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公開番号2024039607
公報種別公開特許公報(A)
公開日2024-03-22
出願番号2023127254
出願日2023-08-03
発明の名称車両部品用鋳造体及びその製造方法
出願人日本精工株式会社
代理人個人,個人,個人,個人
主分類C22C 23/02 20060101AFI20240314BHJP(冶金;鉄または非鉄合金;合金の処理または非鉄金属の処理)
要約【課題】軽量であり且つ耐食性が優れているとともに、電磁シールド性及び振動減衰性を確保するための対策が不要であり、優れた強度、放熱性及び変形特性を有する車両部品用鋳造体を提供する。
【解決手段】8.3質量%以上9.7質量%以下のAlと、0.35質量%以上1.0質量%以下のZnと、0.15質量%以上0.50質量%以下のMnとを含有し、残部がMg及び不可避的不純物からなるマグネシウム合金、あるいは、5.5質量%以上6.5質量%以下のAlと、0.35質量%以下のZnと、0.24質量%以上0.60質量%以下のMnとを含有し、残部がMg及び不可避的不純物からなるマグネシウム合金により構成される、車両部品用鋳造体。
【選択図】図1
特許請求の範囲【請求項1】
8.3質量%以上9.7質量%以下のAlと、0.35質量%以上1.0質量%以下のZnと、0.15質量%以上0.50質量%以下のMnとを含有し、残部がMg及び不可避的不純物からなるマグネシウム合金により構成される、車両部品用鋳造体。
続きを表示(約 1,100 文字)【請求項2】
5.5質量%以上6.5質量%以下のAlと、0.35質量%以下のZnと、0.24質量%以上0.60質量%以下のMnとを含有し、残部がMg及び不可避的不純物からなるマグネシウム合金により構成される、車両部品用鋳造体。
【請求項3】
前記マグネシウム合金が粒状の結晶組織を含む半溶融素材の固化物であり且つ網状の金属間化合物であるβ-Mg
17
Al
12
化合物を含む、請求項1又は2に記載の車両部品用鋳造体。
【請求項4】
前記マグネシウム合金は、不可避的不純物であるCuが0.030質量%以下であり且つ不可避的不純物であるNiが0.002質量%以下である、請求項1又は2に記載の車両部品用鋳造体。
【請求項5】
前記マグネシウム合金は、不可避的不純物であるCuが0.010質量%以下であり且つ不可避的不純物であるNiが0.002質量%以下である、請求項1又は2に記載の車両部品用鋳造体。
【請求項6】
コラムハウジング、ギヤボックス、カバー、ラック及びピニオンギヤボックスハウジングからなる群から選ばれる一種である、請求項1又は2に記載の車両部品用鋳造体。
【請求項7】
8.3質量%以上9.7質量%以下のAlと、0.35質量%以上1.0質量%以下のZnと、0.15質量%以上0.50質量%以下のMnとを含有し、残部がMg及び不可避的不純物からなるマグネシウム合金チップを、550℃以上630℃以下の温度に加熱し、半溶融マグネシウム合金チップを得る工程と、
前記半溶融マグネシウム合金チップを成形する工程と、
を含み、
前記半溶融マグネシウム合金チップを得る工程及び前記成形する工程は、活性ガスが存在しない雰囲気下で実施される、車両部品用鋳造体の製造方法。
【請求項8】
5.5質量%以上6.5質量%以下のAlと、0.35質量%以下のZnと、0.24質量%以上0.60質量%以下のMnとを含有し、残部がMg及び不可避的不純物からなるマグネシウム合金チップを、550℃以上630℃以下の温度に加熱し、半溶融マグネシウム合金チップを得る工程と、
前記半溶融マグネシウム合金チップを成形する工程と、
を含み、
前記半溶融マグネシウム合金チップを得る工程及び前記成形する工程は、活性ガスが存在しない雰囲気下で実施される、車両部品用鋳造体の製造方法。
【請求項9】
前記半溶融マグネシウム合金チップを得る工程及び前記成形する工程は、チクソモールド法にて実施される、請求項7又は8に記載の車両部品用鋳造体の製造方法。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は車両部品用鋳造体及びその製造方法に関する。
続きを表示(約 1,800 文字)【背景技術】
【0002】
車両等の電動パワーステアリング装置は、電子制御ユニット(ECU)により制御されている。具体的には、電動パワーステアリング装置用のECU(以下、単に「ECU」という。)は、一般的に、回路基板と、これを収容するためのケース(以下、「ECUケース」という。)とを備える。近時、車両の燃費を向上させるため、電動パワーステアリング装置において、ECUの軽量化が要求されている。特に、ECUの重量の大部分は、ECUケースであるため、ECUケースについての軽量化が課題となっている。特許文献1は、回路基板を収容する筐体を樹脂製とすることによってECUの軽量化を図ることを開示している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
特開2016-124373号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、車両用ECUは、一般的に、車両の内部に配置されている。しかし、将来的な自動運転の拡大に伴って、車両の外部であってタイヤを支持するサスペンションの近傍にECUが配置される可能性がある。ECUが車両の外部に配置された場合、ECUケースは錆を発生させる環境に暴露されるため、優れた耐食性を有することが要求される。これに加え、ECUケースは、より一層高い強度及び熱伝導率を有するとともに、放熱性及び環境に対する変形特性が優れていることも要求される。
【0005】
しかしながら、上記特許文献1に記載の樹脂製のECUケースは、上記のような要求される特性を十分に満足することができない。また、ECUケースがモータの付近に設置される場合には、電磁シールド性(EMC:Electromagnetic Compatibility)、振動減哀(音振動)性等の機能性を満足することが要求される。しかし、ECUケースが樹脂製であると、上記機能を満足するためにメッキ等の対策が必要になり、工程数の増加を招く。
【0006】
本発明は、軽量であり且つ耐食性が優れているとともに、電磁シールド性及び振動減衰性を確保するための対策が不要であり、優れた強度、放熱性及び変形特性を有する車両部品用鋳造体を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明者らは、車両部品用鋳造体の軽量化について鋭意研究を重ねた結果、車両部品用鋳造体の材料として、アルミニウム合金よりも軽量で高強度であるマグネンウム合金を用いるという考えに至った。一方、マグネシウムは燃えやすく、危険であるため、マグネシウムを用いた成形体の製造は、一般的には敬遠されていた。また、軽量化のために成形されたマグネシウム合金鋳造体は、アルミニウム合金と比較して標準電極電位が低いため、中性及び酸性域で容易に腐食するという問題点があった。
【0008】
例えば、特開2002-332534号公報では、マグネシウム合金成形体の表面に耐食性の保護膜を形成する表面処理方法が提案されている。これは、マグネシウム合金ダイカスト材にクロメート化成処理を施すことにより、クロム酸塩がマグネシウム合金を不動態化させるものである。そして、マグネシウムダイカスト材の表面に生成した不動態被膜により、耐食性を得ることができる。
【0009】
しかしながら、上記公報に記載の技術によると、マグネシウム合金をダイカストした後に、更に工程が増加するという問題点がある。また、クロメート化成処理に使用されるクロム酸塩溶液の六価クロムが、人体に悪影響を及ぼすとともに、固溶体化処理を行う場合の不活性ガスとして使用してもよいと記載されたSF

ガスは、地球環境に悪影響を及ぼすという問題点が発生する。
【0010】
そこで、本発明者らは、Al、Zn及びMnを所定の含有量で含有するマグネシウム合金のチップを使用し、製造条件を適切に選択することにより、耐食性が優れたマグネシウム合金製の車両部品用鋳造体を安全に製造することができることを見出した。本開示は以下の本発明に関し、これらの発明は上記知見に基づいてなされたものである。
(【0011】以降は省略されています)

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