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公開番号
2025078262
公報種別
公開特許公報(A)
公開日
2025-05-20
出願番号
2023190700
出願日
2023-11-08
発明の名称
プロピレンオキサイド(PO)製造システム
出願人
株式会社カネカ
代理人
主分類
C07D
301/02 20060101AFI20250513BHJP(有機化学)
要約
【課題】本発明の課題は、バイオ由来粗グリセリンを精製・脱水・水添しプロピレングリコール(PG)を取得した後、これを脱水して酸化プロピレン(PO)を誘導する製造方法において、適切な条件でPOを提供可能なシステムを提供することである。
【解決手段】グリセリンからPOを製造するシステムであって、グリセリン貯槽を含む貯槽系と、循環プラグフローの還元及び脱水の反応槽を含む反応槽系とを含み、脱水反応槽からPOが連続供給されてなり、グリセリン貯槽にグリセリン液が連続供給され、還元反応槽の上流にグリセリン貯槽のグリセリン液及び水素が供給されると共に、還元反応槽の下流からグリセリン液及びPG液の混合液がグリセリン貯槽に供給され、グリセリン貯槽がその槽からPGガスが脱水反応槽の上流に供給されるPGグリセリン貯槽である。
【選択図】図1
特許請求の範囲
【請求項1】
グリセリンからプロピレンオキサイド(PO)を製造するPO製造システムであって、
グリセリン貯槽を含む貯槽系と、
循環プラグフロー還元反応槽、及び循環プラグフロー脱水反応槽を含む反応槽系と、
投入系と、回収系とを含み、
該循環プラグフロー脱水反応槽からPOが連続供給されてなり、さらに、
該グリセリン貯槽に、グリセリン液が連続供給され、
該循環プラグフロー還元反応槽の上流に、該グリセリン貯槽のグリセリン液、及び水素が供給されると共に、
該循環プラグフロー還元反応槽の下流から、グリセリン液及びプロピレングリコール(PG)液の混合液が、該グリセリン貯槽に供給され、
その槽から、PGガスが、該循環プラグフロー脱水反応槽の上流に供給される、
PGグリセリン貯槽である、PO製造システム。
続きを表示(約 800 文字)
【請求項2】
請求項1に記載のPO製造システムであって、
前記POについて、その炭素14法における炭素元素にて、14C炭素が1.25×10
-13
(-)以上存在する、PO製造システム。
【請求項3】
廃油から前記グリセリンを経てPOを製造する、請求項1、又は2に記載のPO製造システムであって、
前記貯槽系が、さらに、廃油貯槽、バイオ燃料貯槽、及びメタノール貯槽を含み、かつ、
前記反応槽系が、さらに、連続攪拌エステル交換反応槽を含み、
該連続攪拌エステル交換反応槽に、
該廃油貯槽から該廃油、及び、
該メタノール貯槽からメタノールが、
連続供給されると共に、
該メタノール貯槽のメタノールが、前記循環プラグフロー脱水反応槽からPOが連続供給されてなるPOメタノール溶液である、PO製造システム。
【請求項4】
前記反応槽系が、さらに、連続攪拌pH調整反応槽を含み、
前記沈殿物(下層)が、該連続攪拌pH調整反応槽に連続供給され、
該連続攪拌pH調整反応槽のpH調整中間層成分(中層)が、前記グリセリン液として、前記グリセリン貯槽に、連続供給される、請求項3に記載のPO製造システム。
【請求項5】
前記グリセリン貯槽が、
前記PGガスを前記循環プラグフロー脱水反応槽の上流に供給するPGガスサブ貯槽、及び
前記グリセリン液であって、前記循環プラグフロー還元反応槽の上流に供給される精製グリセリン液を、50℃以上200℃以下に保持する精製グリセリン液サブ貯槽、より好ましくは、前記グリセリン液であって、不純物を含む不純物含有グリセリン液を外部に排出可能な不純物含有グリセリン液サブ貯槽)
を含む、請求項4に記載のPO製造システム。
発明の詳細な説明
【技術分野】
【0001】
本発明は、プロピレンオキサイド(PO)製造システムに関する。
続きを表示(約 2,500 文字)
【背景技術】
【0002】
プロプレンオキサイド(酸化プロピレン、PO)は、各種化成品の原料であり、例えば、各種ウレタンや、不飽和ポリエステル、変成シリコーン系シーリング材(例えば、「カネカMSポリマー(登録商標)」)の原料として、主に原油由来のナフサから製造されている。
【0003】
このようなPOを、バイオマス由来の原料(例えば、廃油や今後まずます増えてくるであろう、バイオディーゼル燃料を生成する際に副生する廃グリセリン)から誘導することで、バイオ由来の化成品、例えばMSポリマーを、工業製品として適切な価格等の条件で提供できれば、カーボンニュートラル・資源循環へ貢献できる。
【0004】
例えば、特許文献1は、グリセリンからグリコールを製造する方法であって、銅を成分として含有する触媒を用い、大気圧下又は加圧下、水素共存下で反応させることを特徴とする、グリコール製造方法、及び該製造方法を一工程として含む、1-プロパノールの製造方法を開示し、再生可能エネルギーとして近年注目を浴びているBDF(Bio Diesel Fuel:バイオディーゼル燃料)は油脂である動植物油をメタノールと触媒によりメチルエステル(FAME)にエステル交換して製造されるが、その際多量にグリセリンが副生し、現在この副生グリセリンを有効利用する決定的な手段は見つかっておらず、資源の有効利用という観点から非常に大きな問題であり、当該グリセリンを有効利用する方法が求められているとしている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
国際公開WO2010/016462
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
上述したように、バイオ由来の化成品を工業製品として適切な価格等の条件で提供することが期待されているところ、本発明者は、廃油からバイオディーゼル燃料を生成する際に副生するグリセリンは、今後のバイオ燃料化の潮流を受けて増加してくると推測するものの、副生グリセリン(粗グリセリン)は、不純物も多く、土壌改質材や肥料への添加物、燃料等の安価な製品への再利用が主流であり、必ずしも有効に活用されていないことに着目した。この粗グリセリンから、酸化プロピレンを誘導することができれば、カネカMSポリマーをはじめとした、有用な化成品を工業製品として適切な条件で提供できるのではないかと考え、また、原料の化石燃料からのバイオ化や、廃棄物の有価値化など、今後のカーボンニュートラル施策等へ貢献できるだけでなく、例えば、カネカにおけるMS事業のような、化石燃料を原料とする現業事業の将来的なESG観点での競争力維持に繋がると考えた。
【0007】
本発明の課題は、例えば、具体的には、廃油をエステル交換してバイオディーゼル燃料と粗グリセリンに分離・回収して得られるような粗グリセリン、具体的には、バイオ由来の粗グリセリンを原料として、これを硫酸や硫酸塩を用いて精製し、精製グリセリンと水素を金属触媒(例えば銅系)と接触させて反応(脱水・水添(還元))し、プロピレングリコール(PG)を取得し、取得したPGをアルカリ金属の炭酸塩触媒と接触させて脱水し、酸化プロピレン(PO)を誘導する製造方法において、POを適切な条件で提供可能なPO製造システムを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
前述の課題に鑑み、本発明者は、ESG観点に立脚したリサイクル観点にて、反応原料や、中間生成物、エネルギーを、見直したシステムとすることで、POを適切な条件で提供可能ではないかとの仮説のもと、種々検討した結果、本発明を完成するに至った。
【0009】
即ち、本発明は、グリセリンからプロピレンオキサイド(PO)を製造するPO製造システムであって、
グリセリン貯槽を含む貯槽系と、
循環プラグフロー還元反応槽、及び循環プラグフロー脱水反応槽を含む反応槽系と、
投入系と、回収系とを含み、
該循環プラグフロー脱水反応槽からPOが連続供給されてなり、さらに、
該グリセリン貯槽に、グリセリン液が連続供給され、
該循環プラグフロー還元反応槽の上流に、該グリセリン貯槽のグリセリン液、及び水素が供給されると共に、
該循環プラグフロー還元反応槽の下流から、グリセリン液及びプロピレングリコール(PG)液の混合液が、該グリセリン貯槽に供給され、
該グリセリン貯槽が、
その槽から、PGガスが、該循環プラグフロー脱水反応槽の上流に供給される、
PGグリセリン貯槽である、PO製造システムに関し、このようなPO製造システムは、POを適切な条件で提供できる。
【0010】
また、本発明のPO製造システムは、その原料が、バイオ由来物を含むこと、即ち、10重量%以上の原料がバイオ由来物であることが好ましく、化石燃料由来物を含んでいてもよいものの、少なくとも、主な原料がバイオ由来物であること、即ち、50重量%以上の原料がバイオ由来物であることがより好ましく、さらに好ましくは、90重量%以上の原料がバイオ由来物であり、特に好ましくは、殆どの原料、即ち、99重量%以上の原料がバイオ由来物であり、即ち、後述する炭素14法又はC14法にて、本発明に係るPO又はその由来物に含まれる炭素元素にて14C炭素が少なくも、1.25×10
-13
(-)以上存在することが好ましく、0.625×10
-12
(-)以上存在することがより好ましく、1.125×10
-12
(-)以上存在することがさらに好ましく、1.23×10
-12
(-)以上存在することが特に好ましい。
(【0011】以降は省略されています)
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