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公開番号2025042889
公報種別公開特許公報(A)
公開日2025-03-28
出願番号2023150078
出願日2023-09-15
発明の名称設備
出願人TOTO株式会社
代理人個人,個人,個人,個人
主分類C09K 3/00 20060101AFI20250321BHJP(染料;ペイント;つや出し剤;天然樹脂;接着剤;他に分類されない組成物;他に分類されない材料の応用)
要約【課題】 部材表面への汚れの付着または部材表面における汚れの成長を抑制することにより、長期に亘り部材表面をきれいな状態に維持することができる設備の提供。
【解決手段】 水道水が改質されてなる改質水を吐出する機構と、前記改質水がかかる表面を有する部材とを備える設備であって、前記部材は、その表面の一部または全部に特定のベタイン構造を含む表面層を備えることを特徴とする、設備。
【選択図】図1


特許請求の範囲【請求項1】
水道水が改質されてなる改質水を吐出する機構と、
前記改質水がかかる表面を有する部材と
を備える設備であって、
前記部材は、その表面の一部または全部に、下記式(A1):
TIFF
2025042889000037.tif
28
170
で表される構造を含む、摺動耐久性を有する表面層を備え、
式(A1)において、


は、-COO-、-CONH-、-(CH



-(mは自然数である)のいずれか1つを含み、


は、HまたはCH

であり、


は、下記式(B1)または下記式(B2)で表される官能基であり、
TIFF
2025042889000038.tif
12
170
TIFF
2025042889000039.tif
25
170
式(B1)において、


およびR

は、それぞれ独立して、-(CH



-(lは1~10の自然数である)で表される炭化水素基であり、


およびR

は、それぞれ独立して、必須成分としてCおよびHを、任意成分としてOを含み、かつ、NおよびSを含まない基であり、
式(B2)において、


およびR

は、それぞれ独立して、-(CH



-(lは1~10の自然数である)で表される炭化水素基であり、


、R
10
、R
11
は、それぞれ独立して、必須成分としてCおよびHを、任意成分としてOを含み、かつ、NおよびSを含まない基である
ことを特徴とする、設備。
続きを表示(約 470 文字)【請求項2】
前記表面層の表面をX線光電子分光法(XPS)測定することによって得られる


に帰属されるN原子の濃度が0.3%以上2.8%以下であり、
S原子の濃度、P原子の濃度、またはS原子の濃度とP原子の濃度の合計が0.3%以上であり、かつ
Si原子の濃度が1.0%以下であり、
前記表面層の表面から深さ1μmの地点までの領域をX線光電子分光法(XPS)測定することにより得られるSi原子の濃度が1.0%以下である、請求項1に記載の設備。
【請求項3】
前記表面層の表面に対する水の静的接触角が35°以下である、請求項2に記載の設備。
【請求項4】
前記改質水は殺菌水または脱イオン水である、請求項1~3のいずれか一項に記載の設備。
【請求項5】
前記改質水は電解水である、請求項4に記載の設備。
【請求項6】
前記機構は、前記改質水を吐出する吐出部と、電解水を生成する装置とを備えてなる、請求項5に記載の設備。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、設備に関する。具体的には、汚れの付着または成長を抑制可能な設備に関する。
続きを表示(約 2,000 文字)【背景技術】
【0002】
浴室やトイレ、洗面台、キッチンなどの水を用いる設備において、該設備を構成する部材の表面には、使用の際に、様々な汚れを含んだ水がかかり、乾燥することが繰り返される。このような設備においては、水に含まれた汚れは、部材表面に析出し、さらに使用を繰り返すことによって表面で蓄積・成長し、視認できる汚れとして表面に顕在化したり、不快なにおいが発生したりする。このため、定期的な清掃による汚れの除去が必要であり、使用者にとって負担となっている。
【0003】
部材表面にかかる水に含まれる汚れには、洗浄行為、排せつ行為、調理等、設備の使用に伴って生じる、タンパク質(皮膚片や分泌物、毛髪、排泄物など)、脂質(皮脂や食材、調味料などに由来)、石鹸等の洗剤成分や、使用する水に含まれるケイ酸イオン(SiO

2-
)、カルシウムイオン(Ca
2+
)、硫酸イオン(SO

2-
)などのイオン成分、およびこれらが互いに反応して生成した化合物など、様々なものがある。このような汚れを含んだ水が部材表面を流れて排水される過程で、汚れの一部が表面に残留することがある。残留した汚れは、さらなる汚れ付着の起点となり、汚れ同士の相互作用により表面で蓄積・成長する。さらに、水まわり環境では、微生物がこれらの汚れを栄養源として増殖し、あるいはこれらの汚れが微生物の増殖に好適な環境となることで微生物が増殖し、不快な微生物汚れとして表面に視認されるようになる。
【0004】
文献:古賀,増永:浴室材料表面における汚れ濃度の実態把握と真菌増殖への寄与,室内環境,第24巻1号,2018年(Koga et al., Indoor Environment, Vol.21, No.1, pp9-18, 2018)(非特許文献1)には、経年使用した家庭の浴室を構成する各部材表面の汚れを分析した結果、前述した複数の汚れ成分が検出され、中でもケラチンタンパク、トリグリセリド(皮脂成分)、脂肪酸Naの構成比が90%と高く、また浴室の主要なカビであるCladsporium sp.の増殖においてケラチンタンパク、トリグリセリド(皮脂成分)が栄養源となることが示されている。
【0005】
一方、このような微生物の増殖の際には、微生物の生体作用によって粘着性の有機物が生成され、前述の様々な汚れと一体化して強固に表面に付着するようになる。この粘着性の有機物はまた、さらなる汚れの残留起点となり、微生物の増殖を促進する。
このように、水に含まれる汚れと微生物は相互に作用しながら部材表面に残留し、増殖するため、初期においては軽微な汚れであっても、継続的使用および微生物の増殖を経て、強固な汚れとして表面で成長する。
【0006】
浴室やトイレ、洗面台、キッチンなどの水を用いる設備での微生物の増殖を抑制するために、微生物の増殖を抑制することができるように改質した水を吐出させることが提案されている。特開平9-220273号公報(特許文献1)には、細菌に起因する浴室の壁および床の汚れを防止するために、塩素イオン含有水を電気分解することにより生成された遊離塩素含有水を浴室の壁および床に散布する方法および装置について開示されている。
【0007】
一方、前記の遊離塩素含有水などの化学的抗菌技術においては、有機物等の存在が有効成分(遊離塩素)の本来の能力(抗菌力)を低下させる場合がある。例えば遊離塩素含有水やオゾン水は、有機成分との結合により抗菌効果が減弱することが知られている。また、部材の表面を汚れ成分が覆っている場合など、部材の表面に直接有効成分が接することが困難または不可能な場合においては、汚れと部材表面の間で微生物汚染が発生してしまうことがある。
【0008】
したがって、部材表面での微生物汚染の発生、すなわち微生物の増殖を抑制するためには、有効成分が部材の表面に直接触れるようにすることが肝要である。
【0009】
かかる課題を解決するために、特開2019-092841号公報(特許文献2)には、皮脂汚れに隠れた洗い場床の表面に電解水を接触させやすい浴室が開示されている。特許文献2によれば、親水かつ一定の撥油性のある洗い場床表面の水平方向に対して、0°以上16°以下の着水角度で電解水を着水させることで、電解水を皮脂汚れと床表面との間に潜り込ませることができるため、皮脂汚れが付着する浴室環境で電解水の作用を有効に発揮できるとされている。
【0010】
また、部材の表面への汚れの付着を抑制し、また付着した汚れの清掃性を向上させるため、部材の表面を改質する技術が提案されている。
(【0011】以降は省略されています)

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