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公開番号
2025088736
公報種別
公開特許公報(A)
公開日
2025-06-11
出願番号
2024201335
出願日
2024-11-19
発明の名称
牛乳及びその製造方法
出願人
株式会社カネカ
代理人
弁理士法人有古特許事務所
主分類
A23B
11/12 20250101AFI20250604BHJP(食品または食料品;他のクラスに包含されないそれらの処理)
要約
【課題】α-トコフェロール含有量ができるだけ少なく、保存による風味劣化が抑制され、且つ濃厚なミルク感を有する牛乳及びその製造方法を提供すること。
【解決手段】β-カロテン又はα-トコフェロール;及び油脂を含有し、牛乳中のβ-カロテンとα-トコフェロールの合計含有量が0.6~0.8ppm、且つ前記油脂の構成脂肪酸全体中の飽和脂肪酸含有量が70~78重量%、及びパルミチン酸含有量が32~38重量%で、β-カロテン/α-トコフェロール(重量比)が0.1~0.2である、牛乳。
【選択図】なし
特許請求の範囲
【請求項1】
β-カロテン又はα-トコフェロール;及び
油脂を含有し、
牛乳中のβ-カロテンとα-トコフェロールの合計含有量が0.6~0.8ppm、且つ前記油脂の構成脂肪酸全体中の飽和脂肪酸含有量が70~78重量%、及びパルミチン酸含有量が32~38重量%で、
β-カロテン/α-トコフェロール(重量比)が0.1~0.2である、牛乳。
続きを表示(約 480 文字)
【請求項2】
前記油脂の構成脂肪酸全体中のリノール酸/不飽和脂肪酸(重量比)が0.03~0.08である、請求項1に記載の牛乳。
【請求項3】
β-カロテン又はα-トコフェロール;及び
油脂を含有し、
牛乳中のβ-カロテンとα-トコフェロールの合計含有量が0.6~0.8ppm、且つ前記油脂の構成脂肪酸全体中の飽和脂肪酸含有量が70~78重量%、パルミチン酸含有量が32~38重量%で、β-カロテン/α-トコフェロール(重量比)が0.1~0.2である牛乳の製造方法であって、
牛が1日に食べる餌全体中の未発酵の青草と未発酵の干草の合計量が湿重量で5~60重量%の餌で365~3650日間飼育した牛から搾取した生乳を、1次加熱として10℃未満の温度から0.1~5℃/秒の昇温速度で、60~75℃で15~120秒間加熱処理した後、更に2次加熱として115~136℃で2~7秒間加熱処理することを特徴とする、牛乳の製造方法。
【請求項4】
前記餌にステアリン酸Caを含まない、請求項3に記載の牛乳の製造方法。
発明の詳細な説明
【技術分野】
【0001】
本発明は、保存による風味劣化が抑制され、且つ濃厚なミルク感を有する牛乳及びその製造方法に関する。
続きを表示(約 2,100 文字)
【背景技術】
【0002】
牛乳は蛋白質、カルシウム、脂肪、必須アミノ酸などの栄養成分をバランス良く豊富に含有することに加え、独特の風味を有するものであることから、直接飲用に供したり、食品の製造や加工用の原料として広く供されている。
【0003】
一般に流通される牛乳は、製造されてから消費者の手元へ渡るまでの保存期間中に、容器内の酸素に因る酸化や、コンビニエンスストアやスーパーマーケット等の店頭で陳列される事に因る光酸化等、様々な酸化要因に因って異味、異臭が発生し、風味が劣化して、牛乳本来の濃厚なミルク感が損なわれるといった問題がある。
【0004】
そこでこれらの問題を解決するために、例えば特許文献1には、カロテノイド類、トコフェロール類及び茶抽出物を添加した乳製品が開示されている。しかしながら、トコフェロールの添加量は乳製品中に0.0001~0.05重量%(1~500ppm)含まれることが好ましいとの記載があり、実施例は乳製品に該当するものは全て生クリームであり、またトコフェロールの添加量は少ないものでも乳製品中10ppmと多い為、乳製品本来の好ましい風味が損なわれる場合がある。また、乳製品中の油脂の構成脂肪酸に関しては考慮されていないので、保存による風味劣化の抑制は満足のいくものではなく、乳製品本来の濃厚なミルク感も物足りない。また、α-トコフェロールには、破骨細胞を巨大化する作用があり、破骨細胞による骨の吸収が亢進し、骨粗鬆症の発症に繋がるリスクがある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
特開2015-104384号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
我々は、牛乳中のα-トコフェロール含有量が少なくても、酸化劣化が少なく、濃厚なミルク感が損なわれない牛乳を検討してきた。そこで本発明の目的は、α-トコフェロール含有量ができるだけ少なく、保存による風味劣化が抑制され、且つ濃厚なミルク感を有する牛乳及びその製造方法を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明者らは上記課題を解決するために鋭意研究を重ねた結果、牛乳中のβ-カロテンとα-トコフェロールの合計含有量、及び、これらの重量比が特定の範囲にあり、且つ油脂の構成脂肪酸全体中の飽和脂肪酸含有量、及び、パルミチン酸含有量が特定の範囲にある牛乳は、保存による風味劣化が抑制され、且つ濃厚なミルク感を有することを見出し、本発明を完成するに至った。
【0008】
即ち、本発明の第一は、β-カロテン又はα-トコフェロール;及び油脂を含有し、牛乳中のβ-カロテンとα-トコフェロールの合計含有量が0.6~0.8ppm、且つ前記油脂の構成脂肪酸全体中の飽和脂肪酸含有量が70~78重量%、及びパルミチン酸含有量が32~38重量%で、β-カロテン/α-トコフェロール(重量比)が0.1~0.2である、牛乳に関する。好ましい実施態様は、前記油脂の構成脂肪酸全体中のリノール酸/不飽和脂肪酸(重量比)が0.03~0.08である、前記牛乳に関する。本発明の第二は、β-カロテン又はα-トコフェロール;及び油脂を含有し、牛乳中のβ-カロテンとα-トコフェロールの合計含有量が0.6~0.8ppm、且つ前記油脂の構成脂肪酸全体中の飽和脂肪酸含有量が70~78重量%、パルミチン酸含有量が32~38重量%で、β-カロテン/α-トコフェロール(重量比)が0.1~0.2である牛乳の製造方法であって、牛が1日に食べる餌全体中の未発酵の青草と未発酵の干草の合計量が湿重量で5~60重量%の餌で365~3650日間飼育した牛から搾取した生乳を、1次加熱として10℃未満の温度から0.1~5℃/秒の昇温速度で、60~75℃で15~120秒間加熱処理した後、更に2次加熱として115~136℃で2~7秒間加熱処理することを特徴とする、牛乳の製造方法に関する。好ましい実施態様は、前記餌にステアリン酸Caを含まない、前記牛乳の製造方法に関する。
【発明の効果】
【0009】
本発明に従えば、α-トコフェロール含有量ができるだけ少なく、保存による風味劣化が抑制され、且つ濃厚なミルク感を有する牛乳及びその製造方法を提供することができる。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、本発明につき、更に詳細に説明する。
本発明の牛乳とは、乳等省令(厚生省令第五十二号「乳及び乳製品の成分規格等に関する省令」)において定義されている牛乳類の中でも、生乳のみを原材料とした牛乳類であって、特別牛乳を除く牛乳類に限る。すなわち、具体的な種類別名称が、牛乳、成分調整牛乳、低脂肪牛乳、無脂肪牛乳である牛乳類に限られる。濃厚なミルク感の観点からは、牛乳に含まれる乳脂肪分が3.0%以上であることが好ましい。
(【0011】以降は省略されています)
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