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公開番号2025059779
公報種別公開特許公報(A)
公開日2025-04-10
出願番号2023170076
出願日2023-09-29
発明の名称プライマー組成物
出願人コニシ株式会社
代理人個人
主分類C09D 201/00 20060101AFI20250403BHJP(染料;ペイント;つや出し剤;天然樹脂;接着剤;他に分類されない組成物;他に分類されない材料の応用)
要約【課題】 充填した硬化性シーリング材のスリップが有効に防止しうる、目地形成の際に用いるプライマー組成物を提供する。
【解決手段】 このプライマー組成物は、皮膜形成性樹脂とシリコーン系界面活性剤と揮発性有機溶剤とを含有する。皮膜形成性樹脂としては、アクリル骨格よりなる主鎖の末端及び/又は側鎖に加水分解性シリル基を有するアクリル樹脂が用いられる。シリコーン系界面活性剤としては、ポリエーテル変性ジメチルポリシロキサンやアミノ変性ジメチルポリシロキサンが用いられる。揮発性有機溶剤としては、酢酸プロピルが用いられる。シリコーン系界面活性剤の含有量は、皮膜形成性樹脂100質量部に対して0.01~5質量部である。揮発性有機溶剤の含有量は、皮膜形成性樹脂100質量部に対して100~800質量部である。
【選択図】 なし
特許請求の範囲【請求項1】
皮膜形成性樹脂、
オルガノポリシロキサン基よりなる疎水基と、ポリエーテル基、水酸基、メルカプト基及びアミノ基よりなる群から選ばれた基を含有する親水基とを有するシリコーン系界面活性剤、並びに
揮発性有機溶剤
を含有するプライマー組成物。
続きを表示(約 600 文字)【請求項2】
皮膜形成性樹脂100質量部に対して、シリコーン系界面活性剤0.01~5質量部及び揮発性有機溶剤100~800質量部を含有する請求項1記載のプライマー組成物。
【請求項3】
皮膜形成性樹脂が硬化性樹脂である請求項1記載のプライマー組成物。
【請求項4】
硬化性樹脂が、アクリル骨格よりなる主鎖の末端及び/又は側鎖に加水分解性シリル基を有するアクリル樹脂である請求項3記載のプライマー組成物。
【請求項5】
さらに、加水分解性シリル基と、アミノ基、エポキシ基及びビニル基よりなる群から選ばれた反応性官能基とを有するシランカップリング剤が含有されてなる請求項4記載のプライマー組成物。
【請求項6】
硬化性樹脂100質量部に対して、シランカップリング剤5~200質量部を含有する請求項5記載のプライマー組成物。
【請求項7】
硬化性樹脂が2個以上のイソシアネート基を有するポリイソシアネート化合物である請求項3記載のプライマー組成物。
【請求項8】
目地壁に、請求項1記載のプライマー組成物を塗布し、皮膜形成性樹脂で皮膜を形成すると共に揮発性有機溶剤を揮発させ、厚さ1~50μmのプライマー層を形成した後、該プライマー層上に硬化性シーリング材を充填することを特徴とする目地の形成方法。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、建築物や構築物等の目地を形成する際に用いるプライマー組成物に関し、目地を形成する際に用いる硬化性シーリング材のスリップ現象を有効に防止しうるプライマー組成物に関するものである。
続きを表示(約 2,300 文字)【背景技術】
【0002】
従来より、防水等を目的として、外壁材間の隙間に硬化性シーリング材を充填し、目地を形成することが行われている。硬化性シーリング材は充填時にはペースト状であって、その後、徐々に硬化して弾性体となり、目地が完成する。しかるに、ペースト状から弾性体となる段階で、硬化性シーリング材が自重でスリップを起こして滑り落ち、目地上部に弾性体の存在しない欠損箇所が生じることがあった。
【0003】
このため、硬化性シーリング材にシリコーン系界面活性剤を含有させ、スリップを防止することが行われている(特許文献1)。しかしながら、未だ十分にスリップを防止できないという憾みがあった。
【0004】
特開2000-204348号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明の課題は、硬化性シーリング材にシリコーン系界面活性剤を含有させた場合に比べて、よりスリップを起こしにくい目地形成に用いるプライマー組成物を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明者は、スリップを起こしにくい目地形成に関する研究を行っていたところ、硬化性シーリング材にシリコーン系界面活性剤を含有させるよりも、揮発性有機溶剤を含有するプライマー組成物にシリコーン系界面活性剤を含有させる方が、顕著なスリップ防止性を発揮することを発見した。本発明は、かかる知見に基づくものである。すなわち、本発明は、皮膜形成性樹脂、オルガノポリシロキサン基よりなる疎水基と、ポリエーテル基、水酸基、メルカプト基及びアミノ基よりなる群から選ばれた基を含有する親水基とを有するシリコーン系界面活性剤、並びに揮発性有機溶剤を含有するプライマー組成物に関するものである。
【0007】
本発明で用いる皮膜形成性樹脂としては、プライマー層となる皮膜を形成しうる樹脂であれば、従来公知のものを採用しうる。たとえば、アクリル樹脂やウレタン樹脂を用いることができる。特に、皮膜形成性樹脂として、硬化性アクリル系樹脂や硬化性ウレタン系樹脂等の硬化性樹脂を用いるのが好ましい。硬化性樹脂を硬化させたプライマー層は、高強度であり耐候性にも優れるからである。硬化性アクリル系樹脂としては、アクリル骨格よりなる主鎖の末端及び/又は側鎖に加水分解性シリル基を有するアクリル樹脂(以下、「アクリルシリコン樹脂」という。)であるのが好ましい。アクリルシリコン樹脂は、大気中の湿分により、加水分解性シリル基が結合し硬化する。また、硬化性ウレタン系樹脂としては、主として2個以上のイソシアネート基を有するポリイソシアネート化合物であるのが好ましい。かかる硬化性ウレタン系樹脂も、大気中の湿分により、分子内のNCO基が結合し硬化する。
【0008】
本発明で用いるシリコーン系界面活性剤は、オルガノポリシロキサン基よりなる疎水基と、ポリエーテル基、水酸基、メルカプト基及びアミノ基よりなる群から選ばれた基を含有する親水基とを有するものである。すなわち、Si(珪素)とO(酸素)とが交互に結合されてなるシロキサン結合を主骨格とし、主鎖・側鎖や末端にポリエーテル基、水酸基、メルカプト基及びアミノ基よりなる群から選ばれた親水基が導入されてなるものである。かかるシリコーン系界面活性剤は、アミノ変性シリコーンオイル、メルカプト変性シリコーンオイル、ポリエーテル変性シリコーンオイル、水酸基を有するポリエーテル変性ポリジメチルシロキサン又はアクリル基を有するポリエーテル変性ポリジメチルシロキサンとして市販されている。
【0009】
本発明で用いる揮発性有機溶剤は、常温で揮発する有機溶剤であれば、従来公知のものを採用しうる。具体的には、酢酸エチル、酢酸プロピル又は酢酸ブチル等が用いられる。揮発性有機溶剤を含有するプライマー組成物を用いてプライマー層を形成すると、皮膜形成性樹脂で皮膜が形成されると共に揮発性有機溶剤は表面から揮発し、シリコーン系界面活性剤がプライマー層表面に移行しやすくなり、スリップ防止効果が発現しやすくなるものと考えられる。プライマー組成物中における揮発性有機溶剤の含有量は50~95質量%であるのが好ましく、さらに60~90質量%であるのがより好ましく、特に65~85質量%であるのが最も好ましい。
【0010】
本発明で用いるシリコーン系界面活性剤は、皮膜形成性樹脂100質量部に対して0.01~5質量部配合されているのが好ましい。また、揮発性有機溶剤は、皮膜形成性樹脂100質量部に対して100~800質量部配合されているのが好ましい。また、皮膜形成性樹脂として硬化性樹脂を用いた場合、プライマー組成物中に、シランカップリング剤や触媒が含有されているのが好ましい。たとえば、アクリルシリコン樹脂を用いた場合、加水分解性シリル基と、アミノ基、エポキシ基及びビニル基よりなる群から選ばれた反応性官能基とを有するシランカップリング剤を含有させておくのが好ましい。シランカップリング剤は、硬化性樹脂100質量部に対して5~200質量部を含有させておくのが好ましい。さらに、硬化触媒を含有させておくのが好ましい。これにより、アクリルシリコン樹脂の硬化が進行しやすくなる。また、硬化性ウレタン樹脂を用いた場合、シランカップリング剤や硬化触媒を含有させておくのが好ましい。なお、皮膜形成性樹脂が非硬化性樹脂である場合も、シランカップリング剤や硬化触媒を含有させておくのが好ましい。
(【0011】以降は省略されています)

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