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公開番号2024015532
公報種別公開特許公報(A)
公開日2024-02-06
出願番号2020127724
出願日2020-07-28
発明の名称耐摩耗鋼
出願人日本製鉄株式会社
代理人弁理士法人太陽国際特許事務所
主分類C22C 38/00 20060101AFI20240130BHJP(冶金;鉄または非鉄合金;合金の処理または非鉄金属の処理)
要約【課題】Ni、Moなどの高価な元素の使用を抑制しつつ、耐摩耗性及び低温靭性に優れた耐摩耗鋼を提供する。
【解決手段】質量%で、C:0.08~0.20%、Si:0.01~0.50%、Mn:0.10~2.00%、Cr:2.00~8.00%を含有し、金属組織に含まれるセメンタイトが、面積%で、0.5%以下であり、前記セメンタイトの平均円相当直径が500nm以下であり、15°以上の高角粒界で囲まれた結晶粒のうち、粒径が大きい順に10個の結晶粒の平均粒径が40μm以下であり、表面硬さが360HV10以上であり、-40℃でのシャルピー吸収エネルギーが27J以上である、耐摩耗鋼。
【選択図】なし
特許請求の範囲【請求項1】
化学成分が、質量%で、
C:0.08%以上、0.20%以下、
Si:0.01%以上、0.50%以下、
Mn:0.10%以上、2.00%以下、
P:0.015%以下、
S:0.0300%以下、
Cr:2.00%以上、8.00%以下、
N:0.0080%以下、
Cu:0%以上、0.50%以下、
Ni:0%以上、0.50%以下、
Mo:0%以上、0.50%以下、
V:0%以上、0.500%以下、
B:0%以上、0.0050%以下、
Al:0%以上、0.300%以下、
Ti:0%以上、0.100%以下、
Nb:0%以上、0.100%以下、
Ca:0%以上、0.0100%以下、
Mg:0%以上、0.0100%以下、
REM:0%以上、0.0100%以下、
残部:Fe及び不純物
からなり、
厚さ方向の断面において、金属組織に含まれるセメンタイトが、面積%で、0%以上、0.5%以下であり、前記セメンタイトの平均円相当直径が500nm以下であり、
400μm×400μmの領域において、15°以上の高角粒界で囲まれた結晶粒のうち、粒径が大きい順に10個の結晶粒の平均粒径が40μm以下であり、
表面硬さが360HV10以上であり、
-40℃でのシャルピー吸収エネルギーが27J以上である、耐摩耗鋼。
続きを表示(約 57 文字)【請求項2】
厚さ方向の中央部における硬さが360HV10以上である、請求項1に記載の耐摩耗鋼。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、耐摩耗鋼に関するものである。
続きを表示(約 2,300 文字)【背景技術】
【0002】
耐摩耗鋼は、表層近傍の硬さが要求されるため、焼入れ性を高める元素を含有する。Cr、Ni、Moは、焼入れ性を高める元素である。従来からCr、Ni、Moなどを含有する耐摩耗鋼が提案されている(例えば、特許文献1~特許文献4、参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
特開平10-204575号公報
特開平10-102185号公報
特開昭59-129724号公報
特開昭59-70721号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1及び特許文献2の耐摩耗鋼は、1.0質量%以上のMoを含有する。特許文献3及び特許文献4の耐摩耗鋼は、2.0質量%以上のNiを含有する。Ni及びMoは高価な元素であり、合金コストの観点から、削減が望まれる。本発明の課題は、このような実情に鑑み、Ni、Moなどの高価な元素の使用を抑制しつつ、耐摩耗性及び低温靭性に優れた耐摩耗鋼を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明の要旨は、以下のとおりである。
【0006】
(1) 化学成分が、質量%で、
C:0.08%以上、0.20%以下、
Si:0.01%以上、0.50%以下、
Mn:0.10%以上、2.00%以下、
P:0.015%以下、
S:0.0300%以下、
Cr:2.00%以上、8.00%以下、
N:0.008%以下、
Cu:0%以上、0.50%以下、
Ni:0%以上、0.50%以下、
Mo:0%以上、0.50%以下、
V:0%以上、0.500%以下、
B:0%以上、0.0050%以下、
Al:0%以上、0.300%以下、
Ti:0%以上、0.100%以下、
Nb:0%以上、0.100%以下、
Ca:0%以上、0.0100%以下、
Mg:0%以上、0.0100%以下、
REM:0%以上、0.0100%以下、
残部:Fe及び不純物
からなり、
厚さ方向の断面において、金属組織に含まれるセメンタイトが、面積%で、0%以上、0.5%以下であり、前記セメンタイトの平均円相当直径が500nm以下であり、
400μm×400μmの領域において、15°以上の高角粒界で囲まれた結晶粒のうち、粒径が大きい順に10個の結晶粒の平均粒径が40μm以下であり、
表面硬さが360HV10以上であり、
-40℃でのシャルピー吸収エネルギーが27J以上である、耐摩耗鋼。
(2) 厚さ方向の中央部における硬さが360HV10以上である、上記(1)に記載の耐摩耗鋼。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、Ni、Moなどの高価な元素の使用を抑制しつつ、耐摩耗性及び低温靭性に優れた耐摩耗鋼が提供される。耐摩耗鋼の合金コストが削減されたことにより、安価な耐摩耗鋼の提供が可能になる。したがって、本発明は産業上の貢献が極めて顕著である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
以下、本発明の一実施形態(以下、「本実施形態」と称する。)に係る耐摩耗鋼として、主に鋼板について説明する。
本明細書中に段階的に記載されている数値範囲において、ある段階的な数値範囲の上限値は、他の段階的な記載の数値範囲の上限値に置き換えてもよく、ある段階的な数値範囲の下限値は、他の段階的な記載の数値範囲の下限値に置き換えてもよい。上限値又は下限値を実施例に示されている値に置き換えてもよい。
「工程」との用語は、独立した工程だけではなく、他の工程と明確に区別できない場合であってもその工程の所期の目的が達成されれば、本用語に含まれる。
まず、本発明を完成するに至った本発明者らの検討結果、得られた新たな知見について詳述する。
【0009】
Crは、Ni及びMoに比べて安価な元素である。Ni及びMoの含有量の抑制及びCr含有量の増加により、耐摩耗鋼のコストの削減が可能である。本発明者らの検討の結果、Ni、Moを意図的に含有させない、あるいはNi、Moの含有量をそれぞれ0.50%以下に抑えた場合の省合金型耐摩耗鋼に必要とされるCr含有量は、2.00%以上であるという知見が得られた。
一方、耐摩耗鋼の表面硬さを確保するために、C含有量を増加させることが好ましいが、靭性が低下するという問題が生じた。
【0010】
本発明者らは、セメンタイトの析出及び粗大化の抑制によって、耐摩耗鋼の表面硬さと靭性との両立に成功した。本発明者らの検討の結果、C含有量及び焼入れの停止温度の制限によって、セメンタイトの析出及び粗大化が抑制され、靭性が確保されることがわかった。具体的には、セメンタイトの析出及び粗大化は、C含有量を0.20%以下、焼入れの停止温度を200℃以下にすれば効果的に抑制できることがわかった。セメンタイトの面積率が0.5%以下、かつ平均円相当直径が500nm以下であり、表面硬さがビッカース硬さで360HV10以上である場合、マルテンサイト及び下部ベイナイトの一方又は両方の面積率の合計は、95%以上であることがわかった。
(【0011】以降は省略されています)

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