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公開番号2024165985
公報種別公開特許公報(A)
公開日2024-11-28
出願番号2023082635
出願日2023-05-18
発明の名称巻物の張設接着方法
出願人コニシ株式会社
代理人個人
主分類C09J 5/00 20060101AFI20241121BHJP(染料;ペイント;つや出し剤;天然樹脂;接着剤;他に分類されない組成物;他に分類されない材料の応用)
要約【課題】 巻物を巻き戻し裁断した裁断物を加熱及び加圧しなくても、裁断物の巻き癖による対象物への接着不良が生じにくい接着方法を提供する。
【解決手段】 不織布又は合成樹脂製シートの巻物を巻き戻し、裁断して裁断物を得る。この裁断物を対象物に対して張設する。対象物の角で裁断物を曲げ、この曲げた端部を一液型マスチック接着剤で接着する。この一液型マスチック接着剤は、粘度が600~1200Pa・sと高粘度であり、またB型粘度計の回転速度による粘度比が高く、高粘性である。したがって、対象物の角で曲げた裁断物に強い巻き癖があっても、この端部は対象物に沿って接着され、接着初期において端部が対象物から剥がれにくい。
【選択図】 図1
特許請求の範囲【請求項1】
巻物を巻き戻し裁断して得られた裁断物を、対象物に対して張設接着する方法であって、少なくとも該裁断物の端部を一液型マスチック接着剤を用いて該対象物に対し接着する方法であり、該一液型マスチック接着剤は、変成シリコーン樹脂又はウレタン樹脂を主成分とするものであり、下記の粘度及び粘性を有するものであることを特徴とする巻物の張設接着方法。
粘度:温度23℃で湿度50%の環境下において、B型粘度計を用い10r/minの条件で測定したときの粘度が600~1200Pa・sであること。
粘性:温度23℃で湿度50%の環境下において、B型粘度計を用い10r/minの条件で測定したときの粘度に対する、温度23℃で湿度50%の環境下において、B型粘度計を用い1r/minの条件で測定したときの粘度の比が6~8であること。
続きを表示(約 570 文字)【請求項2】
対象物が角を持ち、張設した裁断物を該角で折り曲げて、折り曲げた該裁断物の端部を接着する請求項1記載の巻物の張設接着方法。
【請求項3】
対象物が曲面を持ち、該曲面に沿って裁断物を張設し、該裁断物の端部を接着する請求項1記載の巻物の張設接着方法。
【請求項4】
巻物が、不織布又は合成樹脂製シートである請求項1記載の巻物の張設接着方法。
【請求項5】
土木工事又は建設工事で使用される請求項1記載の巻物の張設接着方法。
【請求項6】
請求項1記載の巻物の張設接着方法に用いる一液型マスチック接着剤であって、該一液型マスチック接着剤は、変成シリコーン樹脂又はウレタン樹脂を主成分とするものであり、下記の粘度及び粘性を有するものであることを特徴とする一液型マスチック接着剤。
粘度:温度23℃で湿度50%の環境下において、B型粘度計を用い10r/minの条件で測定したときの粘度が600~1200Pa・sであること。
粘性:温度23℃で湿度50%の環境下において、B型粘度計を用い10r/minの条件で測定したときの粘度に対する、温度23℃で湿度50%の環境下において、B型粘度計を用い1r/minの条件で測定したときの粘度の比が6~8であること。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、巻物の張設接着方法に関し、特に巻き癖の強い巻物の張設接着方法に関するものである。
続きを表示(約 2,600 文字)【背景技術】
【0002】
不織布、紙、編織物、合成樹脂製フィルム又は合成樹脂製シート等の長尺物は、巻物の形態で供給されている。そして、供給された巻物を巻き戻し所定の寸法に裁断し、対象物に対して張設し接着して、製品を製造したり、工事現場での施工が行われている。しかるに、巻物を巻き戻し所定の寸法に裁断した裁断物は、巻き方向に巻き癖が付いている。この巻き癖が付いている裁断物を対象物に張設し接着する場合、巻き癖を手で押さえ矯正しながら張設接着することになる。しかしながら、接着初期において、手を離すと巻き癖の付いている部分が浮いて、接着が剥がれてしまい接着不良を起こすということがあった。具体的に、図1に基づいて説明すると以下のとおりである。
【0003】
巻物を巻き戻し所定の寸法に裁断した裁断物1は、長さ方向(巻き方向)の両端において巻き癖が付いている。したがって、この裁断物1を対象物2の表面に張設接着しようとしても、対象物2の両端において、裁断物1が浮いている。このため、対象物2の角近傍又は裁断物1の端部に接着剤を塗布し、巻き癖の付いた裁断物1の端縁を手で押さえ、対象物2の角に沿うように矢印方向に矯正しながら、接着することになる。しかしながら、接着初期において、手を離すと、巻き癖の付いた方向に裁断物1の両端が浮き、接着が剥がれてしまい接着不良を起こすのである。これを防止するためには、巻き癖の付いた裁断物1の箇所を長時間手で押さえていなくてはならない。これでは、裁断物1を対象物2に張設接着する作業効率が悪いという欠点がある。
【0004】
このため、特許文献1記載の技術では、巻物を巻き戻した後、加熱及び加圧することにより、巻き癖を治す(取り除く)ことが行われている。しかしながら、かかる方法は、裁断物を対象物に対して張設接着する前に、新たな工程を必要とし、前述の場合と同様に作業効率が悪いという欠点があった。また、工事現場等で巻物を巻き戻し裁断して張設接着する場合は、加熱及び加圧工程が行いにくいという欠点があった。
【0005】
特開2011-79301号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明の課題は、巻物を巻き戻し裁断した巻き癖の付いた裁断物を対象物に張設接着する際、長時間手で押さえる必要はなく、また裁断物を加熱及び加圧しなくても、巻き癖による接着不良を起こしにくく、裁断物を速やかに対象物に張設接着しうる接着方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明は、対象物に対して裁断物を張設接着する際に用いる接着剤を工夫することにより、上記課題を解決したものである。すなわち、本発明は、巻物を巻き戻し裁断して得られた裁断物を、対象物に対して張設接着する方法であって、少なくとも該裁断物の端部を一液型マスチック接着剤を用いて該対象物に対し接着する方法であり、該一液型マスチック接着剤は、変成シリコーン樹脂又はウレタン樹脂を主成分とするものであり、下記の粘度及び粘性を有するものであることを特徴とする巻物の張設接着方法に関するものである。
粘度:温度23℃で湿度50%の環境下において、B型粘度計を用い10r/minの条件で測定したときの粘度が600~1200Pa・sであること。
粘性:温度23℃で湿度50%の環境下において、B型粘度計を用い10r/minの条件で測定したときの粘度に対する、温度23℃で湿度50%の環境下において、B型粘度計を用い1r/minの条件で測定したときの粘度の比が6~8であること。
【0008】
本発明に係る方法で用いる巻物は、不織布、紙、編織物、合成樹脂製フィルム又は合成樹脂製シート等の長尺物が長さ方向に巻回されてなるものである。特に、本発明は、巻き癖が付きやすい高剛性の不織布又は合成樹脂製シートよりなる巻物に好適に使用しうる方法である。高剛性のものほど巻き癖が付きやすく、また張設接着する際に、接着初期に巻き癖の付いた箇所が浮きやすいからである。巻き癖が付きやすい長尺物は、JIS L 1913 6.7.4で規定するガーレー法で測定して、3mN~150mN程度の剛軟度を持つものであり、本明細書ではこの程度の剛軟度を持つものを高剛性であると表現している。長尺物の幅は任意であるが、一般的に、50cm~2m程度である。また、長尺物の長さも任意であるが、一般的に、数十メートルから数百メートル程度であり、これが巻回されて巻物となる。
【0009】
本発明に係る方法では、まず、巻物を巻き戻し長尺物を所定の寸法に裁断して裁断物1を得る。裁断物1の寸法は任意であるが、土木工事や建築工事で使用する場合、長さが数メートルから数十メートルに至る。この裁断物1は、長尺物が高剛性であるので長尺方向に巻き癖が付きやすくなっている。そして、裁断物1の裏面に一液型マスチック接着剤を塗布して、対象物2に張設接着する。一液型マスチック接着剤は、裁断物1の少なくとも端部に塗布するが、端部を含む裏面全面に塗布してもよい。また、裁断物1に塗布せずに、対象物2に塗布してもよいし、裁断物1及び対象物2の両方に塗布してもよい。対象物2が角を持つものであれば、裁断物1を角に沿うように折り曲げて張設接着するのが好ましい。また、対象物2が曲面を持つものであれば、裁断物1が曲面に沿うようにして張設接着するのが好ましい。
【0010】
本発明の方法で使用する接着剤は、一液型マスチック接着剤である。一液タイプとしたのは、二液タイプであると接着時に混合攪拌の工程が必要となるが、一液タイプであると混合攪拌の工程は必要なく、作業効率が良いからである。かかる一液型マスチック接着剤は、変成シリコーン樹脂又はウレタン樹脂を主成分とするものである。変成シリコーン樹脂は従来公知のものであり、加水分解性ケイ素官能基を末端に有し、主鎖がポリオキシアルキレンエーテル系重合体及び/又はアクリル系重合体となっているものである。また、ウレタン樹脂も従来公知のものであり、ポリオールとポリイソシアネートとの反応によって得られたイソシアネート基を末端に有する重合体である。
(【0011】以降は省略されています)

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