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公開番号2024147844
公報種別公開特許公報(A)
公開日2024-10-17
出願番号2021141614
出願日2021-08-31
発明の名称接着剤組成物
出願人住友精化株式会社
代理人個人,個人
主分類C09J 201/00 20060101AFI20241009BHJP(染料;ペイント;つや出し剤;天然樹脂;接着剤;他に分類されない組成物;他に分類されない材料の応用)
要約【課題】高い接着強度と凝集破壊率の向上が両立された接着剤組成物を提供する。
【解決手段】
成分(A)としての熱硬化性樹脂と、
成分(B)としての熱可塑性樹脂粒子と、
成分(C)としての硬化剤及び/又は成分(D)としての硬化促進剤と、
を含む接着剤組成物であって、
前記成分(B)は、JIS K7161の規定に準拠し、幅2mm、厚さ1mmに成形した7号ダンベル試験片の引張弾性率が、1GPa以下であり、かつ、前記試験片の応力-歪み曲線から求められる単位体積あたりの歪みエネルギーが、20000kJ/m3以上である熱可塑性樹脂粒子である、接着剤組成物。
【選択図】なし
特許請求の範囲【請求項1】
成分(A)としての熱硬化性樹脂と、
成分(B)としての熱可塑性樹脂粒子と、
成分(C)としての硬化剤及び/又は成分(D)としての硬化促進剤と、
を含む接着剤組成物であって、
前記成分(B)は、JIS K7161の規定に準拠し、幅2mm、厚さ1mmに成形した7号ダンベル試験片の引張弾性率が、1GPa以下であり、かつ、前記試験片の応力-歪み曲線から求められる単位体積あたりの歪みエネルギーが、20000kJ/m
3
以上である熱可塑性樹脂粒子である、接着剤組成物。
続きを表示(約 730 文字)【請求項2】
前記成分(A)が、エポキシ樹脂である、請求項1に記載の接着剤組成物。
【請求項3】
前記成分(A)の含有率が、前記成分(A)、成分(B)、成分(C)、及び成分(D)の合計量に対して、7~95質量%である、請求項1または2に記載の接着剤組成物。
【請求項4】
前記成分(B)の体積平均粒子径が、2~30μmである、請求項1~3のいずれか1項に記載の接着剤組成物。
【請求項5】
構造用材料、複合材料、電気・電子材料、基板材料、積層材料、コーティング材、および塗料のいずれかの接着用途に用いられる、請求項1~4いずれか1項に記載の接着剤組成物。
【請求項6】
請求項1~5のいずれか1項に記載の接着剤組成物の硬化物。
【請求項7】
請求項1~5のいずれか1項に記載の接着剤組成物を被接着対象物の表面に塗布、または注型する工程と、
前記接着剤組成物を硬化させる工程と、
を含む、接着層の製造方法。
【請求項8】
請求項1~5のいずれか1項に記載の接着剤組成物を被接着対象物の表面に塗布し、少なくとも2つの被接着対象物の間に前記接着剤組成物を配置する工程と、
前記接着剤組成物を硬化させる工程と、
を含む、少なくとも2つの被接着対象物が接着された積層体の製造方法。
【請求項9】
請求項1~5のいずれか1項に記載の接着剤組成物を少なくとも2つの被接着対象物の間に注型する工程と、
前記接着剤組成物を硬化させる工程と、
を含む、少なくとも2つの被接着対象物が接着された積層体の製造方法。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、接着剤組成物に関する。
続きを表示(約 2,500 文字)【背景技術】
【0002】
従来、自動車、電子材料などの各種工業分野において、各種の接着剤組成物が使用されている。工業分野で使用される接着剤組成物には、金属材料などの被接着対象物に対する高い接着力に加えて、安定した接着性能が求められる。安定した接着性能とは、具体的には、被接着対象物との接着において剥がれる外力の大きさのバラツキが小さく、接着層に加わる外力が、ある一定の大きさを超えるまでは被接着対象物が接着されており、当該大きさを超えると、接着されていた被接着対象物が剥がれる性能である。
【0003】
被接着対象物が剥がれる際の接着の破壊形態としては、界面破壊、凝集破壊、及びこれらの混合が知られており、外力による接着の破壊形態が凝集破壊であると、接着性能が安定したものになることが知られている(例えば特許文献1を参照)。一方、接着剤組成物が、被接着対象物に対する高い接着力を備えていても、接着の破壊形態が界面破壊であると、接着層と被接着対象物との界面で剥がれが生じる際の外力のバラツキが大きいため、接着性能が安定しないという問題がある。
【0004】
例えば、特許文献2には、エポキシ樹脂、硬化剤およびシリカにより被覆されているポリオレフィン系樹脂を含有する、エポキシ樹脂接着剤が開示されている。当該接着剤組成物は、低収縮性で、高い接着性を有するものの破壊形態の観点から、充分な性能が得られない。
【0005】
また、例えば、特許文献3には、接着性樹脂、コアシェルポリマー粒子、ポリマー粒子を含有する接着剤組成物が開示されている。これらは、数十~数百ナノサイズという特殊なコアシェルポリマー粒子と、コアシェルポリマー粒子より大きなポリマー粒子の2種を用いることで接着性能を向上させている等から、工業的な観点からも改良の余地がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
特開平5-295340号公報
特許第6526571号
国際公開第2019/189238号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明は、高い接着強度と凝集破壊率の向上が両立された接着剤組成物を提供することを主な目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明者らは、上記課題を解決するために鋭意検討した。その結果、熱硬化性樹脂と、熱可塑性樹脂粒子と、硬化剤および/または硬化促進剤を含む接着剤組成物において、熱可塑性樹脂粒子を成形したダンベル試験片の引張弾性率が1GPa以下であり、単位体積あたりの歪みエネルギーが20000kJ/m
3
以上であると、高い接着強度と、凝集破壊率の向上とが両立されることを見出した。本発明は、このような知見に基づき、さらに鋭意検討を重ねて完成した発明である。
【0009】
すなわち、本発明は、下記の構成を備える発明を提供する。
項1. 成分(A)としての熱硬化性樹脂と、
成分(B)としての熱可塑性樹脂粒子と、
成分(C)としての硬化剤及び/又は成分(D)としての硬化促進剤と、
を含む接着剤組成物であって、
前記成分(B)は、JIS K7161の規定に準拠し、幅2mm、厚さ1mmに成形した7号ダンベル試験片の引張弾性率が、1GPa以下であり、かつ、前記試験片の応力-歪み曲線から求められる単位体積あたりの歪みエネルギーが、20000kJ/m
3
以上である熱可塑性樹脂粒子である、接着剤組成物。
項2. 前記成分(A)が、エポキシ樹脂である、項1に記載の接着剤組成物。
項3. 前記成分(A)の含有率が、前記成分(A)、成分(B)、成分(C)、及び成分(D)の合計量に対して、7~95質量%である、項1または2に記載の接着剤組成物。
項4. 前記成分(B)の体積平均粒子径が、2~30μmである、項1~3のいずれか1項に記載の接着剤組成物。
項5. 構造用材料、複合材料、電気・電子材料、基板材料、積層材料、コーティング材、および塗料のいずれかの接着用途に用いられる、項1~4いずれか1項に記載の接着剤組成物。
項6. 項1~5のいずれか1項に記載の接着剤組成物の硬化物。
項7. 項1~5のいずれか1項に記載の接着剤組成物を被接着対象物の表面に塗布、または注型する工程と、
前記接着剤組成物を硬化させる工程と、
を含む、接着層の製造方法。
項8. 項1~5のいずれか1項に記載の接着剤組成物を被接着対象物の表面に塗布し、少なくとも2つの被接着対象物の間に前記接着剤組成物を配置する工程と、
前記接着剤組成物を硬化させる工程と、
を含む、少なくとも2つの被接着対象物が接着された積層体の製造方法。
項9. 項1~5のいずれか1項に記載の接着剤組成物を少なくとも2つの被接着対象物の間に注型する工程と、
前記接着剤組成物を硬化させる工程と、
を含む、少なくとも2つの被接着対象物が接着された積層体の製造方法。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、高い接着強度と凝集破壊率の向上が両立された接着剤組成物を提供することができる。本発明の接着剤組成物は、例えば、構造用材料、複合材料、電気・電子材料、基板材料、積層材料、コーティング材、塗料など、各種工業分野の接着剤組成物が使用されてきた接着用途に好適に使用することができる。特に、本発明の接着剤組成物は、鉄、ステンレス鋼、アルミニウム合金などの金属材料やエンジニアプラスチック、炭素繊維強化プラスチックのような樹脂材料を単一もしくは組合せにより構成された部材を被接着対象物とする接着剤組成物として、好適に使用することができる。
【図面の簡単な説明】
(【0011】以降は省略されています)

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