TOP
|
特許
|
意匠
|
商標
特許ウォッチ
Twitter
他の特許を見る
公開番号
2025014435
公報種別
公開特許公報(A)
公開日
2025-01-30
出願番号
2023116983
出願日
2023-07-18
発明の名称
粘着シート
出願人
日東電工株式会社
代理人
個人
,
個人
,
個人
主分類
C09J
7/38 20180101AFI20250123BHJP(染料;ペイント;つや出し剤;天然樹脂;接着剤;他に分類されない組成物;他に分類されない材料の応用)
要約
【課題】有機溶剤に依存することなく、粘着剤層の投錨性のよい樹脂フィルム基材付き粘着シートを提供する。
【解決手段】樹脂フィルム基材と、下塗り層と、粘着剤層とをこの順で有する粘着シートが提供される。上記下塗り層は、上記樹脂フィルム基材の少なくとも一方の面に設けられていて、かつ上記粘着剤層と接している。また、上記粘着剤層は、ゴム系ラテックスと水性架橋剤とを含む粘着剤組成物から形成されている。上記水性架橋剤は、オキサゾリン基、イソシアネート基およびエポキシ基から選択される少なくとも1種の官能基を有する水性架橋剤を含む。そして、上記下塗り層は、オキサゾリン基を有する水分散型ポリマーを含む。
【選択図】図1
特許請求の範囲
【請求項1】
樹脂フィルム基材と、下塗り層と、粘着剤層とをこの順で有する粘着シートであって、
前記下塗り層は、前記樹脂フィルム基材の少なくとも一方の面に設けられており、かつ前記粘着剤層と接しており、
前記粘着剤層は、ゴム系ラテックスと水性架橋剤とを含む粘着剤組成物から形成されており、
前記水性架橋剤は、オキサゾリン基、イソシアネート基およびエポキシ基から選択される少なくとも1種の官能基を有する水性架橋剤を含み、
前記下塗り層は、オキサゾリン基を有する水分散型ポリマーを含む、粘着シート。
続きを表示(約 410 文字)
【請求項2】
前記樹脂フィルム基材はポリオレフィン系樹脂フィルム基材である、請求項1に記載の粘着シート。
【請求項3】
前記オキサゾリン基を有する水分散型ポリマーのガラス転移温度は0℃以下である、請求項1または2に記載の粘着シート。
【請求項4】
前記粘着剤層における前記水性架橋剤の含有量は、不揮発分基準で、前記ゴム系ラテックス100重量部に対して0.1重量部以上である、請求項1または2に記載の粘着シート。
【請求項5】
前記下塗り層の厚さは0.01μm以上3μm以下である、請求項1または2に記載の粘着シート。
【請求項6】
前記ゴム系ラテックスは、不揮発分基準で天然ゴムラテックスを50重量%以上の割合で含む、請求項1または2に記載の粘着シート。
【請求項7】
被着体の表面保護に用いられる、請求項1または2に記載の粘着シート。
発明の詳細な説明
【技術分野】
【0001】
本発明は、粘着シートに関する。
続きを表示(約 2,900 文字)
【背景技術】
【0002】
一般に粘着剤(感圧接着剤ともいう。以下同じ。)は、室温付近の温度域において柔らかい固体(粘弾性体)の状態を呈し、圧力により簡単に被着体に接着する性質を有する。かかる性質を活かして、粘着剤は、様々な分野において、例えば基材上に粘着剤層を有する粘着シートの形態で、接合や固定、表面保護、マスキング、標示等の目的で広く利用されている。この種の従来技術を開示する文献として、特許文献1が挙げられる。特許文献1には、ゴム系ラテックスを含有する水性粘着剤組成物から形成された粘着剤層をポリ塩化ビニルフィルムの片面に有する粘着シートが記載されている。
【0003】
基材上に粘着剤層を有する粘着シートとして、基材上に下塗り層を設けたものが利用されている。下塗り層を設けることにより、基材に対する粘着剤層の投錨性が向上し、粘着シートを被着体から除去する際に、粘着剤の残渣が該被着体表面に残る不具合(糊残り)の発生を抑制することができる。そのような下塗り層を開示する技術文献として、特許文献2~3が挙げられる。特許文献2は、ポリエチレンテレフタレートフィルムの片面にオキサゾリン基含有アクリル系ポリマーからなる下塗り層を形成し、その上にアクリル系粘着剤層を形成することが記載されている。特許文献3には、偏光フィルムとアクリル系粘着剤層との間に水溶性のオキサゾリン基含有アクリル系ポリマーからなる下塗り層を設けることが記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
特許第4676945号公報
特開2011-149002号公報
特許第4841267号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
近年、環境への配慮、脱石油資源の観点から、有機溶剤使用量の削減が求められている。かかる観点から、例えば、ゴム系粘着剤についても、粘着成分が有機溶剤に溶解した形態の溶剤型粘着剤組成物よりも、ゴム系ラテックスを含む水性粘着剤組成物の使用が望ましい。しかし、天然ゴムラテックス等のゴム系ラテックス含有粘着剤組成物から形成された粘着剤は、溶剤型粘着剤組成物から形成された粘着剤に比べて、樹脂フィルム基材に対する投錨性が不足しやすい傾向がある。特に、樹脂フィルム基材としてポリオレフィン系樹脂フィルムを用いる場合、ポリオレフィン系樹脂フィルムに対してゴム系ラテックス含有粘着剤組成物はより投錨しにくい傾向があり、粘着シートを被着体から除去する際に糊残りが生じるおそれがある。例えば、被着体の表面保護に用いられる粘着シートは、被着体表面に貼り付け、その保護目的を達成した後、通常、被着体から剥離(再剥離)される。かかる用途に用いられる粘着シートにおいて、基材に対する投錨性が十分でない場合、被着体からの再剥離時に糊残りが生じて被着体を汚染してしまうおそれがあり、望ましくない。また、粘着剤層の投錨性がよくない粘着シートは、リワーク(貼り直し)の際に被着体表面に糊残りが生じるおそれがある。なお、リワークとは、粘着シートを被着体に貼り付ける際に貼り損ねが生じた場合や貼付け箇所の位置ずれが生じた場合に、一旦被着体から剥がして貼り直すことをいう。さらに、粘着剤層の投錨性がよくないと、粘着シートを使用する際に意図せず粘着剤層同士が接触し、それを剥がそうとしたときに粘着剤層が基材から剥がれてしまうおそれがある。そのような場合、粘着シートは、もはや製品として使用できない。
【0006】
投錨性を高める手法としては、基材表面をコロナ放電処理等により改質する手法が知られている。しかし、コロナ放電処理は、ゴム系ラテックス含有粘着剤組成物に対しては期待した効果が得られない。また、有機溶剤を含む下塗り剤の使用は、脱有機溶剤化に逆行するものであり、ゴム系ラテックス含有粘着剤組成物を採用する意義を減殺してしまう。
【0007】
本発明は、上記の事情に鑑みて創出されたものであり、有機溶剤に依存することなく、ゴム系ラテックスを用いて形成した粘着剤層が、樹脂フィルム基材に対して良好に投錨した粘着シートを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
この明細書によると、樹脂フィルム基材と、下塗り層と、粘着剤層とをこの順で有する粘着シートが提供される。上記下塗り層は、上記樹脂フィルム基材の少なくとも一方の面に設けられていて、かつ上記粘着剤層と接している。また、上記粘着剤層は、ゴム系ラテックスと水性架橋剤とを含む粘着剤組成物から形成されている。上記水性架橋剤は、オキサゾリン基、イソシアネート基およびエポキシ基から選択される少なくとも1種の官能基を有する水性架橋剤を含む。そして、上記下塗り層は、オキサゾリン基を有する水分散型ポリマーを含む。
ゴム系ラテックスを含む粘着剤組成物に、特定の官能基を有する水性架橋剤とを配合して粘着剤層を形成し、かつ、オキサゾリン基を有する水分散型ポリマーを下塗り剤として使用することにより、樹脂フィルム基材に対する粘着剤層の投錨性を向上させることができる。上記の構成によると、有機溶剤に依存することなく、ゴム系ラテックスを用いて形成した粘着剤層が樹脂フィルムにしっかりと投錨した粘着シートが実現される。上記粘着シートは、有機溶剤を実質的に使用しないか、あるいは有機溶剤使用量が低減されており、環境衛生、脱石油資源の点で望ましい。
なお、この明細書において「投錨性」とは、基材と粘着剤層とが直接接触しているか否かにかかわらず、粘着剤層の基材からの剥がれにくさ、換言すると、粘着剤層と基材との間での破壊(投錨破壊)のしにくさ、をいうものとする。したがって、この明細書では、基材と粘着剤層との間に下塗り層が存在する構成に対しても、「基材に対する粘着剤層の投錨性」またはそれに相当する表現が用いられる。
【0009】
いくつかの好ましい態様において、上記樹脂フィルム基材はポリオレフィン系樹脂フィルム基材である。ゴム系ラテックス含有粘着剤組成物は、樹脂フィルム、特にポリオレフィン系樹脂フィルムに対して投錨性が得られにくいところ、ここに開示される技術によると、粘着剤層に特定の水性架橋剤を含ませ、かつオキサゾリン基を有する水分散型ポリマーを下塗り剤として使用することにより、粘着剤層をポリオレフィン系樹脂フィルム基材に対してしっかりと投錨させることができる。
【0010】
いくつかの好ましい態様において、上記オキサゾリン基を有する水分散型ポリマーのガラス転移温度(Tg)は0℃以下である。Tgが低いオキサゾリン基含有水分散型ポリマーを下塗り剤として使用することにより、優れた投錨性が得られやすい。
(【0011】以降は省略されています)
この特許をJ-PlatPatで参照する
関連特許
他の特許を見る