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公開番号2024154736
公報種別公開特許公報(A)
公開日2024-10-31
出願番号2023068737
出願日2023-04-19
発明の名称筆記具用水性インク組成物
出願人三菱鉛筆株式会社
代理人個人,個人
主分類C09D 11/16 20140101AFI20241024BHJP(染料;ペイント;つや出し剤;天然樹脂;接着剤;他に分類されない組成物;他に分類されない材料の応用)
要約【課題】ペン先は乾燥し難く、かつ、短時間で筆跡は乾いて紙に滲まない、耐滲み性および良好な筆記性を長期に渡り安定的に維持することができる筆記具用水性インク組成物を提供する。
【解決手段】少なくとも、水不溶性粒子と水溶性溶剤とを含み、1kg荷重下に水性インク組成物をポリカーボネート製メンブレンフィルター(直径25mm、孔径8μm)で濾過したときの1分後の通液量が0.1g以上であり、同じくポリカーボネート製メンブレンフィルター(直径25mm、孔径5μm)で濾過したときの1分後の通液量が20g以下であり、さらに体積基準で算出した粒度分布の累積の10%粒子径(D10)が1.5μm以下、累積の50%粒子径(D50)が6.5μm以下、累積の90%粒子径(D90)が15μm以下であり、EMD型回転粘度計における50回転でのインク粘度が30mPa以下である筆記具用水性インク組成物。
【選択図】なし
特許請求の範囲【請求項1】
少なくとも、水不溶性粒子と水溶性溶剤とを含み、
1kg荷重下に水性インク組成物をポリカーボネート製メンブレンフィルター(直径25mm、孔径8μm)で濾過したときの1分後の通液量が0.1g以上であり、同じくポリカーボネート製メンブレンフィルター(直径25mm、孔径5μm)で濾過したときの1分後の通液量が20g以下であり、さらに体積基準で算出した粒度分布の累積の10%粒子径(D10)が1.5μm以下、累積の50%粒子径(D50)が6.5μm以下、累積の90%粒子径(D90)が15μm以下であり、
EMD型回転粘度計における50回転でのインク粘度が30mPa以下である筆記具用水性インク組成物。
続きを表示(約 94 文字)【請求項2】
請求項1に記載の筆記具用水性インク組成物を搭載した筆記具。
【請求項3】
請求項1に記載の筆記具用水性インク組成物を搭載したマーキングペン。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、ペン先の乾燥を抑えつつ、筆記用紙に書いた描線が滲むことのない筆記具用水性インク組成物に関する。
続きを表示(約 2,600 文字)【背景技術】
【0002】
水性インク組成物を含む筆記具は、水や水溶性溶剤を主成分としているため、キャップを外したまま長時間放置すると、ペン先から水分が蒸発して、インクの粘度が上がり、筆記不良が発生する。ペン先が乾燥して筆記できなくなる問題は、グリコール類のような高沸点溶媒を添加することで解決されるが(特許文献1)、添加量が多いと粘度が高くなり、描線が乾燥し難くなる。
【0003】
着色剤の粒子径が大きくなれば、筆記用紙に書いた描線の滲みを抑えることができるが、その一方で、粒径があまり大きくなると、インク組成物中で沈降したり、紙面で目詰まりを起こすことがある。また、水性インクは、水に不溶な着色剤のほかに、分散剤および界面活性剤等を含む複雑な成分系であり、着色剤は、これらの成分の影響を受けて、その分散状態や凝集状態が複雑に変化する。特許文献2では、顔料に対して、ポリオキシエチレンアルキルエーテルリン酸系分散剤(POEP)およびポリオキシエチレンアルキルエーテルサルフェート系分散剤(POES)のうち一種以上の分散剤を5~30重量%で配合して耐滲み性を向上させている。このような着色剤の粒径に関して、レーザー回折法を用いた粒度分布による累積の50%粒子径(D50)が0.2~1.0μm、70%粒子径(D70)が0.1~0.3μm、90%粒径(D90)が1.0~5.0μm(いずれも体積基準)となるように、水性ボールペン用組成物の黒色顔料の粒子径を調整する報告例がある(特許文献3)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
特開2006-206823号公報
特開2004-67769号公報
特開2021-181515号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明は、前記した従来の課題を解決すべく、ペン先は乾燥し難く、かつ、短時間で筆跡は乾いて紙に滲まない、耐滲み性および良好な筆記性を長期に渡り安定的に維持することができる筆記具用水性インク組成物を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の筆記具用水性インク組成物は、少なくとも、水不溶性粒子と水溶性溶剤とを含み、1kg荷重下に水性インク組成物をポリカーボネート製メンブレンフィルター(直径25mm、孔径8μm)で濾過したときの1分後の通液量が0.1g以上であり、同じくポリカーボネート製メンブレンフィルター(直径25mm、孔径5μm)で濾過したときの1分後の通液量が20g以下であり、さらに体積基準で算出した水不溶性粒子の粒度分布の累積の10%粒子径(D10)が1.5μm以下、累積の50%粒子径(D50)が6.5μm以下、累積の90%粒子径(D90)が15μm以下であり、EMD型回転粘度計における50回転でのインク粘度が30mPa以下であることを特徴とする。
このように、水不溶性粒子の大きさの指標となるインク通液性と低いインク粘度とを備えることで、筆記具用水性インク組成物が良好な筆記性と耐滲み性を持つことができる。
【0007】
本発明の筆記具は、前記水性インク組成物を搭載したものである。
本発明のマーキングペンは、前記水性インク組成物を搭載したものである。
前記した組成を有する水性インク組成物を用いることで、高い滲み防止効果と良好な筆記性を有するマーキングペン等の筆記具が得られる。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、kg荷重下に水性インク組成物をポリカーボネート製メンブレンフィルター(直径25mm、孔径8μm)で濾過したときの1分後の通液量が0.1g以上であり、同じくポリカーボネート製メンブレンフィルター(直径25mm、孔径5μm)で濾過したときの1分後の通液量が20g以下にすることにより、耐滲み性に優れ、かつ、良好な筆記性を長期に渡り維持することができる筆記具用水性インク組成物を提供することができる。
【発明を実施するための形態】
【0009】
本発明の筆記具用水性インク組成物(以下単に「水性インク組成物」ともいう。)について詳細に説明する。
前記水性インク組成物は、少なくとも、水不溶性粒子と水溶性溶剤とを含み、1kg荷重下に水性インク組成物をメンブレンフィルター(直径25mm、孔径8μm)で濾過したときの1分後の通液量が0.1g以上であり、同じくポリカーボネート製メンブレンフィルター(直径25mm、孔径5μm)で濾過したときの1分後の通液量が20g以下であり、さらにレーザー回折法による粒度分布の測定により求めた水性インク組成物の水不溶性粒子の累積の10%粒子径(D10)が1.5μm以下、累積の50%粒子径(D50)が6.5μm以下、累積の90%粒子径(D90)が15μm以下、EMD型回転粘度計における50回転でのインク粘度が30mPa以下である。
【0010】
水不溶性粒子は、具体的には染料または/および顔料で着色された粒子である。
顔料は無機顔料および有機顔料のいずれも用いることができる。
無機顔料は、例えば、カーボンブラックや金属粉等である。
有機顔料は、例えば、アゾレーキ、不溶性アゾ顔料、キレートアゾ顔料、フタロシアニン顔料、ペリレンおよびペリノン系の顔料、アントラキノン顔料、キナクリドン顔料、染料レーキ、ニトロ顔料およびニトロソ顔料等である。具体的には、フタロシアニンブルー(C.I.74160)、フタロシアニングリーン(C.I.74260)、ハンザイエロー3G(C.I.11670)、ジスアゾイエローGR(C.I.21100)、パーマネントレッド4R(C.I.12335)、ブリリアントカーミン6B(C.I.15850)およびキナクリドンレッド(C.I.46500)等が挙げられる。その他、スチレンやアクリル樹脂の粒子から構成されているプラスチックピグメントも使用できる。また、粒子内部に空隙のある中空樹脂粒子は、白色顔料として、または染料で染着した擬似顔料として多色用等に使用できる。
(【0011】以降は省略されています)

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