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公開番号2025127516
公報種別公開特許公報(A)
公開日2025-09-02
出願番号2024024241
出願日2024-02-21
発明の名称熱加工用組成物の製造方法
出願人株式会社カネカ
代理人弁理士法人有古特許事務所
主分類C08L 67/04 20060101AFI20250826BHJP(有機高分子化合物;その製造または化学的加工;それに基づく組成物)
要約【課題】熱加工時の固化性が良好なポリ(3-ヒドロキシアルカノエート)系樹脂含有熱加工用組成物を、生産性良く製造可能で、かつ、樹脂成分の混合不良を抑制可能な、前記組成物の製造方法の提供。
【解決手段】ポリ(3-ヒドロキシアルカノエート)系樹脂を含む原料組成物を溶融させた後、冷却固化することで、熱加工用組成物を得る。原料組成物は、示差走査熱量分析においてピーク温度が165℃以上の融点ピーク(i)を有する樹脂成分(I)、及び、前記融点ピーク(i)を持たない樹脂成分(II)を含む。樹脂成分(I)は、ポリ(3-ヒドロキシアルカノエート)系共重合体(A)とポリ(3-ヒドロキシブチレート)(B)の溶融混錬物を含有する。原料組成物の溶融は、原料組成物の最高温度が、融点ピーク(i)の終了温度以下となる条件で行う。
【選択図】なし
特許請求の範囲【請求項1】
ポリ(3-ヒドロキシアルカノエート)系樹脂を含む熱加工用組成物の製造方法であって、
ポリ(3-ヒドロキシアルカノエート)系樹脂を含む原料組成物を溶融させた後、冷却固化することで、熱加工用組成物を得る工程を含み、
前記原料組成物は、示差走査熱量分析においてピーク温度が165℃以上の融点ピーク(i)を有する樹脂成分(I)、及び、前記融点ピーク(i)を持たない樹脂成分(II)を含み、
前記樹脂成分(I)は、ポリ(3-ヒドロキシアルカノエート)系共重合体(A)とポリ(3-ヒドロキシブチレート)(B)の溶融混錬物を含有し、
前記原料組成物の溶融は、前記原料組成物の最高温度が、前記融点ピーク(i)の終了温度以下となる条件で行う、熱加工用組成物の製造方法。
続きを表示(約 1,000 文字)【請求項2】
前記樹脂成分(I)は、示差走査熱量分析においてピーク温度が140℃以上165℃未満の融点ピーク(ii)を更に有する、請求項1に記載の熱加工用組成物の製造方法。
【請求項3】
前記樹脂成分(I)の前記融点ピーク(i)について算出される結晶融解エンタルピーが0.6J/g以上である、請求項1又は2に記載の熱加工用組成物の製造方法。
【請求項4】
前記樹脂成分(II)100重量部に対する前記樹脂成分(I)の含有量が、0.1~50重量部である、請求項1又は2に記載の熱加工用組成物の製造方法。
【請求項5】
溶融時の前記原料組成物の最高温度が140℃以上170℃以下である、請求項1又は2に記載の熱加工用組成物の製造方法。
【請求項6】
押出機内の前記原料組成物の滞留時間が6分以内である、請求項1又は2に記載の熱加工用組成物の製造方法。
【請求項7】
前記熱加工用組成物は、示差走査熱量分析においてピーク温度が165℃以上の融点ピーク(i’)を有する、請求項1又は2に記載の熱加工用組成物の製造方法。
【請求項8】
前記熱加工用組成物の前記融点ピーク(i’)について算出される結晶融解エンタルピーが0.6J/g以上である、請求項7に記載の熱加工用組成物の製造方法。
【請求項9】
前記ポリ(3-ヒドロキシアルカノエート)系共重合体(A)が、
他のヒドロキシアルカノエート単位の含有割合が1~5モル%である、3-ヒドロキシブチレート単位と他のヒドロキシアルカノエート単位との共重合体(A1)、及び、
他のヒドロキシアルカノエート単位の含有割合が24モル%以上である、3-ヒドロキシブチレート単位と他のヒドロキシアルカノエート単位との共重合体(A2)を含む、請求項1又は2に記載の熱加工用組成物の製造方法。
【請求項10】
前記ポリ(3-ヒドロキシアルカノエート)系共重合体(A)が、
他のヒドロキシアルカノエート単位の含有割合が6モル%以上24モル%未満である、3-ヒドロキシブチレート単位と他のヒドロキシアルカノエート単位との共重合体(A3)を更に含む、請求項9に記載の熱加工用組成物の製造方法。
(【請求項11】以降は省略されています)

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、ポリ(3-ヒドロキシアルカノエート)系樹脂を含む熱加工用組成物の製造方法に関する。
続きを表示(約 1,300 文字)【背景技術】
【0002】
近年、欧州を中心に生ゴミの分別回収やコンポスト処理が進められており、生ゴミと共にコンポスト処理できるプラスチック製品が望まれている。さらに、マイクロプラスチックによる海洋汚染がクローズアップされ、海水中で分解するプラスチックの開発が期待されている。
【0003】
ポリ(3-ヒドロキシアルカノエート)系樹脂は、多くの微生物種の細胞内にエネルギー貯蔵物質として生産、蓄積される熱可塑性ポリエステルであり、土中だけでなく、海水中でも生分解が進行しうる材料であるため、上記の問題を解決する素材として注目されている。
【0004】
しかし、ポリ(3-ヒドロキシアルカノエート)系樹脂は、結晶化速度が遅いことから、成形加工に際して樹脂を加熱溶融させた後、結晶固化に時間がかかり、溶融加工による成形体の生産性が低くなるという課題がある。
【0005】
このような課題に対処する方法の1つとして、例えば、特許文献1では、ブロードな融点ピークを有するポリ(3-ヒドロキシブチレート)系樹脂を、融点ピーク温度以上、融点ピークの終了温度以下の条件で加熱押出することによって、固化性に優れた溶融加工用組成物を製造できることが記載されている。
【0006】
特許文献2では、ポリ(3-ヒドロキシブチレート-コ-3-ヒドロキシヘキサノエート)100重量部に対して、当該樹脂よりも融点が20℃以上高い特定粒径のポリ(3-ヒドロキシアルカノエート)0.1~20重量部を配合することによって、ポリ(3-ヒドロキシブチレート-コ-3-ヒドロキシヘキサノエート)の結晶化速度を増大させ得ることが開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
国際公開第2021/010327号
特開2004-161802号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
特許文献1に開示された技術によると、原料樹脂が持つ融点ピークよりも高温側に、新たな結晶ピークを有する溶融加工用組成物を得ることができる。このような高融点の融点ピークを形成させることによって、溶融加工時の固化性を改善することができる。
【0009】
しかしながら、特許文献1に開示されている技術では、溶融加工時の固化性が改善された組成物を製造できるものの、高融点の融点ピークを形成させるために押出機内での滞留時間を長く確保する必要があり、そのため溶融加工用組成物の生産性が低下する傾向がある。
【0010】
特許文献2に記載された技術では、高融点のポリ(3-ヒドロキシアルカノエート)樹脂を、ポリ(3-ヒドロキシブチレート-コ-3-ヒドロキシヘキサノエート)に配合することによって、後者の結晶化速度を増大させ得ることが記載されている。しかし、この技術によると、固化性の改善効果が十分ではなかったり、また、両樹脂成分が十分に混合せず、混合不良が生じる場合があった。
(【0011】以降は省略されています)

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