo:2~8%、V:4~8%、Nb:0.5~4.0%を含有し、残部Feおよび不可避的不純物からなる組成を有し、焼入れ焼戻処理を施されてなることを特徴とする耐摩耗部材用鋳物によれば、従来の高クロム鋳鉄や高マンガン鋳鋼に比べて格段に優れた耐摩耗性を有し、さらに高クロム鋳鉄よりも高い強度と優れた靭性とを兼備する、耐摩耗部材用として好適な耐摩耗性鋳物を安価にしかも容易に製造でき、産業上格段の効果を奏すると記載されている。
【0006】
特許文献4(特開2012-219346号公報)には、マンガンの含有量が2.15重量%~3.5重量%である高クロム鋳鉄が、耐摩耗性を向上できると記載されている。
【0007】
特許文献5(特開2013-237904号公報)には、質量%でC3.0~3.4%、Si0.3~1.0%、Mn0.5~1.2%、Cr16~20%、Mo0.3~1.0%、5×Mo%≧Ni%≧2×Mo%、および残部がFeと不可避不純物からなり、製品肉厚が1~6インチであることを特徴とする高クロム耐摩耗鋳鉄が、Moの省資源、コストダウンを図ることができると共に、鋳物製品の内部まで均一な硬さとなるように焼入れすることが可能になったため、鋳物製品の耐久性が向上すると記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
特開2001-49381号公報
特開2003-286537号公報
特開2008-75108号公報
特開2012-219346号公報
特開2013-237904号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
例えば、建設機械、窯業、砕石、採鉱、電力、浚渫等の設備や産業用機械においては、取り扱う原料や素材と接触または擦過する部材の摩耗が著しいため、このような部材に用いられる材料には耐摩耗性のさらなる向上が求められている。
既知の技術では、最近の耐摩耗部材への厳しい要求特性を満足できるほどの耐摩耗性を確保できず、部材の摩耗が速いという問題がある。
本発明は上記事情に鑑みてなされたものであり、耐摩耗性が向上した高クロム鋳鉄およびその製造方法を提供するものである。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明によれば、以下に示す高クロム鋳鉄および高クロム鋳鉄の製造方法が提供される。
(【0011】以降は省略されています)

この特許をJ-PlatPatで参照する

関連特許