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公開番号2023141757
公報種別公開特許公報(A)
公開日2023-10-05
出願番号2022048238
出願日2022-03-24
発明の名称複合体シート
出願人平岡織染株式会社
代理人
主分類B32B 23/08 20060101AFI20230928BHJP(積層体)
要約【課題】屋外で使用する複合体シート全般の耐久性向上と、耐候性を向上させることによって得られる、耐用年数を延長した産業資材用の複合体シート(ターポリン、帆布、メッシュシートなど)の提供、及び耐用年数の延長による複合体シートの廃棄量削減と、地球環境保全への貢献。
【解決手段】基体の表面に防汚層が配置された複合体シート(ターポリン、帆布、メッシュシートなど)において、防汚層にセルロースナノファイバー、及び、ケト/エノール型互変異性体(ベンゾトリアゾール系、トリアジン系、及びジフェニルケトン系、から選ばれた1種以上の互変異性体)を含有させる。さらに防汚層上に光触媒層を形成する。
【選択図】なし
特許請求の範囲【請求項1】
基体の表面に防汚層が配置された複合体シートであって、前記防汚層が、セルロースナノファイバー、及び、ケト/エノール型互変異性体を含有していることを特徴とする複合体シート。
続きを表示(約 2,400 文字)【請求項2】
前記ケト/エノール型互変異性体が、ベンゾトリアゾール系互変異性体、トリアジン系互変異性体、及びジフェニルケトン系互変異性体、から選ばれた1種以上である請求項1に記載の複合体シート。
【請求項3】
前記ベンゾトリアゾール系互変異性体が、水酸基(1~2個)/ケトン基(0個)のベンゼン環(アルキル基、分岐アルキル基、アルキル置換ベンジル基から選ばれた1種または2種を有していてもよい)1個と、ベンゾトリアゾール環(置換基を有していてもよい)とのC-N結合体を骨格とするエノール型異性体(Ia)〔化1〕と、水酸基(0~1個)/ケトン基(1個)のベンゼン環(アルキル基、分岐アルキル基、アルキル置換ベンジル基から選ばれた1種または2種を有していてもよい)1個と、ベンゾトリアゾール環(置換基を有していてもよい)とのC-N結合体を主骨格とするケト型異性体(IIa)〔化2〕である請求項2に記載の複合体シート。
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Rは、水酸基、アルキル基、分岐アルキル基、アルキル置換ベンジル基
から選ばれた1種以上
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Rは、水酸基、アルキル基、分岐アルキル基、アルキル置換ベンジル基
から選ばれた1種以上
【請求項4】
前記トリアジン系互変異性体が、水酸基(1~2個)/ケトン基(0個)のベンゼン環(アルキルオキシ基を有していてもよい)1~3個と、1,3,5-トリアジン環(アルキル置換フェニル基、及び/または水酸基置換フェニル基を有していてもよい)とのC-C結合体を主骨格とするエノール型異性体(Ib)〔化3〕と、水酸基(0~1個)/ケトン基(1個)のベンゼン環(アルキルオキシ基を有していてもよい)1~3個と、1,3,5-トリアジン環(アルキル置換フェニル基、及び/または水酸基置換フェニル基を有していてもよい)とのC-C結合体を骨格とするケト型異性体(IIb)〔化4〕である請求項2に記載の複合体シート。
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は、水酸基、及び/またはアルキルオキシ基


,R

は、アルキル置換フェニル基、及び/または水酸基置換フェニル基
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は、水酸基、及び/またはアルキルオキシ基


,R

は、アルキル置換フェニル基、及び/または水酸基置換フェニル基
【請求項5】
前記ジフェニルケトン系互変異性体が、水酸基(1~2個)/ケトン基(0個)/アルキルオキシ基(0~1個)のベンゼン環2個がC=O結合で連結された主骨格のエノール型異性体(Ic)〔化5〕と、水酸基(0~1個)/ケトン基(1個)/アルキルオキシ基(0~1個)のベンゼン環1個と、水酸基(1~2個)/ケトン基(0個)/アルキルオキシ基(0~1個)のベンゼン環(他の置換基を有していてもよい)1個がC=O結合で連結された主骨格のケト型異性体(IIc)〔化6〕である請求項2に記載の複合体シート。
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は、水酸基、及び/またはアルキルオキシ基
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,R

は、水酸基、及び/またはアルキルオキシ基
【請求項6】
前記セルロースナノファイバーが、非変性セルロース、カルボキシメチル化セルロース、酸化セルロース、ホウ酸エステル化セルロース、リン酸エステル化セルロース、ケイ酸エステル化セルロース、イソシアネート化セルロース、アミノシラン変性セルロース、ビニルシラン変性セルロース、エポキシシラン変性セルロース、メタクリルシラン変性セルロース、アクリルシラン変性セルロース、クロルシラン変性セルロース、メルカプトシラン変性セルロース、イソシアヌレートシラン変性セルロース、イソシアネートシラン変性セルロース、から選ばれた1種以上のナノファイバーである請求項1~5の何れか1項に記載の複合体シート。
【請求項7】
前記防汚層が、アクリル系樹脂、ウレタン系樹脂、アクリル/シリコン系共重合体樹脂、フッ素系共重合体樹脂、アクリル系樹脂とフッ素系共重合体樹脂のブレンド、ウレタン/シリコン系グラフト共重合体樹脂、及びウレタン/フッ素系グラフト共重合体樹脂、から選ばれた1種以上からなるフィルム、または塗膜である請求項1~6の何れか1項に記載の複合体シート。
【請求項8】
前記防汚層上に、さらに光触媒層が形成され、この光触媒層内に、酸化チタン、過酸化チタン、酸化亜鉛、酸化錫、チタン酸ストロンチウム、酸化タングステン、酸化ビスマス、及び酸化鉄、から選ばれた1種以上の光触媒性金属酸化物を含有している請求項1~7の何れか1項に記載の複合体シート。
【請求項9】
前記光触媒層が、オルガノシリケート化合物、またはシラノール基含有有機シラン化合物のゾルゲル縮合体を主体とする請求項8に記載の複合体シート。
【請求項10】
前記基体が、織物を芯材とする樹脂加工物である請求項1~9の何れか1項に記載の複合体シート。
(【請求項11】以降は省略されています)

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、屋外で使用する複合体シート全般の耐久性向上に関し、特に耐候性を向上させることによって得られる、耐用年数を延長した産業資材用の複合体シートに関し、具体的には、ターポリン、帆布、メッシュシートなどに関する。産業資材用の複合体シートの耐用年数延長は、可使時間を長くすることで廃棄頻度(すなわち生産量)を減らし、長期的視野において廃棄される複合体シート量を削減することで地球環境保全に貢献するものである。
続きを表示(約 4,900 文字)【背景技術】
【0002】
近年、プラスチック製品の焼却で増大する二酸化炭素濃度の影響による地球温暖化(異常気象、風水害、水位上昇、生態系異常など)、劣化崩壊プラスチック(マイクロプラスチック粒子)による海洋汚染、またプラスチック片の絡まり、誤飲による海洋生物への被害などの問題が切実なものとなり、プラスチック削減・リサイクルとプラスチック代替の認識が広がっている。特に二酸化炭素排出量の増加にストップを掛け、カーボンニュートラル・循環型社会の構築目標が世界的に掲げられ、その一環として植物由来のプラスチック製品を増やし、石油由来のプラスチック製品を減らす取り組みが進められているが、多種多様なブラスチックに対して、ごく一部しか植物由来プラスチックへの転換がなされていない。これは植物由来モノマーの種類がまだ少ないこと、合成プロセスが複雑化すること、合成のための設備投資、製造コスト増、加工性、物性、耐久性などの全てに起因する。カーボンニュートラルとは、植物が吸収した二酸化炭素を由来とするバイオマス燃料・樹脂の使用により、これらが燃焼して発生する二酸化炭素が自然に還り、その二酸化炭素が植物に吸収されることで、植物由来の燃料や樹脂が再生するサイクルを持続することによって、大気中の二酸化炭素量を増やさないようにする地球温暖化防止の取り組みの1つである。
【0003】
大型テント構造物(スポーツ施設、パビリオン、サーカス、プラネタリウムなど)、テント倉庫、建築養生(防音)シート、建築空間の膜屋根(膜天井)、ファサードシート、フレキシブルコンテナ、昇降式シートシャッター、フロアシート、間仕切りシートなどに用いられるターポリン、及びトラック幌、野積防水シート、屋形テントなどに用いられる帆布、さらには建築養生、防風防雪ネット、防眩ネット、ビジュアルファサードなどに用いられるメッシュシートなどの複合体シートの基材には、主にポリエチレンテレフタレートを紡糸したポリエステル繊維糸条を織編要素とする布帛が芯材に使用されている。ターポリンは、空隙率6~25%程度の布帛(織布)の両面に熱可塑性樹脂組成物フィルムを積層した形態で、帆布は、空隙率0~10%程度の布帛の両面に液状の熱可塑性樹脂組成物を含浸塗工し、それを皮膜化した形態で、またメッシュシートは、空隙率15~70%程度の粗目織物の全面に液状の熱可塑性樹脂組成物を含浸塗工し、塗工物を皮膜化した形態であり、何れも用途ごとに破壊強度、破断伸度、引裂強度、防炎性、屋外耐久性などの基準値をクリアすることが必要である。そしてこれらの複合体シート用の熱可塑性樹脂には、高品質の軟質塩化ビニル系樹脂組成物(可塑剤で可塑化された塩化ビニル系樹脂を少なくとも含む)を用いることで、上記基準値をクリアできるものとしているため、他の樹脂(植物由来プラスチックを含む)の代替では諸々の基準値を全て満たすことが至極困難である。これらの複合体シートによる膜構築物、特に大型テント構造物などでは10~20年間、風雨、紫外線に晒され続けられることで、軟質塩化ビニル系樹脂層は紫外線被曝で脆化し、またPET繊維布帛は湿熱加水分解で強度低下を伴っているため、リサイクルには適さない劣化素材となっている。これらの複合体シートの廃材処理は、二酸化炭素ガス、塩素ガスの排出、ダイオキシン生成などの問題から焼却処理はされず、埋め立て処理されているが、これは大きな環境負荷の蓄積となっている。
【0004】
しかしながら産業用の複合体シート廃材の埋め立て処理削減の急務にもかかわらず、今現在、環境負荷の小さい廃棄方法が見当たらないため、現時点では、企業努力により耐用年数をより長いものと改良することによって、現状の廃棄量を削減する手立てが堅実と考えられる。この耐用年数延長は、可使時間を長くすることで廃棄頻度を減らし、長期的視野において廃棄される複合体シート量を削減することにあり、換言すれば、耐用年数が向上することで、生産量が減り、この結果、廃棄量の減少に繋がるのである。具体的に軟質塩化ビニル系樹脂製の産業用複合体シートの耐用年数を向上させる手段として、本出願人は、軟質塩化ビニル系樹脂層に紫外線吸収剤を配合する方法(特許文献1)、複合体シートの表面に高分子量紫外線吸収剤を配合した塗膜層を設ける方法(特許文献2)などを過去に検討している。また、最近、ターポリンの防汚層に亀裂を容易に生じず、防汚層が容易に摩滅、脱落することがなく、防汚性を長期持続可能な複合体シートを得る方法として、防汚層を有機重合体、または有機/無機縮合体で構成し、セルロースナノファイバー、変性セルロースナノファイバーなどを含有させる提案(特許文献3)をしたが、産業用の複合体シート廃材の埋め立て処理削減の観点、如いては地球環境保全のために、さらなる耐用年数の延長が必要となっている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
特開昭59-41249号公報
特開2001-225423号公報
特開2021-66122号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明における課題は、屋外で使用する複合体シート全般の耐久性向上(紫外線によるダメージ軽減)と、耐候性を向上させることによって得られる、耐用年数を延長した産業資材用の複合体シート(ターポリン、帆布、メッシュシートなど)の提供である。また、本発明における目的は、複合体シートの耐用年数を延長することによって、廃棄頻度(すなわち生産量)を減らして、長期的視野において廃棄する複合体シート量を削減し、地球環境保全に貢献することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明はかかる点を考慮し検討を重ねた結果、基体の表面に防汚層が配置された複合体シートにおいて、防汚層が、セルロースナノファイバー、及び、ケト/エノール型互変異性体を含有すること、特にケト/エノール型互変異性体として、ベンゾトリアゾール系互変異性体、トリアジン系互変異性体、及びジフェニルケトン系互変異性体、から選ばれた1種以上を含有することにより、紫外線をケト型とエノール型の相互変換のためのエネルギーに消費させることで紫外線による劣化ダメージを軽減し、それによって複合体シートの耐用年数の延長が可能となり、その結果、廃棄頻度(すなわち生産量)が減ることで、長期的視野における複合体シート廃棄量の削減が可能であると試算して本発明を完成させるに至った。
【0008】
本発明の複合体シートは、前記ベンゾトリアゾール系互変異性体が、水酸基(1~2個)/ケトン基(0個)のベンゼン環(アルキル基、分岐アルキル基、アルキル置換ベンジル基から選ばれた1種または2種を有していてもよい)1個と、ベンゾトリアゾール環(置換基を有していてもよい)とのC-N結合体を骨格とするエノール型異性体(Ia)〔化1〕と、水酸基(0~1個)/ケトン基(1個)のベンゼン環(アルキル基、分岐アルキル基、アルキル置換ベンジル基から選ばれた1種または2種を有していてもよい)1個と、ベンゾトリアゾール環(置換基を有していてもよい)とのC-N結合体を主骨格とするケト型異性体(IIa)〔化2〕であることが好ましい。このベンゾトリアゾール系互変異性体は、太陽光(紫外線)の刺激で、エノール型異性体(Ia)〔化1〕と、ケト型異性体(IIa)〔化2〕との相互変換、すなわち励起状態と基底状態を繰り返すことで、防汚層内にエノール型とケト型の異性体が平衡状態で共存し、紫外線エネルギーをこの相互変換の分子振動の熱エネルギーに変換して系外放出し、紫外線エネルギーを減衰させることで紫外線ダメージを軽減させる。
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Rは、水酸基、アルキル基、分岐アルキル基、アルキル置換ベンジル基
から選ばれた1種以上
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Rは、水酸基、アルキル基、分岐アルキル基、アルキル置換ベンジル基
から選ばれた1種以上
【0009】
本発明の複合体シートは、前記トリアジン系互変異性体が、水酸基(1~2個)/ケトン基(0個)のベンゼン環(アルキルオキシ基を有していてもよい)1~3個と、1,3,5-トリアジン環(アルキル置換フェニル基、及び/または水酸基置換フェニル基を有していてもよい)とのC-C結合体を主骨格とするエノール型異性体(Ib)〔化3〕と、水酸基(0~1個)/ケトン基(1個)のベンゼン環(アルキルオキシ基を有していてもよい)1~3個と、1,3,5-トリアジン環(アルキル置換フェニル基、及び/または水酸基置換フェニル基を有していてもよい)とのC-C結合体を骨格とするケト型異性体(IIb)〔化4〕であることが好ましい。このトリアジン系互変異性体は、太陽光(紫外線)の刺激で、エノール型異性体(Ib)〔化3〕と、ケト型異性体(IIb)〔化4〕との相互変換、すなわち励起状態と基底状態を繰り返すことで、防汚層内にエノール型とケト型の異性体が平衡状態で共存し、紫外線エネルギーをこの相互変換の分子振動の熱エネルギーに変換して系外放出し、紫外線エネルギーを減衰させることで紫外線ダメージを軽減させる。
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は、水酸基、及び/またはアルキルオキシ基


,R

は、アルキル置換フェニル基、及び/または水酸基置換フェニル基
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は、水酸基、及び/またはアルキルオキシ基


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は、アルキル置換フェニル基、及び/または水酸基置換フェニル基
【0010】
本発明の複合体シートは、前記ジフェニルケトン系互変異性体が、水酸基(1~2個)/ケトン基(0個)/アルキルオキシ基(0~1個)のベンゼン環2個がC=O結合で連結された主骨格のエノール型異性体(Ic)〔化5〕と、水酸基(0~1個)/ケトン基(1個)/アルキルオキシ基(0~1個)のベンゼン環1個と、水酸基(1~2個)/ケトン基(0個)/アルキルオキシ基(0~1個)のベンゼン環1個がC=O結合で連結された主骨格のケト型異性体(IIc)〔化6〕であることが好ましい。このジフェニルケトン系互変異性体は、太陽光(紫外線)の刺激で、エノール型異性体(Ic)〔化5〕と、ケト型異性体(IIc)〔化6〕との相互変換、すなわち励起状態と基底状態を繰り返すことで、防汚層内にエノール型とケト型の異性体が平衡状態で共存し、紫外線エネルギーをこの相互変換の分子振動の熱エネルギーに変換して系外放出し、紫外線エネルギーを減衰させることで紫外線ダメージを軽減させる。
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は、水酸基、及び/またはアルキルオキシ基
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は、水酸基、及び/またはアルキルオキシ基
(【0011】以降は省略されています)

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