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公開番号2025089641
公報種別公開特許公報(A)
公開日2025-06-16
出願番号2023204382
出願日2023-12-04
発明の名称ドレナージシステム
出願人株式会社カネカ,株式会社カネカメディックス
代理人弁理士法人アスフィ国際特許事務所
主分類A61M 1/00 20060101AFI20250609BHJP(医学または獣医学;衛生学)
要約【課題】チャンバーの内部に溜まった脳脊髄液の状況を見に行く回数を減らすことができ、異常発生の確認および処置が遅れてしまうということも防止しやすくすることができるドレナージシステムを提供する。
【解決手段】脳脊髄液を貯留可能なチャンバー30と、チャンバー30の内部に溜まった脳脊髄液の液面の高さを検知するセンサ部51を有しておりチャンバー30に対して着脱可能な監視デバイス50と、液面が第1所定高さ以上になると第1の信号を発するように構成されている制御部53と、を有しているドレナージシステム11。
【選択図】図1
特許請求の範囲【請求項1】
脳脊髄液を貯留可能なチャンバーと、
前記チャンバーの内部に溜まった脳脊髄液の液面の高さを検知するセンサ部を有しており前記チャンバーに対して着脱可能な監視デバイスと、
前記液面が第1所定高さ以上になると第1の信号を発するように構成されている制御部と、を有しているドレナージシステム。
続きを表示(約 1,100 文字)【請求項2】
前記ドレナージシステムは、前記チャンバーの内部に配置されており脳脊髄液を滴下させる滴下口を有している導入路を有している請求項1に記載のドレナージシステム。
【請求項3】
前記チャンバーは前記滴下口よりも上側に、前記チャンバーの外部と前記チャンバーの内部を連通する空気孔を有しており、
前記空気孔にはフィルターが配置されており、
前記第1所定高さは前記フィルターよりも下側であって、前記チャンバーの下端よりも上側に位置している請求項2に記載のドレナージシステム。
【請求項4】
前記第1所定高さは前記滴下口よりも上側に位置している請求項2に記載のドレナージシステム。
【請求項5】
前記制御部は、前記液面が前記第1所定高さよりも低い第2所定高さ以下になると第2の信号を発するように構成されている請求項1に記載のドレナージシステム。
【請求項6】
前記ドレナージシステムは、前記チャンバーの内部に配置されており脳脊髄液を滴下させる滴下口を有している導入路を有しており、
前記第2所定高さは前記滴下口よりも下側であって前記チャンバーの下端よりも上側に位置している請求項5に記載のドレナージシステム。
【請求項7】
前記ドレナージシステムは、目盛りを備え、鉛直方向に延在している長尺状部材を有しており、
前記制御部は、前記センサ部および前記チャンバーが第1の高さに位置している状態において脳脊髄液を第1の所定時間滴下させたときの前記液面の高さの変化量に基づいて、前記センサ部および前記チャンバーを配置する第2の高さを決定するように構成されている請求項1に記載のドレナージシステム。
【請求項8】
前記監視デバイスは出力部を有しており、
前記出力部は、前記第1の信号を視覚情報、聴覚情報および振動情報の少なくともいずれか1つに変換して出力する請求項1~7のいずれか一項に記載のドレナージシステム。
【請求項9】
前記ドレナージシステムは、前記監視デバイスおよび前記チャンバーから離れた位置に配置されている出力部を有しており、
前記出力部は、前記第1の信号を視覚情報、聴覚情報および振動情報の少なくともいずれか1つに変換して出力する端末である請求項1~7のいずれか一項に記載のドレナージシステム。
【請求項10】
前記端末はモニターを有しており、
前記モニターは前記監視デバイスが存在している場所に係る情報および/または前記監視デバイスが使用されている患者に係る情報を表示する請求項9に記載のドレナージシステム。
(【請求項11】以降は省略されています)

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、脳脊髄液のドレナージを行う際に用いられるドレナージシステムに関する。
続きを表示(約 2,900 文字)【背景技術】
【0002】
従来、脳脊髄液のドレナージを行う際には、特許文献1に記載されている、吊り下げて所定の高さ位置に取り付けられるチャンバー本体の下部に流入チューブと排出チューブが並列状に取り付けられるとともに、チャンバー本体の上部にエアフィルタを有するエアベントチューブが取り付けられた脳外科ドレナージ用チャンバーが使用されていた。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
登録実用新案第3075613号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、特許文献1に記載されたドレナージ用チャンバーは、血液が混入した脳脊髄液がチャンバーの内部に過剰に貯留されることによって脳脊髄液がフィルターに接触、浸潤してフィルターが詰まった状態、または、クランプを解放し忘れて空気孔を介した通気が行われていない状態で、脳脊髄液の排出を継続したりすると、チャンバーの内部が陰圧となってサイフォニング現象が起こり、オーバードレナージ(脳脊髄液の過排出)が起こる。上記のような事態に適切に対応できるようにするため、従来は、医療従事者が一定の時間間隔でチャンバーの内部に溜まった脳脊髄液の液面の高さ、脳脊髄液の液面の上昇および下降、拍動の有無、および、チャンバーの内部における滴下口からの脳脊髄液の滴下の有無を目視確認することで対応していた。このため、チャンバーの内部に溜まった脳脊髄液の状況を頻繁に見に行く必要があった。また、タイマーを設定し忘れることでチャンバーの内部に溜まった脳脊髄液の状況を見に行くのを忘れてしまい、異常発生の確認および処置が遅れてしまうことがあった。
【0005】
本発明は前記事情に鑑みてなされたものであり、その目的は、チャンバーの内部に溜まった脳脊髄液の状況を見に行く回数を減らすことができ、異常発生の確認および処置が遅れてしまうということも防止しやすくすることができるドレナージシステムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決できた本発明のドレナージシステムとは以下の通りである。
[1] 脳脊髄液を貯留可能なチャンバーと、
前記チャンバーの内部に溜まった脳脊髄液の液面の高さを検知するセンサ部を有しており前記チャンバーに対して着脱可能な監視デバイスと、
前記液面が第1所定高さ以上になると第1の信号を発するように構成されている制御部と、を有しているドレナージシステム。
【0007】
監視デバイスがチャンバーの内部に溜まった脳脊髄液の存在を検知するセンサ部を有していることにより、チャンバーの内部に溜まった脳脊髄液の液面の高さが所定高さ以上となったか否かを監視することができる。そして、制御部がチャンバーの内部に溜まった脳脊髄液の液面が第1所定高さ以上になると第1の信号を発するように構成されていることにより、医療従事者は第1の信号が発された時に患者のところに行って対応すればよいことになる。これにより、医療従事者はチャンバーの内部に溜まった脳脊髄液の状況を見に行く回数を減らすことができるうえ、見に行くのを忘れてしまうことで異常発生の確認および処置が遅れてしまうということも防止しやすくすることができる。このため、医療従事者が日常的に行う、チャンバーの監視および調整に係る業務、記録に係る業務の負荷を低減させ、効率化することができる。
【0008】
本発明の実施の形態に係るドレナージシステムは以下の[2]~[11]のいずれかであることが好ましい。
【0009】
[2] 前記ドレナージシステムは、前記チャンバーの内部に配置されており脳脊髄液を滴下させる滴下口を有している導入路を有している[1]に記載のドレナージシステム。
[3] 前記チャンバーは前記滴下口よりも上側に、前記チャンバーの外部と前記チャンバーの内部を連通する空気孔を有しており、
前記空気孔にはフィルターが配置されており、
前記第1所定高さは前記フィルターよりも下側であって、前記チャンバーの下端よりも上側に位置している[2]に記載のドレナージシステム。
[4] 前記第1所定高さは前記滴下口よりも上側に位置している[2]または[3]に記載のドレナージシステム。
[5] 前記制御部は、前記液面が前記第1所定高さよりも低い第2所定高さ以下になると第2の信号を発するように構成されている[1]~[4]のいずれか一項に記載のドレナージシステム。
[6] 前記ドレナージシステムは、前記チャンバーの内部に配置されており脳脊髄液を滴下させる滴下口を有している導入路を有しており、
前記第2所定高さは前記滴下口よりも下側であって前記チャンバーの下端よりも上側に位置している[5]に記載のドレナージシステム。
[7] 前記ドレナージシステムは、目盛りを備え、鉛直方向に延在している長尺状部材を有しており、
前記制御部は、前記センサ部および前記チャンバーが第1の高さに位置している状態において脳脊髄液を第1の所定時間滴下させたときの前記液面の高さの変化量に基づいて、前記センサ部および前記チャンバーを配置する第2の高さを決定するように構成されている[1]~[6]のいずれか一項に記載のドレナージシステム。
[8] 前記監視デバイスは出力部を有しており、
前記出力部は、前記第1の信号を視覚情報、聴覚情報および振動情報の少なくともいずれか1つに変換して出力する[1]~[7]のいずれか一項に記載のドレナージシステム。
[9] 前記ドレナージシステムは、前記監視デバイスおよび前記チャンバーから離れた位置に配置されている出力部を有しており、
前記出力部は、前記第1の信号を視覚情報、聴覚情報および振動情報の少なくともいずれか1つに変換して出力する端末である[1]~[7]のいずれか一項に記載のドレナージシステム。
[10] 前記端末はモニターを有しており、
前記モニターは前記監視デバイスが存在している場所に係る情報および/または前記監視デバイスが使用されている患者に係る情報を表示する[9]に記載のドレナージシステム。
[11] 前記監視デバイスが存在している場所に係る情報は、地図上に示される前記監視デバイスの位置、または、前記監視デバイスが存在している場所の名称、である[10]に記載のドレナージシステム。
【発明の効果】
【0010】
本発明の実施の形態に係るドレナージシステムは、チャンバーの内部に溜まった脳脊髄液の状況を見に行く回数を減らすことができるうえ、見に行くのを忘れてしまうことで異常発生の確認および処置が遅れてしまうということも防止しやすくすることができるものである。
【図面の簡単な説明】
(【0011】以降は省略されています)

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