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公開番号2024068255
公報種別公開特許公報(A)
公開日2024-05-20
出願番号2022178553
出願日2022-11-08
発明の名称ポリイミド積層体
出願人株式会社カネカ
代理人
主分類B32B 27/34 20060101AFI20240513BHJP(積層体)
要約【課題】本発明の課題は、デスミア処理条件を強めた際に発生する層間のクラックをさらに抑制できるポリイミド積層体を提供することにある。
【解決手段】非熱可塑性ポリイミドの少なくとも片面に熱可塑性ポリイミド層を設けたポリイミド積層体であり、非熱可塑性ポリイミド単層の引張試験による弾性率5~12GPa、10%歪み応力190~310MPaおよび線膨張係数5~20ppm/℃であり、前記非熱可塑性ポリイミドと熱可塑性ポリイミド間の相溶性パラメーター(SP値差の2乗値)が5.0 J/cm3以下、かつ前記熱可塑性ポリイミドの線膨張係数が65ppm/℃以下であることを特徴としたポリイミドフィルム積層体により、上記課題を解決できる。
【選択図】なし
特許請求の範囲【請求項1】
非熱可塑性ポリイミドの少なくとも片面に熱可塑性ポリイミド層を設けたポリイミド積層体であり、非熱可塑性ポリイミド単層の引張試験による弾性率5~12GPa、10%歪み応力190~310MPaおよび線膨張係数5~20ppm/℃であり、前記非熱可塑性ポリイミドと熱可塑性ポリイミド間の相溶性パラメーター(SP値差の2乗値)が5.0 J/cm
3
以下、かつ前記熱可塑性ポリイミドの線膨張係数が65ppm/℃以下であることを特徴としたポリイミドフィルム積層体。
続きを表示(約 170 文字)【請求項2】
前記非熱可塑性ポリイミドの製造に使用される芳香族ジアミンが2,2'-ジメチルビフェニル-4,4'-ジアミンを含み、酸二無水物が3,3',4,4'-ベンゾフェノンテトラカルボン酸二無水物および/または3,3',4,4'-ビフェニルテトラカルボン酸二無水物を含むことを特徴とする請求項1記載のポリイミドフィルム積層体。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、クラック耐性に優れたポリイミドフィルム積層体に関する。
続きを表示(約 1,800 文字)【背景技術】
【0002】
近年、スマートフォン、ノートパソコン等を中心としたエレクトロニクス製品の需要拡大に伴い、フレキシブルプリント配線板(以下、「FPC」と記載)の需要が伸びている。中でも、接着層として熱可塑性ポリイミド層を含むポリイミドフィルム積層体を材料とて使用したFPCは、耐熱性、屈曲性に優れることから需要が更に伸びることが期待される。更に、近年では、電子機器の軽量化、小型化、薄膜化が進んでおり、FPC配線の微細化の要求が依然として強い。
【0003】
微細両面FPCや多層FPCを作製する際には、ポリイミドフィルムの両面に銅箔等の金属箔を貼り合わせた金属張積層板を材料として使用するのが一般的である。FPC製造では最初に層間の導通を行うための穴(以下、「ビア」と記載)を開ける工程がある。ビアの内壁にめっきを施すことで配線板の両面を導通させることができる。ビア形成工程には、ドリルやレーザーで両面の金属箔及び絶縁層(ポリイミド層)に貫通孔を開けるスルーホール法と、一方の面の金属箔及び絶縁層をレーザー等で切削して、もう一方の面の金属箔を残すブラインドビア法があるが、とくに微細FPCでは面積を有効に使用するために、ブラインドビア法が高頻度に用いられる。
【0004】
従来、このようなビア形成工程では、穴あけ後に穴の内部や金属箔表面を清浄化したり樹脂の残渣を除去したりするために、加熱下においてアルカリ性過マンガン酸カリウム水溶液等で積層板を処理する湿式デスミア処理が行われる。ポリイミドは、アルカリ条件下で加水分解しやすく、レーザー加工した場合には局所的な加熱を受けることにより残留応力が発生し、ビア形成工程後のデスミア処理ではビア内壁にクラック等の欠陥が生じやすい。特許文献1には、複層ポリイミドフィルムの動的粘弾試験における380℃の貯蔵弾性率を0.350MPa未満にし、レーザー加工で生じた残留応力を除去し、欠陥の発生を抑制する方法が記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
国際公開第2022/014257号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、特許文献1でのデスミア条件は比較的弱いものであり、デスミア処理条件を強めた際の非熱可塑性ポリイミド層と熱可塑性ポリイミド層間でのクラック発生率抑制にはさらなる改善の余地があった。本発明はデスミア処理条件を強めた際に発生する層間のクラックを抑制できるポリイミド積層体を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明者らは、鋭意検討の結果、下記構成により、上記課題を克服できることを見出した。
【0008】
[1].非熱可塑性ポリイミドの少なくとも片面に熱可塑性ポリイミド層を設けたポリイミド積層体であり、非熱可塑性ポリイミド単層の引張試験による弾性率5~12GPa、10%歪み応力190~310MPaおよび線膨張係数5~20ppm/℃であり、前記非熱可塑性ポリイミドと熱可塑性ポリイミド間の相溶性パラメーター(SP値差の2乗値)が5.0 J/cm
3
以下、かつ前記熱可塑性ポリイミドの線膨張係数が65ppm/℃以下であることを特徴としたポリイミドフィルム積層体。
【0009】
[2].前記非熱可塑性ポリイミドの製造に使用される芳香族ジアミンが2,2'-ジメチルビフェニル-4,4'-ジアミンを含み、酸二無水物が3,3',4,4'-ベンゾフェノンテトラカルボン酸二無水物および/または3,3',4,4'-ビフェニルテトラカルボン酸二無水物を含むことを特徴とする請求項1記載のポリイミドフィルム積層体。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、デスミア処理条件を強めた際に発生する層間のクラックを抑制できるポリイミド積層体を提供することができる。具体的には、本発明に係るポリイミド積層体によれば、配線板の製造工程において工数を増やすことなく、レーザー加工後のデスミア処理時においてビア内壁のクラックの発生を抑制できる。
【図面の簡単な説明】
(【0011】以降は省略されています)

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