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公開番号2025064593
公報種別公開特許公報(A)
公開日2025-04-17
出願番号2023174478
出願日2023-10-06
発明の名称Tダイ押出成形用樹脂組成物
出願人株式会社カネカ
代理人弁理士法人有古特許事務所
主分類C08L 67/04 20060101AFI20250410BHJP(有機高分子化合物;その製造または化学的加工;それに基づく組成物)
要約【課題】ポリ(3-ヒドロキシアルカノエート)系樹脂を含有しTダイ押出成形に好適に使用できる樹脂組成物であって、Tダイから押出した後の冷却ロールからの剥離性を改善し、かつ、ネックイン及びドローレゾナンスを低減可能な樹脂組成物の提供。
【解決手段】ポリ(3-ヒドロキシアルカノエート)系樹脂(A)100重量部、層状粘土鉱物(B)0.3~3重量部、及び、脂肪酸アミド化合物(C)0.3~3重量部を含有するTダイ押出成形用樹脂組成物。樹脂(A)が、他のヒドロキシアルカノエート単位の含有割合が1~6モル%である、3-ヒドロキシブチレート単位と他のヒドロキシアルカノエート単位との共重合体(A1)、及び、他のヒドロキシアルカノエート単位の含有割合が24モル%以上である、3-ヒドロキシブチレート単位と他のヒドロキシアルカノエート単位との共重合体(A2)を含む。
【選択図】なし
特許請求の範囲【請求項1】
ポリ(3-ヒドロキシアルカノエート)系樹脂(A)を含有するTダイ押出成形用樹脂組成物であって、
前記ポリ(3-ヒドロキシアルカノエート)系樹脂(A)が、他のヒドロキシアルカノエート単位の含有割合が1~6モル%である、3-ヒドロキシブチレート単位と他のヒドロキシアルカノエート単位との共重合体(A1)、及び、他のヒドロキシアルカノエート単位の含有割合が24モル%以上である、3-ヒドロキシブチレート単位と他のヒドロキシアルカノエート単位との共重合体(A2)を含み、
前記樹脂組成物が、層状粘土鉱物(B)、及び、脂肪酸アミド化合物(C)をさらに含み、
前記ポリ(3-ヒドロキシアルカノエート)系樹脂(A)の総量100重量部に対し、層状粘土鉱物(B)の含有量が0.3~3重量部で、脂肪酸アミド化合物(C)の含有量が0.3~3重量部である、Tダイ押出成形用樹脂組成物。
続きを表示(約 620 文字)【請求項2】
前記ポリ(3-ヒドロキシアルカノエート)系樹脂(A)中、共重合体(A1)の割合が50~80重量%で、共重合体(A2)の割合が20~50重量%である、請求項1に記載のTダイ押出成形用樹脂組成物。
【請求項3】
前記他のヒドロキシアルカノエート単位が、3-ヒドロキシヘキサノエート単位である、請求項1又は2に記載のTダイ押出成形用樹脂組成物。
【請求項4】
ペンタエリスリトールを実質的に含まない、請求項1又は2に記載のTダイ押出成形用樹脂組成物。
【請求項5】
層状粘土鉱物(B)は、レーザー回折法で求めた平均粒子径D50が1~5μm、かつ、BET法で求めた比表面積が10~40m

/gである、請求項1又は2に記載のTダイ押出成形用樹脂組成物。
【請求項6】
請求項1に記載のTダイ押出成形用樹脂組成物を含む、Tダイ押出成形フィルム。
【請求項7】
請求項1に記載のTダイ押出成形用樹脂組成物を含むTダイ押出成形樹脂層と、基材層とを含む、積層体。
【請求項8】
前記基材層が生分解性を有する、請求項7に記載の積層体。
【請求項9】
前記基材層が紙である、請求項7に記載の積層体。
【請求項10】
請求項7に記載の積層体を含む、成形体。
(【請求項11】以降は省略されています)

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、Tダイ押出成形用樹脂組成物、Tダイ押出成形フィルム、積層体、成形体、フィルムの製造方法、及び積層体の製造方法に関する。
続きを表示(約 1,700 文字)【背景技術】
【0002】
近年、廃棄プラスチックによる環境問題がクローズアップされている。中でも、廃棄プラスチックによる海洋汚染は深刻であり、自然環境下で分解する生分解性プラスチックの普及が期待されている。
【0003】
そのような生分解性プラスチックとしては種々のものが知られているが、特に、ポリ(3-ヒドロキシアルカノエート)系樹脂(以下、P3HA系樹脂と称する場合がある)は、多くの微生物種の細胞内にエネルギー貯蔵物質として生産、蓄積される熱可塑性ポリエステルであり、土中だけでなく、海水中でも生分解が進行しうる材料であるため、上記の問題を解決する素材として注目されている。
【0004】
また、P3HA系樹脂を、紙等の生分解性を有する基材にラミネート加工して製造される積層体は、樹脂と基材の双方が優れた生分解性を有する材料であるため、環境保護の観点から極めて有望である。ラミネート加工の方法としては、Tダイを備えた押出機にP3HA系樹脂を投入し、フィルムに加工した後、該フィルムを基材にラミネートする方法や、フィルム化を介することなく、同様の設備を用いてTダイから押出した溶融P3HA系樹脂を、別途繰り出した基材に直接ラミネートして加工する押出ラミネート法などを選択できる。
【0005】
特許文献1では、Tダイ押出成形に関するものではないが、他のヒドロキシアルカノエート単位の含有割合が1~6モル%である3-ヒドロキシブチレート単位と他のヒドロキシアルカノエート単位との共重合体と、他のヒドロキシアルカノエート単位の含有割合が24モル%以上である3-ヒドロキシブチレート単位と他のヒドロキシアルカノエート単位との共重合体を含むポリ(3-ヒドロキシアルカノエート)系樹脂100重量部と、層状粘土鉱物5~45重量部を含む射出成形用樹脂組成物が記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
国際公開第2022/065182号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
一般にP3HA系樹脂は固化速度が遅いため、Tダイから溶融樹脂を押出した直後に接する冷却ロールに張り付きやすい傾向がある。そのため、冷却ロールから樹脂を剥離する際に大きな力がかかり、剥離して得られた樹脂フィルム又は樹脂層の表面に微細な凹凸が形成されて白濁したムラが生じたり、皺が形成されたりして、樹脂フィルム又は樹脂層の外観が悪化しやすい。
【0008】
しかし、このような冷却ロールからの剥離性を改善しようとすると、樹脂フィルム又は樹脂層の幅(流れ方向に垂直な方向の長さ)がTダイの開口幅よりも小さくなる「ネックイン」と呼ばれる現象が増大することが分かった。ネックインが増大すると、目的の幅を達成できなかったり、端部が分厚くなることで厚みの均一化が損なわれる場合がある。
【0009】
また、特許文献1に開示されている他のヒドロキシアルカノエート単位の含有割合が24モル%以上であるポリ(3-ヒドロキシブチレート)系共重合体を使用すると、この樹脂は溶融張力が低いため、樹脂温度が高くなりすぎると、Tダイ出口から冷却ロールに達するまでの区間(「エアギャップ」という)において、溶融樹脂の幅が周期的に変化するドローレゾナンスが生じやすくなることが分かった。ドローレゾナンスが大きくなると、得られる樹脂フィルム又は樹脂層の端部領域の厚みが不安定になるため好ましくない。この事象は、特に、Tダイ押出成形において、生産性向上のためにスクリューの回転数と冷却ロールの引取り速度を上げる場合に顕著であった。
【0010】
本発明は、上記に鑑み、P3HA系樹脂を含有しTダイ押出成形に好適に使用できる樹脂組成物であって、Tダイから押出した後の冷却ロールからの剥離性を改善し、かつ、ネックイン及びドローレゾナンスを低減可能な樹脂組成物を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
(【0011】以降は省略されています)

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