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公開番号2024066018
公報種別公開特許公報(A)
公開日2024-05-15
出願番号2022175197
出願日2022-11-01
発明の名称多層成形品
出願人東レ株式会社
代理人
主分類B32B 27/00 20060101AFI20240508BHJP(積層体)
要約【課題】本発明では表面平滑性、層間接着性、耐熱老化性、曲げ加工性に優れる多層成形品を得ることができる。
【解決手段】少なくとも2層の熱可塑性樹脂層からなる多層成形品であり、第1の熱可塑性樹脂の層(i)がポリフェニレンスルフィド樹脂組成物(a)からなり、該ポリフェニレンスルフィド樹脂組成物(a)を成形してなるISO(1A)ダンベルについて、引張伸度が60%以上、170℃×1000hr処理後の引張伸度保持率が50%以上で、および曲げ弾性率が1500MPa以下であり、第2の熱可塑性樹脂の層(ii)がポリフェニレンスルフィド樹脂組成物(b)からなり、該ポリフェニレンスルフィド樹脂組成物(b)からなるチューブ成形品の内面粗さRaが1.0μm以下であることを特徴とする多層成形品。
【選択図】なし
特許請求の範囲【請求項1】
少なくとも2層の熱可塑性樹脂層からなる多層成形品であり、第1の熱可塑性樹脂の層(i)がポリフェニレンスルフィド樹脂組成物(a)からなり、該ポリフェニレンスルフィド樹脂組成物(a)を成形してなるISO(1A)ダンベルについて、引張伸度が60%以上、170℃×1000hr処理後の引張伸度保持率が50%以上、および曲げ弾性率が1500MPa以下であり、第2の熱可塑性樹脂の層(ii)がポリフェニレンスルフィド樹脂組成物(b)からなり、該ポリフェニレンスルフィド樹脂組成物(b)からなるチューブ成形品の内面粗さRaが1.0μm以下であることを特徴とする多層成形品。
続きを表示(約 1,200 文字)【請求項2】
前記ポリフェニレンスルフィド樹脂組成物(a)が、(A)ポリフェニレンスルフィド樹脂、(B)アミノ基含有樹脂および(C)エポキシ基を含有するエラストマーを配合してなるポリフェニレンスルフィド樹脂組成物であって、(A)ポリフェニレンスルフィド樹脂、(B)アミノ基含有樹脂、および(C)エポキシ基を含有するエラストマーの合計を100質量%としたとき、(A)ポリフェニレンスルフィド樹脂が20質量%以上、60質量%以下であって、前記ポリフェニレンスルフィド樹脂組成物(a)からなる成形品を透過型電子顕微鏡により観察したときのモルフォロジーにおいて、(A)ポリフェニレンスルフィド樹脂が連続相を形成し、(B)アミノ基含有樹脂および(C)エポキシ基を含有するエラストマーが分散相を形成するポリフェニレンスルフィド樹脂組成物である請求項1に記載の多層成形品。
【請求項3】
前記(B)アミノ基含有樹脂がポリアミド樹脂である請求項2に記載の多層成形品。
【請求項4】
前記分散相において、(C)エポキシ基を含有するエラストマーの分散相内にポリアミド樹脂が二次分散相を形成する請求項3に記載の多層成形品。
【請求項5】
前記(B)アミノ基含有樹脂がアミノ基含有ジエン系共重合体である請求項2に記載の多層成形品。
【請求項6】
前記分散相がアミノ基含有ジエン系共重合体と(C)エポキシ基を含有するエラストマーの共連続構造からなる分散相である請求項5に記載の多層成形品
【請求項7】
前記ポリフェニレンスルフィド樹脂組成物(b)が、(A)ポリフェニレンスルフィド樹脂100質量部に対して(C)エポキシ基を含有するエラストマーを1~20質量部配合してなるポリフェニレンスルフィド樹脂組成物である請求項1に記載の多層成形品。
【請求項8】
前記ポリフェニレンスルフィド樹脂組成物(b)が、ポリフェニレンスルフィド樹脂組成物(b)からなる成形品を透過型電子顕微鏡により観察したときのモルフォロジーにおいて、(A)ポリフェニレンスルフィド樹脂が連続相を形成し、(C)エポキシ基を含有するエラストマーが分散相を形成するポリフェニレンスルフィド樹脂組成物であって、(C)エポキシ基を含有するエラストマーの分散相の数平均分散粒子径が500nm以下である請求項7に記載の多層成形品。
【請求項9】
前記ポリフェニレンスルフィド樹脂組成物(a)からなる層(i)を最外層とした中空状の多層成形品である請求項1~8のいずれかに記載の多層成形品。
【請求項10】
前記ポリフェニレンスルフィド樹脂組成物(a)およびポリフェニレンスルフィド樹脂組成物(b)をブロー成形もしくは押出成形する請求項1~8のいずれかに記載の多層成形品の製造方法。
(【請求項11】以降は省略されています)

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、層間接着強度、耐熱老化性、曲げ加工性および表面平滑性に優れた多層成形品、および多層成形品の製造方法に関するものである。
続きを表示(約 1,300 文字)【背景技術】
【0002】
近年、自動車部品としてエンジンルーム内のダクト、チューブ等の配管類を樹脂化し、軽量化による燃費向上を図る方法が普及しており、主としてポリアミド系材料が用いられている。エンジンルーム内の小スペース化やレイアウト最適化の観点から、従来以上の組付性や振動吸収性が求められており、成形品設計の自由度が高いブロー成形や押出成形などの成形方法と、高柔軟な樹脂とを組み合わせて配管類を設計することが重要となる。加えて配管類と熱源の距離が近づく場合、外部環境温度が高くなる傾向がある。
【0003】
このような背景の下、自動車の配管類に用いる樹脂にはこれまで以上の耐熱性や耐薬品性に加えて、高柔軟性とブロー成形性や押出成形性を満足することが求められる。
【0004】
ポリフェニレンスルフィド(以下PPSと略すことがある)樹脂は、優れた耐熱性、耐薬品性、難燃性、電気絶縁性、耐湿熱性など、エンジニアリングプラスチックとして好適な性質を有していることから、電気・電子部品、通信機器部品、自動車部品などに幅広く利用されている。一方で、PPS樹脂を上記コンセプトの基、配管類に適用するためには、柔軟性・靱性と、ブロー成形性、押出成形性に劣る課題がある。
【0005】
そこで、PPSとポリアミドからなり耐熱性、耐薬品性に加えて柔軟性を付与した管状成形品が検討されている(例えば特許文献1)
しかし、特許文献1に記載された樹脂組成物からなる管状成形品はエラストマーが配合されていないため柔軟性に劣る。
【0006】
また、PPS、ポリアミド、エポキシ基含有エラストマーからなり、ポリアミドとエポキシ基含有エラストマーを適切に反応させることで、PPS樹脂を連続相としながら柔軟性を付与した樹脂組成物による配管も検討されている(例えば特許文献2)。
【0007】
また、内層に燃料バリヤー性、表面平滑性に優れたポリフェニレンスルフィド樹脂組成物、外層に耐衝撃性と柔軟性に優れたポリフェニレンスルフィド樹脂組成物を配した多層成形品も検討されている(例えば特許文献3)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
特開2008-31233号公報
国際公開第2018/3700号
特開2005-178183号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
しかし、特許文献2に記載された配管は耐熱性、柔軟性に優れるものの、成形時のエラストマーの熱劣化に伴い配管の内面荒れが発生する課題があった。また、特許文献3に記載の多層成形品は、PPS樹脂を積層しているので層間接着強度に優れ、外層に柔軟なPPS樹脂を用いているので曲げ加工性に優れるが、外層のエラストマー配合量が多いため高温環境下では劣化が進行しやすい問題があった。
【0010】
本発明では表面平滑性、層間接着強度、耐熱老化性、および曲げ加工性に優れる多層成形品を得ることを課題とする。
【課題を解決するための手段】
(【0011】以降は省略されています)

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