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公開番号2025116443
公報種別公開特許公報(A)
公開日2025-08-08
出願番号2024010866
出願日2024-01-29
発明の名称蒸留装置および蒸留方法
出願人株式会社カネカ
代理人個人,個人
主分類B01D 3/14 20060101AFI20250801BHJP(物理的または化学的方法または装置一般)
要約【課題】効率よく低沸点溶媒を分離できる蒸留装置を提供すること。
【解決手段】低沸点溶媒と高沸点溶媒と塩とを含む混合液から低沸点溶媒を分離する蒸留装置であって、混合液から低沸点溶媒を蒸発させ、下部に高沸点溶媒の濃度が上昇した濃縮液を貯留する蒸留塔と、蒸留塔の上部から低沸点溶媒の蒸気を流出させ、低沸点溶媒の蒸気を凝縮させる凝縮器を有する凝縮ラインと、蒸留塔から濃縮液を抜き出す第1引抜ポンプおよび第1引抜ポンプが引き抜いた濃縮液を低沸点溶媒を蒸発させずに加熱する第1熱交換器を有し、第1熱交換器で加熱された濃縮液を蒸留塔に還流させる第1再熱ラインと、蒸留塔から濃縮液を抜き出す第2引抜ポンプおよび第2引抜ポンプが抜き出した濃縮液を加熱して低沸点溶媒を蒸発させる第2熱交換器を有し、第2熱交換器で濃縮された濃縮液および低沸点溶媒の蒸気を蒸留塔に還流させる第2再熱ラインと、を備える蒸留装置。
【選択図】図1
特許請求の範囲【請求項1】
低沸点溶媒と高沸点溶媒と塩とを含む混合液から前記低沸点溶媒を分離する蒸留装置であって、
前記混合液から前記低沸点溶媒を蒸発させ、下部に前記高沸点溶媒の濃度が上昇した濃縮液を貯留する蒸留塔と、
前記蒸留塔の上部から前記低沸点溶媒の蒸気を流出させ、前記低沸点溶媒の蒸気を凝縮させる凝縮器を有する凝縮ラインと、
前記蒸留塔から前記濃縮液を抜き出す第1引抜ポンプおよび前記第1引抜ポンプが引き抜いた前記濃縮液を前記低沸点溶媒を蒸発させずに加熱する第1熱交換器を有し、前記第1熱交換器で加熱された前記濃縮液を前記蒸留塔に還流させる第1再熱ラインと、
前記蒸留塔から前記濃縮液を抜き出す第2引抜ポンプおよび前記第2引抜ポンプが抜き出した前記濃縮液を加熱して前記低沸点溶媒を蒸発させる第2熱交換器を有し、前記第2熱交換器で濃縮された前記濃縮液および前記低沸点溶媒の蒸気を前記蒸留塔に還流させる第2再熱ラインと、
を備える、蒸留装置。
続きを表示(約 860 文字)【請求項2】
前記蒸留塔の内部の前記濃縮液の温度を一定に保つよう、前記第2熱交換器への供給熱量を調整する制御装置をさらに備える、請求項1に記載の蒸留装置。
【請求項3】
前記第1熱交換器は、溶接型プレート式熱交換器である、請求項1または2に記載の蒸留装置。
【請求項4】
前記第2熱交換器は、多管流下式熱交換器である、請求項1または2に記載の蒸留装置。
【請求項5】
低沸点溶媒と高沸点溶媒と塩とを含む混合液から前記低沸点溶媒を分離する蒸留方法であって、
前記混合液を、前記低沸点溶媒を蒸発させ、下部に前記高沸点溶媒の濃度が上昇した濃縮液を貯留する蒸留塔に供給する工程と、
前記蒸留塔の上部から前記低沸点溶媒の蒸気を流出させ、前記低沸点溶媒の蒸気を凝縮させる工程と、
前記蒸留塔から前記濃縮液を抜き出し、前記低沸点溶媒を蒸発させない第1熱交換器で前記濃縮液を加熱してから前記蒸留塔に還流させる工程と、
前記蒸留塔から前記濃縮液を抜き出し、前記低沸点溶媒を蒸発させる第2熱交換器で前記濃縮液を加熱して、前記低沸点溶媒の蒸発により濃縮された前記濃縮液および前記低沸点溶媒の蒸気を前記蒸留塔に還流させる工程と、
を備える、蒸留方法。
【請求項6】
前記低沸点溶媒は、水であり、
前記高沸点溶媒は、ジメチルスルホキシド、ジメチルホルムアミドおよびジメチルアセトアミドよりなる群から選択される少なくとも1種である、請求項5に記載の蒸留方法。
【請求項7】
前記塩は、塩化ナトリウム、硫酸ナトリウムおよび水酸化ナトリウムよりなる群から選択される少なくとも1種である、請求項5または6に記載の蒸留方法。
【請求項8】
時間あたりに前記第2熱交換器に供給する熱媒の前記第2熱交換器の伝熱面積当たりの熱量を60MJ/m

/h以下とする、請求項5または6に記載の蒸留方法。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、蒸留装置および蒸留方法に関する。
続きを表示(約 1,800 文字)【背景技術】
【0002】
低沸点溶媒と高沸点溶媒を含む混合液から低沸点溶媒を分離する蒸留装置は、蒸留塔において混合液から低沸点溶媒を蒸発させ、蒸留塔の上部から流出させた低沸点溶媒の蒸気を凝縮器で凝縮するとともに、蒸留塔の下部に貯留される濃縮液を抜き出して再熱器(リボイラ)で再加熱してから蒸留塔に還流させるよう構成され得る。再熱器としては、複数の伝熱管を有する多管式(シェルアンドチューブ式)熱交換器を縦に配置し、伝熱管内を流下する濃縮液を伝熱管の外側に供給される水蒸気等の熱媒によって加熱する多管流下式熱交換器が利用される(例えば特許文献1参照)。このような多管流下式熱交換器では、伝熱管の内部で低沸点溶媒が蒸発するので、蒸留塔には、高沸点溶媒の濃度が上昇した濃縮液と低沸点溶媒の蒸気とが還流される。つまり、多管流下式熱交換器を用いることにより、蒸留塔の内部で濃縮液から低沸点溶媒を蒸発させる必要がないので、比較的効率よく低沸点溶媒を蒸発させられる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
特開2003-240482号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
蒸留しようとする混合液が塩を含む場合があるが、塩が析出して伝熱管の内面に付着するスケーリングにより熱伝達率が低下する問題が生じ得る。特に、伝熱管の内部で濃縮液が沸騰すると伝熱管の内面への塩のスケーリングが極端に促進されてしまう。このため、蒸留装置の能力を大きくするためには、多管流下式熱交換器の伝熱面積を大きくすることが望まれる。しかしながら、多管流下式熱交換器の大型化は蒸留装置のコストおよび設置スペースの増大を招く。
【0005】
かかる実情に鑑みて、本発明は、効率よく低沸点溶媒を分離できる蒸留装置および蒸留方法を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
(1)本発明の一態様に係る蒸留装置は、低沸点溶媒と高沸点溶媒と塩とを含む混合液から前記低沸点溶媒を分離する蒸留装置であって、前記混合液から前記低沸点溶媒を蒸発させ、下部に前記高沸点溶媒の濃度が上昇した濃縮液を貯留する蒸留塔と、前記蒸留塔の上部から前記低沸点溶媒の蒸気を流出させ、前記低沸点溶媒の蒸気を凝縮させる凝縮器を有する凝縮ラインと、前記蒸留塔から前記濃縮液を抜き出す第1引抜ポンプおよび前記第1引抜ポンプが引き抜いた前記濃縮液を前記低沸点溶媒を蒸発させずに加熱する第1熱交換器を有し、前記第1熱交換器で加熱された前記濃縮液を前記蒸留塔に還流させる第1再熱ラインと、前記蒸留塔から前記濃縮液を抜き出す第2引抜ポンプとおよび前記第2引抜ポンプが抜き出した前記濃縮液を加熱して前記低沸点溶媒を蒸発させる第2熱交換器を有し、前記第2熱交換器で濃縮された前記濃縮液および前記低沸点溶媒の蒸気を前記蒸留塔に還流させる第2再熱ラインと、を備える。
【0007】
(2)上記(1)の蒸留装置は、前記蒸留塔の内部の前記濃縮液の温度を一定に保つよう、前記第2熱交換器への供給熱量を調整する制御装置をさらに備えてもよい。
【0008】
(3)上記(1)または(2)の蒸留装置において、前記第1熱交換器は、溶接型プレート式熱交換器であってもよい。
【0009】
(4)上記(1)から(3)の蒸留装置において、前記第2熱交換器は、多管流下式熱交換器であってもよい。
【0010】
(5)本発明の一態様に係る蒸留装置は、低沸点溶媒と高沸点溶媒と塩とを含む混合液から前記低沸点溶媒を分離する蒸留方法であって、前記混合液を、前記低沸点溶媒を蒸発させ、下部に前記高沸点溶媒の濃度が上昇した濃縮液を貯留する蒸留塔に供給する工程と、前記蒸留塔の上部から前記低沸点溶媒の蒸気を流出させ、前記低沸点溶媒の蒸気を凝縮させる工程と、前記蒸留塔から前記濃縮液を抜き出し、前記低沸点溶媒を蒸発させない第1熱交換器で前記濃縮液を加熱してから前記蒸留塔に還流させる工程と、前記蒸留塔から前記濃縮液を抜き出し、前記低沸点溶媒を蒸発させる第2熱交換器で前記濃縮液を加熱して、前記低沸点溶媒の蒸発により濃縮された前記濃縮液および前記低沸点溶媒の蒸気を前記蒸留塔に還流させる工程と、を備える。
(【0011】以降は省略されています)

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