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公開番号2024028131
公報種別公開特許公報(A)
公開日2024-03-01
出願番号2023106663
出願日2023-06-29
発明の名称アルミニウム合金箔
出願人MAアルミニウム株式会社
代理人個人
主分類C22C 21/00 20060101AFI20240222BHJP(冶金;鉄または非鉄合金;合金の処理または非鉄金属の処理)
要約【課題】成形性に優れたアルミニウム合金箔を提供する。
【解決手段】アルミニウム合金箔は、Fe:0.8質量%以上1.8質量%以下、Si:0.01質量%以上0.15質量%以下、Cu:0.001質量%以上0.05質量%以下を含有し、不可避不純物中のMn:0.01質量%以下に規制し、残部がAlおよびその他の不可避不純物からなる組成を有し、平均KAM値が0.50°以下である。
【選択図】なし
特許請求の範囲【請求項1】
Fe:0.8質量%以上1.8質量%以下、Si:0.01質量%以上0.15質量%以下、Cu:0.001質量%以上0.05質量%以下を含有し、不可避不純物中のMn:0.01質量%以下に規制し、残部がAlおよびその他の不可避不純物からなる組成を有し、平均KAM値が0.50°以下であるアルミニウム合金箔。
続きを表示(約 100 文字)【請求項2】
方位差15°以上の大角粒界で囲まれた結晶粒径の平均結晶粒径が5μm以上15μm以下であり、前記結晶粒径における最大結晶粒径/平均結晶粒径≦3.0である請求項1に記載のアルミニウム合金箔。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
この発明は、成形性に優れるアルミニウム合金箔に関する。
続きを表示(約 2,000 文字)【背景技術】
【0002】
食品やリチウムイオン二次電池等の電池用の包材に用いられるアルミニウム箔は、プレス成型等により大きな変形が加えられる。その為従来伸びが大きい材料が求められており、1N30等の1000系合金や8079、8021等の8000系合金の軟質箔が使用されている。伸びについては、アルミニウム合金箔を一方向に変形させるわけではなく、いわゆる張出成形が行われることが多いため、一般的に材料の伸び値として用いられる圧延方向に対して平行な方向だけでなく、45°や90°といった各方向の伸びも高いことが求められている。また最近では電池包材分野を初めとして包材厚みの薄肉化が進んでいる。
【0003】
例えば、特許文献1では、平均結晶粒径が20μm以下で、円相当径1.0~5.0μmの金属間化合物の数密度を所定の量以上とすることで、金属間化合物を再結晶時の核生成サイトとして機能させ、最終焼鈍後の結晶粒径を微細にしている。
特許文献2では、電子後方散乱解析像法(EBSP)による結晶方位解析で5°以上の方位差を有する境界を結晶粒界と規定し、該結晶粒界に含まれる結晶粒について、結晶粒の平均値Dを12μm以下、かつ、20μmを超える結晶粒径を有する結晶粒の面積率を30%以下としたアルミニウム合金箔が提案されている。
特許文献3では、所定の組成において、引張強さと加工硬化指数を規定した成形用アルミニウム合金軟質箔が提案されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
国際公開第2014/021170号公報
国際公開第2014/034240号公報
特開2018-115376号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかし、従来技術では箔の成形性が十分ではなく、より優れた成形性を有するアルミニウム合金箔が望まれている。
本願発明は、記課題を背景としてなされたものであり、成形性が良好で高い伸び特性を有するアルミニウム合金箔を提供することを目的の1つとしている。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明のアルミニウム合金箔のうち、第1の形態は、Fe:0.8質量%以上1.8質量%以下、Si:0.01質量%以上0.15質量%以下、Cu:0.001質量%以上0.05質量%以下を含有し、不可避不純物中のMn:0.01質量%以下に規制し、残部がAlおよびその他の不可避不純物からなる組成を有し、平均KAM値が0.50°以下である。
【0007】
他の形態のアルミニウム合金箔の発明は、前記形態の発明において、方位差15°以上の大角粒界で囲まれた結晶粒径の平均結晶粒径が5μm以上15μm以下であり、前記結晶粒径における最大結晶粒径/平均結晶粒径≦3.0である。
【0008】
以下、本発明で規定する内容について説明する。
・Fe:0.8質量%以上1.8質量%以下
Feは、鋳造時にAl-Fe系金属間化合物として晶出し、サイズが大きい場合は焼鈍時に再結晶のサイトとなって再結晶粒を微細化する効果がある。0.8質量%未満では粗大な金属間化合物の分布密度が低くなりその微細化の効果が低く、最終的な結晶粒径分布も不均一となる。1.8質量%超では結晶粒微細化の効果が飽和もしくは低下し、さらに鋳造時に生成されるAl-Fe系化合物のサイズが非常に大きくなり、箔の伸びと圧延性が低下する。特に好ましい範囲は、下限が1.0質量%以上、上限が1.6質量%以下である。
【0009】
・Si:0.01質量%以上0.15質量%以下
SiはFeと共に金属間化合物を形成するが、添加量が多い場合には化合物のサイズの粗大化、及び分布密度の低下を招く。0.15%を超えると粗大な晶出物による圧延性、伸び特性の低下、さらには最終焼鈍後の再結晶粒サイズ分布の均一性が低下する懸念がある。これらの理由からSiは低い方が好ましいが0.01%未満となると高純度の地金を使用する必要があり、製造コストが大幅に増加する。以上の理由でSiは0.01%以上0.10%以下とするのが好ましい
【0010】
・Cu:0.001質量%以上0.05質量%以下
Cuはアルミニウム箔の強度を増加させ、伸びを低下させる元素である。またAl-Fe系合金で報告されている冷間圧延中の過度な加工軟化を抑制する効果があり、微細で均一な結晶粒組織を形成する事にも寄与する元素でもある。0.001%未満の場合、添加による硬軟化抑制の効果が乏しく、結晶粒の粗大化による成形性化を招く。0.05%を超えると伸びが明瞭に低下し、平均KAM値も増加する。好ましくは下限が0.005%以上であり、上限が0.01%以下である。
(【0011】以降は省略されています)

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