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公開番号2024055122
公報種別公開特許公報(A)
公開日2024-04-18
出願番号2022161779
出願日2022-10-06
発明の名称積層フィルム及び包装容器
出願人東洋製罐株式会社,東洋鋼鈑株式会社
代理人個人,個人
主分類B32B 27/36 20060101AFI20240411BHJP(積層体)
要約【課題】 薄層でありながら良好なヒートシール性が得られ、かつ、耐ブロッキング性に優れるとともに環境負荷が低減される積層フィルム及び包装容器を提供すること。
【解決手段】 本発明の積層フィルム100は、基材層110の片側にシーラント層150を設けた積層フィルムであって、前記シーラント層の基材層の反対側の面上に、さらに耐ブロッキング層170が設けられ、前記シーラント層が、ヒートシール性強化成分を含有する熱可塑性ポリエステル系樹脂により形成されたものであり、前記耐ブロッキング層が、熱可塑性ポリエステル系樹脂により形成されたものであり、前記耐ブロッキング層を構成する熱可塑性ポリエステル系樹脂が、熱可塑性ポリエステル系樹脂の結晶化を阻害する結晶化阻害成分に由来の構造単位を含有することを特徴とする。
【選択図】図1


特許請求の範囲【請求項1】
基材層の片側にシーラント層を設けた積層フィルムであって、
前記シーラント層の基材層の反対側の面上に、さらに耐ブロッキング層が設けられ、
前記シーラント層が、ヒートシール性強化成分を含有する熱可塑性ポリエステル系樹脂により形成されたものであり、
前記耐ブロッキング層が、熱可塑性ポリエステル系樹脂により形成されたものであり、
前記耐ブロッキング層を構成する熱可塑性ポリエステル系樹脂が、熱可塑性ポリエステル系樹脂の結晶化を阻害する結晶化阻害成分に由来の構造単位を含有することを特徴とする積層フィルム。
続きを表示(約 770 文字)【請求項2】
前記耐ブロッキング層を構成する前記熱可塑性ポリエステル系樹脂における結晶化阻害成分に由来の構造単位に由来の構造単位の含有割合が12質量%以上であることを特徴とする請求項1に記載の積層フィルム。
【請求項3】
前記結晶化阻害成分がイソフタル酸であることを特徴とする請求項1に記載の積層フィルム。
【請求項4】
前記耐ブロッキング層が、ポリブチレンテレフタレート系樹脂を主成分とする材料により形成されることを特徴とする請求項1に記載の積層フィルム。
【請求項5】
前記シーラント層を構成する前記熱可塑性ポリエステル系樹脂における前記ヒートシール性強化成分の含有割合が21質量%以上であることを特徴とする請求項1に記載の積層フィルム。
【請求項6】
前記シーラント層の厚みが25μm以下であることを特徴とする請求項1に記載の積層フィルム。
【請求項7】
前記基材層を構成する層のうちの少なくとも1層が、ポリブチレンテレフタレート系樹脂を主成分とする材料により形成されることを特徴とする請求項1に記載の積層フィルム。
【請求項8】
前記ヒートシール性強化成分の少なくとも1つがポリオキシアルキレングリコールであり、前記熱可塑性ポリエステル系樹脂における当該ポリオキシアルキレングリコールの含有割合が、5質量%以上であることを特徴とする請求項1に記載の積層フィルム。
【請求項9】
フィルムを熱接着した外周シール部を形成することにより袋状に形成され、前記外周シール部よりも内側の収容部に内容物を収容する包装容器であって、
前記フィルムが、請求項1に記載の積層フィルムであることを特徴とする包装容器。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、積層フィルムを熱接着することにより袋状に形成される包装容器用の積層フィルム、及び、包装容器に関する。
続きを表示(約 2,500 文字)【背景技術】
【0002】
現在、液体状や固体状の食品、飲料、化粧品、医薬品等の内容物を包装して収容する包装容器として、包装袋(パウチ)が用いられている。包装袋は、具体的にはシャンプーや洗剤、調理済あるいは半調理済の食品等の内容物を収容する包装容器として用いられており、基材層上にシーラント層が積層された積層フィルムを、シーラント層同士が対向するよう重畳した状態で外周を熱接着して袋状に形成し、内側の収容部に内容物を収容している(例えば特許文献1参照。)。
【0003】
一方、包装容器においては、近年、省資源や環境保護など環境負荷の観点から、プラスチック使用量の低減やプラスチックのリサイクルが推進されている。
プラスチック使用量の低減に対しては、積層フィルムを薄肉化することが考えられるが、例えばシーラント層の薄肉化を図ると十分なヒートシール強度が得られず、従って密封性が低くなり内容物の漏洩などが発生してしまうおそれがある。
また、従来、シーラント層の材料としては直鎖状短鎖分岐ポリエチレン(LLDPE)や高圧法低密度ポリエチレン(LDPE)、或いは無延伸ポリプロピレン(CPP)等のオレフィン系樹脂が広く利用されているが、基材層を形成する材料種によっては積層フィルムから高品質の再生ペレットを得ることができずにリサイクル性が極めて低くなるおそれもある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
特開2015-150807号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
また、包装袋を構成するための積層フィルムには、最内層に耐ブロッキング性が求められる。これは、製袋時に積層フィルムを最内層(シーラント層)同士が対向するよう重畳した状態で熱接着により充填口を残して外周シール部が形成されて袋状に形成されるが、このとき、熱接着されない収容部に対応する部分が加圧されることにより、さらには、外周シール部の熱接着に用いるヒートシーラー等からの熱伝導や輻射熱によってある程度の温度まで不可避的に加熱されてしまうことにより、収容部が閉塞、密着されてしまうことを回避するためである。収容部が閉塞、密着されてしまうと、収容部に内容物を充填する際に充填口が開かずに包装袋として使用できない、或いは充填口が開きにくく取扱い性が悪いなどの問題が生じる。特に自動充填機を用いて内容物を充填する場合には開口性の悪いものは自動的にはじかれるので歩留まりが低くなり、生産性が低下してしまう。
【0006】
本発明は、上述の問題点を解決するものであり、薄層でありながら良好なヒートシール性が得られ、かつ、耐ブロッキング性に優れるとともに環境負荷が低減される積層フィルム及び包装容器を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の積層フィルムは、基材層の片側にシーラント層を設けた積層フィルムであって、
前記シーラント層の基材層の反対側の面上に、さらに耐ブロッキング層が設けられ、
前記シーラント層が、ヒートシール性強化成分を含有する熱可塑性ポリエステル系樹脂により形成されたものであり、
前記耐ブロッキング層が、熱可塑性ポリエステル系樹脂により形成されたものであり、
前記耐ブロッキング層を構成する熱可塑性ポリエステル系樹脂が、熱可塑性ポリエステル系樹脂の結晶化を阻害する結晶化阻害成分に由来の構造単位を含有することにより、上記課題を解決するものである。
【0008】
また、本発明の包装容器は、上記の積層フィルムを熱接着した外周シール部を形成することにより袋状に形成され、前記外周シール部よりも内側の収容部に内容物を収容する包装容器であることを特徴とする。
【発明の効果】
【0009】
本発明の積層フィルムによれば、基本的に、シーラント層がヒートシール性強化成分を含有する熱可塑性ポリエステル系樹脂により形成されたものであることにより、薄層でありながら良好なヒートシール性が得られ、その結果、環境負荷が低減されながら内容物の漏洩の発生が防止された包装容器を得ることができる。さらに、シーラント層の基材層の反対側の面上に、シーラント層を構成する熱可塑性ポリエステル系樹脂とは成分が異なる特定の熱可塑性ポリエステル系樹脂よりなる耐ブロッキング層が設けられていることにより、製袋時に表裏の積層フィルムを積重したときに耐ブロッキング層同士が接触された状態で所定の外周シール部が熱接着されることになるところ、外周シール部において前述の優れたヒートシール性が発揮されながら、外周シール部よりも内側の収容部において積層フィルム同士のブロッキングを抑止することができる。また、製袋後の空の包装容器を保管等のために積み重ね、保管場所の環境温度が40℃以上の高温になった場合にも、収容部における積層フィルム同士のブロッキングが抑止される。その結果、収容部が閉塞、密着されてしまうことが回避され、収容部に内容物を充填する際に容易に充填口や収容部を開くことができて優れた取扱い性が得られる。
また、シーラント層および耐ブロッキング層が熱可塑性ポリエステル系樹脂を主材料として含み、さらにシーラント層および耐ブロッキング層以外の基材層をポリエステル系樹脂で形成することによって、積層フィルム全体がポリエステル系樹脂を主材料として構成されることとなるので、容易に高品質のポリエステル系材料やポリエステル系製品に再生することができて高いリサイクル性が得られ、環境負荷をより低減することもできる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
本発明の一実施形態に係る積層フィルムの概略を示す断面図である。
実施例および比較例におけるブロッキング剪断力試験の方法を説明するための模式図である。
【発明を実施するための形態】
(【0011】以降は省略されています)

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