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公開番号2024077728
公報種別公開特許公報(A)
公開日2024-06-10
出願番号2022189850
出願日2022-11-29
発明の名称堤防
出願人日本製鉄株式会社
代理人弁理士法人樹之下知的財産事務所
主分類E02B 3/10 20060101AFI20240603BHJP(水工;基礎;土砂の移送)
要約【課題】自立型壁体によって補強された堤防において、越流水による浸食で堤体の川裏側の法面が消失したときに生じる洗掘現象を抑制して構造的な安定性を維持する。
【解決手段】堤体と、上記堤体の内部に構築され、堤防の延長方向に延びる自立型壁体と、上記自立型壁体から離隔して上記堤体の川裏側で地中に打設され、上記堤防の延長方向に延びる追加壁体とを備える堤防が提供される。
【選択図】図1
特許請求の範囲【請求項1】
堤体と、
前記堤体の内部に構築され、堤防の延長方向に延びる自立型壁体と、
前記自立型壁体から離隔して前記堤体の川裏側で地中に打設され、前記堤防の延長方向に延びる追加壁体と
を備える堤防。
続きを表示(約 630 文字)【請求項2】
前記追加壁体は、前記堤体の川裏側の法面に打設される、請求項1に記載の堤防。
【請求項3】
前記追加壁体の上端は、前記堤体の川裏側の法面から突出しない、請求項2に記載の堤防。
【請求項4】
前記追加壁体の下端は、前記堤体の川裏側の法面と地表面との境界高さ、または地表面高さよりも下に位置する、請求項2に記載の堤防。
【請求項5】
前記追加壁体は、前記堤体の川裏側の地表面に打設される、請求項1に記載の堤防。
【請求項6】
前記追加壁体の上端は、前記地表面から突出しない、請求項5に記載の堤防。
【請求項7】
前記追加壁体には透水構造が形成される、請求項1に記載の堤防。
【請求項8】
前記自立型壁体から前記追加壁体までの距離は、地表面高さを基準にした前記自立型壁体の上端高さをh、越流水深をhcとした場合に√hc×√h以上である、請求項1に記載の堤防。
【請求項9】
前記自立型壁体から前記追加壁体までの距離は、地表面高さを基準にした前記自立型壁体の上端高さをh(m)とした場合に0.5√h(m)以上である、請求項1に記載の堤防。
【請求項10】
前記堤防の横断方向に延び、前記自立型壁体と前記追加壁体との間の空間を区画する区画壁をさらに備える、請求項1に記載の堤防。
(【請求項11】以降は省略されています)

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、堤防に関する。
続きを表示(約 2,900 文字)【背景技術】
【0002】
近年、豪雨災害が頻発しており、河川などの堤防では越流水による洪水や堤体の洗掘による破堤、決壊などが懸念される。このような災害への対策として、例えば堤体の両方の法肩部にそれぞれ鋼矢板を打設し、堤防の延長方向に沿って延びる2列の鋼矢板壁を構築する補強構造が提案されている(例えば、特許文献1を参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
特開2003-13451号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、越流が長時間継続した場合、鋼矢板壁よりも川裏側の法面が越流水による浸食で消失し、鋼矢板壁から川裏側に越流水が落水することによって鋼矢板壁の根元部分で地盤が消失する洗掘現象が発生する。洗掘現象によって鋼矢板壁の実質的な根入れ長さが短くなると、鋼矢板壁を含めた堤防の構造的な安定性が低下する可能性がある。
【0005】
そこで、本発明は、自立型壁体によって補強された堤防において、越流水による浸食で堤体の川裏側の法面が消失したときに生じる洗掘現象を抑制して構造的な安定性を維持することが可能な堤防を提供することを目的とする。なお、本明細書において自立型壁体は、堤防の内部に土以外の材料で構築され、堤体によって支持されなくても自立するように配置された壁状の構造体を意味する。
【課題を解決するための手段】
【0006】
[1]堤体と、上記堤体の内部に構築され、堤防の延長方向に延びる自立型壁体と、上記自立型壁体から離隔して上記堤体の川裏側で地中に打設され、上記堤防の延長方向に延びる追加壁体とを備える堤防。
[2]上記追加壁体は、上記堤体の川裏側の法面に打設される、[1]に記載の堤防。
[3]上記追加壁体の上端は、上記堤体の川裏側の法面から突出しない、[2]に記載の堤防。
[4]上記追加壁体の下端は、上記堤体の川裏側の法面と地表面との境界高さ、または地表面高さよりも下に位置する、[2]または[3]に記載の堤防。
[5]上記追加壁体は、上記堤体の川裏側の地表面に打設される、[1]に記載の堤防。
[6]上記追加壁体の上端は、上記地表面から突出しない、[5]に記載の堤防。
[7]上記追加壁体には透水構造が形成される、[1]から[6]のいずれか1項に記載の堤防。
[8]上記自立型壁体から上記追加壁体までの距離は、地表面高さを基準にした上記自立型壁体の上端高さをh、越流水深をhcとした場合に√hc×√h以上である、[1]から[7]のいずれか1項に記載の堤防。
[9]上記自立型壁体から上記追加壁体までの距離は、地表面高さを基準にした上記自立型壁体の上端高さをh(m)とした場合に0.5√h(m)以上である、[1]から[7]のいずれか1項に記載の堤防。
[10]上記堤防の横断方向に延び、上記自立型壁体と上記追加壁体との間の空間を区画する区画壁をさらに備える、[1]から[9]のいずれか1項に記載の堤防。
[11]上記堤防の延長方向に複数の上記区画壁が配列される、[10]に記載の堤防。
[12]上記自立型壁体は、上記堤体に打設された鋼矢板壁を含む、[1]から[11]のいずれか1項に記載の堤防。
[13]上記鋼矢板壁は、上記堤防の横断方向に配列される第1および第2の鋼矢板壁を含む、[12]に記載の堤防。
【発明の効果】
【0007】
上記の構成によれば、越流水による洗掘で堤体の川裏側の法面が消失しても自立型壁体と追加壁体との間に水が滞留するため、自立型壁体から川裏側に越流水が落水するときの落水高さを抑え、洗掘現象を抑制して堤防の構造的な安定性を維持することができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
本発明の第1の実施形態に係る堤防の断面図である。
図1に示された自立型壁体の別の例を示す図である。
図1に示した堤防の越流発生時の状態を示す図である。
追加壁体がない堤防の越流発生時の状態を比較のために示す図である。
本発明の第1の実施形態に係る堤防の変形例を示す図である。
本発明の第1の実施形態に係る堤防の変形例を示す図である。
本発明の第1の実施形態に係る堤防の変形例を示す図である。
本発明の第2の実施形態に係る堤防の切開斜視図である。
図8に示した堤防の越流発生時の状態を示すA-A線断面図である。
本発明の効果を検証するための実験の結果を示す模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
図1は、本発明の第1の実施形態に係る堤防の断面図である。図示されるように、堤防1は、川表側の法面21、天端22および川裏側の法面23を有する堤体2と、堤体2の法肩部、すなわち天端22と法面21,23との境界付近に打設された鋼矢板壁31,32とを含む。堤防1の横断方向に配列された鋼矢板壁31,32は、頭部付近でタイ材33を用いて互いに連結されている。本実施形態では、鋼矢板壁31,32によって、堤体2の内部に構築され堤防1の延長方向に延びる自立型壁体が構成される。自立型壁体は、堤体2の内部で自立することによって堤体2を補強する。本実施形態において、鋼矢板壁31,32は、十分な根入れ長さで打設されることによって自立している。この例には限られず、例えば2列ではなく図2に示したように1列の鋼矢板壁30が自立型壁体を構成してもよいし、コンクリート壁や地盤改良体が自立型壁体を構成してもよい。
【0010】
さらに、堤防1は、堤体2の川裏側の法面23に打設され、堤防1の延長方向に延びる追加壁体4を含む。追加壁体4は、堤体2の内部に構築される自立型壁体から離隔している。より具体的には、追加壁体4は、川裏側に打設される鋼矢板壁32から距離dだけ離隔した位置で法面23に打設される。追加壁体4は、例えば鋼矢板壁31,32と同様に鋼矢板壁であってもよいし、コンクリート壁や地盤改良体などであってもよい。後述するように追加壁体4は、越流水による洗掘で川裏側の法面23が少なくとも部分的に消失したときに機能する。従って、堤体2が健全な時点で追加壁体4の上端は法面23から突出していなくてもよく、法面23の内部に埋め込まれていてもよい。追加壁体4の上端は法面23から突出していてもよいが、平常時における雨水の排水や景観的な観点からは、追加壁体4の上端が法面23から突出していない方が好ましい。なお、追加壁体4の根入れ長さについては特に限定されないが、例えば追加壁体4の下端が、法面23と堤体2の川裏側の地表面との境界、つまり法面23の法先の高さよりも下に位置してもよい。あるいは、追加壁体4の下端は後述する地表面高さよりも下に位置してもよい。
(【0011】以降は省略されています)

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