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公開番号2024011727
公報種別公開特許公報(A)
公開日2024-01-25
出願番号2022113970
出願日2022-07-15
発明の名称線材
出願人日本製鉄株式会社
代理人アセンド弁理士法人
主分類C22C 38/00 20060101AFI20240118BHJP(冶金;鉄または非鉄合金;合金の処理または非鉄金属の処理)
要約【課題】ブリスターの発生を抑制可能な線材を提供する。
【解決手段】線材は、化学組成が、質量%で、C:0.70~1.20%、Si:0.10~1.00%、Mn:0.10~1.00%、P:0.020%以下、S:0.020%以下、Al:0.005%以下、N:0.0010~0.0100%、Cu:0.010~0.500%、Ni:0.010~0.500%、Sn:0.003~0.100%、及び、O:0.0030%以下、を含有し、残部はFe及び不純物からなり、線材の表層でのCu含有量の指標を[Cu]Sとし、Sn含有量の指標を[Sn]Sとし、線材の内部のCu含有量の指標を[Cu]Bとし、Sn含有量の指標を[Sn]Bとしたとき、式(1)を満たす。
([Cu]S+[Sn]S)/([Cu]B+[Sn]B)>1.10 (1)
【選択図】なし
特許請求の範囲【請求項1】
線材であって、
化学組成が、質量%で、
C:0.70~1.20%、
Si:0.10~1.00%、
Mn:0.10~1.00%、
P:0.020%以下、
S:0.020%以下、
Al:0.005%以下、
N:0.0010~0.0100%、
Cu:0.010~0.500%、
Ni:0.010~0.500%、
Sn:0.003~0.100%、及び、
O:0.0030%以下、を含有し、残部はFe及び不純物からなり、
前記線材の軸方向に垂直な円形断面のうち、前記線材の表面位置から径方向に100μm深さ位置までの線分観察区域において、前記線分観察区域の前記表面位置から前記100μm深さ位置まで1μm間隔の101点の分析位置で電子線マイクロアナライザによる元素分析を実施して前記各分析位置でのCu含有量及びSn含有量を求め、求めた101個の前記Cu含有量の算術平均値を[Cu]

と定義し、求めた101個の前記Sn含有量の算術平均値を[Sn]

と定義し、
前記線材の軸方向に垂直な前記円形断面のうち、前記円形断面の中心を含み、1辺が10μmの正方形観察区域において、前記正方形観察区域を1辺が1μmの微小正方形に区画したときの前記各微小正方形の頂点に相当する121個の分析位置で前記電子線マイクロアナライザによる元素分析を実施して前記各分析位置でのCu含有量及びSn含有量を求め、求めた121個の前記Cu含有量の算術平均値を[Cu]

と定義し、求めた121個の前記Sn含有量の算術平均値を[Sn]

と定義したとき、式(1)を満たす、
線材。
([Cu]

+[Sn]

)/([Cu]

+[Sn]

)>1.10 (1)
続きを表示(約 1,200 文字)【請求項2】
線材であって、
化学組成が、質量%で、
C:0.70~1.20%、
Si:0.10~1.00%、
Mn:0.10~1.00%、
P:0.020%以下、
S:0.020%以下、
Al:0.005%以下、
N:0.0010~0.0100%、
Cu:0.010~0.500%、
Ni:0.010~0.500%、
Sn:0.003~0.100%、及び、
O:0.0030%以下、を含有し、
さらに、第1群及び第2群からなる群から選択される1種以上を含有し、残部はFe及び不純物からなり、
前記線材の軸方向に垂直な円形断面のうち、前記線材の表面位置から径方向に100μm深さ位置までの線分観察区域において、前記線分観察区域の前記表面位置から前記100μm深さ位置まで1μm間隔の101点の分析位置で電子線マイクロアナライザによる元素分析を実施して前記各分析位置でのCu含有量及びSn含有量を求め、求めた101個の前記Cu含有量の算術平均値を[Cu]

と定義し、求めた101個の前記Sn含有量の算術平均値を[Sn]

と定義し、
前記線材の軸方向に垂直な前記円形断面のうち、前記円形断面の中心を含み、1辺が10μmの正方形観察区域において、前記正方形観察区域を1辺が1μmの微小正方形に区画したときの前記各微小正方形の頂点に相当する121個の分析位置で前記電子線マイクロアナライザによる元素分析を実施して前記各分析位置でのCu含有量及びSn含有量を求め、求めた121個の前記Cu含有量の算術平均値を[Cu]

と定義し、求めた121個の前記Sn含有量の算術平均値を[Sn]

と定義したとき、式(1)を満たす、
線材。
[第1群]
Cr:0.50%以下、
Co:0.50%以下、
Mo:0.20%以下、
B:0.005%以下、
W:0.20%以下、
Ti:0.10%以下、
Nb:0.10%以下、及び、
V:0.10%以下、からなる群から選択される1種以上
[第2群]
Ca:0.0050%以下、
Mg:0.0050%以下、
Zr:0.010%以下、及び、
希土類元素:0.0050%以下、からなる群から選択される1種以上
([Cu]

+[Sn]

)/([Cu]

+[Sn]

)>1.10 (1)
【請求項3】
請求項2に記載の線材であって、
前記第1群を含有する、
線材。
【請求項4】
請求項2に記載の線材であって、
前記第2群を含有する、
線材。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本開示は、線材に関する。
続きを表示(約 1,900 文字)【背景技術】
【0002】
ビードワイヤー、スチールコード及びワイヤロープ等には硬鋼線が用いられる。硬鋼線は、線材又は熱処理(パテンティング処理)された鋼線を素材として、伸線加工処理を施して製造される。伸線加工処理後、ブルーイングや亜鉛めっきを施す場合もある。硬鋼線のうち細いものはさらに、中間パテンティングやブラスめっきを施してもよい。
【0003】
硬鋼線の素材となる線材の表面には、酸化スケールが形成されている。線材の表面に形成されている酸化スケールは、保管中又は運搬中の線材に錆が発生するのを抑制する。
【0004】
しかしながら、線材の表面に形成されている酸化スケールの一部に、ブリスターと呼ばれる膨らみが多数発生する場合がある。ブリスターが発生すると、ブリスター部分の酸化スケールが、保管中又は運搬中に割れやすく、剥離しやすい。ブリスター部分の酸化スケールが割れたり剥離したりすると、その領域には赤錆が発生する。赤錆は伸線加工処理前の脱スケール処理でも除去しにくい。そのため、赤錆に起因して、線材の伸線加工性が低下する。
【0005】
このような線材のブリスターの発生を抑制する技術が、特開2000-239796号公報(特許文献1)に提案されている。
【0006】
特許文献1に開示された線材は、質量%で、C:0.7~1.1%、Si:0.1~1.5%、Mn:0.2~1%、Cr:0~1%、Al:0.003%以下、S:0.01%以下、及び、Y:0.0005~0.02%を含有し、さらに、Ce、La、Nd及びPrのうちの1種以上を前記Yの含有量と合わせて合計で0.0005~0.02%を含有し、残部がFe及び不純物からなる。この線材では、上述の化学組成とすることにより、ブリスターの発生が抑制できる、と特許文献1には記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
特開2000-239796号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
特許文献1に提案された線材では、ブリスターの発生を抑制でき得る。しかしながら、他の技術により、線材の酸化スケールにブリスターが発生するのを抑制できてもよい。
【0009】
本発明の目的は、ブリスターの発生を抑制可能な線材を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明による線材は、
化学組成が、質量%で、
C:0.70~1.20%、
Si:0.10~1.00%、
Mn:0.10~1.00%、
P:0.020%以下、
S:0.020%以下、
Al:0.005%以下、
N:0.0010~0.0100%、
Cu:0.010~0.500%、
Ni:0.010~0.500%、
Sn:0.003~0.100%、及び、
O:0.0030%以下、を含有し、残部はFe及び不純物からなり、
前記線材の軸方向に垂直な円形断面のうち、前記線材の表面位置から径方向に100μm深さ位置までの線分観察区域において、前記線分観察区域の前記表面位置から前記100μm深さ位置まで1μm間隔の101点の分析位置で電子線マイクロアナライザによる元素分析を実施して前記各分析位置でのCu含有量及びSn含有量を求め、求めた101個の前記Cu含有量の算術平均値を[Cu]

と定義し、求めた101個の前記Sn含有量の算術平均値を[Sn]

と定義し、
前記線材の軸方向に垂直な前記円形断面のうち、前記円形断面の中心を含み、1辺が10μmの正方形観察区域において、前記正方形観察区域を1辺が1μmの微小正方形に区画したときの前記各微小正方形の頂点に相当する121個の分析位置で前記電子線マイクロアナライザによる元素分析を実施して前記各分析位置でのCu含有量及びSn含有量を求め、求めた121個の前記Cu含有量の算術平均値を[Cu]

と定義し、求めた121個の前記Sn含有量の算術平均値を[Sn]

と定義したとき、式(1)を満たす。
([Cu]

+[Sn]

)/([Cu]

+[Sn]

)>1.10 (1)
(【0011】以降は省略されています)

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