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公開番号2024047480
公報種別公開特許公報(A)
公開日2024-04-05
出願番号2022153122
出願日2022-09-26
発明の名称Sm-Fe系合金溶湯の製造方法
出願人DOWAエレクトロニクス株式会社
代理人個人
主分類C22C 33/04 20060101AFI20240329BHJP(冶金;鉄または非鉄合金;合金の処理または非鉄金属の処理)
要約【課題】SmとFeを主要成分とする金属溶湯の収容に長時間使用することができる比較的安価な耐火物容器を用いて、磁石材料に適した組成のSm-Fe系合金溶湯を製造する。
【解決手段】金属溶湯収容容器として、Ca、YおよびMgから選ばれる1種以上の元素を含む酸化ジルコニウム焼結体を、金属溶湯と接触する部位に使用した耐火物容器を用意し、Sm、Feの一方または双方を含む1種以上の金属材料を加熱することによって形成させた、SmとFeを主要成分とする金属溶湯を、前記耐火物容器の中に保持する、Sm-Fe系合金溶湯の製造方法。
【選択図】なし
特許請求の範囲【請求項1】
金属溶湯収容容器として、Ca、YおよびMgから選ばれる1種以上の元素を含む酸化ジルコニウム焼結体を、金属溶湯と接触する部位に使用した耐火物容器を用意し、
Sm、Feの一方または双方を含む1種以上の金属材料を加熱することによって形成させた、SmとFeを主要成分とする金属溶湯を、前記耐火物容器の中に保持する、Sm-Fe系合金溶湯の製造方法。
続きを表示(約 440 文字)【請求項2】
前記酸化ジルコニウム焼結体は、Ca、YおよびMgから選ばれる1種以上の元素を、それぞれCaO換算量、Y



換算量およびMgO換算量として合計1.5質量%以上含むものである、請求項1に記載のSm-Fe系合金溶湯の製造方法。
【請求項3】
前記Sm-Fe系合金溶湯は、Sm含有量が10~50質量%、Fe含有量が50~90質量%である、請求項1に記載のSm-Fe系合金溶湯の製造方法。
【請求項4】
加熱することによって形成させた前記SmとFeを主要成分とする金属溶湯を1550℃以上の温度域で5分以上、前記耐火物容器の中に保持する、請求項1に記載のSm-Fe系合金溶湯の製造方法。
【請求項5】
前記耐火物容器を構成する前記酸化ジルコニウム焼結体は、SmとFeを主要成分とする金属溶湯の収容に1回以上使用された再利用品である、請求項1に記載のSm-Fe系合金溶湯の製造方法。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、希土類磁石材料として有用なSm-Fe系合金粉体の製造や、Sm-Fe系母合金の製造などに利用することができるSm-Fe系合金溶湯の製造方法に関する。
本明細書で言う「Sm-Fe系合金」は、合金の構成元素を質量割合での含有量が多い順に並べた序列において上位2種類の元素がSmとFeで占められている合金を意味する。
続きを表示(約 2,700 文字)【背景技術】
【0002】
Sm

Fe
17
組成に近いSm-Fe系合金粉体は、それに窒化処理を施すことによって優れた硬磁性特性を呈するSm-Fe-N系磁性粉体(代表的な組成式はSm

Fe
17


)が得られることから、ボンド磁石用の素材として使用されている。Sm-Fe系合金粉体の合成方法としては、還元拡散法やガスアトマイズ法が知られており、工業的には還元拡散法による合成方法が多用されている。しかし、還元拡散法は工程が複雑であり、アルカリ性廃液が発生するなど環境に対する負荷も大きいことから、ガスアトマイズ法による工業的規模での実用化が期待されている。
【0003】
ガスアトマイズ法によりSm-Fe系合金粉体を合成するためには、SmとFeが十分に均一化されたSm-Fe系合金の溶湯を作る必要がある。その際、SmとFeを主要成分とする金属溶湯が、気相空間へ出湯されるまでの間、耐火物容器の中に保持される。また、ガスアトマイズ法などで使用するSm、Fe供給原料としての母合金を作製する場合にも、SmとFeを主要成分とする金属溶湯を保持するための耐火物容器が必要となる。
本明細書で言う「SmとFeを主要成分とする金属溶湯」は、溶湯に含有される金属元素を質量割合での含有量が多い順に並べた序列において上位2種類の元素がSmとFeで占められている金属溶湯を意味する。
【0004】
特許文献1には、ガスアトマイズ法によるSmFeN磁性粉末の製造方法が記載されている。溶融SmFe合金を収容する坩堝(るつぼ)としてアルミナ製坩堝が用いられている。
【0005】
特許文献2には、希土類を含有する溶融金属に対して優れた耐食性を持つ耐火物として、所定量のカルシウムおよびイットリウムを含む窒化ホウ素焼結体が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
特開平7-11307号公報
特開2019-131410号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
SmとFeを主要成分とする金属溶湯は、アルミナ(Al



)など、耐火物として一般的に多用されているセラミックスとの反応性が高い。金属溶湯との反応性が高い耐火物容器を坩堝などの金属溶湯収容容器に使用すると、耐火物の損傷が大きくなるため、使用後の耐火物容器を繰り返しの利用に供することが難しい。この場合、耐火物容器の頻繁な交換が必要となるので生産性が低下する。一方、酸化イットリウム(Y



)や、特許文献2に開示されるような窒化ホウ素(BN)は、SmとFeを主要成分とする金属溶湯に対する耐久性が比較的高く、再利用が可能な耐火物容器の構築に使用可能であると考えられる。しかし、それらのセラミックスは材料コストが高いので、工業的規模でSm-Fe系合金の溶製(ガスアトマイズによる粉体形成や母合金の作製)を行うための耐火物容器には適用し難い。
【0008】
本発明は、SmとFeを主要成分とする金属溶湯の収容に長時間使用することができ、かつ酸化イットリウム(Y



)や窒化ホウ素(BN)と比べ材料コストが安い耐火物容器を用いて、磁石材料に適した組成のSm-Fe系合金溶湯を製造する技術の提供を目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記目的は以下の発明によって達成される。
[1] 金属溶湯収容容器として、Ca、YおよびMgから選ばれる1種以上の元素を含む酸化ジルコニウム焼結体を、金属溶湯と接触する部位に使用した耐火物容器を用意し、
Sm、Feの一方または双方を含む1種以上の金属材料を加熱することによって形成させた、SmとFeを主要成分とする金属溶湯を、前記耐火物容器の中に保持する、Sm-Fe系合金溶湯の製造方法。
[2]前記酸化ジルコニウム焼結体は、Ca、YおよびMgから選ばれる1種以上の元素を、それぞれCaO換算量、Y



換算量およびMgO換算量として合計1.5質量%以上含むものである、上記[1]に記載のSm-Fe系合金溶湯の製造方法。
[3]前記Sm-Fe系合金溶湯は、Sm含有量が10~50質量%、Fe含有量が50~90質量%である、上記[1]または[2]に記載のSm-Fe系合金溶湯の製造方法。
[4]加熱することによって形成させた前記SmとFeを主要成分とする金属溶湯を1550℃以上の温度域で5分以上、前記耐火物容器の中に保持する、上記[1]~[3]のいずれかに記載のSm-Fe系合金溶湯の製造方法。
[5]前記耐火物容器を構成する前記酸化ジルコニウム焼結体は、SmとFeを主要成分とする金属溶湯の収容に1回以上使用された再利用品である、上記[1]~[4]のいずれかに記載のSm-Fe系合金溶湯の製造方法。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、ガスアトマイズによる粉体形成や母合金の作製などに使用するためのSm-Fe系合金溶湯を製造する際に、SmとFeを主要成分とする金属溶湯を収容する耐火物容器の損傷が顕著に抑制されるので、使用済みの耐火物容器を高い信頼性をもって繰り返し再利用することが可能になる。また、その耐火物容器はジルコニア(ZrO

)系のセラミックスを適用しているので、SmとFeを主要成分とする金属溶湯との反応性が低いとされる酸化イットリウム(Y



)や窒化ホウ素(BN)で構成されるものと比べ、耐火物材料のコストが大幅に低減できる。更に、SmとFeを主要成分とする金属溶湯を例えば1550℃以上あるいは1700℃以上といった高温で比較的長時間保持しても耐火物容器の損傷は十分に抑えられるので、均一性の高いSm-Fe系合金溶湯を得るためにも有利である。したがって、本発明はガスアトマイズ法を利用したSm-Fe系合金粉体製造の工業的規模での実施化に資するものである。
【図面の簡単な説明】
(【0011】以降は省略されています)

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