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公開番号2025139528
公報種別公開特許公報(A)
公開日2025-09-26
出願番号2024093974
出願日2024-06-10
発明の名称抗菌剤
出願人株式会社カネカ,国立大学法人北海道大学
代理人弁理士法人平木国際特許事務所
主分類C12N 5/0775 20100101AFI20250918BHJP(生化学;ビール;酒精;ぶどう酒;酢;微生物学;酵素学;突然変異または遺伝子工学)
要約【課題】本発明の課題は、細菌感染症、特に糖尿病性細菌感染症において、細菌の増殖抑制作用又は殺菌作用、及び生体に対する安全性の高い抗菌剤を開発し、提供することである。
【解決手段】間葉系幹細胞を低酸素濃度下で培養し、その培養液又は培養上清を抗菌剤として利用する。
【選択図】なし
特許請求の範囲【請求項1】
1~15%の低酸素濃度下で培養した間葉系幹細胞の培養液からなる抗菌剤。
続きを表示(約 520 文字)【請求項2】
前記低酸素濃度下での培養時間が12時間~60時間である、請求項1に記載の抗菌剤。
【請求項3】
前記間葉系幹細胞が羊膜由来、骨髄由来、又は脂肪組織由来である、請求項1又は2に記載の抗菌剤。
【請求項4】
前記培養液が培養上清である、請求項1~3のいずれか一項に記載の抗菌剤。
【請求項5】
請求項4に記載の抗菌剤を有効成分として含む抗菌組成物。
【請求項6】
抗菌ペプチドの生産方法であって、間葉系幹細胞を1~15%の低酸素濃度下で培養する培養工程を含む前記生産方法。
【請求項7】
前記培養工程後の培養液から培養上清を回収する回収工程を含む、請求項6に記載の生産方法。
【請求項8】
前記回収工程後の培養上清から抗菌ペプチドを分離する分離工程を含む、請求項7に記載の生産方法。
【請求項9】
前記抗菌ペプチドがカセリサイディンを含む、請求項6~8のいずれか一項に記載の生産方法。
【請求項10】
間葉系幹細胞が羊膜間葉系幹細胞である、請求項6~9のいずれか一項に記載の生産方法。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は抗菌剤、及び抗菌ペプチドの効率的な生産方法に関する。
続きを表示(約 1,900 文字)【背景技術】
【0002】
糖尿病は、インスリンの作用不足により慢性的に高血糖となる疾患である。遺伝的要因等によりβ細胞が破壊されて生じる1型糖尿病と、生活習慣等の環境要因によりβ細胞からのインスリン分泌不足で発症する2型糖尿病に大別される。
【0003】
糖尿病は進行すると網膜症、腎症、神経障害等の合併症を引き起こし、脳卒中、虚血性心疾患等の心血管疾患の発症や進展を促進する。また、免疫作用の低下により細菌感染症に罹患しやすくなる。細菌感染症の中でも特に重大な問題となるのは足潰瘍との合併である。糖尿病性足潰瘍は、末梢神経障害、末梢動脈疾患、外傷に起因して発症し、糖尿病患者のうち約25%が罹患するとされている(非特許文献1)。糖尿病性足潰瘍に感染が合併して感染が深部まで到達した場合、壊死性筋膜炎や骨髄炎を起こして重症化し、最終的には下肢切断に至る。そのため、適切な感染コントロールによる感染性糖尿病性足潰瘍の治療法を確立することは極めて重要となる。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0004】
Baltzis D, et al. Adv Ther. 2014 Aug;31(8):817-36.
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明は、細菌感染症、特に糖尿病性細菌感染症において、細菌の増殖抑制作用又は殺菌作用、及び生体に対する安全性の高い抗菌剤を開発し、提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決するために、本発明者らは間葉系幹細胞に着目した。種々の組織に由来する間葉系幹細胞の培養上清には抗菌作用があることが知られている。この作用の一部は、間葉系幹細胞が生産し、分泌する抗菌ペプチドのカセリサイディンによることが示唆されている(Krasnodembskaya A et al. Stem Cells. 2010 Dec;28(12):2229-38.)。
【0007】
本発明者らが、鋭意研究を行った結果、間葉系幹細胞を低酸素濃度下で培養することで、通常培養下で培養したときと比較して、培養上清中の抗菌作用が有意に増強されること、そして、その培養上清中に含まれるカセリサイディンの生産量も有意に増加することを見出した。さらに、インビトロ有効性評価試験では、その培養上清が顕著な細菌増殖抑制作用を有し、さらには抗炎症作用や血管新生作用を発揮することで糖尿病性足潰瘍のような易感染性患者における様々な疾患の治癒、特に創部の治癒に寄与することを立証した。本発明は、これらの新たな知見に基づくものであって、上記課題を解決する発明として以下を提供する。
【0008】
(1)1~15%の低酸素濃度下で培養した間葉系幹細胞の培養液からなる抗菌剤。
(2)前記低酸素濃度下での培養時間が12時間~60時間である、(1)に記載の抗菌剤。
(3)前記間葉系幹細胞が羊膜由来、骨髄由来、又は脂肪組織由来である、(1)又は(2)に記載の抗菌剤。
(4)前記培養液が培養上清である、(1)~(3)のいずれかに記載の抗菌剤。
(5)(4)に記載の抗菌剤を有効成分として含む抗菌組成物。
(6)(4)に記載の抗菌剤、又は(5)に記載の抗菌組成物を含む創部治療剤。
(7)抗菌ペプチドの生産方法であって、間葉系幹細胞を1~15%の低酸素濃度下で培養する培養工程を含む前記生産方法。
(8)前記培養工程後の培養液から培養上清を回収する回収工程を含む、(7)に記載の生産方法。
(9)前記回収工程後の培養上清から抗菌ペプチドを分離する分離工程を含む、(8)に記載の生産方法。
(10)前記抗菌ペプチドがカセリサイディンを含む、(7)~(9)のいずれかに記載の生産方法。
(11)間葉系幹細胞が羊膜間葉系幹細胞である、(7)~(10)のいずれかに記載の生産方法。
【発明の効果】
【0009】
本発明の抗菌剤によれば、生体に対する安全性と細菌増殖抑制作用の高い抗菌剤を提供することができる。
【0010】
本発明の抗菌ペプチドの生産方法によれば、間葉系幹細胞を特定の培養条件下で培養することで、効率的かつ大量に抗菌ペプチドを生産することができる。
【図面の簡単な説明】
(【0011】以降は省略されています)

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