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公開番号2024034822
公報種別公開特許公報(A)
公開日2024-03-13
出願番号2022139331
出願日2022-09-01
発明の名称有価金属の回収方法
出願人住友金属鉱山株式会社
代理人個人,個人
主分類C22B 7/00 20060101AFI20240306BHJP(冶金;鉄または非鉄合金;合金の処理または非鉄金属の処理)
要約【課題】廃リチウムイオン電池から有価金属を効率的に回収することができる方法を提供すること。
【解決手段】本発明は、廃リチウムイオン電池からの有価金属の回収方法であって、廃リチウムイオン電池を含む原料に対して酸化焙焼処理を施す酸化焙焼工程S3と、得られる酸化焙焼物を炭素の存在下で還元する還元工程S4と、を有する。酸化焙焼工程S3にて発生する排ガス中のダストに対して600℃以上1000℃未満の加熱処理を施して回収し、回収した加熱処理後のダストの少なくとも一部を還元工程S4における被処理物に加えることを特徴とする。ダストに対する加熱処理の温度は、900℃以上1000℃未満であることが好ましい。
【選択図】図2

特許請求の範囲【請求項1】
廃リチウムイオン電池からの有価金属の回収方法であって、
前記廃リチウムイオン電池を含む原料に対して酸化焙焼処理を施す酸化焙焼工程と、
得られる酸化焙焼物を炭素の存在下で還元する還元工程と、を有し、
前記酸化焙焼工程にて発生する排ガス中のダストに対して600℃以上1000℃未満の加熱処理を施して回収し、回収した加熱処理後のダストの少なくとも一部を前記還元工程における被処理物に加える、
有価金属の回収方法。
続きを表示(約 230 文字)【請求項2】
前記ダストに対する加熱処理の温度が900℃以上1000℃未満である、
請求項1に記載の有価金属の回収方法。
【請求項3】
前記酸化焙焼工程では、処理対象となる前記原料中の炭素の化学当量の1.5倍以上の酸化剤を導入して、600℃以上900℃以下の範囲で選択される処理温度で前記酸化焙焼処理が行い、得られる前記酸化焙焼物の炭素品位を1.0質量%未満とする、
請求項1又は2に記載の有価金属の回収方法。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、廃リチウムイオン電池に含まれる有価金属の回収方法に関する。
続きを表示(約 2,000 文字)【背景技術】
【0002】
近年、軽量で大出力の二次電池としてリチウムイオン電池が普及している。リチウムイオン電池としては、アルミニウムや鉄等の金属製の外装缶内に、銅箔からなる負極集電体に黒鉛等の負極活物質を固着した負極材、アルミニウム箔からなる正極集電体にニッケル酸リチウムやコバルト酸リチウム等の正極活物質を固着した正極材、ポリプロピレンの多孔質樹脂フィルム等からなるセパレータ、六フッ化リン酸リチウム(LiPF

)等の電解質を含む電解液等を封入したものが知られている。
【0003】
リチウムイオン電池の主要な用途の一つに、ハイブリッド自動車や電気自動車があり、自動車のライフサイクルと共に、搭載されたリチウムイオン電池も将来大量に廃棄される見込みとなっている。このような使用済みの電池や、製造中に生じた不良品(以下、「廃リチウムイオン電池」と称する)を資源として再利用する提案が多くなされており、廃リチウムイオン電池の再利用法として、高温炉で廃電池を全量熔解する乾式製錬プロセスが提案されている(例えば、特許文献1参照)。
【0004】
特許文献1に開示される方法は、銅製錬炉に装入物(銅精鉱)とスラグ形成剤とを投入して焙焼した後の還元工程において、発熱剤及び/又は還元剤の少なくとも一部を、金属鉄、金属アルミニウム、及びカーボンのいずれか1つ以上を含む廃リチウムイオン電池で置き換えて添加するというものである。
【0005】
ところで、市販のリチウムイオン電池の電解質には、上述したように六フッ化リン酸リチウムが用いられている。六フッ化リン酸リチウムは、電解液として多用されているカーボネートへの溶解度やリチウムイオン解離度が高く、安価であるといった理由から広く用いられている。一般的な円筒型リチウムイオン電池である、いわゆる18650型電池が焙焼された廃リチウムイオン電池には約0.2質量%以上の割合で、車載用の角型電池が焙焼された廃リチウムイオン電池には約0.1質量%程度以上の割合で、リン(P)が含まれている。そして、18650型の場合には鉄製外装缶を、角型電池の場合にはアルミニウム製外装缶を取り除いたときにおける、電池内容物中のリン含有量はさらに高まる。
【0006】
銅精錬炉のように、常に合金が存在する高温環境にリンを含む廃リチウムイオン電池を投入すると、リンは合金中へ分配され、最終的にはリンのほぼ全量が粗銅中へ不純物として混入してしまう。粗銅の湿式製錬プロセスによる電解処理では、リンの約7割は電解液中に分配されるため、電解が進むと電解液中のリン濃度が上昇してしまうという問題がある。電解液中のリン濃度を低減させるためには、湿式製錬プロセスにリンを除去するための浄液工程を新たに設ける必要がある。しかしながら、湿式製錬プロセスでは銅のみ採取すればよいわけではなく、他の回収対象元素の回収率への影響がないように工程を追加することは、技術的にもコスト的にも容易ではない。したがって、湿式製錬プロセスの前工程である乾式製錬プロセスにおいて、効果的にリンを除去することが求められている。
【0007】
例えば、特許文献2に開示される方法によれば、廃リチウムイオン電池の内容物を酸化焙焼及び還元を経て熔融させることで得られた合金を部分硫化することによって、高濃度のリンを含有する内容物であっても、リンを残留合金に分配し、リン含有量の低い硫化物として銅、ニッケル、コバルト等の有価金属を回収することができる。しかしながら、この方法に規定される温度域の下限付近で酸化焙焼処理を行った場合は、処理対象となる廃リチウムイオン電池の品位に起因して、酸化焙焼処理における炭素(C)の酸化除去が不十分となる。その結果、還元熔融処理においてメタルとスラグの分離が妨げられ、有価金属の回収率が低下してしまうことがあった。さらに、鉄やリン等の不純物まで還元されてしまうことに起因し、後工程にて不純物を除去するためのコストが悪化してしまうことがあった。
【0008】
こうした問題が生じることを回避するために、特許文献2に記載の方法に規定される温度域の上限付近で酸化焙焼処理を行うことは有効であるが、熱エネルギーコストがかかるうえ、温度制御が困難になることがある。そしてその結果、酸化焙焼物が焼結してしまうことにより、効率的な焙焼処理ができないことがあった。
【0009】
このように、従来の技術では、酸化焙焼処理物の品位と、酸化焙焼処理の処理効率の両立を図ることは難しかった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0010】
特許5818798号公報
特開2018-197385号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
(【0011】以降は省略されています)

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