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公開番号
2024157234
公報種別
公開特許公報(A)
公開日
2024-11-07
出願番号
2023071476
出願日
2023-04-25
発明の名称
生物由来顔料
出願人
個人
代理人
個人
,
個人
,
個人
,
個人
,
個人
主分類
C09B
67/20 20060101AFI20241030BHJP(染料;ペイント;つや出し剤;天然樹脂;接着剤;他に分類されない組成物;他に分類されない材料の応用)
要約
【課題】生物由来顔料を提供すること。
【解決手段】一つの態様において、本開示は、生物由来顔料の製造方法を提供し、この方法は、(1)生物由来の染液を用意する工程と、(2)染液にアルカリ剤を添加して、アルカリ溶液を得る工程と、(3)アルカリ溶液に媒染剤を添加する工程と、(4)工程(3)で得られたアルカリ溶液に酸性剤を添加して、酸性溶液を得る工程と、(5)酸性溶液において沈殿物を生成するのに十分な時間、酸性溶液をインキュベートする工程と、(6)沈殿物を回収して顔料を調製する工程とを含む。
【選択図】なし
特許請求の範囲
【請求項1】
生物由来顔料の製造方法であって、
(1)前記生物由来の染液を用意する工程と、
(2)前記染液にアルカリ剤を添加して、アルカリ溶液を得る工程と、
(3)前記アルカリ溶液に媒染剤を添加する工程と、
(4)工程(3)で得られたアルカリ溶液に酸性剤を添加して、酸性溶液を得る工程と、
(5)前記酸性溶液において沈殿物を生成するのに十分な時間、前記酸性溶液をインキュベートする工程と、
(6)前記沈殿物を回収して顔料を調製する工程と
を含む、方法。
続きを表示(約 470 文字)
【請求項2】
前記アルカリ溶液のpHが9以上である、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記アルカリ溶液のpHが10以上である、請求項1に記載の方法。
【請求項4】
前記酸性溶液のpHが5以下である、請求項1に記載の方法。
【請求項5】
前記酸性溶液のpHが4以下である、請求項1に記載の方法。
【請求項6】
前記アルカリ溶液のpHと前記酸性溶液のpHとの間の差が、5以上である、請求項1に記載の方法。
【請求項7】
前記アルカリ溶液のpHと前記酸性溶液のpHとの間の差が、6以上である、請求項1に記載の方法。
【請求項8】
工程(5)が、40℃以上でインキュベートすることを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項9】
工程(5)が、70℃以下でインキュベートすることを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項10】
前記媒染剤がミョウバンである、請求項1に記載の方法。
(【請求項11】以降は省略されています)
発明の詳細な説明
【技術分野】
【0001】
本開示は、生物由来の染液から顔料を得る方法および得られた顔料に関する。
続きを表示(約 3,100 文字)
【背景技術】
【0002】
布などの染色において、植物を煮だして得た染液を使用する草木染めの手法が知られている。草木染めは、水に溶解した色素を布などに定着させる方法である。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0003】
本発明者らは、草木染めの手法の検討において生じた沈殿が顔料として好適に使用できることを予想外に見出した。この知見に基づき、本開示は、新たな顔料およびその調製方法を提供する。
【0004】
したがって、本発明は以下を提供する。
(項目1)
生物由来顔料の製造方法であって、
(1)前記生物由来の染液を用意する工程と、
(2)前記染液にアルカリ剤を添加して、アルカリ溶液を得る工程と、
(3)前記アルカリ溶液に媒染剤を添加する工程と、
(4)工程(3)で得られたアルカリ溶液に酸性剤を添加して、酸性溶液を得る工程と、
(5)前記酸性溶液において沈殿物を生成するのに十分な時間、前記酸性溶液をインキュベートする工程と、
(6)前記沈殿物を回収して顔料を調製する工程と
を含む、方法。
(項目2)
前記アルカリ溶液のpHが9以上である、上記項目のいずれかの方法。
(項目3)
前記アルカリ溶液のpHが10以上である、上記項目のいずれかの方法。
(項目4)
前記酸性溶液のpHが5以下である、上記項目のいずれかの方法。
(項目5)
前記酸性溶液のpHが4以下である、上記項目のいずれかの方法。
(項目6)
前記アルカリ溶液のpHと前記酸性溶液のpHとの間の差が、5以上である、上記項目のいずれかの方法。
(項目7)
前記アルカリ溶液のpHと前記酸性溶液のpHとの間の差が、6以上である、上記項目のいずれかの方法。
(項目8)
工程(5)が、40℃以上でインキュベートすることを含む、上記項目のいずれかの方法。
(項目9)
工程(5)が、70℃以下でインキュベートすることを含む、上記項目のいずれかの方法。
(項目10)
前記媒染剤がミョウバンである、上記項目のいずれかの方法。
(項目11)
工程(3)が、前記媒染剤を、前記アルカリ溶液1Lあたり約1~10gの量で添加することを含む、上記項目のいずれかの方法。
(項目12)
前記アルカリ剤が、炭酸カリウム水溶液、灰汁、ソーダ灰、および重曹からなる群から選択される、上記項目のいずれかの方法。
(項目13)
前記酸性剤が、酢酸、クエン酸、乳酸、およびリン酸からなる群から選択される、上記項目のいずれかの方法。
(項目14)
前記媒染剤が、木酢酸鉄液又は酢酸銅を含む、上記項目のいずれかの方法。
(項目15)
前記生物が、アカネ、アカメガシワ、アケビ、アラカシ、アンズ、イタドリ、イタヤカエデ、イチイ、ウコン、ウメ、ウワミズザクラ、エビズル、エンジュ、オウレン、オオバヒルギ、オオマツヨイグサ、オニグルミ、オヒルギ、カシワ、カツラ、カナムグラ、ガマズミ、カマツカ、カリヤス、カリン、ガンビール、ギシギシ、キショウブ、グイマツ、チョウセンゴヨウマツ、アカエゾマツ、クルミ、キハダ、キブシ、クチナシ、クズ、クヌギ、クマシデ、クマノミズキ、クララ、クリ、クワ、ケヤキ、ゲンノショウコ、コゴメウツギ、コナラ、コバノガマズミ、コブナグサ、ザクロ、サザンカ、サトザクラ、サフラン、サボテン、サワフタギ、サンシュユ、シモツケ、シャリンバイ、シラカバ、シロバナセンダングサ、スオウ、スギ、ススキ、ズミ、セイタカアワダチソウ、センダン、センダングサ、ソヨゴ、ダイオウ、タチバナモドキ、タブノキ、タマネギ、チャノキ、チョウジ、ツバキ、テイカカズラ、テマリバナ、トリノキ、ナツメ、ナンキンハゼ、ナンテン、ニッケイ、ニワウルシ、ヌルデ、ネムノキ、ハゼノキ、ハナカイドウ、ハマナシ、ハンノキ、ヒイラギナンテン、ヒメムカシヨモギ、ビヨウヤナギ、ビルマネム、ビンロウジュ、フジ、フヨウ、ピラカンサス、ペグノキ、ベニノキ、ボケ、マンジュギク、ミカイドウ、ミズキ、ムクノキ、ムツバアカネ、ムラサキ、モッコク、モモ、ヤエヤマアオキ、ヤシャブシ、ヤブデマリ、ヤブマオ、ヤマウルシ、ヤマザクラ、ヤマハギ、ヤマハゼ、ヤマハンノキ、ヤマボウシ、ヤマモモ、ユスラウメ、ヨモギ、リョウブ、レンゲツツジ、ロッグウッド、およびコチニールからなる群から選択される、上記項目のいずれかの方法。
(項目16)
工程(6)の後にさらに前記顔料を加熱乾燥する工程を含む、上記項目のいずれかの方法。
(項目17)
上記項目のいずれかの方法により調製された、顔料。
【0005】
本発明において、上記の1つまたは複数の特徴は、明示された組み合わせに加え、さらに組み合わせて提供され得ることが意図される。本発明のなおさらなる実施形態および利点は、必要に応じて以下の詳細な説明を読んで理解すれば、当業者に認識される。
【発明の効果】
【0006】
本開示は、新たな生物由来の顔料を提供することで、生物資源の利用および天然成分の顔料の提供を可能にする。
【図面の簡単な説明】
【0007】
図1は耐光試験の結果を示す。(1)茜、(2)椿(黄色)、(3)サザンカ・鉄、または(4)車輪梅から取得した顔料をそれぞれの綿布片に適用して調製した試験片について、露光処理の有無を比較した結果である。
図2は摩擦堅牢度試験の結果を示す。車輪梅から取得した顔料を綿布片に適用して調製した試験片について、乾燥状態および湿潤状態で摩擦による顔料の脱落を試験した結果である。
図3は水堅牢度試験の結果を示す。車輪梅から取得した顔料を綿布片に適用して調製した試験片について、水による顔料の滲みを試験した結果である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
以下、本発明を最良の形態を示しながら説明する。本明細書の全体にわたり、単数形の表現は、特に言及しない限り、その複数形の概念をも含むことが理解されるべきである。従って、単数形の冠詞(例えば、英語の場合は「a」、「an」、「the」など)は、特に言及しない限り、その複数形の概念をも含むことが理解されるべきである。また、本明細書において使用される用語は、特に言及しない限り、当該分野で通常用いられる意味で用いられることが理解されるべきである。したがって、他に定義されない限り、本明細書中で使用される全ての専門用語および科学技術用語は、本発明の属する分野の当業者によって一般的に理解されるのと同じ意味を有する。矛盾する場合、本明細書(定義を含めて)が優先する。
【0009】
(定義)
以下に本明細書において特に使用される用語の定義および/または基本的技術内容を適宜説明する。
【0010】
本明細書において、「染液」とは、少なくとも一部の色素が溶解している液体を指す。本開示において、染液は、通常植物または昆虫から得られたものであり、例えば、色素を含む植物(または根、葉、茎、幹などその部分)または昆虫を水(必要に応じてpH調整剤を含む)で煮出すことで調製され得る。
(【0011】以降は省略されています)
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