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公開番号
2025116533
公報種別
公開特許公報(A)
公開日
2025-08-08
出願番号
2024011016
出願日
2024-01-29
発明の名称
モダクリル樹脂の製造方法
出願人
株式会社カネカ
代理人
弁理士法人池内アンドパートナーズ
主分類
C08F
2/22 20060101AFI20250801BHJP(有機高分子化合物;その製造または化学的加工;それに基づく組成物)
要約
【課題】乳化剤を用いずに、水系媒体中で、スケールの発生を抑制しつつ、ハロゲン含有モノマー及びスルホン酸基含有モノマーを共重合成分とし、かつアクリロニトリルの重合比率が高いモダクリル樹脂を得るモダクリル樹脂の製造方法を提供する。
【解決手段】製造方法は、アクリロニトリルを65~84質量%、ハロゲン化ビニル及びハロゲン化ビニリデンからなる群から選ばれる一つ以上のハロゲン含有モノマーを5~34質量%、及びスルホン酸基含有モノマーを1~10質量%含むモノマー組成物を、水及び水溶性重合開始剤の存在下、乳化剤は実質的に存在しない重合反応器中で重合する工程を含み、前記スルホン酸基含有モノマーは、2-アクリルアミド-2-メチル-1-プロパンスルホン酸、メタリルスルホン酸、ビニルスルホン酸、及びこれらの金属塩からなる群から選ばれる一つ以上であり、前記スルホン酸基含有モノマーを重合反応器に段階的に供給する。
【選択図】なし
特許請求の範囲
【請求項1】
モダクリル樹脂の製造方法であって、
モノマー組成物を、水及び水溶性重合開始剤の存在下、乳化剤は実質的に存在しない重合反応器中で重合する工程を含み、
前記モノマー組成物は、アクリロニトリルを65~84質量%、ハロゲン化ビニル及びハロゲン化ビニリデンからなる群から選ばれる一つ以上のハロゲン含有モノマーを5~34質量%、及びスルホン酸基含有モノマーを1~10質量%含み、
前記スルホン酸基含有モノマーは、2-アクリルアミド-2-メチル-1-プロパンスルホン酸、メタリルスルホン酸、ビニルスルホン酸、及びこれらの金属塩からなる群から選ばれる一つ以上であり、
前記モノマー組成物100質量部に対して、前記水の供給量は150~240質量部、かつ前記水溶性重合開始剤の供給量は0.20~0.44質量部であり、
前記スルホン酸基含有モノマーを、前記重合反応器に段階的に供給する、モダクリル樹脂の製造方法。
続きを表示(約 360 文字)
【請求項2】
前記ハロゲン含有モノマーは、ハロゲン化ビニルを含む、請求項1に記載のモダクリル樹脂の製造方法。
【請求項3】
前記水溶性重合開始剤は、過硫酸塩である、請求項1に記載のモダクリル樹脂の製造方法。
【請求項4】
前記重合反応器内の温度が重合温度に到達した後に、前記スルホン酸基含有モノマーを前記重合反応器に所定期間連続的に供給する、請求項1に記載のモダクリル樹脂の製造方法。
【請求項5】
前記水溶性重合開始剤を還元剤と併用する、請求項1に記載のモダクリル樹脂の製造方法。
【請求項6】
前記モノマー組成物100質量部に対して、前記水溶性重合開始剤の供給量は0.25~0.34質量部である、請求項1に記載のモダクリル樹脂の製造方法。
発明の詳細な説明
【技術分野】
【0001】
本発明は、アクリロニトリルの共重合比率が高いモダクリル樹脂の製造方法に関する。
続きを表示(約 2,700 文字)
【背景技術】
【0002】
アクリロニトリルと、塩化ビニル等のハロゲン化モノマーを共重合したモダクリル樹脂は、繊維化した際、柔軟な風合いや難燃性を有することから、モダクリル繊維の原料として広く使用されている。モダクリル繊維は、通常、モダクリル樹脂を湿式紡糸することで製造することから、紡糸原液を凝固する際の繊維の構造形成を緻密にすること及び繊維に染色性を付与すること等の観点から、モダクリル繊維の原料として用いるモダクリル樹脂には、スルホン酸基含有モノマー等のイオン性官能基を有するモノマーを共重合している。モダクリル樹脂は、一般的に、乳化重合や懸濁重合で製造することができる。例えば、特許文献1には、アクリロニトリル、塩化ビニリデン、及びスルホン酸基含有モノマーを共重合したモダクリル樹脂を、乳化重合で製造することが検討されている。また、特許文献2~5には、アクリロニトリル、塩化ビニリデン、及びスルホン酸基含有モノマーを共重合したモダクリル樹脂を、界面活性剤(乳化剤とも称される。)を用いることなく、過硫酸塩等の酸化剤を用いて水系媒体中で重合することが検討されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
特開平10-130948号公報
特開平8-120006号公報
特開昭62-209115号公報
特開昭63-105012号公報
特開平4-114018号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
一方、モダクリル繊維の耐熱性(高温で収縮しにくい、収縮開始温度が高い)を上げるためには、モダクリル樹脂におけるアクリロニトリルの共重合比率を高めることが求められる。
しかしながら、特許文献1に記載のような乳化重合の場合、アクリロニトリルの共重合比率が60質量%以上であると、ラテックスの安定性が劣り、重合途中で固化する問題があった。
また、特許文献2~5に記載の界面活性剤を用いない無乳化剤連続重合においては、アクリロニトリルの共重合比率が65質量%以上であると、重合機の内部に重合に用いたモノマーを含む凝集物の付着(以下、スケールとも記す。)が発生する場合があった。
【0005】
本発明は、前記従来の問題を解決するため、乳化剤を用いずに、水系媒体中で、スケールの発生を抑制しつつ、ハロゲン含有モノマー及びスルホン酸基含有モノマーを共重合成分とし、かつアクリロニトリルの重合比率が高いモダクリル樹脂を得ることができるモダクリル樹脂の製造方法を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の1以上の実施形態は、モダクリル樹脂の製造方法であって、モノマー組成物を、水及び水溶性重合開始剤の存在下、乳化剤は実質的に存在しない重合反応器中で重合する工程を含み、前記モノマー組成物は、アクリロニトリルを65~84質量%、ハロゲン化ビニル及びハロゲン化ビニリデンからなる群から選ばれる一つ以上のハロゲン含有モノマーを5~34質量%、及びスルホン酸基含有モノマーを1~10質量%含み、前記スルホン酸基含有モノマーは、2-アクリルアミド-2-メチル-1-プロパンスルホン酸、メタリルスルホン酸、ビニルスルホン酸、及びこれらの金属塩からなる群から選ばれる一つ以上であり、前記モノマー組成物100質量部に対して、前記水の供給量は150~240質量部、かつ前記水溶性重合開始剤の供給量は0.20~0.44質量部であり、前記スルホン酸基含有モノマーを、前記重合反応器に段階的に供給する、モダクリル樹脂の製造方法に関する。
【発明の効果】
【0007】
本発明の1以上の実施形態の製造方法によれば、乳化剤を用いずに、すなわち乳化剤が実質的に存在しない条件下で、水系媒体中での重合により、スケールの発生を抑制しつつ、ハロゲン含有モノマー及びスルホン酸基含有モノマーを共重合成分とし、かつアクリロニトリルの重合比率が高いモダクリル樹脂を得ることができる。
【発明を実施するための形態】
【0008】
本発明の発明者らは、上述した問題を解決するために検討を重ねた。その結果、水を媒体とし、乳化剤が実質的に存在しない条件下で、アクリロニトリル、ハロゲン含有モノマー及びスルホン酸基含有モノマーを重合する際に、特定のスルホン酸基含有モノマーを用い、水及び水溶性重合開始剤の供給量を所定量にし、かつ、スルホン酸基含有モノマーを段階的に供給することで、スケールの発生を抑制しつつ、ハロゲン含有モノマー及びスルホン酸基含有モノマーを共重合成分とし、かつアクリロニトリルの重合比率が高いモダクリル樹脂が得られることを見出した。特に、従来の連続重合の場合は、塩化ビニル等のハロゲン含有ビニル-はアクリロニトリルに対する質量比が高くないとアクリロニトリルと共重合することが困難であったが、本発明の製造方法によれば、アクリロニトリルに対する塩化ビニル等のハロゲン含有ビニル-の質量比が低くても、連続重合にてアクリロニトリルと塩化ビニル等のハロゲン含有ビニル-及びスルホン酸基含有モノマーを共重合成分とし、アクリロニトリルの重合比率が高いモダクリル樹脂を得ることができる。
【0009】
本明細書において、数値範囲が「~」で示されている場合、該数値範囲は両端値(上限及び下限)を含む。例えば、「X~Y」という数値範囲は、X及びYという両端値を含む範囲となる。また、本明細書において、数値範囲が複数記載されている場合、異なる数値範囲の上限及び下限を適宜組み合わせた数値範囲を含むものとする。また、本明細書において、数値範囲の上限と下限が別々に複数記載されている場合、上限及び下限を適宜組み合わせた数値範囲を含むものとする。
【0010】
本発明の1以上の実施形態のモダクリル樹脂の製造方法は、モノマー組成物を、水及び水溶性重合開始剤の存在下、乳化剤は実質的に存在しない重合反応器中で重合する工程を含む。本明細書において、乳化剤は、親水基及び親油基を含む界面活性剤をいう。本明細書において、「乳化剤は実質的に存在しない」とは、重合反応器に乳化剤を意図的に供給していないことを意味し、乳化剤が夾雑物等として存在する場合は、「乳化剤は実質的に存在しない」ことになる。
(【0011】以降は省略されています)
この特許をJ-PlatPat(特許庁公式サイト)で参照する
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