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公開番号
2024047555
公報種別
公開特許公報(A)
公開日
2024-04-05
出願番号
2023143376
出願日
2023-09-05
発明の名称
積層フィルム
出願人
東レ株式会社
代理人
主分類
B32B
27/36 20060101AFI20240329BHJP(積層体)
要約
【課題】 本発明は、加工性が良好であり、高透明でかつ長期にわたり遮熱特性を維持可能な積層フィルムとすることを課題とする。
【解決手段】 異なる3種類の熱可塑性樹脂層をA層、B層、C層としたときに、前記A層、前記B層、前記C層が一定の規則配列で厚み方向に101層以上積層された構成を有し、積層フィルムに含まれる規則配列の95%以上100%以下が、1つの合計厚みが250nm以上650nm以下となる規則配列であり、積層フィルムに含まれる層の40%以上60%以下が、厚み45nm以上85nm以下の層であり、かつ透過彩度C
*
が10以下であることを特徴とする、積層フィルム。
【選択図】図1
特許請求の範囲
【請求項1】
異なる3種類の熱可塑性樹脂層をA層、B層、C層としたときに、前記A層、前記B層、前記C層が一定の規則配列で厚み方向に101層以上積層された構成を有し、積層フィルムに含まれる規則配列の95%以上100%以下が、1つの合計厚みが250nm以上650nm以下となる規則配列であり、積層フィルムに含まれる層の40%以上60%以下が、厚み45nm以上85nm以下の層であり、かつ透過彩度C
*
が10以下であることを特徴とする、積層フィルム。
続きを表示(約 910 文字)
【請求項2】
前記規則配列がA層/B層/C層/B層であることを特徴とする、請求項1に記載の積層フィルム。
【請求項3】
ヘイズ値が0.1%以上5.0%以下であり、全光線透過率が70%以上であることを特徴とする、請求項1または2に記載の積層フィルム。
【請求項4】
垂直入射時の透過彩度をC
*
(0°)、60°入射時の透過彩度をC
*
(60°)としたときに、|C
*
(60°)-C
*
(0°)|が10以下であることを特徴とする、請求項1または2に記載の積層フィルム。
【請求項5】
垂直入射時の反射彩度C
*
が10以下であることを特徴とする請求項1または2に記載の積層フィルム。
【請求項6】
前記A層、前記B層、前記C層の少なくとも1種類が、融点220℃以上の結晶性の熱可塑性樹脂を主成分とすることを特徴とする、請求項1または2に記載の積層フィルム。
【請求項7】
前記A層、前記B層、前記C層の少なくとも1種類が、ポリエチレンテレフタレート又はポリエチレンナフタレートを主成分とすることを特徴とする、請求項1または2に記載の積層フィルム。
【請求項8】
前記A層、前記B層、前記C層が、結晶性/半結晶性/非晶性の熱可塑性樹脂層、又は結晶性/非晶性/非晶性の熱可塑性樹脂層の組み合わせであることを特徴とする、請求項1または2に記載の積層フィルム。
【請求項9】
前記A層、前記B層、前記C層の順に屈折率が大きいことを特徴とする、請求項1または2に記載の積層フィルム。
【請求項10】
積層フィルム全体から両側の最表層に位置する規則配列を除いた部分を中間規則配列群としたときに、前記中間規則配列群を構成する規則配列の厚みが、一方の最表層側から反対側の最表層側に向かって単調に増加、または減少することを特徴とする、請求項1または2に記載の積層フィルム。
(【請求項11】以降は省略されています)
発明の詳細な説明
【技術分野】
【0001】
本発明は、加工性が良好であり、高透明でかつ長期にわたり遮熱特性を維持可能な積層フィルムに関する。
続きを表示(約 3,400 文字)
【背景技術】
【0002】
特定波長帯域の光線を遮蔽・抽出可能な光制御フィルムは、光や熱線などの環境因子から製品の内部環境や構成成分の劣化を防止する目的や、特定波長帯域の光線のみを抽出して所望の色調に発色させる目的で、多岐の分野にわたり実用化されている。例えば、建材や自動車用途では室内温度上昇を抑制するための赤外線カットフィルムが、工業材料用途では紫外線レーザー表面加工時の過剰な紫外線を吸収するための紫外線カットフィルムが利用されている。また、電子情報分野ではディスプレイ光源から発せられる眼に有害な青色光線を遮蔽するブルーライトカットフィルムや、拡散・喪失するバックライトの光を再帰反射させることができる輝度向上フィルムが利用されており、自動車内装材やモバイル筐体用途では金属調を付与するための可視光全域を反射する金属調フィルムなどが利用されている。
【0003】
また、室内温度上昇を抑制するための赤外線カットフィルムは、自動車や電車などの乗り物や建物の窓ガラスに用いられている。このような窓ガラスへの遮熱性付与方法の一例として、ガラス中や合わせガラスに用いる中間膜中に熱線吸収粒子を含有させ、熱線を熱線吸収粒子によって遮断する方法(例えば特許文献1)、金属膜をガラス表面上にスパッタなどにより形成して熱線を反射させて遮断する方法(例えば特許文献2)、ポリマー多層積層フィルムによる干渉反射に加え熱線吸収粒子を併用することにより遮熱性能を高める方法(例えば特許文献3)などがある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
特開2010-17854号公報
特開2001-310407号公報
特願2012-65715号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
特許文献1の方法では、外部から入射される太陽光を熱エネルギーに変換するため、その熱が室内へ放射されて遮熱効率が低下する問題がある。加えて、熱線を吸収することでガラス温度が上昇し、外気温との差によりガラス本体が破損する場合もある。また、特許文献2の方法では、高い遮熱性能が得られるものの熱線に加えて可視光も反射するために着色を生じ、ガラスの透明度が低下するため、乗り物や建物の窓ガラスには適用できない場合もある。
【0006】
特許文献3に記載される、ポリマー多層積層フィルムは、その層厚みを制御して、反射する波長を選択できるため、近赤外領域の光を選択的に反射することができ、可視光線透過率を維持しつつ遮熱性能を向上させることができる。また、金属など電波を遮断するものを含まないために、優れた電波透過性を保持したものとなる。しかしながら、特許文献3に記載の方法では長期間にわたる遮熱性能が不足し、かつ、加工性が不十分という課題がある。
【0007】
本発明は上記した従来技術の問題点に鑑み、加工性が良好であり、高透明でかつ長期にわたり遮熱特性を維持可能な積層フィルムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記課題を解決するため、本発明は次の構成からなる。すなわち、異なる3種類の熱可塑製樹脂層をA層、B層、C層としたときに、前記A層、前記B層、前記C層が一定の規則配列で厚み方向に101層以上積層された構成を有し、積層フィルムに含まれる規則配列の95%以上100%以下が、1つの合計厚みが250nm以上650nm以下となる規則配列であり、積層フィルムに含まれる層の40%以上60%以下が、厚み45nm以上85nm以下の層であり、かつ透過彩度C
*
が10以下であることを特徴とする、積層フィルムである。
【0009】
また、本発明の積層フィルムは以下の態様とすることもでき、これを具備する窓部材、車載部材とすることもできる。
(1) 異なる3種類の熱可塑性樹脂層をA層、B層、C層としたときに、前記A層、前記B層、前記C層が一定の規則配列で厚み方向に101層以上積層された構成を有し、積層フィルムに含まれる規則配列の95%以上100%以下が、1つの合計厚みが250nm以上650nm以下となる規則配列であり、積層フィルムに含まれる層の40%以上60%以下が、厚み45nm以上85nm以下の層であり、かつ透過彩度C
*
が10以下であることを特徴とする、積層フィルム。
(2) 前記規則配列がA層/B層/C層/B層であることを特徴とする、(1)に記載の積層フィルム。
(3) ヘイズ値が0.1%以上5.0%以下であり、全光線透過率が70%以上であることを特徴とする、(1)または(2)に記載の積層フィルム。
(4) 垂直入射時の透過彩度をC
*
(0°)、60°入射時の透過彩度をC
*
(60°)としたときに、|C
*
(60°)-C
*
(0°)|が10以下であることを特徴とする、(1)~(3)のいずれかに記載の積層フィルム。
(5) 垂直入射時の反射彩度C
*
が10以下であることを特徴とする、(1)~(4)のいずれかに記載の積層フィルム。
(6) 前記A層、前記B層、前記C層の少なくとも1種類が、融点220℃以上の結晶性の熱可塑性樹脂を主成分とすることを特徴とする、(1)~(5)のいずれかに記載の積層フィルム。
(7) 前記A層、前記B層、前記C層の少なくとも1種類が、ポリエチレンテレフタレート又はポリエチレンナフタレートを主成分とすることを特徴とする、(1)~(6)のいずれかに記載の積層フィルム。
(8) 前記A層、前記B層、前記C層が、結晶性/半結晶性/非晶性の熱可塑性樹脂層、又は結晶性/非晶性/非晶性の熱可塑性樹脂層の組み合わせであることを特徴とする、(1)~(7)のいずれかに記載の積層フィルム。
(9) 前記A層、前記B層、前記C層の順に屈折率が大きいことを特徴とする、(1)~(8)のいずれかに記載の積層フィルム。
(10) 積層フィルム全体から両側の最表層に位置する規則配列を除いた部分を中間規則配列群としたときに、前記中間規則配列群を構成する規則配列の厚みが、一方の最表層側から反対側の最表層側に向かって単調に増加、または減少することを特徴とする、(1)~(9)のいずれかに記載の積層フィルム。
(11) 積層フィルム全体から両側の最表層に位置する規則配列を除いた部分を中間規則配列群とし、前記中間規則配列群を構成する規則配列の厚みの最大値と最小値をそれぞれ順にX、Yとしたときに、X-Yが積層フィルムの全体厚みの0.5%以下であることを特徴とする、(1)~(10)のいずれかに記載の積層フィルム。
(12) tanδのピークを3点以上有することを特徴とする、(1)~(11)のいずれかに記載の積層フィルム。
(13) 主配向方向に直交する方向における厚みムラが3.0%以下であることを特徴とする、(1)~(12)のいずれかに記載の積層フィルム。
(14) 150℃雰囲気下で30分間処理した際の主配向方向の熱収縮Tmdと、主配向方向に直交する方向の熱収縮率Ttdとの比の絶対値|Ttd/Tmd|が、0.8以上2.5以下であることを特徴とする、(1)~(13)のいずれかに記載の積層フィルム。
(15)) 熱線吸収剤を含む層を1層以上有することを特徴とする、(1)~(14)のいずれかに記載の積層フィルム。
(16) (1)~(15)のいずれかに記載の積層フィルムを具備することを特徴とする、窓部材。
(17) (1)~(15)のいずれかに記載の積層フィルムを具備することを特徴とする、車載部材。
【発明の効果】
【0010】
本発明により、加工性が良好であり、高透明でかつ長期にわたり遮熱特性を維持可能な積層フィルムを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
(【0011】以降は省略されています)
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