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公開番号2024076285
公報種別公開特許公報(A)
公開日2024-06-05
出願番号2022187797
出願日2022-11-24
発明の名称溶接継手、及びタンク
出願人日本製鉄株式会社
代理人弁理士法人太陽国際特許事務所
主分類C22C 38/00 20060101AFI20240529BHJP(冶金;鉄または非鉄合金;合金の処理または非鉄金属の処理)
要約【課題】安価で、溶接部の低温靭性および耐高温割れ性に優れた溶接継手の提供。
【解決手段】特定の化学組成を有する2つ以上の鋼材と、鋼材同士を接合する溶接金属と、を有し、溶接金属の化学組成が、C:0.03~1.00%、Si:0.03~0.50%、Mn:5~30%、P:0~0.050%、S:0~0.050%、Ni:5~40%、その他任意添加物、並びに残部:Fe及び不純物であり、鋼材中マンガン量Mn(B1)、及び溶接金属中マンガン量Mn(W1)が、Mn(B1)×0.3+Mn(W1)×0.9≦20.0を満足する溶接継手。
【選択図】なし
特許請求の範囲【請求項1】
2つ以上の鋼材と、前記鋼材同士を接合する溶接金属と、を有し、
前記鋼材の化学組成が、鋼材の全質量に対する質量%で、
C :0.03~0.10%、
Si:0.01~0.50%、
Mn:0.3~1.5%、
Ni:5.0~10.0%、
P :0~0.015%、
S :0~0.015%、
Al:0.005~0.08%、
B :0~0.0010%、
Ti:0~0.010%、
Nb:0~0.010%、
V :0~0.010%、
N :0~0.010%、
O :0~0.005%、
Cu:0~1.0%、
Cr:0~1.0%、
Mo:0~1.0%、並びに
残部:Fe及び不純物であり、
前記溶接金属の化学組成が、溶接金属の全質量に対する質量%で、
C :0.03~1.00%、
Si:0.03~0.50%、
Mn:5~30%、
P :0~0.050%、
S :0~0.050%、
Cu:0~5.0%、
Ni:5~40%、
Cr:0~20%、
Mo:0~10%、
Nb:0~1.00%、
V :0~1.00%、
Co:0~1.0%、
W :0~20.0%、
Pb:0~1.0%、
Sn:0~1.00%、
Mg:0~5.00%、
Al:0~0.10%、
Ca:0~5.000%、
Ti:0~0.10%、
B:0~0.500%、
REM:0~0.500%、
Zr:0~0.500%、
N :0~0.500%、
O :0.001~0.150%、並びに
残部:Fe及び不純物であり、
前記鋼材中のマンガン量をMn(B1)、前記溶接金属中のマンガン量をMn(W1)としたとき、下記(1-A)式を満足する溶接継手。
Mn(B1)×0.3+Mn(W1)×0.9≦20.0・・・(1-A)式
続きを表示(約 1,400 文字)【請求項2】
2つ以上の鋼材と、前記鋼材同士を接合する溶接金属と、を有し、
前記鋼材の化学組成が、鋼材の全質量に対する質量%で、
C :0.10~0.60%、
Si:0.03~1.0%、
Mn:20~30%、
P :0~0.050%、
S :0~0.050%、
Cr:0~10.0%、
Al:0.001~0.08%、
B :0~0.0010%、
Ti:0~0.010%、
Nb:0~0.010%、
V :0~0.010%、
Cu:0~1.0%、
Mo:0~1.0%、
Ni:0~10%、
N :0~0.010%、
O :0~0.0050%、並びに
残部:Fe及び不純物であり、
前記溶接金属の化学組成が、溶接金属の全質量に対する質量%で、
C :0.03~1.00%、
Si:0.03~0.50%、
Mn:5~30%、
P :0~0.050%、
S :0~0.050%、
Cu:0~5.0%、
Ni:5~40%、
Cr:0~20%、
Mo:0~10%、
Nb:0~1.00%、
V :0~1.00%、
Co:0~1.0%、
W :0~20.0%、
Pb:0~1.0%、
Sn:0~1.00%、
Mg:0~5.00%、
Al:0~0.10%、
Ca:0~5.000%、
Ti:0~0.10%、
B:0~0.500%、
REM:0~0.500%、
Zr:0~0.500%、
N :0~0.500%、
O :0.001~0.150%、並びに
残部:Fe及び不純物であり、
前記鋼材中のマンガン量をMn(B2)、前記溶接金属中のマンガン量をMn(W2)としたとき、下記(1-B)式を満足する溶接継手。
Mn(B2)×0.3+Mn(W2)×0.9≦25.0・・・(1-B)式
【請求項3】
前記溶接金属中のニッケル量をNi(W)、マンガン量をMn(W)、クロム量をCr(W)としたとき、下記(2)式を満足する請求項1または請求項2に記載の溶接継手。
Ni(W)+Mn(W)+Cr(W)≧15・・・(2)式
【請求項4】
前記溶接金属中のニッケル量をNi(W)、マンガン量をMn(W)としたとき、下記(3)式を満足する請求項1または請求項2に記載の溶接継手。
Ni(W)+Mn(W)≧15・・・(3)式
【請求項5】
前記溶接金属中のニッケル量をNi(W)、マンガン量をMn(W)としたとき、下記(4-1)式を満足する請求項1または請求項2に記載の溶接継手。
Ni(W)/Mn(W)≧0.20・・・(4-1)式
【請求項6】
前記溶接金属においてオーステナイト分率が70%以上である請求項1または請求項2に記載の溶接継手。
【請求項7】
請求項1または請求項2に記載の溶接継手を含み、液化天然ガス(LNG)、液化CO

ガス、及び液化水素ガスからなる群から選択される1種以上のガスを貯蔵するタンク。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本開示は、溶接継手、及びタンクに関する。
続きを表示(約 4,300 文字)【背景技術】
【0002】
近年、地球温暖化の問題による二酸化炭素排出量規制強化により、石油及び石炭などに比べて二酸化炭素の排出がない水素燃料、並びに二酸化炭素の排出が少ない天然ガスなどの需要が高まっている。それに伴い、船舶や地上などで使用する液体水素タンク、液体炭酸ガスタンクおよびLNGタンク等の建造の需要も世界的に高まっている。液体水素タンク、液体炭酸ガスタンクおよびLNGタンクなどに使用される鋼材には、-196℃の極低温度での靭性確保の要求から、例えば5~10%Niを含むNi系低温用鋼などの低温用鋼が使用されている。
そして、これらNi系低温用鋼の溶接には、優れた低温靭性の溶接金属が得られるオーステナイト系の溶接材料を用いて溶接することで溶接金属が形成されている。この溶接材料は、例えばNi含有量が70%程度で設計されている。
【0003】
例えば、Niの含有量が70%程度となる溶接材料を得るための溶接ワイヤとして、特許文献1には、「Ni含有量が35~70%であり、フラックス中にワイヤ全質量に対して、TiO

、SiO

及びZrO

を総量で4.0質量%以上含み、さらに、Mn酸化物をMnO

換算で0.6~1.2質量%含み、かつ、TiO

、SiO

、ZrO

及びMnO

(換算量)の含有量を質量%で、それぞれ、[TiO

]、[SiO

]、[ZrO

]及び[MnO

]としたとき、[TiO

]/[ZrO

]が2.3~3.3、[SiO

]/[ZrO

]が0.9~1.5、及び、([TiO

]+[SiO

]+[ZrO

])/[MnO

]が5~13である、Ni基合金を外皮とするフラックス入りワイヤ」が開示されている。
【0004】
またその他にも、溶接継手として特許文献2には、「オーステナイト系ステンレス鋼の母材と溶接金属とからなる溶接継手であって、前記溶接金属の化学組成が、質量%でC:0.2%以下、Si:2.0%以下、Mn:5.5~14.5%、Cr:13.5~22.0%、Ni:3.5~12.5%、Cu:1~5%およびN:0.01~0.4%を含有し、残部がFeおよび不可避的不純物であり、式(Creq=[Cr]+1.5[Si])及び(Nieq=[Ni]+0.5[Mn]+[Cu]+30([C]+[N]))で算出されるCreqとNieqの比(Creq/Nieq)が1.10以下であり、前記溶接金属中のδフェライト相の体積率が10%以下であり、前記母材の化学組成が、質量%で、C:0.1%以下、Si:0.4~1.5%、Mn:8~11%、Cr:15~17%、Ni:5~8%、Cu:1~4%およびN:0.01~0.3%を含有し、残部がFeおよび不可避的不純物である、高圧水素ガスおよび液体水素用オーステナイト系高Mnステンレス鋼溶接継手」が開示されている。
【0005】
特許文献3には、「母材が、質量%で、C:0.04%以下、Si:1.0%以下、Mn:7~30%、Cr:15~22%、Ni:5~20%、V:0.001~1.0%、N:0.20~0.50%およびA1:0.10%以下を含有し、残部がFeおよび不純物からなり、不純物中のPが0.030%以下、Sが0.005%以下、Ti、ZrおよびHfがそれぞれ0.01%以下であり、かつ、Cr、MnおよびNの含有量が(2.5Cr+3.4Μη≦300N)式を満たす高圧水素ガス用ステンレス鋼であり、溶接継手の溶接金属が、質量%で、C:0.04%以下、Si:1.0%以下、Mn:7~30%、Cr:15~22%、Ni:4~20%、V:0.05~1.0%、Mo:0~3.0%、N:0.20~0.50%、Al:0.10%以下、Ti、Nb、ZrおよひHfがそれぞれ0~0.01%であり、第1群元素(W:0.3~6.0%およびTa:0.001~0.40%)、第2群元素(B:0.0001~0.020%、Cu:0.3~5.0%およびCo:0.3~10.0%)および第3群元素(Mg:0.0001~0.0050%、Ca:0.0001~0.0050%、La:0.0001~0.20%、Ce:0.0001~0.20%、Y:0.0001~0.40%、Sm:0.0001~0.40%、Pr:0.0001~0.40%およびNd:0.0001~0.50%)の中のから選ばれた少なくとも1種を含有し、残部がFeおよび不純物からなり、不純物中のPが0.030%以下、Sが0.005%以下である、溶接継手構造を持つ高圧水素ガス用の容器、配管およびそれらの付属機器」が開示されている。
【0006】
特許文献4には、「母材が、質量%で、C:0.02%以下、Si:1.0%以下、Mn:3~30%、Cr:22%を超えて30%まで、M:17~30%、V:0.001~1.0%、Ν:0.10~0.50%およびAl:0.10%以下を含有し、残部がFeおよび不純物からなり、不純物中のPが0.030%以下、Sが0.005%以下、Ti、ZrおよびHfがそれぞれ0.01%以下であり、かつ、Cr、MnおよびNの含有量が(5Cr+3.4Mn≦500N)式を満たす高圧水素ガス用ステンレス鋼であり、溶接継手の溶接金属が、質量%で、C:0.02%以下、Si:1.0%以下、Mn:3~30%、Cr:22を超えて30%まで、M:8~30%、V:0.001~1.0%、Mo:0~3.0%、W:0~6.0%、N:0.1~0.50/0、Al:0.10%以下、Ti、Nb、Zr、HfおよびTa:それぞれ0~0.01%であり、第2群元素(B:0.0001~0.020%、Cu:0.3~5.0%およびCo:0.3~10.0%)の中から選ばれた少なくとも1種または/および第3群元素(Mg:0.0001~0.0050%、Ca:0.0001~0.0050%、La:0.0001~0.20%、Ce:0.0001~0.20%、Y:0.0001~0.40%、Sm:0.0001~0.40%、Pr:0.0001~0.40%およびNd:0.0001~0.50%)の中から選ばれた少なくとも1種を含有し、残部がFeおよび不純物からなり、不純物中のPが0.030%以下、Sが0.005%以下である、高圧水素ガス用の容器、配管およびそれらの付属機器」が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
特開2008-246507号公報
特開2015-171729号公報
国際公開第2004/083477号
国際公開第2004/083476号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
ところで、低温靭性を確保するため、溶接金属中に多量にNiを含有させると(例えばNi含有量が70%で設計された溶接材料を用いると)、非常に高価になるため、安価なものが求められている。加えて、溶接部(つまり溶接金属および熱影響部)の低温靭性および耐高温割れ性を確保することも求められている。
【0009】
以上の観点から、本発明の課題は、安価で、溶接部の低温靭性および耐高温割れ性に優れた溶接継手、及び、該溶接継手を有するタンクを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0010】
課題を解決するための手段は、次の態様を含む。
<1> 2つ以上の鋼材と、前記鋼材同士を接合する溶接金属と、を有し、
前記鋼材の化学組成が、鋼材の全質量に対する質量%で、
C :0.03~0.10%、
Si:0.01~0.50%、
Mn:0.3~1.5%、
Ni:5.0~10.0%、
P :0~0.015%、
S :0~0.015%、
Al:0.005~0.08%、
B :0~0.0010%、
Ti:0~0.010%、
Nb:0~0.010%、
V :0~0.010%、
N :0~0.010%、
O :0~0.005%、
Cu:0~1.0%、
Cr:0~1.0%、
Mo:0~1.0%、並びに
残部:Fe及び不純物であり、
前記溶接金属の化学組成が、溶接金属の全質量に対する質量%で、
C :0.03~1.00%、
Si:0.03~0.50%、
Mn:5~30%、
P :0~0.050%、
S :0~0.050%、
Cu:0~5.0%、
Ni:5~40%、
Cr:0~20%、
Mo:0~10%、
Nb:0~1.00%、
V :0~1.00%、
Co:0~1.0%、
W :0~20.0%、
Pb:0~1.0%、
Sn:0~1.00%、
Mg:0~5.00%、
Al:0~0.10%、
Ca:0~5.000%、
Ti:0~0.10%、
B:0~0.500%、
REM:0~0.500%、
Zr:0~0.500%、
N :0~0.500%、
O :0.001~0.150%、並びに
残部:Fe及び不純物であり、
前記鋼材中のマンガン量をMn(B1)、前記溶接金属中のマンガン量をMn(W1)としたとき、下記(1-A)式を満足する溶接継手。
Mn(B1)×0.3+Mn(W1)×0.9≦20.0・・・(1-A)式
<2> 2つ以上の鋼材と、前記鋼材同士を接合する溶接金属と、を有し、
前記鋼材の化学組成が、鋼材の全質量に対する質量%で、
【発明の効果】
(【0011】以降は省略されています)

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