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公開番号2024046736
公報種別公開特許公報(A)
公開日2024-04-04
出願番号2023095460,2023526249
出願日2023-06-09,2022-11-25
発明の名称飲食品用缶蓋
出願人東洋製罐株式会社
代理人弁理士法人愛宕綜合特許事務所
主分類C22C 21/06 20060101AFI20240328BHJP(冶金;鉄または非鉄合金;合金の処理または非鉄金属の処理)
要約【課題】アルミニウムUBCを原料とする再生アルミニウム合金を含有する場合であっても、缶蓋に要求される耐圧強度等の性能を備えたエンド及び/又はタブを備えた缶蓋を提供する。
【解決手段】エンドとタブから成り、前記エンドには開口予定部を区画する破断可能なスコアが形成され、前記タブがリベットにより取付けられて成る飲食品用缶蓋において、前記エンド及び/又はタブが、Mn:0.5~1.4質量%、Mg:2.0~4.5質量%、Si:0.6質量%以下、Fe:0.8質量%以下、Cu:0.25質量%以下、Cr:0.10質量%以下、Zn:0.25質量%以下、Ti:0.10質量%以下を含有するアルミニウム合金から成り、前記エンドと前記タブが、同じアルミニウム合金から成ることを特徴とする。
【選択図】なし
特許請求の範囲【請求項1】
エンドとタブから成り、前記エンドには開口予定部を区画する破断可能なスコアが形成され、前記タブがリベットにより取付けられて成る飲食品用缶蓋において、
前記エンド及び/又はタブが、Mn:0.5~1.4質量%、Mg:2.0~4.5質量%、Si:0.6質量%以下、Fe:0.8質量%以下、Cu:0.25質量%以下、Cr:0.10質量%以下、Zn:0.25質量%以下、Ti:0.10質量%以下を含有するアルミニウム合金から成り、
前記エンドと前記タブが、同じアルミニウム合金から成ることを特徴とする飲食品用缶蓋。
続きを表示(約 1,000 文字)【請求項2】
前記アルミニウム合金が、Mn:0.5~1.0質量%、Mg:3.0~4.5質量%、Si:0.60質量%以下、Fe:0.8質量%以下、Cu:0.25質量%以下、Cr:0.10質量%以下、Zn:0.25質量%以下、Ti:0.10質量%以下を含有する請求項1記載の飲食品用缶蓋。
【請求項3】
前記アルミニウム合金が、Mn:0.5~1.0質量%、Mg:3.0~4.5質量%、Si:0.35質量%以下、Fe:0.6質量%以下、Cu:0.25質量%以下、Cr:0.10質量%以下、Zn:0.25質量%以下、Ti:0.10質量%以下を含有する請求項1記載の飲食品用缶蓋。
【請求項4】
前記アルミニウム合金が、Mn:0.5~1.0質量%、Mg:2.0~3.0質量%、Si:0.60質量%以下、Fe:0.8質量%以下、Cu:0.25質量%以下、Cr:0.10質量%以下、Zn:0.25質量%以下、Ti:0.10質量%以下を含有する請求項1記載の飲食品用缶蓋。
【請求項5】
前記アルミニウム合金が、Mn:0.5~1.0質量%、Mg:2.0~3.0質量%、Si:0.35質量%以下、Fe:0.6質量%以下、Cu:0.25質量%以下、Cr:0.10質量%以下、Zn:0.25質量%以下、Ti:0.10質量%以下を含有する請求項1記載の飲食品用缶蓋。
【請求項6】
前記アルミニウム合金中のMg含有量が、2.0~3.0質量%であり、前記スコアの初期開封部分におけるスコア残厚が元板厚の71%以下である請求項1,4,5の何れかに記載の飲食品用缶蓋。
【請求項7】
前記アルミニウム合金板の、塗装焼付後の状態における圧延0°方向の引張強度が350~410MPaである請求項1~5の何れかに記載の飲食品用缶蓋。
【請求項8】
前記エンドの非加工部の厚みが0.19~0.30mmであり、前記タブの非加工部の厚みが0.24~0.35mmである請求項1~5の何れかに記載の飲食品用缶蓋。
【請求項9】
前記アルミニウム合金が、使用済みアルミニウム製飲料缶のリサイクル材を含有する請求項1~5の何れかに記載の飲食品用缶蓋。
【請求項10】
前記アルミニウム合金のMn含有量が、0.8~1.4質量%である請求項9記載の飲食品用缶蓋。
(【請求項11】以降は省略されています)

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、エンドと、該エンドに形成されたスコアを引裂き開封するためのタブとから成るアルミニウム合金製の缶蓋に関するものであり、より詳細には、内容物消費後のアルミニウム缶を原料とするリサイクル材を使用しながら、エンド及びタブに要求される性能を備えた飲食品用缶蓋に関する。
続きを表示(約 3,600 文字)【背景技術】
【0002】
ビールや清涼飲料等の飲料や食品を充填するための缶として、アルミニウムやスチール等の金属から成る缶体にアルミニウム製缶蓋を取り付けて成る飲食品缶が広く使用されている。かかるアルミニウム製缶蓋は、一般に、エンドと、エンドに形成されたスコアを引裂き、スコアで区画された開口を形成するためのタブとから成っている。
缶蓋に利用される材料には、強度、成形性及び耐食性等が要求される。すなわちエンドには、炭酸飲料等を内容物とする陽圧缶の場合や、内容物の高温充填による温度低下により減圧となる陰圧缶の場合でも、缶蓋が変形しない優れた耐圧強度を有することや、スコアが意図せず破断することがない靭性が要求される。一方、タブは、開口を形成する際に折れや裂け等が生じない破断強度や靭性が要求される。
【0003】
缶蓋に利用されるアルミニウム合金としては、例えば下記特許文献1には、ベリリウムを含有しないアルミニウム-マグネシウム合金であって、Mgを0.8~15質量%、Feを0.2~0.6質量%、含有し、AlとMgとの含有量の合計が90質量%以上であるとともに、不純物としてのPの含有量が0.001質量%以下であることを特徴とする溶融酸化抑制アルミニウム-マグネシウム合金が提案されている。
また下記特許文献2には、質量基準で、Mg:0.80~1.50%、Mn:0.80~1.20%、Fe:0.40~0.60%、Si:0.20~0.40%、及びCu:0.15~0.25%を含み、且つMn/Fe=1.5~2.5及びMg/Mn≧1.0の含有量関係式を満足し、残部がアルミニウムと不可避的不純物であるアルミニウム合金からなる、板厚:0.22~0.25mmの冷間圧延板材にて構成され、その片面又は両面が、有機樹脂皮膜で被覆されていると共に、塗装焼付け後の、45°耳率が1.5~3.0%、0-180°耳率が1.0~2.5%であって、式:-0.6%≦(45°耳率)-(0-180°耳率)≦1.5%を満足し、更に圧延方向に対して0°の方向における、引張強さが270~300MPa及び耐力が240~270MPaであることを特徴とする負圧缶蓋用アルミニウム合金板が提案されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
特許第5920705号公報
特許第5898426号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、内容物を消費した飲料缶(Used Beverage Cans、以下「UBC」ということがある)は、ほぼ100%に近い割合で回収されて、アルミニウム製飲料缶においては、アルミニウム地金に再生されてリサイクルに使用される。缶体(缶ボディ)は、一般にMn含有量の多い3000系アルミニウム合金が用いられているが、缶蓋(エンド及びタブ)は、強度、成形性及び耐食性等の観点から、3000系アルミニウム合金よりも強度に優れるMg含有量の多い5000系アルミニウム合金が使用されている。
従って、UBCから成る再生アルミニウム合金は、アルミニウム製飲料缶全体の重量に占める割合が大きい3000系アルミニウム合金に近い組成となり、5000系アルミニウム合金に比してMn含有量が多く、Mg含有量が少ないことから、缶蓋への使用は難しく、缶蓋においては、新規アルミニウム地金を使用せざるを得なかった。しかしながら、新規アルミニウム地金の製造には、多量の電力が必要であり、それに伴う二酸化炭素の排出量も大きく環境負荷の観点から、缶蓋においてもリサイクル材を利用できることが要望されている。
【0006】
またUBCから成る再生アルミニウム合金を用いたMn量の多いアルミニウム合金においては、Al-Fe-Mn-Si系晶出物が増加することに起因して、エンドに形成されるスコアの強度が低下することから、落下衝撃等を受けた場合にスコアが意図外に破断し、内容物の漏洩が生じるおそれがある。またスコア加工部の内面側(エンドの内面側)やタブ取り付けのためのリベット成形部において、有機被覆にマイクロクラックが発生し、金属露出や経時保管によりエンドに腐食が発生するおそれがあることが分かった。更に、Al-Fe-Mn-Si系晶出物が増加したアルミニウム合金においては靭性が低下していることから亀裂を生じやすく、スコアを破断して開口形成する際に、スコアから脱線して破断されるおそれもある。
またエンドに取り付けるタブは、開口形成のしやすさ及びタブの強度のために、一般に薄板を用い、その端部を、指をかける把持部分を曲げ加工、それ以外の部分をカール加工により成形している。その際、Al-Fe-Mn-Si系晶出物の増加したアルミニウム合金を用いた場合には、タブ折れや、加工部の金属表面にクラックが生じるおそれがある。
【0007】
従って本発明の目的は、アルミニウムUBCを原料とする再生アルミニウム合金を含有する場合であっても、缶蓋に要求される耐圧強度等の性能を備えたエンド及び/又はタブを備えた缶蓋を提供することである。
本発明の他の目的は、Mn含有量が多く、Al-Fe-Mn-Si系晶出物が多いアルミニウムUBCを原料とする再生アルミニウム合金を含有する材料から成形される場合であっても、スコア強度が高く、スコアの意図外の破断による内容物の漏洩や、スコア加工による有機被覆のマイクロクラックの発生が有効に防止されていると共に、スコア以外の箇所での破断が有効に防止されたエンド及び/又はタブを備えた缶蓋を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明によれば、エンドとタブから成り、前記エンドには開口予定部を区画する破断可能なスコアが形成され、前記タブがリベットにより取付けられて成る飲食品用缶蓋において、前記エンド及び/又はタブが、Mn:0.5~1.4質量%、Mg:2.0~4.5質量%、Si:0.6質量%以下、Fe:0.8質量%以下、Cu:0.25質量%以下、Cr:0.10質量%以下、Zn:0.25質量%以下、Ti:0.10質量%以下を含有するアルミニウム合金から成り、前記エンドと前記タブが、同じアルミニウム合金から成ることを特徴とする飲食品用缶蓋が提供される。
【0009】
本発明の飲食品用缶蓋においては、
(1)前記アルミニウム合金が、Mn:0.5~1.0質量%、Mg:3.0~4.5質量%、Si:0.60質量%以下、Fe:0.8質量%以下、Cu:0.25質量%以下、Cr:0.10質量%以下、Zn:0.25質量%以下、Ti:0.10質量%以下を含有すること、
(2)前記アルミニウム合金が、Mn:0.5~1.0質量%、Mg:3.0~4.5質量%、Si:0.35質量%以下、Fe:0.6質量%以下、Cu:0.25質量%以下、Cr:0.10質量%以下、Zn:0.25質量%以下、Ti:0.10質量%以下を含有すること、
(3)前記アルミニウム合金が、Mn:0.5~1.0質量%、Mg:2.0~3.0質量%、Si:0.60質量%以下、Fe:0.8質量%以下、Cu:0.25質量%以下、Cr:0.10質量%以下、Zn:0.25質量%以下、Ti:0.10質量%以下を含有すること、
(4)前記アルミニウム合金が、Mn:0.5~1.0質量%、Mg:2.0~3.0質量%、Si:0.35質量%以下、Fe:0.6質量%以下、Cu:0.25質量%以下、Cr:0.10質量%以下、Zn:0.25質量%以下、Ti:0.10質量%以下を含有すること、
(5)前記アルミニウム合金中のMg含有量が、2.0~3.0質量%であり、前記スコアの初期開封部分におけるスコア残厚が元板厚の71%以下であること、
(6)前記アルミニウム合金板の、塗装焼付後の状態における圧延0°方向の引張強度が350~410MPaであること、
(7)前記エンドの非加工部の厚みが0.19~0.30mmであり、前記タブの非加工部の厚みが0.24~0.35mmであること、
(8)前記アルミニウム合金が、使用済みアルミニウム製飲料缶のリサイクル材を含有すること、
(9)前記アルミニウム合金のMn含有量が、0.8~1.4質量%であること、
が好適である。
【0010】
本発明によればまた、上記飲食品用缶蓋を、飲食品が充填された缶に適用して成ることを特徴とする飲食品充填缶が提供される。
【発明の効果】
(【0011】以降は省略されています)

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