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公開番号2025009979
公報種別公開特許公報(A)
公開日2025-01-20
出願番号2024103142
出願日2024-06-26
発明の名称カカオハスク由来の天然氷結晶制御剤
出願人個人
代理人
主分類C09K 3/00 20060101AFI20250109BHJP(染料;ペイント;つや出し剤;天然樹脂;接着剤;他に分類されない組成物;他に分類されない材料の応用)
要約【課題】食品分野、特に冷凍加工食品において、冷凍時の氷結晶の巨大化が起因する品質劣化に対して抑制する機能を利用することによってこれまでに解決できなかった食品にも応用できる。さらに、冷凍食品分野以外の様々な分野でも応用が可能であり、安全性及び生産性の面で優れた過冷却促進活性(抗氷核活性)、氷再結晶化抑制活性(RI活性)、熱ヒステレシス活性を含む氷結晶制御剤を提供すること。
【解決手段】カカオハスク熱水抽出エキスを含有する氷結晶制御剤。
【選択図】図1

特許請求の範囲【請求項1】
カカオハスク抽出物より得られる氷結晶制御剤。
続きを表示(約 510 文字)【請求項2】
過冷却促進活性、氷再結晶化抑制活性又は熱ヒステレシス活性のいずれか1種を含む剤である、請求項1に記載の氷結晶制御剤。
【請求項3】
過冷却促進活性、氷再結晶化抑制活性又は熱ヒステレシス活性のいずれか2種以上を含む剤である、請求項1に記載の氷結晶制御剤。
【請求項4】
常圧下で熱水抽出によって調製される剤である、請求項1から請求項3のいずれかに記載の氷結晶制御剤。
【請求項5】
熱水抽出されたエキスで分子量10,000以上及び100,000以下の成分が活性物質である、請求項4に記載の氷結晶制御剤。
【請求項6】
熱水抽出されたエキスで分子量10,000以下の成分が活性物質である、請求項4に記載の氷結晶化抑制剤。
【請求項7】
熱水抽出されたエキスで分子量3,000以下の成分が活性物質である、請求項4に記載の氷結晶化抑制剤。
【請求項8】
請求項4から7のいずれかに記載の活性物質のうち、過冷却促進活性及び氷再結晶化抑制活性を有する活性物質がタンパク質もしくはペプチドである氷結晶制御剤。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、過冷却促進活性及び氷再結晶化抑制活性を有する天然氷結晶制御剤に関する。より詳しくは、カカオハスクから抽出されたエキスに含有する天然氷結晶化抑制剤で、分子量10,000以上である。
続きを表示(約 2,600 文字)【背景技術】
【0002】
一般に、水は融点(0℃)以下の温度で凝固(氷核形成)するが、異物が全く含まれていない純水は-39℃まで凝固(氷核形成)しない。このように、融点以下の温度まで冷却しても水が凝固(氷核形成)しない現象は過冷却現象と呼ばれている。氷核の形成を抑制した場合、過冷却状態が拡大され(促進状態)、未凍結状態が維持される。この過冷却現象を解除するのは、水中の異物が核となり氷核を形成する(不均質核形成)ことによって起きる時である。
【0003】
一旦、異物が氷核となり氷核形成を起きて、その時に発生した潜熱によって、0℃付近まで水の温度が上昇し、その異物で形成された微小な氷結晶が成長することによって、水全体が氷に変化し、凍結状態になる。この氷核が形成し、微小な氷結晶になるときに水溶液中に溶けている活性成分が氷結晶に結合し、氷結晶の成長を抑制し、氷結晶成長温度を低下させたり(熱ヒステレシス活性)、さらに凍結時における氷再結晶化を抑制できる天然物質は、不凍タンパク質(非特許文献1、2、特許文献1、2、3)や不凍多糖(非特許文献3、特許文献4)がある。
【0004】
この氷再結晶化抑制活性を有する不凍タンパク質は、魚、植物由来の不凍タンパク質や昆虫由来の不凍ペプチド等がよく研究されている。食品分野では、カイワレ大根由来の不凍タンパク質(特許文献5)があり、非遺伝子組換え技術による不凍タンパク質の実用化により冷凍食品が製造販売された。しかしながら、不凍タンパク質は一般的に低温生物由来であり、低温下に晒さないと遺伝子発現し、生物内に蓄積されない。そのため、これまでに非低温生物より同様の活性を有する活性成分の報告はほとんどない。
【0005】
氷再結晶化抑制活性を有する代表的な天然物質としての不凍タンパク質としての機能としては、タンパク質自身が氷結晶に結合することによって、氷結晶の成長を完全に抑止し、それによって0℃における氷結晶が成長する温度を低下させる能力(熱ヒステレシス活性)と、冷凍の長期保存における氷再結晶化を抑制する氷結晶抑制活性の2つの機能がある(非特許文献4)。この後者の機能が、冷凍食品の長期保存における品質劣化の抑制することに重要な活性である。
【0006】
過冷却促進物質として知られている物質は、例えば、香辛料成分のオイゲンポール(非特許文献4)、台湾檜の成分であるヒノキチオールー鉄(非特許文献5)、針葉樹であるカツラの細胞内に存在するケンフェロール‐7-グルコシド(非特許文献6)等の低分子化合物、Acinetobacter calcoaceticus由来のタンパク質(非特許文献7)、Bacillus thuringien sis由来の多糖(非特許文献8)等の高分子化合物が報告されている。しかし、これら抗氷核活性物質は、水に含まれる氷核活性による過冷却点の上昇を低下させる機能が高く、ヨウ化銀等の氷核活性を示す異物による過冷却点の上昇を低下させることは、細菌に比べて活性が低く、加えて、これら化合物は、安全性や生産性、価格性の問題から、食品分野や化成品分野での利用が困難となっている。
【0007】
本発明者は、食品分野での利用を考慮して種々の検討した結果、餡粕エキスに含まれる低分子ペプチド(特許文献6)、日本酒エキスの抽出物(特許文献7)、コーヒー豆から抽出された芳香族炭化水素構造とカルボキシル基を有する化合物(特許文献8)、グルコースとグリシンの反応したメラノイジン(特許文献9)、アミノ酸であるチロシンのトリペプチド(特許文献10)、核酸であるアデニンの重合体(特許文献11)等を利用する過冷却促進物質を提案している。
【0008】
カカオハスクは、カカオ豆の外皮で、カカオ豆を焙煎・粉砕した時にカカオニブとカカオハスクに分けられ、カカオニブはチョコレートや商品の素材に、カカオハスクは一般的に廃棄されている。カカオ豆にはカカオポリフェノールが含まれており、主に、エピカテキン、カテキンとプロシアニジン(カテキンとエピカテキンはいくつか結合した化合物)からなり、これらはフラバール(フラバン‐3-オール)と呼ばれている。これらカカオポリフェノールは、摂取した場合、3つの効果、血圧降下、動脈硬化予防、老化防止などが期待できる。
【0009】
カカオハスク中から抽出された天然物の一つとして、熱水抽出された水溶性多糖がある(特許文献12,13)。100~130℃の高温下、pH6.5以下の弱酸性下で熱水抽出したカカオハスクの抽出エキスは、様々な機能を示し、蛋白の等電点以上の酸性pH域において蛋白質を分散安定化し、調製した食品に適度の粘度を与える、従来の安定剤 とは異なる特徴的な機能を有する。この機能を利用することにより、従来なかった酸性 蛋白食品を製造することが可能となった。更に、製造された酸性蛋白食品は、レトルト殺菌などの高温加熱をしても、安定な状態を保持できる機能を付与できる。 本発明におけるカカオハスク由来の水溶性食物繊維を日持ち向上剤として食品に添加すると、少量の添加量で十分な日持ち向上効果を示し良好な保存性を示している(特許文献12,13)。
【0010】
カカオハスク成分にはカカオ豆由来の多くのポリフェノール関連化合物が存在している。そのうち、フラバール(フラバン‐3-オール)は、水が凍結する際に形成される氷核形成温度を遅らせる作用である過冷却促進活性を示すことが報告されている(特許文献14,15)。その活性には、カテキン型タンニンの構造を持つ化合物が関与している(分子量834以下)。さらに、カカオ成分中には、プリン塩基と構造が似たアルカロイドの一種であるテオブロミン(分子量180)は、アデニン、カフェインなどのプリン塩基類であり、これらプリン塩基が過冷却促進活性を有していることも明らかにされている(特許文献11)。これら活性しかしならが、カカオハスクの熱水抽出エキスが氷再結晶化抑制活性や昇華抑制活性があることは、今まで知られていない。さらに、過冷却促進活性を有する分子量10,000以上の成分についての報告も皆無である。
【先行技術文献】
【特許文献】
(【0011】以降は省略されています)

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