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公開番号2024054458
公報種別公開特許公報(A)
公開日2024-04-17
出願番号2022160668
出願日2022-10-05
発明の名称導電性編物
出願人セーレン株式会社
代理人
主分類B32B 5/28 20060101AFI20240410BHJP(積層体)
要約【課題】
自由なパターン形状を有する導電部と該導電部を被覆する樹脂層とを備え、繰り返し伸長時の抵抗値上昇が抑制され、表面絶縁性に優れた導電性編物を提供する。
【解決手段】
複数の糸条から製編された編物を基体とし、該編物は内部空隙を有し、該編物の第一面の側から第二面の側へと連続する任意のパターン形状を有する導電部を備え、該導電部において以下の(A)~(D)の構成を全て備える導電性編物。(A)前記糸条の表面が金属皮膜で被覆されている(B)前記糸条同士の交差部において前記金属皮膜が合着していない(C)前記編物の内部空隙を満たし、前記導電部のパターン形状と概ね一致する形状の第一樹脂層を有する(D)前記編物の第一面と第二面とに、それぞれ前記導電部のパターン形状と概ね一致する形状の第二樹脂層が積層されている
【選択図】図1
特許請求の範囲【請求項1】
複数の糸条から製編された編物を基体とし、前記編物は内部空隙を有し、前記編物の第一面の側から前記第一面に対向する第二面の側へと連続する任意のパターン形状を有する導電部を備え、前記導電部において以下の(A)~(D)の構成を全て備えることを特徴とする導電性編物。
(A)前記糸条の表面が金属皮膜で被覆されている
(B)前記糸条同士が交差する交差部において前記金属皮膜が合着していない
(C)前記編物の前記内部空隙を満たし、前記導電部の前記パターン形状と概ね一致する形状の第一樹脂層を有する
(D)前記編物の前記第一面と前記第二面とに、それぞれ前記第一樹脂層の形状と概ね一致する形状の第二樹脂層が積層されている
続きを表示(約 890 文字)【請求項2】
前記第一樹脂層と前記第二樹脂層とが熱可塑性樹脂からなり、前記第一樹脂層を形成する第一熱可塑性樹脂の融点が、前記第二樹脂層を形成する第二熱可塑性樹脂の融点よりも低いことを特徴とする、請求項1に記載の導電性編物。
【請求項3】
前記糸条が絶縁性繊維からなる糸条であり、且つ、前記金属皮膜が銀を主成分とすることを特徴とする、請求項1または2に記載の導電性編物。
【請求項4】
前記導電部の外縁E

の位置と前記第一樹脂層の外縁E
R1
の位置とが一致していること、または、前記導電部の外縁E

の位置が前記第一樹脂層の外縁E
R1
の位置に対して前記導電部の前記パターン形状の内側方向にズレを有し、前記ズレの大きさが0.5mm以下であることを特徴とする、請求項1または2に記載の導電性織物。
【請求項5】
前記第二樹脂層の外縁E
R2
の位置と前記第一樹脂層の外縁E
R1
の位置とが一致していること、または、前記第二樹脂層の外縁E
R2
の位置が前記第一樹脂層の外縁E
R1
の位置に対して前記導電部の前記パターン形状の内側方向または外側方向にズレを有し、前記ズレの大きさが0.5mm以下であることを特徴とする、請求項1または2に記載の導電性編物。
【請求項6】
表面が金属皮膜で被覆された糸条を用いて製編され内部空隙を有する編物の第一面と前記第一面に対向する第二面とにそれぞれ、第一熱可塑性樹脂と第二熱可塑性樹脂とが積層された任意のパターン形状を有する複合樹脂層を前記第一熱可塑性樹脂の側から重畳し、前記第一熱可塑性樹脂が前記編物の前記内部空隙に侵入して前記内部空隙を満たす第一樹脂層を形成するように貼り合わせる積層工程と、前記複合樹脂層が積層された前記編物に対して前記金属皮膜を溶解させて除去するエッチング工程と、を有することを特徴とする導電性編物の製造方法。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、導電性編物に関する。詳しくは、パターン状の導電部を有し、繰り返し伸長時の抵抗値上昇が抑制された導電性編物に関する。
続きを表示(約 1,800 文字)【背景技術】
【0002】
可撓性を有する導電回路部材としては、高分子フィルム上に金属箔による回路が形成された所謂フレキシブル回路基板が知られている。より柔軟性が求められる用途においては、繊維材料からなる布帛上に回路を形成した導電回路布帛も提案されている。更に、ある程度の伸縮性を有する導電回路部材が求められており、布帛のなかでも編物を基材とした導電回路布帛に関する提案がなされている。
【0003】
特許文献1では、導電糸で編成された複数本の細幅帯状の導電性編地領域が、ポリウレタン弾性糸からなる絶縁糸を地糸に用いて編成された絶縁性編地領域を挟んで併設されたシート状ハーネス生地が開示されている。
【0004】
出願人は特許文献2において、布帛の少なくとも一部に、導電パターン部と、該導電パターン部を被覆する絶縁性樹脂膜とを有する導電性布帛を提案している。導電パターン部を形成する手段として、所望の導電パターンとは逆となるパターンでめっきレジスト層を布帛上に形成し、次いで無電解めっき処理を行なった後レジスト層を除去する方法を開示している。この方法によって、自由度の高い導電パターンを形成できるとしている。更に、絶縁性樹脂膜による導電パターン部の被覆方法としては、電着塗装法を用いることで極めて薄く均一な樹脂膜を形成することが可能であるとしている。
【0005】
しかしながら、特許文献1に記載の導電性編地領域は、その形状の自由度が低く、多様なパターンからなる回路を形成するには不向きである。特許文献2に記載の導電性布帛においては、自由な形状の導電パターン部を形成することが可能である。しかし、布帛を構成した後にめっき処理による導電パターン部を形成するため、布帛を構成している糸条の交差部分がめっきによる金属皮膜で合着されてしまう。布帛を構成している糸条の交差部分が金属皮膜で合着されていると、布帛の伸長などによる変形の際にこの金属皮膜が変形に追従できず、破壊されてしまうこととなる。その結果、繰り返し伸長時に抵抗値が上昇してしまうという問題があった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
特開2019-99976号公報
特開2017-24185号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明は、自由なパターン形状を有する導電部を備え、繰り返し伸長時の抵抗値上昇が抑制された導電性編物を提供することを課題とする。また、前記導電部を被覆する樹脂層を有し、表面絶縁性に優れた導電性編物を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明者らは鋭意検討を行なった結果、表面を金属皮膜で被覆された糸条からなる編物において、導電部となす部分に樹脂層を形成した後、導電部以外の部分の金属を除去することで上記課題を達成できることを見出し、本発明を完成するに至った。また、樹脂層を低融点熱可塑性樹脂と高融点熱可塑性樹脂との二成分から構成することで、表面の絶縁性を高めることを可能とした。
【0009】
すなわち、本発明の導電性編物は、複数の糸条から製編された編物を基体とし、前記編物は内部空隙を有し、前記編物の第一面の側から前記第一面に対向する第二面の側へと連続する任意のパターン形状を有する導電部を備え、前記導電部において以下の(A)~(D)の構成を全て備えることを特徴とする導電性編物である。
(A)前記糸条の表面が金属皮膜で被覆されている
(B)前記糸条同士が交差する交差部において前記金属皮膜が合着していない
(C)前記編物の前記内部空隙を満たし、前記導電部の前記パターン形状と概ね一致する形状の第一樹脂層を有する
(D)前記編物の前記第一面と前記第二面とに、それぞれ前記第一樹脂層の形状と概ね一致する形状の第二樹脂層を有する。
【0010】
これによれば、導電部に存在する糸条の交差部で金属皮膜の合着がないため、繰り返し伸長時の抵抗値上昇が抑制された導電性編物を提供することができる。また、前記導電部の表面が第二樹脂層によって被覆されているため、絶縁性にも優れた導電性編物を提供することができる。
(【0011】以降は省略されています)

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