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公開番号2024126599
公報種別公開特許公報(A)
公開日2024-09-20
出願番号2023035086
出願日2023-03-07
発明の名称表面処理めっき鋼板及びハットジョイナー
出願人日本製鉄株式会社,日本パーカライジング株式会社
代理人個人,個人,個人
主分類C09D 123/00 20060101AFI20240912BHJP(染料;ペイント;つや出し剤;天然樹脂;接着剤;他に分類されない組成物;他に分類されない材料の応用)
要約【課題】連続ラインにおいて製造可能であり、且つ、太陽光に曝されてもコーキング材に対する非接着性に優れる表面処理めっき鋼板と、太陽光に曝されてもコーキング材に対する非接着性に優れるハットジョイナーを提供する。
【解決手段】鋼板111、及び鋼板111の少なくとも一方の表面に設けられためっき層112を有する、めっき鋼板11と、融点が50~85℃であるポリオレフィン(A)及びアイオノマー(B)を、(A)/(B)で表される質量比を0.3~1.0として溶媒に配合した、水系表面処理剤であって、水系表面処理剤の総質量に対するフッ素樹脂の含有量が0.1質量%未満である水系表面処理剤をめっき層112の表面の少なくとも一部に塗布し、めっき鋼板の到達温度を100℃以上にして乾燥してなる皮膜12とを備える、表面処理めっき鋼板10。
【選択図】図1
特許請求の範囲【請求項1】
少なくとも一方の表面にめっき層を有するめっき鋼板と、
融点が50~85℃であるポリオレフィン(A)及びアイオノマー(B)を、前記ポリオレフィン(A)/前記アイオノマー(B)で表される質量比を0.3~1.0として溶媒に配合した、水系表面処理剤であって、前記水系表面処理剤の総質量に対するフッ素樹脂の含有量が0.1質量%未満である前記水系表面処理剤を前記めっき層の表面の少なくとも一部に塗布し、前記めっき鋼板の到達温度を100℃以上にして乾燥してなる皮膜と、
を備える、表面処理めっき鋼板。
続きを表示(約 170 文字)【請求項2】
前記めっき鋼板は、Zn-Alめっき鋼板、Zn-Al-Mgめっき鋼板、又はAlめっき鋼板である、請求項1に記載の表面処理めっき鋼板。
【請求項3】
請求項1又は2に記載の表面処理めっき鋼板を有し、凸条を備えたハットジョイナーであって、
前記皮膜が少なくとも前記凸条の突端面に位置する、ハットジョイナー。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、表面処理めっき鋼板及びハットジョイナーに関する。
続きを表示(約 2,700 文字)【背景技術】
【0002】
ジョイナーは、建物外装における外壁ボード間の目地部に用いられ、外壁ボードを一定間隔に保持する機能を有する。外壁ボード間の目地部には、防水性及び気密性を担保することを目的としてコーキング材が充填される。このとき、目地部に充填されたコーキング材が2枚の外壁ボード間の側端面とジョイナーとに三面接着していると、コーキング材が伸縮しにくくなる。そのため、外壁ボードは外部環境の変化に応じて伸縮したときに、コーキング材が外壁ボードの伸縮に追従することができず、外壁ボードの伸縮による応力がコーキング材に集中し、コーキング材が破断しやすくなる。
【0003】
そのため、コーキング材が隣り合う外壁ボードの側端面とは接着しつつも、ジョイナーとは接着しないようにする、すなわち、二面接着となるようにコーキング施工することが一般的である。
二面接着とする方法として、ジョイナーのコーキング材と接する面に、コーキング材に対して接着性の低い、すなわち、非接着性の皮膜を形成する方法が検討されている。例えば、特許文献1には、ジョイナーのコーキング材と接する面に、コーキング材との剥離力が所定の範囲に調整された粘着テープを設けたジョイナーが開示されている。特許文献2には、基材上に、特定のフッ素樹脂を含み、コーキング材に対して非接着性の塗膜を設けた塗装板と、この塗装板を加工したジョイナーが開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
特開2002-188064号公報
特開2009-62707号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、特許文献1に記載の方法では、金属板をジョイナーの形状に加工した後、金属板のコーキング材と接する面に粘着テープを貼り付けるため、ジョイナーの製造工程が煩雑となり、製造費用が増大してしまう。
特許文献2に記載の塗装板及びジョイナーは耐候性が低く、屋外等で太陽光に曝されることにより、コーキング材に対する非接着性が低下するという課題がある。
【0006】
本発明は、連続ラインにおいて製造可能であり、且つ、太陽光に曝されてもコーキング材に対する非接着性に優れる表面処理めっき鋼板と、太陽光に曝されてもコーキング材に対する非接着性に優れるハットジョイナーを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明は、以下の態様を有する。
[1] 少なくとも一方の表面にめっき層を有するめっき鋼板と、
融点が50~85℃であるポリオレフィン(A)及びアイオノマー(B)を、前記ポリオレフィン(A)/前記アイオノマー(B)で表される質量比を0.3~1.0として溶媒に配合した、水系表面処理剤であって、前記水系表面処理剤の総質量に対するフッ素樹脂の含有量が0.1質量%未満である前記水系表面処理剤を前記めっき層の表面の少なくとも一部に塗布し、前記めっき鋼板の到達温度を100℃以上にして乾燥してなる皮膜と、
を備える、表面処理めっき鋼板。
[2] 前記めっき鋼板は、Zn-Alめっき鋼板、Zn-Al-Mgめっき鋼板、又はAlめっき鋼板である、前記[1]の表面処理めっき鋼板。
[3] 前記[1]又は[2]の表面処理めっき鋼板を有し、凸条を備えたハットジョイナーであって、
前記皮膜が少なくとも前記凸条の突端面に位置する、ハットジョイナー。
[4] 少なくとも一方の表面にめっき層を有するめっき鋼板の前記めっき層の表面の少なくとも一部に水系表面処理剤を塗布し、塗膜を得る塗布工程と、
前記塗膜を乾燥して、前記めっき鋼板の表面に皮膜を形成する乾燥工程とを有し、
前記水系表面処理剤は、融点が50~85℃であるポリオレフィン(A)及びアイオノマー(B)を、前記ポリオレフィン(A)/前記アイオノマー(B)で表される質量比を0.3~1.0として溶媒に配合した組成物であり、前記水系表面処理剤の総質量に対するフッ素樹脂の含有量が0.1質量%未満であり、
前記乾燥工程では、前記めっき鋼板の到達温度を100℃以上にする、表面処理めっき鋼板の製造方法。
[5] 前記めっき鋼板は、Zn-Alめっき鋼板、Zn-Al-Mgめっき鋼板、又はAlめっき鋼板である、前記[4]の表面処理めっき鋼板の製造方法。
[6] 前記[4]又は[5]の表面処理めっき鋼板の製造方法により表面処理めっき鋼板を製造する製造工程と、
前記製造工程により得られた表面処理めっき鋼板を加工して、凸条を備えたハットジョイナーを得る加工工程とを有し、
前記加工工程では、前記皮膜が少なくとも前記凸条の突端面に位置するように前記表面処理めっき鋼板を加工する、ハットジョイナーの製造方法。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、連続ラインにおいて製造可能であり、且つ、太陽光に曝されてもコーキング材に対する非接着性に優れる表面処理めっき鋼板と、太陽光に曝されてもコーキング材に対する非接着性に優れるハットジョイナーを提供できる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
本発明の表面処理めっき鋼板の一実施形態例を模式的に示す断面図である。
本発明のハットジョイナーの一実施形態例を模式的に示す斜視図である。
本発明のハットジョイナーを施工した状態の一実施形態例を模式的に示す断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
「表面処理めっき鋼板」
以下、本発明の表面処理めっき鋼板の一実施形態例について説明する。
図1は、本発明の表面処理めっき鋼板の一実施形態例を模式的に示す断面図である。
本実施形態例の表面処理めっき鋼板10は、めっき鋼板11と、めっき鋼板11上に設けられた皮膜12とを具備して構成されている。
本明細書において、表面処理めっき鋼板10の皮膜12側の表面を「表面処理めっき鋼板10の第一の表面10a」ともいい、めっき鋼板11側の表面を「表面処理めっき鋼板10の第二の表面10b」ともいう。
なお、図1においては、説明の便宜上、寸法比は実際のものと異なったものである。
(【0011】以降は省略されています)

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