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公開番号
2025070388
公報種別
公開特許公報(A)
公開日
2025-05-02
出願番号
2023180668
出願日
2023-10-20
発明の名称
積層体の製造方法、及び成形体の製造方法
出願人
株式会社カネカ
代理人
主分類
B05D
7/00 20060101AFI20250424BHJP(霧化または噴霧一般;液体または他の流動性材料の表面への適用一般)
要約
【課題】紙基材とポリ(ヒドロキシアルカノエート)系樹脂を含む樹脂層を有する積層体において、カールが少なく、樹脂層表面のピンホールが少なく優れた耐油性を有し、油を多く含む食品の包装材料に適用し得る積層体の製造方法を提供すること。
【解決手段】紙基材の表面に、アクリル系樹脂を含む水性コーティング液を塗布後、加熱してプライマー層(B)を形成する工程〔工程(i)〕と、プライマー層(B)の表面に、ポリ(ヒドロキシアルカノエート)系樹脂を含む水性分散液を塗布して塗布膜を形成し、該塗布膜の表面温度が、前記ポリ(ヒドロキシアルカノエート)系樹脂の融点(Tm)+5℃~Tm+20℃になるように加熱し、樹脂層(C)を形成する工程〔工程(ii)〕とを順次行うことを含む製造方法。
【選択図】なし
特許請求の範囲
【請求項1】
紙基材(A)、および該紙基材(A)の少なくとも片面に、プライマー層(B)と、ポリ(ヒドロキシアルカノエート)系樹脂を含む樹脂層(C)とを有する積層体を製造する方法であって、少なくとも下記工程(i)および工程(ii)を順次行うことを含む、製造方法。
工程(i);
前記紙基材(A)の表面に、アクリル系樹脂を含む水性コーティング液を塗布後、加熱してプライマー層(B)を形成する工程
工程(ii);
工程(i)で得られた前記プライマー層(B)の表面に、ポリ(ヒドロキシアルカノエート)系樹脂を含む水性分散液を塗布して塗布膜を形成し、該塗布膜の表面温度が、前記ポリ(ヒドロキシアルカノエート)系樹脂の融点(Tm)+5℃~Tm+20℃になるように加熱し、樹脂層(C)を形成する工程
続きを表示(約 790 文字)
【請求項2】
前記樹脂層(C)の単位面積当たりの塗工量(乾燥重量)を前記紙基材(A)の坪量で除した値(塗工量/基材の坪量)が0.05~0.45である、請求項1に記載の製造方法。
【請求項3】
前記樹脂層(C)の単位面積当たりの塗工量(乾燥重量)が1g/m
2
以上80g/m
2
以下である、請求項1又は2に記載の製造方法。
【請求項4】
前記紙基材(A)の坪量が40g/m
2
以上400g/m
2
以下である、請求項1又は2に記載の製造方法。
【請求項5】
前記ポリ(ヒドロキシアルカノエート)系樹脂が、ポリ(3-ヒドロキシブチレート)系樹脂である、請求項1又は2に記載の製造方法。
【請求項6】
前記ポリ(3-ヒドロキシブチレート)系樹脂が、3-ヒドロキシブチレート単位と他のヒドロキシアルカノエート単位とを含む共重合体である、請求項5に記載の製造方法。
【請求項7】
前記ポリ(3-ヒドロキシブチレート)系樹脂が、3-ヒドロキシブチレート単位と他のヒドロキシアルカノエート単位との合計のうち3-ヒドロキシブチレート単位の含有割合が、70~97モル%であるポリ(3-ヒドロキシブチレート)系樹脂を含む、請求項6に記載の製造方法。
【請求項8】
前記他のヒドロキシアルカノエート単位として、3-ヒドロキシヘキサノエート単位を含む、請求項6に記載の製造方法。
【請求項9】
請求項1又は2に記載の製造方法によって積層体を製造する工程、及び、前記積層体を賦形加工する工程を含む、成形体の製造方法。
【請求項10】
前記成形体が包装袋、蓋材、又は容器である、請求項9に記載の製造方法。
発明の詳細な説明
【技術分野】
【0001】
本発明は、ポリ(ヒドロキシアルカノエート)系樹脂を含む樹脂層を有する積層体の製造方法、及び、該積層体を含む成形体の製造方法に関する。
続きを表示(約 1,700 文字)
【背景技術】
【0002】
近年、廃棄プラスチックによる環境問題がクローズアップされている。中でも、廃棄プラスチックによる海洋汚染は深刻であり、自然環境下で分解する生分解性プラスチックの普及が期待されている。
【0003】
そのような生分解性プラスチックとしては、種々のものが知られているが、中でも、ポリ(ヒドロキシアルカノエート)系樹脂(以下、PHAともいう)の一種であるポリ(3-ヒドロキシブチレート)系樹脂は、多くの微生物種の細胞内にエネルギー貯蔵物質として生産、蓄積される熱可塑性ポリエステルであり、土中だけでなく、海水中でも生分解が進行しうる材料であるため、上記の問題を解決する素材として注目されている。
【0004】
ポリ(3-ヒドロキシブチレート)系樹脂等のポリ(ヒドロキシアルカノエート)系樹脂を主成分とする層を、生分解性を有する紙基材に積層してなる積層体は、樹脂と基材の双方が優れた生分解性を有する材料であるため、環境保護の観点から極めて有望である。
【0005】
そのような積層体を製造する方法の一例として、特許文献1では、特定の平均分子量を有する、3-ヒドロキシブチレートと3-ヒドロキシヘキサノエートとの共重合体を含む水性分散液を、基材に塗布した後、加熱乾燥し、成膜する方法が記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
国際公開第2021/075412号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
特許文献1に記載のような樹脂の水性分散液を紙基材に塗布し、加熱して乾燥及び成膜する製造方法によると、ポリ(ヒドロキシアルカノエート)系樹脂を主成分とする樹脂層が紙基材に積層されてなる積層体を製造することができる。
しかし、特許文献1に記載の製造方法によって得られた積層体の樹脂層の表面を電子顕微鏡で観察すると、樹脂の粒子間の界面が残留しており、耐水性、耐油性が不充分であることが判明した。加熱乾燥時の温度を高く設定することで、粒子が溶け、樹脂層の均一性を改善することは可能であったが、ピンホールが完全に消失せず、油を多く含む食品の包装材料に適用するには耐油性がまだ不充分であった。また、高温加熱により積層体がカール(湾曲)し、袋や容器に成形する際の搬送不良を生ずる場合があり改善の余地があった。
【0008】
本発明は、上記現状に鑑み、紙基材とポリ(ヒドロキシアルカノエート)系樹脂を含む樹脂層を有する積層体において、カールが少なく、樹脂層表面のピンホールが少なく優れた耐油性を有し、油を多く含む食品の包装材料に適用し得る積層体の製造方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明者らは、上記課題を解決すべく鋭意検討した結果、紙基材と、ポリ(ヒドロキシアルカノエート)系樹脂を含む樹脂層を有する積層体の製造方法において、紙基材の表面に対して、アクリル系樹脂を含むプライマー層を形成し、該プライマー層の表面に樹脂層を形成することで、前記課題を解決できることを見出し本発明を完成するに至った。
【0010】
即ち、本発明は、紙基材(A)、および該紙基材(A)の少なくとも片面に、プライマー層(B)と、ポリ(ヒドロキシアルカノエート)系樹脂を含む樹脂層(C)を有する積層体を製造する方法であって、少なくとも下記工程(i)および工程(ii)を順次行うことを含む、製造方法に関する。
工程(i);
前記紙基材の表面に、アクリル系樹脂を含む水性コーティング液を塗布し、加熱してプライマー層(B)を形成する工程
工程(ii);
工程(i)で得られた前記プライマー層(B)の表面に、ポリ(3-ヒドロキシアルカノエート)系樹脂を含む水性分散液を塗布して塗布膜を形成し、該塗布膜の表面温度が、前記ポリ(ヒドロキシアルカノエート)系樹脂の融点(Tm)+5℃~Tm+20℃になるように加熱し、樹脂層(C)を形成する工程
【発明の効果】
(【0011】以降は省略されています)
この特許をJ-PlatPat(特許庁公式サイト)で参照する
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