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公開番号
2025002502
公報種別
公開特許公報(A)
公開日
2025-01-09
出願番号
2023102726
出願日
2023-06-22
発明の名称
土質材料の固化方法
出願人
国立大学法人九州大学
代理人
個人
主分類
C09K
17/50 20060101AFI20241226BHJP(染料;ペイント;つや出し剤;天然樹脂;接着剤;他に分類されない組成物;他に分類されない材料の応用)
要約
【課題】 土質材料を効果的に固化させる方法を提供すること。
【解決手段】 カゼイン、カルシウムイオン、炭酸イオン、尿素、及びウレアーゼを含む固化剤を調製する固化剤調製工程と、前記固化剤を土質材料に接触させて土質材料を固化する土質材料固化工程と、を有することを特徴とする土質材料の固化方法である。
【選択図】図5
特許請求の範囲
【請求項1】
カゼイン、カルシウムイオン、炭酸イオン、尿素、及びウレアーゼを含む固化剤を調製する固化剤調製工程と、
前記固化剤を土質材料に接触させて土質材料を固化する土質材料固化工程と、
を有することを特徴とする土質材料を固化する方法。
続きを表示(約 870 文字)
【請求項2】
カゼイン、カルシウムイオン、炭酸イオン、尿素、及びウレアーゼを含む固化剤を調製する固化剤調製工程と、
前記固化剤を土質材料に接触させて土質材料を固化する土質材料固化工程と、
を有することを特徴とする固化土質材料を製造する方法。
【請求項3】
前記固化剤のカゼイン及びカルシウムイオンがミセルを形成していることを特徴とする請求項1又は2記載の方法。
【請求項4】
前記固化剤調製工程が、
カゼイン、炭酸イオン、及びウレアーゼを含有する溶液Aと、尿素を含有する溶液Bと、カルシウム塩を含有する溶液Cとを混合して、前記固化剤を調製することを特徴とする請求項1又は2記載の方法。
【請求項5】
前記溶液Aが、カゼイン及び尿素を含む培地で培養したウレアーゼ産生菌の培養液を含有することを特徴とする請求項4記載の方法。
【請求項6】
前記溶液Cのカルシウム塩が、塩化カルシウム、酢酸カルシウム又は硝酸カルシウムであることを特徴とする請求項4記載の方法。
【請求項7】
前記土質材料固化工程が、
前記固化剤と土質材料とを混合して、土質材料スラリーを調製する土質材料スラリー調製工程と、
前記土質材料スラリーを所定の場所に投入する土質材料スラリー投入工程と、
を有することを特徴とする請求項1記載の方法。
【請求項8】
前記土質材料固化工程が、
前記固化剤を地盤中に注入する固化剤注入工程を有することを特徴とする請求項1記載の方法。
【請求項9】
前記土質材料固化工程において、前記固化剤が炭酸カルシウムのバテライト結晶を生成して土質材料を固化することを特徴とする請求項1又は2記載の方法。
【請求項10】
カゼイン、カルシウムイオン、炭酸イオン、尿素、及びウレアーゼを含むことを特徴とする土質材料固化剤。
(【請求項11】以降は省略されています)
発明の詳細な説明
【技術分野】
【0001】
本発明は、砂等の土質材料を固める方法、固化土質材料を製造する方法、及び土質材料を固める土質材料固化剤に関する。
続きを表示(約 2,100 文字)
【背景技術】
【0002】
近年、沿岸整備では、砂丘の景観や貴重な動植物の保護に配慮して、防潮堤として設けられたCSG(Cemented Sand and Gravel)を盛土や盛砂で覆い法面とすることが行われている。しかしながら、この防潮堤の法面をそのままの状態にしておくと、風などによって盛土や盛砂が侵食され、また、飛砂が発生し、周辺住環境に影響を与えることが問題となっている。また、海岸の砂丘や砂浜が波などで削られて形成された浜崖の浸食が進行しており、海岸線の後退が懸念されている。これらの問題を解決するため、土壌の改質方法や土質材料の固化方法が提案されている。
【0003】
このような方法としては、例えば、ウレアーゼの水溶液である第1溶液と、尿素及びカルシウム塩の水溶液である第2溶液とをそれぞれ地盤中に注入し、或いは上記第1溶液と上記第2溶液とを混合した直後にこれを地盤中に注入することを特徴とする土壌改良方法が提案されている(特許文献1参照)。
しかしながら、この方法は、固化強度等の点で必ずしも満足がいくものではなかった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
特許第5599032号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明の課題は、土質材料を効果的に固化させる方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明者らは、上記課題を解決すべく鋭意検討した結果、カゼイン及びカルシウムイオンのミセルを含む溶液と土質材料とが混合された状態で、ミセル中のカルシウムイオンと炭酸イオンとが反応することにより、土質材料を連結するように炭酸カルシウムが析出して、土質材料を強固に固化できることを見いだし、本発明を完成するに至った。
【0007】
すなわち、本発明は、以下のとおりのものである。
[1] カゼイン、カルシウムイオン、炭酸イオン、尿素、及びウレアーゼを含む固化剤を調製する固化剤調製工程と、前記固化剤を土質材料に接触させて土質材料を固化する土質材料固化工程と、を有することを特徴とする土質材料を固化する方法。
[2] カゼイン、カルシウムイオン、炭酸イオン、尿素、及びウレアーゼを含む固化剤を調製する固化剤調製工程と、前記固化剤を土質材料に接触させて土質材料を固化する土質材料固化工程と、を有することを特徴とする固化土質材料を製造する方法。
【0008】
[3] 前記固化剤のカゼイン及びカルシウムイオンがミセルを形成していることを特徴とする上記[1]又は[2]記載の方法。
[4] 前記固化剤調製工程が、カゼイン、炭酸イオン、及びウレアーゼを含有する溶液Aと、尿素を含有する溶液Bと、カルシウム塩を含有する溶液Cとを混合して、前記固化剤を調製することを特徴とする上記[1]~[3]のいずれか記載の方法。
[5] 前記溶液Aが、カゼイン及び尿素を含む培地で培養したウレアーゼ産生菌の培養液を含有することを特徴とする上記[4]記載の方法。
[6] 前記溶液Cのカルシウム塩が、塩化カルシウム、酢酸カルシウム又は硝酸カルシウムであることを特徴とする上記[4]又は[5]記載の方法。。
【0009】
[7] 前記土質材料固化工程が、前記固化剤と土質材料とを混合して、土質材料スラリーを調製する土質材料スラリー調製工程と、前記土質材料スラリーを所定の場所に投入する土質材料スラリー投入工程と、を有することを特徴とする上記[1]~[6]のいずれか記載の方法。
[8] 前記土質材料固化工程が、前記固化剤を地盤中に注入する固化剤注入工程を有することを特徴とする請求項[1]~[6]のいずれか記載の方法。
[9] 前記土質材料固化工程において、前記固化剤が炭酸カルシウムのバテライト結晶を生成して土質材料を固化することを特徴とする上記[1]~[8]のいずれか記載の方法。
【0010】
[10] カゼイン、カルシウムイオン、炭酸イオン、尿素、及びウレアーゼを含むことを特徴とする土質材料固化剤。
[11] 前記カゼイン及びカルシウムイオンがミセルを形成していることを特徴とする上記[10]記載の土質材料固化剤。
[12] カゼイン、炭酸イオン及びウレアーゼを含有する溶液Aと、尿素を含有する溶液Bと、カルシウム塩を含有する溶液Cとを備えたことを特徴とする上記[10]又は[11]記載の土質材料固化剤。
[13] 前記溶液Aが、カゼイン及び尿素を含む培地で培養したウレアーゼ産生菌の培養液を含有することを特徴とする上記[12]記載の土質材料固化剤。
[14] 前記溶液Cのカルシウム塩が、塩化カルシウム、酢酸カルシウム又は硝酸カルシウムであることを特徴とする上記[12]又は[13]記載の土質材料の土質材料固化剤。
【発明の効果】
(【0011】以降は省略されています)
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