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公開番号2025098435
公報種別公開特許公報(A)
公開日2025-07-02
出願番号2023214555
出願日2023-12-20
発明の名称生体内留置具
出願人株式会社カネカ
代理人弁理士法人アスフィ国際特許事務所
主分類A61B 17/12 20060101AFI20250625BHJP(医学または獣医学;衛生学)
要約【課題】瘤内等の目的部位において早期の血栓化を促進することができ、他物に接触しても傷付けにくく、また、留置後の位置ずれが生じにくい生体内留置具を提供する。
【解決手段】線材11が巻回されており長手軸方向xを有しているコイル10と、複数の繊維20を含んでおり、近位端30pがコイル10の内腔に配置され遠位端30dがコイル10から露出している繊維束30と、を有しており、繊維束30は、繊維束30とコイル10との相対的な位置が固定されている固定部31と、繊維束30とコイル10との相対的な位置が固定されていない自由部32と、を有しており、自由部32のうちコイル10から露出している繊維20の平均長さは、コイル10の平均内径よりも長い生体内留置具1。
【選択図】図1
特許請求の範囲【請求項1】
線材が巻回されており長手軸方向を有しているコイルと、
複数の繊維を含んでおり、近位端が前記コイルの内腔に配置され遠位端が前記コイルから露出している繊維束と、を有しており、
前記繊維束は、前記繊維束と前記コイルとの相対的な位置が固定されている固定部と、前記繊維束と前記コイルとの相対的な位置が固定されていない自由部と、を有しており、
前記自由部のうち前記コイルから露出している前記繊維の平均長さは、前記コイルの平均内径よりも長い生体内留置具。
続きを表示(約 1,000 文字)【請求項2】
前記コイルの遠位端から露出している前記繊維の数は、前記コイルを構成する前記線材の隙間から露出している前記繊維の数よりも多い請求項1に記載の生体内留置具。
【請求項3】
前記コイルの長手軸方向に垂直な断面における前記自由部での前記繊維束の外接円の直径は、前記コイルの遠位端の内径よりも大きい請求項1に記載の生体内留置具。
【請求項4】
前記繊維束を遠位端から見た状態において、前記繊維束の外接円の直径の1/2の大きさを直径とし、前記コイルの遠位端から見た前記コイルの内腔の図心を中心とする円に囲まれた領域である中央領域と、前記繊維束の外接円から前記中央領域を除いた領域である周辺領域と、を有しており、
前記繊維束は、前記中央領域における前記繊維束の繊維密度が、前記周辺領域における前記繊維束の繊維密度よりも高い部分を有している請求項1に記載の生体内留置具。
【請求項5】
前記コイルの内腔に配置されている伸長抵抗部材をさらに有し、
前記繊維束は、複数の前記繊維の近位端部が束ねられて固定されている結束部を有しており、
前記結束部と前記伸長抵抗部材とが接続されている請求項1に記載の生体内留置具。
【請求項6】
前記結束部は、樹脂管を有しており、
前記樹脂管の内腔に複数の前記繊維の近位端部が配置されている請求項5に記載の生体内留置具。
【請求項7】
前記コイルの長手軸方向における前記固定部の長さは、前記コイルの長手軸方向における前記自由部のうち前記コイルから露出している前記繊維の平均長さよりも長い請求項1に記載の生体内留置具。
【請求項8】
前記コイルは、前記コイルの遠位端部に前記コイルの内径が小さくなっている縮径部を有している請求項1に記載の生体内留置具。
【請求項9】
前記縮径部は、前記縮径部の近位端を含む近位縮径部と、前記近位縮径部の遠位端よりも遠位側に位置している遠位縮径部と、を含んでおり、
前記近位縮径部の平均内径は、前記遠位縮径部の平均内径よりも小さい請求項8に記載の生体内留置具。
【請求項10】
前記コイルの長手軸方向における前記自由部のうち前記コイルから露出している前記繊維の長さは、前記コイルの長手軸方向における前記縮径部の長さよりも長い請求項8または9に記載の生体内留置具。
(【請求項11】以降は省略されています)

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、血管等の生体管腔に留置される生体内留置具に関するものである。
続きを表示(約 3,400 文字)【背景技術】
【0002】
頭頸部の動脈瘤、動静脈奇形、動静脈瘻、肺血管奇形、腎血管奇形、腎動脈、腹部動脈瘤等の血管病変の治療法の一つとして血管内治療が挙げられる。塞栓形成用のコイルを有する生体内留置具を瘤の内部等の目的部位に留置して血栓化を促進することによって、動脈瘤等の瘤が破裂することを防ぐ塞栓術が用いられている。
【0003】
例えば、特許文献1には、第1端部および第2端部を有し、該第1端部と該第2端部との間の管腔を規定する外部らせん巻き一次コイル、および該管腔を通って伸び、少なくとも2つの箇所で該一次コイルに固定して取り付けられる伸張抵抗性部材を備える血管閉塞用具であって、伸張抵抗性部材が複数の繊維を備えることが開示されている。特許文献2には、血管閉塞移植物であって、該移植物は、細長コア部材、該細長コア部材に付着された第一繊維性部材および該細長コア部材に付着された第二繊維性部材を組み合わせて備え、該細長コア部材は近位端および遠位端を有し、該第一繊維性部材は第一ポリマー材料を備え、該第二繊維性部材は、該第一ポリマー材料とは異なった第二ポリマー材料を備えることが開示されている。特許文献3には、記憶された第2コイル形状を形成するように処理された形状記憶材料で形成される長尺状コア要素と、該長尺状コア要素の周囲に巻回され、塞栓コイルの第1コイル形状を形成する長尺状外側要素とを備える塞栓コイルであって、塞栓コイルから延びる複数のファイバーを備えることが開示されている。特許文献4には、コイル状構成の繊維であって、第1の生体吸収性材料組成物を含むコイル状繊維と、コイル状繊維の少なくとも一部分に取り付けられ、コイル状繊維の外径から半径方向に延び、第2の生体吸収性材料組成物を含む複数の交差マイクロファイバと、を備える閉塞装置が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
特開平10-000198号公報
特表2002-502659号公報
特表2006-528512号公報
特開2022-159143号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
瘤内等の目的部位に生体内留置具を留置した後、目的部位での早期の血栓化の点において、特許文献1~4のような生体内留置具には改善の余地があった。また、特許文献1~4のような生体内留置具は、生体内留置具を目的部位まで搬送する際に、生体内留置具の遠位端等が瘤の内壁等の生体管腔の管壁に接触することによって管壁を傷付けてしまうおそれがあり、安全性を高める点でも改善の余地があった。
【0006】
閉塞させる瘤等が大きい場合には、複数の生体内留置具を用いることがある。特許文献1~4のような生体内留置具を目的部位に留置した後に、さらに別の生体内留置具を追加で留置する際、追加の生体内留置具によって先行留置した生体内留置具を動かしてしまうことや血流等によって留置した生体内留置具が移動してしまい、生体内留置具の位置ずれが生じてしまうことがあるという問題もあった。
【0007】
本発明は、前記の事情に鑑みてなされたものであり、その目的は、瘤内等の目的部位において早期の血栓化を促進することができ、他物に接触しても傷付けにくく、また、留置後の位置ずれが生じにくい生体内留置具を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
前記課題を解決することができた本発明の実施の形態に係る生体内留置具は、以下の通りである。
[1] 線材が巻回されており長手軸方向を有しているコイルと、
複数の繊維を含んでおり、近位端が前記コイルの内腔に配置され遠位端が前記コイルから露出している繊維束と、を有しており、
前記繊維束は、前記繊維束と前記コイルとの相対的な位置が固定されている固定部と、前記繊維束と前記コイルとの相対的な位置が固定されていない自由部と、を有しており、
前記自由部のうち前記コイルから露出している前記繊維の平均長さは、前記コイルの平均内径よりも長い生体内留置具。
[2] 前記コイルの遠位端から露出している前記繊維の数は、前記コイルを構成する前記線材の隙間から露出している前記繊維の数よりも多い[1]に記載の生体内留置具。
[3] 前記コイルの長手軸方向に垂直な断面における前記自由部での前記繊維束の外接円の直径は、前記コイルの遠位端の内径よりも大きい[1]または[2]に記載の生体内留置具。
[4] 前記繊維束を遠位端から見た状態において、前記繊維束の外接円の直径の1/2の大きさを直径とし、前記コイルの遠位端から見た前記コイルの内腔の図心を中心とする円に囲まれた領域である中央領域と、前記繊維束の外接円から前記中央領域を除いた領域である周辺領域と、を有しており、
前記繊維束は、前記中央領域における前記繊維束の繊維密度が、前記周辺領域における前記繊維束の繊維密度よりも高い部分を有している[1]~[3]のいずれかに記載の生体内留置具。
[5] 前記コイルの内腔に配置されている伸長抵抗部材をさらに有し、
前記繊維束は、複数の前記繊維の近位端部が束ねられて固定されている結束部を有しており、
前記結束部と前記伸長抵抗部材とが接続されている[1]~[4]のいずれかに記載の生体内留置具。
[6] 前記結束部は、樹脂管を有しており、
前記樹脂管の内腔に複数の前記繊維の近位端部が配置されている[5]に記載の生体内留置具。
[7] 前記コイルの長手軸方向における前記固定部の長さは、前記コイルの長手軸方向における前記自由部のうち前記コイルから露出している前記繊維の平均長さよりも長い[1]~[6]のいずれかに記載の生体内留置具。
[8] 前記コイルは、前記コイルの遠位端部に前記コイルの内径が小さくなっている縮径部を有している[1]~[7]のいずれかに記載の生体内留置具。
[9] 前記縮径部は、前記縮径部の近位端を含む近位縮径部と、前記近位縮径部の遠位端よりも遠位側に位置している遠位縮径部と、を含んでおり、
前記近位縮径部の平均内径は、前記遠位縮径部の平均内径よりも小さい[8]に記載の生体内留置具。
[10] 前記コイルの長手軸方向における前記自由部のうち前記コイルから露出している前記繊維の長さは、前記コイルの長手軸方向における前記縮径部の長さよりも長い[8]または[9]に記載の生体内留置具。
[11] 前記繊維は、コラーゲンを含んでいる[1]~[10]のいずれかに記載の生体内留置具。
【発明の効果】
【0009】
本発明の生体内留置具によれば、複数の繊維を含んでおり近位端がコイルの内腔に配置され遠位端がコイルから露出している繊維束を有しており、繊維束が有している繊維束とコイルとの相対的な位置が固定されていない自由部のうちコイルから露出している繊維の平均長さがコイルの平均内径よりも長いことにより、ある程度の長さの繊維をコイルから露出させることができる。その結果、コイルから露出している繊維に血栓が付着しやすくなって血栓化が促進され、また、繊維によって生体内留置具の遠位端部が覆われて他物を傷付けにくくすることができ、さらに、コイルから露出している繊維によって目的部位に留置された生体内留置具の移動を妨げることができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
本発明の一実施の形態における生体内留置具の長手軸方向に沿った側面図(一部断面図)を表す。
図1に示した生体内留置具の繊維束を遠位端から見た図を表す。
本発明の他の実施の形態における生体内留置具の長手軸方向に沿った側面図(一部断面図)を表す。
【発明を実施するための形態】
(【0011】以降は省略されています)

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