TOP特許意匠商標
特許ウォッチ Twitter
公開番号2024021985
公報種別公開特許公報(A)
公開日2024-02-16
出願番号2022125233
出願日2022-08-05
発明の名称冷間加工品
出願人三菱重工業株式会社
代理人SSIP弁理士法人
主分類C22C 30/00 20060101AFI20240208BHJP(冶金;鉄または非鉄合金;合金の処理または非鉄金属の処理)
要約【課題】表層硬化層の生成を抑制可能な冷間加工品を提供する。
【解決手段】Mn、Fe、Ni、Cr、及び不可避的不純物を含む材料から形成された冷間加工品は、材料中のMn、Fe、Ni、Crのそれぞれのモル分率をc1、c2、c3、c4とすると、-(c1lnc1+c2lnc2+c3lnc3+c4lnc4)≧1.3である。
【選択図】なし
特許請求の範囲【請求項1】
Mn、Fe、Ni、Cr、及び不可避的不純物を含む材料から形成された冷間加工品であって、
前記材料中のMn、Fe、Ni、Crのそれぞれのモル分率をc

、c

、c

、c

とすると、-(c

lnc

+c

lnc

+c

lnc

+c

lnc

)≧1.3である冷間加工品。
続きを表示(約 2,100 文字)【請求項2】
7c

+8c

+10c

+6c

≧7.9である、請求項1に記載の冷間加工品。
【請求項3】
前記材料中のMn、Fe、Ni、Crのそれぞれの原子半径をr

、r

、r

、r

とすると、10≦(r




+r




+r




+r




)-(r



+r



+r



+r





≦17である、請求項1に記載の冷間加工品。
【請求項4】
前記材料中のMn、Fe、Ni、Crのそれぞれの原子半径をr

、r

、r

、r

とすると、10≦(r




+r




+r




+r




)-(r



+r



+r



+r





≦17である、請求項2に記載の冷間加工品。
【請求項5】


=0.15、0.15≦c

≦0.40、(-0.5c

+0.44)≦c

≦(-c

+0.65)、c

≦0.40、c

=1-c

-c

-c

である、請求項4に記載の冷間加工品。
【請求項6】


=0.16、0.15≦c

≦0.40、(-0.5c

+0.44)≦c

≦(-c

+0.64)、c

≦0.40、c

=1-c

-c

-c

である、請求項4に記載の冷間加工品。
【請求項7】


=0.17、0.15≦c

≦0.40、(-0.5c

+0.435)≦c

≦(-c

+0.63)、c

≦0.40、c

=1-c

-c

-c

である、請求項4に記載の冷間加工品。
【請求項8】


=0.18、0.15≦c

≦0.37、(-0.5c

+0.435)≦c

≦(-c

+0.62)、c

≦0.40、c

=1-c

-c

-c

である、請求項4に記載の冷間加工品。
【請求項9】


=0.19、0.15≦c

≦0.28、(-0.5c

+0.43)≦c

≦(-c

+0.61)、c

≦0.40、c

=1-c

-c

-c

である、請求項4に記載の冷間加工品。
【請求項10】


=0.15、0.20≦c

≦0.40、(-0.5c

+0.44)≦c

≦(-c

+0.65)、c

≦0.25c

+0.29、c

≦0.36、c

=1-c

-c

-c

である、請求項4に記載の冷間加工品。
(【請求項11】以降は省略されています)

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本開示は、冷間加工によって製造された製品である冷間加工品に関する。
続きを表示(約 1,600 文字)【背景技術】
【0002】
原子力プラントにおける機器及び配管等の素材として、オーステナイト系ステンレス鋼が主として用いられている。このオーステナイト系ステンレス鋼は、通常の切削、研削等の冷間加工を行うと、表面に硬化層が形成されることが知られている。例えば、沸騰水型原子力プラントの再循環系配管等では一般に、この硬化層の硬さがビッカース硬さで300HV以上になると、応力腐蝕割れ(SCC)が発生する可能性があると言われており、加圧水型原子力プラントの水が循環する機器及び配管においても同様と考えられている。特許文献1では、加工に伴う硬化層の発生を抑制するために、すくい角を+29°以上である仕上げ切削工具を用いることで、加工された表層の硬さ(ビッカース硬さ)を300HV未満に抑制している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
国際公開第2011/024706号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、特許文献1による方法では、切削工具が消耗すると硬さの低減効果が失われるおそれがあり、さらに、この方法では機械加工のみにしか対応できず、例えばグラインダ加工に対しては硬さを低減するための対策にはならないといった課題があった。
【0005】
上述の事情に鑑みて、本開示の少なくとも1つの実施形態は、表層硬化層の生成を抑制可能な冷間加工品を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を達成するため、本開示に係る冷間加工品は、Mn、Fe、Ni、Cr、及び不可避的不純物を含む材料から形成された冷間加工品であって、前記材料中のMn、Fe、Ni、Crのそれぞれのモル分率をc

、c

、c

、c

とすると、-(c

lnc

+c

lnc

+c

lnc

+c

lnc

)≧1.3である。
【発明の効果】
【0007】
本開示の冷間加工品によれば、材料の配置のエントロピーは、気体定数をRとすると、1.3R以上となる。これにより、オーステナイト相安定性が著しく高まり、冷間加工時における冷間加工品の表面及び内部の硬さの上昇を抑制するので、冷間加工品の表面における表層硬化層の生成を抑制することができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
本開示の一実施形態に係る冷間加工品の材料の製造方法を示すフローチャートである。
冷間加工による加工率とビッカース硬さとの関係を示す実験結果のグラフである。
イオン照射前後における合金中の各元素のモル分率の変化を示す実験結果のグラフである。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、本開示の実施形態による冷間加工品について、図面に基づいて説明する。以下で説明する実施形態は、本開示の一態様を示すものであり、この開示を限定するものではなく、本開示の技術的思想の範囲内で任意に変更可能である。
【0010】
<本開示の一実施形態に係る冷間加工品の構成>
本開示の一実施形態に係る冷間加工品は、金属製の材料から冷間加工によって製造された製品であり、例えば、ボルト等の棒材や、配管等の管材や、構造用鋼板等の板材である。本開示の一実施形態に係る冷間加工品を構成する材料は、Mn、Fe、Ni、Crの4成分及び不可避的不純物を含む合金であり、これらの4成分がほぼ等原子量(又は等モル分率)で混合したミディアムエントロピー合金である。
(【0011】以降は省略されています)

この特許をJ-PlatPatで参照する

関連特許

大同特殊鋼株式会社
鋼材及び金型
4日前
大同特殊鋼株式会社
鋼材及び金型
1か月前
株式会社神戸製鋼所
鋼製下地材
1か月前
日本製鉄株式会社
鋼材
1か月前
日本製鉄株式会社
鋼材
1か月前
日本製鉄株式会社
線材
1か月前
日本製鉄株式会社
ボルト
1か月前
日本製鉄株式会社
ボルト
1か月前
日本製鉄株式会社
ボルト
1か月前
住友金属鉱山株式会社
銀粉の製造方法
4日前
MAアルミニウム株式会社
アルミニウム合金箔
1か月前
日本冶金工業株式会社
抗菌性に優れるNi合金
11日前
JFEスチール株式会社
鋼板
26日前
住友金属鉱山株式会社
有価金属の回収方法
1か月前
JFEスチール株式会社
鋼板
26日前
JFEスチール株式会社
鋼板
26日前
住友金属鉱山株式会社
有価金属の製造方法
27日前
住友金属鉱山株式会社
有価金属の回収方法
1か月前
住友金属鉱山株式会社
有価金属の回収方法
1か月前
住友金属鉱山株式会社
有価金属の回収方法
1か月前
JX金属株式会社
金属回収方法
21日前
日本製鉄株式会社
スチールピストン
6日前
JFEスチール株式会社
鋼部品およびその製造方法
2か月前
DOWAメタルマイン株式会社
ルテニウムの回収方法
25日前
プライムアースEVエナジー株式会社
金属多孔体の評価方法
1か月前
日本製鉄株式会社
鋼材及び鋼部品
1か月前
株式会社タンガロイ
立方晶窒化硼素焼結体
1か月前
JFEスチール株式会社
レーザ溶接継手およびレーザ溶接方法
26日前
株式会社タンガロイ
立方晶窒化硼素焼結体
18日前
日本製鉄株式会社
鋼部品及び鋼部品の製造方法
1か月前
住友電気工業株式会社
トロリ線、及びトロリ線の製造方法
1か月前
日本製鉄株式会社
継目無鋼管
1か月前
山陽特殊製鋼株式会社
被削性と窒化特性に優れた窒化用鋼
28日前
日本製鉄株式会社
焼結鉱の製造方法
27日前
住友電気工業株式会社
トロリ線、及びトロリ線の製造方法
1か月前
山陽特殊製鋼株式会社
被削性と窒化特性に優れた窒化用鋼
26日前
続きを見る