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公開番号2025092386
公報種別公開特許公報(A)
公開日2025-06-19
出願番号2024129876
出願日2024-08-06
発明の名称インクセット
出願人株式会社リコー
代理人個人
主分類C09D 11/54 20140101AFI20250612BHJP(染料;ペイント;つや出し剤;天然樹脂;接着剤;他に分類されない組成物;他に分類されない材料の応用)
要約【課題】ピニング速度、ビーディング、ブリーディング、吐出安定性に優れるインクセットの提供。
【解決手段】前処理液及び顔料インクからなるインクセットであって、前処理液は、水、凝集剤、有機溶剤を含有し、前処理液中の凝集剤の含有量が1.0質量%以上20.0質量%以下であり、顔料インクは、水、色材、グリコールエーテル化合物を含む有機溶剤、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、樹脂を含有し、顔料インク中のポリオキシエチレンアルキルエーテルの含有量が1.0質量%以上5.0質量%以下であり、グリコールエーテル化合物の含有量が10.0質量%以上20.0質量%以下であり、顔料インク中の色材の含有量Pと樹脂の含有量Rとの比P/Rが0.25以上3.0以下であり、顔料インク中の有機溶剤の混合SP値が前処理液中の有機溶剤の混合SP値と異なり、その差が2.0(cal/cm³)^0.5以上であるインクセット。
【選択図】なし
特許請求の範囲【請求項１】
前処理液と、顔料インクと、からなるインクセットであって、
前記前処理液は、水、凝集剤、及び、有機溶剤を含有し、前記前処理液中における前記凝集剤の含有量が、１．０質量％以上２０．０質量％以下であり、
前記顔料インクは、水、色材、グリコールエーテル化合物を少なくとも含む有機溶剤、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、及び、樹脂を含有し、
前記顔料インク中における、前記ポリオキシエチレンアルキルエーテルの含有量が１．０質量％以上５．０質量％以下であり、前記グリコールエーテル化合物の含有量が１０．０質量％以上２０．０質量％以下であり、
前記顔料インク中における、前記色材の含有量をＰとし、前記樹脂の含有量をＲとしたとき、Ｐ／Ｒが０．２５以上３．０以下であり、
前記顔料インク中に含まれる前記有機溶剤の混合ＳＰ値が前記前処理液中に含まれる前記有機溶剤の混合ＳＰ値と異なり、その差が２．０（ｃａｌ／ｃｍ
３
）
０．５
以上である
ことを特徴とするインクセット。
続きを表示（約 1,000 文字）【請求項２】
前記ポリオキシエチレンアルキルエーテルが、下記一般式（１）で表される化合物である、請求項１に記載のインクセット。
TIFF
2025092386000012.tif
57
163
（一般式（１）中、Ｒ
１
、Ｒ
２
、Ｒ
３
、及びＲ
４
は、それぞれ独立して、水素原子又は炭素数１以上５以下のアルキル基を表し、ｎは４以上１０以下の整数である。）
【請求項３】
前記グリコールエーテル化合物が、炭素数が８以上のグリコールエーテル化合物を含む、請求項１に記載のインクセット。
【請求項４】
前記前処理液中に含まれる前記有機溶剤及び前記顔料インク中に含まれる前記有機溶剤は、沸点が２５０℃以下のアルコール系溶剤である、請求項１に記載のインクセット。
【請求項５】
前記顔料インク中に含まれる前記有機溶剤の混合ＳＰ値が１０．０（ｃａｌ／ｃｍ
３
）
０．５
以上１２．０（ｃａｌ／ｃｍ
３
）
０．５
以下であり、前記前処理液中に含まれる有機溶剤の混合ＳＰ値が１３．０（ｃａｌ／ｃｍ
３
）
０．５
以上１５．０（ｃａｌ／ｃｍ
３
）
０．５
以下である、請求項１に記載のインクセット。
【請求項６】
前記顔料インク中に含まれる前記有機溶剤の含有量が２０．０質量％以上４０．０質量％以下である、請求項１に記載のインクセット。
【請求項７】
前記顔料インク中に含まれる前記樹脂が、ガラス転移温度（Ｔｇ）が３０℃以上である樹脂を含有する、請求項１に記載のインクセット。
【請求項８】
前記顔料インク中に含まれる前記樹脂が、ガラス転移温度（Ｔｇ）が０℃未満である樹脂を含有する、請求項７に記載のインクセット。
【請求項９】
前記前処理液を塗布した記録媒体に対する前記顔料インクの接触角をθ１とし、前記前処理液を塗布していない記録媒体に対する顔料インクの接触角をθ２としたとき、θ１及びθ２が下記の関係式（Ａ）を満たす、請求項１に記載のインクセット。
２０°＜θ１―θ２＜３０° （Ａ）

発明の詳細な説明【技術分野】
【０００１】
本発明は、インクセットに関する。
続きを表示（約 1,600 文字）【背景技術】
【０００２】
近年では、オフセット印刷やフレキソ印刷といったアナログ印刷が主流である商業印刷や産業印刷の分野においても、版を必要とせず少量多品種なデザインを印刷可能なデジタル印刷としてインクジェットプリンターのニーズが高まっている。
【０００３】
商業印刷や産業印刷の分野では、家庭用印刷に比べ、高い生産性が求められるため、高速印刷が行われる。この高速印刷に対応するため、記録媒体に対するインクの拡散から固定化されるまでの速度（ピニング速度）の高速化が求められている。
【０００４】
従来技術では、オフセット印刷用紙に用いられる塗工層を有する記録媒体に水性インクを記録する場合に、水性インクの吸収性が悪いオフセット印刷用紙に対するビーディングが発生し、画像品質が低下するという問題があった。また、色の異なるカラーインクが次々と重ねられるため、色境界部分でカラーインクが滲み、混ざり合いが発生し（以下、ブリーディングという）、画像品質が大きく低下するという問題があった。
【０００５】
この問題を解決するために、インク顔料の凝集を促進させ、滲みを防ぐ機能を付与する前処理液を塗布する方法が提案されている（例えば、特許文献１参照）。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【０００６】
しかしながら、特許文献１で開示されている方法においては、インクジェット記録用前処理液に多価金属塩を用いて画像品質（ビーディング、ブリーディング）を向上させているが、高速印刷を想定した際の上記記録媒体上におけるインクの拡散から固定化されるまでの速度（ピニング速度）についてまでは検討がなされていない。
【０００７】
本発明は、高速印刷を想定した際のピニング速度、ビーディング、ブリーディング及び吐出安定性に優れるインクセットを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【０００８】
本発明は、以下に記載する通りのインクセットに係るものである。
前処理液と、顔料インクと、からなるインクセットであって、
前記前処理液は、水、凝集剤、及び、有機溶剤を含有し、前記前処理液中における前記凝集剤の含有量が、１．０質量％以上２０．０質量％以下であり、
前記顔料インクは、水、色材、グリコールエーテル化合物を少なくとも含む有機溶剤、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、及び、樹脂を含有し、
前記顔料インク中における、前記ポリオキシエチレンアルキルエーテルの含有量が１．０質量％以上５．０質量％以下であり、前記グリコールエーテル化合物の含有量が１０．０質量％以上２０．０質量％以下であり、
前記顔料インク中における、前記色材の含有量をＰとし、前記樹脂の含有量をＲとしたとき、Ｐ／Ｒが０．２５以上３．０以下であり、
前記顔料インク中に含まれる前記有機溶剤の混合ＳＰ値が前記前処理液中に含まれる前記有機溶剤の混合ＳＰ値と異なり、その差が２．０（ｃａｌ／ｃｍ
３
）
０．５
以上である
ことを特徴とするインクセット。
【発明の効果】
【０００９】
本発明によれば、高速印刷を想定した際のピニング速度、ビーディング、ブリーディング及び吐出安定性に優れるインクセットを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【００１０】
図１は、本発明におけるインクを用いる記録装置の一例を示す斜視説明図である。
図２は、本発明におけるインクを収容するメインタンクの斜視説明図である。
【発明を実施するための形態】
（【００１１】以降は省略されています）

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