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公開番号2024024462
公報種別公開特許公報(A)
公開日2024-02-22
出願番号2022127297
出願日2022-08-09
発明の名称中和工程のpH制御法
出願人住友金属鉱山株式会社
代理人個人
主分類C22B 3/44 20060101AFI20240215BHJP(冶金;鉄または非鉄合金;合金の処理または非鉄金属の処理)
要約【課題】オートクレーブへの硫酸添加開始時の予備中和工程への石灰石添加タイミングを制御し、より早く目標pHへ到達するための制御法を提供する。
【解決手段】高圧酸浸出法の適用開始時における硫酸浸出を経た浸出液に行われる中和工程のpH制御法であって、前記硫酸浸出の硫酸添加の開始後、80~100分の間に、前記中和工程での前記浸出液へのpH調整剤の添加を開始し、前記pH調整剤の添加が、前記硫酸添加がオートクレーブで行われたあとの前記浸出液に行われ、且つ前記硫酸添加の開始後80~100分経過した時点から、前記浸出液が中和工程に到達する時点までの間に添加されるpH調整剤の添加量を、前記オートクレーブ内の鉱石スラリーへの硫酸添加開始後30分間に添加された硫酸の総量を中和するに等しいpH調整剤当量とすることを特徴とする高圧酸浸出法の適用開始時における硫酸浸出を経た酸性プロセス液である浸出液に対して行われる中和工程のpH制御法。
【選択図】 なし
特許請求の範囲【請求項1】
高圧酸浸出法の適用開始時における硫酸浸出を経た酸性プロセス液である浸出液に対して行われる中和工程のpH制御法であって、
前記中和工程におけるpH制御が、前記硫酸浸出の硫酸添加の開始後、80~100分の間に、前記中和工程での前記浸出液へのpH調整剤の添加を開始し、前記pH調整剤の添加が、前記硫酸添加がオートクレーブで行われたあとの前記浸出液に行われ、且つ前記硫酸添加の開始後80~100分経過した時点から、前記浸出液が中和工程に到達する時点までの間に添加されるpH調整剤の添加量を、前記オートクレーブ内の鉱石スラリーへの硫酸添加開始後30分間に添加された硫酸の総量を中和するに等しいpH調整剤当量とすることを特徴とする高圧酸浸出法の適用開始時における硫酸浸出を経た酸性プロセス液である浸出液に対して行われる中和工程のpH制御法。
続きを表示(約 450 文字)【請求項2】
少なくとも30分に1回は前記中和工程後のpHを測定し、得られた前記pHの測定値により、前記中和工程における前記pH調整剤の添加量を調整することを特徴とする請求項1に記載の高圧酸浸出法の適用開始時における硫酸浸出を経た酸性プロセス液である浸出液に対して行われる中和工程のpH制御法。
【請求項3】
前記pH調整剤が、石灰石であることを特徴とする請求項1又は2に記載の高圧酸浸出法の適用開始時における硫酸浸出を経た酸性プロセス液である浸出液に対して行われる中和工程のpH制御法。
【請求項4】
前記中和工程が、原料の鉱石スラリーを貯留するオートクレーブ内の圧力を高めながら、前記オートクレーブ内の鉱石スラリーへの硫酸添加による硫酸浸出により得られた前記浸出液に対して行われる予備中和工程であることを特徴とする請求項1又は2に記載の高圧酸浸出法の適用開始時における硫酸浸出を経た酸性プロセス液である浸出液に対して行われる中和工程のpH制御法。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、酸化ニッケル鉱石の高圧酸浸出技術に関する。より詳しくは、高圧酸浸出工程の操業立ち上げ時の中和工程におけるpH制御法に関し、具体的には、pH調整剤である石灰石の供給方法に関する。
続きを表示(約 2,100 文字)【背景技術】
【0002】
ニッケル酸化鉱石を原料とするニッケル湿式製錬の分野においては、高温高圧下で酸浸出する高圧酸浸出(HPAL:High Pressure Acid Leach)法による、低ニッケル品位鉱石からの有価金属の回収が実用化されている。そして、HPAL法によってニッケル酸化鉱石より浸出されたニッケル、コバルト等の有価金属の回収については、加圧下で有価金属を含む硫酸浴に硫化水素ガス等の硫化剤を添加することにより、硫化物(ニッケル・コバルト混合硫化物)として回収する方法が一般的に行われている。
【0003】
この高圧酸浸出法では、高温・高圧条件としたオートクレーブへ供給する鉱石スラリーに対して適切に硫酸を添加することにより、ニッケル酸化鉱石に含まれる種々の金属元素(主にニッケル、マグネシウム、鉄、アルミニウム)成分を酸浸出することが行われている。
【0004】
その高圧での硫酸による浸出工程(高圧硫酸浸出工程とも称す)後、硫化ニッケルを得るまでのニッケルのプロセスフローを含めた高圧酸浸出法(HPAL法)の代表的なプロセスフローを図1(特許文献1参照)に示す。
【0005】
この図1に示す湿式製錬法では、所定の粒度を有するニッケル酸化鉱石を含んだ鉱石スラリーの調製を行う鉱石前処理工程S0と、その鉱石スラリーに硫酸を添加して高温高圧下で浸出処理を施すことで浸出スラリーを生成する浸出工程S1(高圧硫酸浸出工程と称す)と、その浸出スラリーにpH調整剤を添加してpHを所定範囲内に調整する予備中和工程S2と、そのpH調整された浸出スラリーを多段洗浄することでニッケル及びコバルトと共に不純物元素を含む浸出液を浸出残渣から分離する固液分離工程S3と、その浸出液に中和剤を添加することで不純物元素を含む中和澱物を生成し、これを分離除去してニッケル及びコバルトと共に亜鉛を含む中和終液を得る中和工程S4と、得られた中和終液に硫化剤を添加することで亜鉛硫化物を生成し、これを分離除去してニッケル及びコバルトを含むニッケル回収用母液を得る脱亜鉛工程S5と、そのニッケル回収用母液に硫化剤として硫化水素と水流化ナトリウムを添加することでニッケル及びコバルトを含むNiCo混合硫化物を生成した後、固液分離により、そのNiCo混合硫化物を回収するニッケル回収工程S6と、ニッケル回収工程S6の固液分離により液相側に排出されるニッケル回収終液に酸化性スラリーを所定量添加して硫化剤の分解処理を行う硫化剤除去工程S7と、その分解処理により排出される貧液を上記固液分離工程S3から排出される浸出残渣と共に無害化処理する最終中和工程S8とを有している。
【0006】
ここで、高圧での硫酸による浸出後のプロセス液は強酸性(pH0.5~1.0)であり、予備中和工程、洗浄(向流多段洗浄法)による浸出残渣を分離した浸出液を得る固液分離工程を経た後、不純物を分離する中和工程(固液分離を含む)を経ることで、所定のpHに調整したのち、脱亜鉛工程および硫化反応工程において硫化水素ガスと硫酸ニッケルを反応させることで、硫化ニッケルを得ている。
【0007】
この脱亜鉛工程以後に供するプロセス液は、硫化反応の進行を促進させるため所定のpHである必要があり、主に予備中和工程においてpHを精密に制御(例えばpH2.8~3.2)している。
この予備中和工程においては、石灰石を用いた中和処理を行っており、pHを上昇させて主に遊離酸(金属成分と未反応の硫酸)を中和しているが、硫酸イオンは石灰石のカルシウムと反応し、石膏として沈降する(反応式1参照)。
【0008】
TIFF
2024024462000001.tif
11
141
【0009】
予備中和工程のpH制御においては、反応槽へpH計を常設することで、pH見合いにより石灰石添加量を制御する方式が理想ではあるものの、予備中和工程は高温かつ強酸性、スラリー性という過酷な環境にあり、pH計の誤指示や故障頻度が高く、常設のpH計を設置することは難しい。
従って、予備中和工程後のプロセス液を採取し、別途pHを測定することでpHを監視し、測定値に応じて石灰石添加量を変化させる管理体制を取っている。
【0010】
このような特別なpH管理体制は、高圧硫酸浸出後のプロセス液のpHが安定している通常操業状態においては、石灰石添加量も概ね安定させることができ、予備中和工程後のpH測定値に応じて石灰石添加量を調整する方式で問題無い。一方、例えばオートクレーブへの硫酸添加開始時など操業変動が大きい場合においては、硫酸添加前後で浸出液のpHが7~8(硫酸添加開始前)から0.5~1.0(硫酸添加開始後)へ大きく変動するため、これに追従するように予備中和工程での石灰石添加量を変動させて調整する必要がある。
(【0011】以降は省略されています)

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