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公開番号2024021969
公報種別公開特許公報(A)
公開日2024-02-16
出願番号2022125202
出願日2022-08-05
発明の名称鋼材及び鋼素形材
出願人日本製鉄株式会社
代理人アセンド弁理士法人
主分類C22C 38/00 20060101AFI20240208BHJP(冶金;鉄または非鉄合金;合金の処理または非鉄金属の処理)
要約【課題】被削性に優れ、素材として用いられて窒化処理して窒化鋼部品とした場合に、優れた曲げ疲労強度及び優れた塑性変形能を有する鋼材及び鋼素形材を提供する。
【解決手段】本実施形態による鋼材は、化学組成が、質量%で、C:0.33~0.45%、Si:0.15~0.35%、Mn:0.40~0.70%、P:0.035~0.070%、S:0.040~0.095%、Cu:0.25%以下、Ni:0.25%以下、Cr:0.04~0.25%未満、Al:0.025%以下、N:0.010~0.020%、及び、Ti:0.002~0.030%、を含有し、残部はFe及び不純物からなり、式(1)を満たす。
0.130<0.10Si+1.7P+4.7N<0.230 (1)
ここで、式(1)の各元素記号には、対応する元素の質量%での含有量が代入される。
【選択図】なし
特許請求の範囲【請求項1】
化学組成が、質量%で、
C:0.33~0.45%、
Si:0.15~0.35%、
Mn:0.40~0.70%、
P:0.035~0.070%、
S:0.040~0.095%、
Cu:0.25%以下、
Ni:0.25%以下、
Cr:0.04~0.25%未満、
Al:0.025%以下、
N:0.010~0.020%、及び、
Ti:0.002~0.030%、を含有し、残部はFe及び不純物からなり、
式(1)を満たす、
鋼材。
0.130<0.10Si+1.7P+4.7N<0.230 (1)
ここで、式(1)の各元素記号には、対応する元素の質量%での含有量が代入される。
続きを表示(約 750 文字)【請求項2】
化学組成が、質量%で、
C:0.33~0.45%、
Si:0.15~0.35%、
Mn:0.40~0.70%、
P:0.035~0.070%、
S:0.040~0.095%、
Cu:0.25%以下、
Ni:0.25%以下、
Cr:0.04~0.25%未満、
Al:0.025%以下、
N:0.010~0.020%、及び、
Ti:0.002~0.030%、を含有し、
さらに、第1群及び第2群からなる群から選択される1種以上を含有し、残部はFe及び不純物からなり、
式(1)を満たす、
鋼材。
[第1群]
Ca:0.0050%以下
[第2群]
V:0.02%以下、
Mo:0.02%以下、及び、
B:0.0003%以下、からなる群から選択される1種以上
0.130<0.10Si+1.7P+4.7N<0.230 (1)
ここで、式(1)の各元素記号には、対応する元素の質量%での含有量が代入される。
【請求項3】
請求項2に記載の鋼材であって、
前記化学組成は、前記第1群を含有する、
鋼材。
【請求項4】
請求項2に記載の鋼材であって、
前記化学組成は、前記第2群を含有する、
鋼材。
【請求項5】
請求項1~請求項4のいずれか1項に記載の前記化学組成を有し、
前記式(1)を満たし、
ミクロ組織において、初析フェライトの面積率が15%以上であり、残部はパーライトからなる、
鋼素形材。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、鋼材及び鋼素形材に関する。
続きを表示(約 1,400 文字)【背景技術】
【0002】
自動車、船舶、産業機械等のクランクシャフトに代表される鋼部品は、高い曲げ疲労強度が要求される。高い曲げ疲労強度が要求される鋼部品の製造方法の一例は、次のとおりである。初めに、素材となる鋼材を熱間鍛造して鋼素形材を製造する。製造した鋼素形材を機械加工(切削加工等)して、最終製品に近い形状にする。高い曲げ疲労強度を得る場合、機械加工後の鋼素形材に対して、表面硬化処理を実施して、表層の強度を高める。表面硬化処理は例えば、高周波焼入れ処理や窒化処理である。以上の工程により、鋼部品を製造する。
【0003】
表面硬化処理の一種である高周波焼入れ処理は通常、A
c3
点以上に加熱し、その後急速冷却する。これにより、組織を変態させて表層を硬化させる。一方、窒化処理は通常、A
c1
点以下で加熱する。そして、鋼材表層に窒素を導入し、組織を変態させることなく、表層を硬化させる。
【0004】
上述のとおり、窒化処理は組織変態を伴わない熱処理であるのに対し、高周波焼入れ処理は組織変態を伴う熱処理である。したがって、窒化処理は、高周波焼入れ処理と比較して、熱処理による歪みが少ない。そのため、寸法精度が求められる鋼部品では、表面硬化処理として窒化処理が実施される。本明細書では、窒化処理が施される鋼部品を、「窒化鋼部品」という。
【0005】
窒化鋼部品の素材となる鋼材では、窒化鋼部品とした場合に十分な曲げ疲労強度が得られることが求められる。さらに、上述のとおり、製造工程中に切削加工に代表される機械加工が実施されるため、優れた被削性が求められる。
【0006】
鋼部品の素材となる鋼材に関する被削性の向上、又は、曲げ疲労強度の向上に関する技術が、特開2008-57021号公報(特許文献1)及び特開平7-179986号公報(特許文献2)に開示されている。
【0007】
特許文献1では、鋼材にS及びCaを含有させることによりMnSの形態を変化させる。これにより、鋼材の被削性が高まる、と特許文献1には記載されている。
【0008】
特許文献2では、鋼材中のS含有量を高め、さらに、C含有量を0.30%以下とし、かつ、炭素当量を適切な範囲とする。これにより、鋼材の被削性を高めている。さらに、曲げ疲労強度を高めるために、Cr含有量を0.40%以上とし、かつ、V含有量を0.03%以上とする。鋼材の化学組成を上記のとおり調整することにより、被削性と曲げ疲労強度とを高めることができる、と特許文献2には記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0009】
特開2008-57021号公報
特開平7-179986号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
ところで、窒化鋼部品では、他の鋼部品との嵌め合い部をかしめたり、他の鋼部品と組み合わせるときに、他の鋼部品の形状に合わせて形状を若干修正するために、微小な塑性変形を与える場合がある。そのため、窒化鋼部品の素材となる鋼材では、窒化鋼部品としたときに、優れた塑性変形能が得られることが求められる。特許文献1及び2では、上述の塑性変形能に関する検討はされていない。
(【0011】以降は省略されています)

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