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公開番号
2025044371
公報種別
公開特許公報(A)
公開日
2025-04-02
出願番号
2023151901
出願日
2023-09-20
発明の名称
有機エレクトロルミネッセンス素子、その設計方法およびプログラム
出願人
国立大学法人九州大学
代理人
弁理士法人特許事務所サイクス
主分類
H10K
50/12 20230101AFI20250326BHJP()
要約
【課題】遅延蛍光材料を発光のアシストドーパントとして用いる系で生じるクエンチングを抑制して、発光効率が高く、動作安定性に優れた有機エレクトロルミネッセンス素子を提供すること。
【解決手段】一対の電極間に、少なくとも発光層とスペーサー層と電子輸送層とを順に積層した構造を有しており、発光層が、第1の遅延蛍光材料、前記第1の遅延蛍光材料よりもLUMOのエネルギーが低い第2の遅延蛍光材料、および発光材料を含んでおり、なおかつ、第1の遅延蛍光材料の最低励起一重項エネルギーより第2の遅延蛍光材料の最低励起一重項エネルギーが低く、第2の遅延蛍光材料の最低励起一重項エネルギーより発光材料の最低励起一重項エネルギーが低く、スペーサー層が、電子輸送材料および第2の遅延蛍光材料よりもLUMOのエネルギーが高いホスト材料と、発光層の発光材料と同じ発光材料とを含んでいる、有機エレクトロルミネッセンス素子。
【選択図】なし
特許請求の範囲
【請求項1】
一対の電極間に、少なくとも発光層とスペーサー層と電子輸送層とを順に積層した構造を有する有機エレクトロルミネッセンス素子であって、
前記発光層が、第1の遅延蛍光材料、前記第1の遅延蛍光材料よりもLUMOのエネルギーが低い第2の遅延蛍光材料、および発光材料を含んでおり、なおかつ、前記第1の遅延蛍光材料の最低励起一重項エネルギーより前記第2の遅延蛍光材料の最低励起一重項エネルギーが低く、前記第2の遅延蛍光材料の最低励起一重項エネルギーより前記発光材料の最低励起一重項エネルギーが低く、
前記電子輸送層が電子輸送材料で構成されており、
前記スペーサー層が、前記電子輸送材料や前記第2の遅延蛍光材料よりもLUMOのエネルギーが高いホスト材料と、前記発光材料とを含んでいる、
有機エレクトロルミネッセンス素子。
続きを表示(約 860 文字)
【請求項2】
前記発光層に含まれる前記第1の遅延蛍光材料と前記スペーサー層に含まれる前記ホスト材料のLUMOのエネルギーの差が0~0.3eVの範囲内にある、請求項1に記載の有機エレクトロルミネッセンス素子。
【請求項3】
前記第1の遅延蛍光材料と前記ホスト材料が同じ化合物である、請求項2に記載の有機エレクトロルミネッセンス素子。
【請求項4】
前記スペーサー層が前記ホスト材料と前記発光材料のみからなる、請求項1に記載の有機エレクトロルミネッセンス素子。
【請求項5】
前記ホスト材料のLUMOのエネルギーが、前記電子輸送材料のLUMOのエネルギーよりも、その差が0.5eV以下となる範囲内で高い、請求項1に記載の有機エレクトロルミネッセンス素子。
【請求項6】
前記発光層が電子障壁層と接するように形成されており、前記電子障壁層を構成する電子障壁材料のHOMOのエネルギーよりも前記第1の遅延蛍光材料のHOMOのエネルギーが高い、請求項1に記載の有機エレクトロルミネッセンス素子。
【請求項7】
前記電子障壁材料のHOMOのエネルギーよりも前記第1の遅延蛍光材料のHOMOのエネルギーが、その差が0.5eV以下となる範囲内で高い、請求項1に記載の有機エレクトロルミネッセンス素子。
【請求項8】
前記第1の遅延蛍光材料のHOMOのエネルギーとLUMOのエネルギーの差が1.6~4.0eVの範囲内にある、請求項1に記載の有機エレクトロルミネッセンス素子。
【請求項9】
前記スペーサー層の厚みが0μm超0.015μm以下の範囲内である、請求項1に記載の有機エレクトロルミネッセンス素子。
【請求項10】
前記発光層における前記第2の遅延蛍光材料の濃度が50重量%以下である、請求項1~9のいずれか1項に記載の有機エレクトロルミネッセンス素子。
(【請求項11】以降は省略されています)
発明の詳細な説明
【技術分野】
【0001】
本発明は、遅延蛍光材料を発光のアシストドーパントとして用いる有機エレクトロルミネッセンス素子、その設計方法、および、その設計方法を実施するためのプログラムに関する。
続きを表示(約 3,500 文字)
【背景技術】
【0002】
有機エレクトロルミネッセンス素子の発光効率や動作安定性を高める研究が盛んに行われている。その中には、発光層の電流励起で生じる励起三重項状態を制御することにより、発光効率や動作安定性を改善しようとする研究も見受けられる。
すなわち、有機エレクトロルミネッセンス素子の電流励起では、スピン統計則に従って励起一重項状態と励起三重項状態が25:75の確率で生じるため、高い発光効率を得るには、励起三重項状態のエネルギーを発光に有効利用する必要がある。しかし、励起三重項状態から基底一重項状態への放射遷移は本来禁制遷移であるため、通常の蛍光材料では、励起三重項状態は寿命が長く、その間に熱を放出して無輻射失活してしまう。そのため、25%相当分の励起一重項エネルギーしか発光に利用されず、発光効率に理論上の限界がある。また、長寿命の励起三重項状態が蓄積して励起子-励起子消滅による損失を起こすことにより、動作が不安定になるという問題もある。こうしたことから、有機エレクトロルミネッセンス素子の発光効率と動作安定性を改善するには、励起三重項状態を制御することが重要になる。
このような点から、例えば、非特許文献1には、ホスト材料と遅延蛍光材料と発光材料の3成分を発光層に含む有機エレクトロルミネッセンス素子が提案されている。ここで、遅延蛍光材料は、励起三重項状態から励起一重項状態への逆項間交差を起こすことが可能であって、ホスト材料と発光材料の中間の最低励起一重項エネルギーを有する有機化合物である。こうした発光層では、遅延蛍光材料で生じた励起三重項状態や、ホスト材料から遅延蛍光材料へのエネルギー移動で生じた励起三重項状態が、遅延蛍光材料での逆項間交差により励起一重項状態へと遷移して発光材料に移動し、発光材料の蛍光発光に有効利用される。また、こうしたプロセスにより励起三重項状態の蓄積も抑えられ、発光効率と動作安定性が共に改善されることになる。このように、ここでの遅延蛍光材料は発光材料の蛍光発光をアシストする役割を担っていることから「アシストドーパント」と称されている。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0003】
Uoyama et al.,Nature 492, 234-238 (2012).
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記のように、遅延蛍光材料を発光のアシストドーパントとして用いることにより、発光効率と動作安定性を改善した有機エレクトロルミネッセンス素子が提案されている。しかし、本発明者らが、この有機エレクトロルミネッセンス素子の発光特性を詳細に検討したところ、電圧の立ち上がりでクエンチングが生じており、こうしたクエンチングが発光効率と動作安定性を損なう要因になっていることが判明した。
【0005】
そこで本発明者らは、このような従来技術の課題を解決するために、遅延蛍光材料を発光のアシストドーパントとして用いながら、発光効率が高く、動作安定性に優れた有機エレクトロルミネッセンス素子を提供することを目的として検討を進めた。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記の課題を解決するために鋭意検討を行った結果、本発明者らは、ホスト用の遅延蛍光材料、アシストドーパント用の遅延蛍光材料および発光材料を発光層の成分として用い、その発光層と電子輸送層の間に、発光材料とホスト材料を含むスペーサー層を配置してホスト材料のLUMO準位を規定することにより、クエンチングが軽減されて、発光効率と動作安定性が向上することを見出した。本発明はこうした知見に基づいて提案されたものであり、具体的に以下の構成を有する。
【0007】
[1] 一対の電極間に、少なくとも発光層とスペーサー層と電子輸送層とを順に積層した構造を有する有機エレクトロルミネッセンス素子であって、前記発光層が、第1の遅延蛍光材料、前記第1の遅延蛍光材料よりもLUMOのエネルギーが低い第2の遅延蛍光材料、および発光材料を含んでおり、なおかつ、前記第1の遅延蛍光材料の最低励起一重項エネルギーより前記第2の遅延蛍光材料の最低励起一重項エネルギーが低く、前記第2の遅延蛍光材料の最低励起一重項エネルギーより前記発光材料の最低励起一重項エネルギーが低く、前記電子輸送層が電子輸送材料で構成されており、前記スペーサー層が、前記電子輸送材料や前記第2の遅延蛍光材料よりもLUMOのエネルギーが高いホスト材料と、前記発光材料と同じ発光材料とを含んでいる、有機エレクトロルミネッセンス素子。
[2] 前記発光層に含まれる前記第1の遅延蛍光材料と前記スペーサー層に含まれる前記ホスト材料のLUMOのエネルギーの差が0~0.3eVの範囲内にある、[1]に記載の有機エレクトロルミネッセンス素子。
[3] 前記第1の遅延蛍光材料と前記ホスト材料が同じ化合物である、[1]または[2]に記載の有機エレクトロルミネッセンス素子。
[4] 前記スペーサー層が前記ホスト材料と前記発光材料のみからなる、[1]~[3]のいずれか1項に記載の有機エレクトロルミネッセンス素子。
[5] 前記ホスト材料のLUMOのエネルギーが、前記電子輸送材料のLUMOのエネルギーよりも、その差が0.5eV以下となる範囲内で高い、[1]~[4]のいずれか1項に記載の有機エレクトロルミネッセンス素子。
[6] 前記発光層が電子障壁層と接するように形成されており、前記電子障壁層を構成する電子障壁材料のHOMOのエネルギーよりも前記第1の遅延蛍光材料のHOMOのエネルギーが高い、[1]~[5]のいずれか1項に記載の有機エレクトロルミネッセンス素子。
[7] 前記電子障壁材料のHOMOのエネルギーよりも前記第1の遅延蛍光材料のHOMOのエネルギーが、その差が0.5eV以下となる範囲内で高い、[1]~[6]のいずれか1項に記載の有機エレクトロルミネッセンス素子。
[8] 前記第1の遅延蛍光材料のHOMOのエネルギーとLUMOのエネルギーの差が1.6~4.0eVの範囲内にある、[1]~[7]のいずれか1項に記載の有機エレクトロルミネッセンス素子。
[9] 前記スペーサー層の厚みが0μm超0.015μm以下の範囲内である、[1]~[8]のいずれか1項に記載の有機エレクトロルミネッセンス素子。
[10] 前記発光層における前記第2の遅延蛍光材料の濃度が50重量%以下である、[1]~[9]のいずれか1項に記載の有機エレクトロルミネッセンス素子。
【0008】
[11] 一対の電極間に、少なくとも発光層とスペーサー層と電子輸送層とを順に積層した構造を有する有機エレクトロルミネッセンス素子の設計方法であって、
[1]以下の条件(1)および(2)を満たす第1の遅延蛍光材料、第2の遅延蛍光材料および発光材料の組み合わせを選択し、これらの材料を用いて発光層を設計する工程と
(1)第1の遅延蛍光材料のLUMOのエネルギーよりも、第2の遅延蛍光材料のLUM
Oのエネルギーが低い。
(2)第1の遅延蛍光材料の最低励起一重項エネルギーより第2の遅延蛍光材料の最低励
起一重項エネルギーが低く、第2の遅延蛍光材料の最低励起一重項エネルギーより
発光材料の最低励起一重項エネルギーが低い。
[2]電子輸送材料と、その電子輸送材料および前記第2の遅延蛍光材料よりもLUMOのエネルギーが高いホスト材料を選択し、前記電子輸送材料を用いて前記電子輸送層を設計し、前記ホスト材料と前記発光材料を用いてスペーサー層を設計する工程と
を含むことを特徴とする、有機エレクトロルミネッセンス素子の設計方法。
【0009】
[12] [11]に記載の設計方法を実施するためのプログラム。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、遅延蛍光材料を発光のアシストドーパントとして用いる系で生じるクエンチングが軽減されて、発光効率が高く、動作安定性に優れた有機エレクトロルミネッセンス素子を実現することができる。
【図面の簡単な説明】
(【0011】以降は省略されています)
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